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だみおさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 
あの恋愛劇に単純に感化されたかのように誤解されるのがイヤで、なかなかシンプルに「いいよね」と言いづらい雰囲気がありますが、これまでで一番感動した作品です。『アビス』で完全にキャメロンの虜になり、予告を見る前から必見と決め、予告編では「あの絵のモデルは私よ」と言うおばあちゃんにワクワクし、劇場公開で期待以上の出来に大興奮しました。何度か見るうちに非常に冷めてしまったのは、斧で手錠を切るあまりに軽くラッキーなシーンくらいで、それ以外はとりたてて突っ込む気になりません。恋愛劇としては、かなりベタな話と思っていますが、この作品が問いかけて来る「安全に永く退屈に生きるか、安泰はなくも人生を楽しめているか」といった部分に心を動かされました。欲を言えば、子どもっぽく見えない骨太な男と、も少し線の細い女性を主人公に観てみたいと思いますが、主人公格に満足いかずとも、のめり込めるほど作品自体に力があるのだと思います。
[映画館(字幕)] 10点(2009-01-31 06:48:38)
22.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - 《ネタバレ》 
大きく揺れ動くものに接する人間の体の揺れが不自然ということ以外、何も不満がありません。戦闘シーンも人間描写も素晴しい。赤い炎の目のサーチライトはどんな怪物より不気味で、支配しようとするものの恐怖を巧く表現していると思います。プロジェクターで観てますが、劇場の大画面でこの作品を体験しなかったことを悔います。フロド役のイライジャ・ウッドはホビット役にはピッタリと思ったくらいで、これまで特別な印象もなかったのですが、本作のクライマックスの表情(目)の演技は大拍手を贈ります! 十分に余韻を味わえるエンディングも最高です。あのラストの何げない日常のささやかな幸福がいかに大切か、戻って来た緑に満ちた美しい映像が雄弁です。これを守るために長い旅があったことに思いふけります。ゴラムの意地悪い企みにも健気にがんばったサムに当然与えられるべきご褒美ですね。フロドも海を渡って新しい1ページを紡ぐのでしょう。久々に清々しい気持ちで満腹になれた作品です。
[DVD(吹替)] 10点(2008-12-27 02:45:57)
23.  予告犯 《ネタバレ》 
非常にスカッと楽しめました。完全芝居でゲイツが実は死んでなければ大拍手でしたが、そこまでは無理だったようで残念。仲間全員を(良い意味で)欺いておいて、どうやってあのビデオを撮ることができたのか? と思ってたら、ちゃんとそれもいい種明かしが後に出てきて、話作りがうまいなーと感心しました! 「あなたにはわからない」と言われた女が、どうわかる奴に変わっていくのかに大いに興味を抱いていたのですが、シンブンシ達の生い立ちや現在に至るまでを真剣に調べ始めるには、あと一押し強烈なキッカケが欲しかったなぁと思います。で、彼女の成長については、どうしても不満が残りました。「なんで助けを求めないのよ⁈」ってセリフがね、「結局あんたはわかってないじゃん」と感じてしまったのです。 そりゃ世の中悪い人ばかりじゃないけれど、助けに応じてくれる人に出会うまでに、いったいどれだけの数の裏切りや屈辱や落とし穴に耐えろっていうのか、それでも完璧に健全であり続けろというのか、わからないお前が「世の中は生きる価値がある」とか説得力ないわー。と、そこだけがどっと覚めてしまった部分でした。生活保護が必要な人だって、シブられてなかなか受けられなかったり、受けられても非難されたりナマポとバカにされたりな世の中なのに、無理な社会肯定観。ゲイツがヒョロに言った「お前が腎臓売ってまで来たかった国がこんなでごめんな」が、この映画での一番印象に残るセリフでした。物語のリアリティとして一つ大きく気になったのは、「さすがに仲間1人死んだら警察呼ばないの?」という点。違法な怪しい仕事っぽかったけど、だからって人死んでも黙ってるの? てのがねぇ。あと、欲を言えば「青酸カリだと信じ込んでるようだが実は違うんじゃね?」と思って見てしまうので、心中シーンは緊張しませんでした。魚か何かで試すような「本当に青酸カリです」と示す場面が欲しかったです。そういうわけで満点はつけられませんでしたが、ものすごく楽しめましたです!
[DVD(邦画)] 9点(2016-04-23 01:22:43)
24.  死刑台のメロディ 《ネタバレ》 
TSUTAYA発掘良品のおかげで観ることができました。感謝。  L・ジャフェ、L・サン=マルク 作の絵本(みたいなの)に『暴力から身をまもる本』というのがあるのですが、その中に「見たところ、そんなに暴力的に見えないが、生きていくのをさまたげるものがある(貧困、事故、病気など)」と書いてある部分があります。これを初めて読んだ時、目からウロコでした。このあたりの部分のことが、この映画のラストに力強く語られます。しかも、政治が死刑というシステムを利用して殺人という暴力を行使。冒頭から警察は制服を着た暴力組織。  1920〜1927年の出来事のようですが、観ていると今の日本を思わせる部分がけっこうあって怖くなります。もし社会的な状況にピンと来なくても、日本の映画『それでも僕はやってない』を観た人がそれを思い出すくらいの恐ろしさは理解できると思います。『それでも…』は痴漢冤罪の話で、その暴力を受けたのは一般市民という物語でしたが、日本の政治の裏側についてちょっとネットで調べると、政治に影響ある人物が痴漢冤罪で引きずり降ろされるというような話も出てきます。こちらの映画は政治的圧力として「死刑にして殺す」というもの。本当かどうかは別として、日本でも「あの死刑囚は実は冤罪で、その政治的裏背景は…」なんて噂もあったりします。この映画でロックフェラーの名が出てきたのにも「うひゃー!」と思いました。  僕は「アナーキスト(無政府主義)」というものには興味ないし、それで本当に人間社会がもっと良くなるのか疑問なので、死刑になった二人の主義にはさほど感じるものはないのですが、暴力的政治に殺されるにあたって、それでも未来に夢を託し続ける強い意思を描いた点を評価したく思いました。  アメリカの人種問題って『黒人差別』だけじゃなく、イタリア人もこんな酷い思いをしていたんだなと思いました。で、そういう人種問題のことを思うと、現在の日本に暮らす⚪︎⚪︎人たちのことも考えてしまうわけですが、そこは『宇宙人ワンさんとの遭遇』(こちらも同じイタリア産ながら人種や国家の問題へのベクトルは別方向)に見るような問題も含めて考えなきゃならないので、ホントに面倒です。  今の日本が置かれている状況を考えると、この映画を今見直す価値は大きいかと思います。たとえば人間を商材として扱う派遣の問題、それによって生じるワーキングプアと言われる人々、その一方でネットを使って詐欺まがいのことをしながら大きな不労所得をもぎ取っていく人たちがいたり、そんなあんまりな差異のなか「格差はあって当然」という理屈だけを植え付けるテレビ番組(それも日本人じゃない人々の息がかかってる)が飄々と存在していたりする事実について、考えてみるきっかけにはできるんじゃないでしょうか。  最近観た『瞳の奥の秘密』も加えて僕が考えたこと。死刑は廃止。死刑に値する重罪犯は一生「生き地獄」(殺人を抑止できる怖いリスクになるようなものを法で定める)。「生き地獄」は被害者または被害者遺族が与えても良い(どんな相手を怒らせたか、それも犯罪者のとった行動の責任)。冤罪であった場合は、誤判決に導いた者たちが一生をかけて冤罪者の幸福な生活を補償する(冤罪者のその後の人生、天国に出来るくらい目一杯)。冤罪者に自らの手で生き地獄を与えた被害者又は被害者遺族も罪に問われ冤罪者の人生を補償すると共に等価の生き地獄を受けなければならない(恨みで殺されるかも。だから復讐するなら慎重に考えて)。誤判決を下した最高責任者は冤罪者が刑を受けた期間「生き地獄」の刑、あるいは職務を継続して、その収入全てを冤罪者に支払う(自殺されたら国が冤罪者を補償)。…こんなリスク背負って他人の揉め事を裁いてくれる人いないですよね。でも人の生死や人生の質を決める責任者って、それくらいのリスク意識は持って確信の根拠をシッカリさせて責任持ってもらいたなぁ。少なくとも自らその職業を選んだ以上は!  しかしこの映画や『ニューオーリンズ・トライアル』で描かれるように、証言者や陪審員の言を様々な形の暴力で変えさせる問題もあれば、幼児虐待のように言葉や記憶に正確性が欠ける者が巻き込まれるケースもあるし、痴漢冤罪などでたまにある嘘つき女や勘違い女の歪んだ暴力もあるし、証拠捏造する人間(それも警察だったり)もいるし、言葉で人が死ぬことだってあるわけだし、そもそも戦争が地球から消えてないし、暴力という問題はまだまだ今もなお複雑に課題が山積みだと思います。それに気づかせてくれた映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2016-02-18 22:20:17)
25.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
すごく良かったです! コンピューターのハシリとなる物の、丸いパーツがズラリと並んでガシャガシャ動いてるレトロで重厚な感じと、無くした友の魂とそのマシンがリンクしていく展開に、ありがちな人工知能と友愛を描いたSFとは全く異なる品格を感じました。  イイ刑事さんとの間でやり取りされる話が、そこをうまく補強していて印象的。なんでか分からないけど、刑事さんとの尋問シーンは『アマデウス』のサリエリと牧師のシーンを思い出しました。  少年時代の描写で「あれ〜???」と思ってたら、やっぱりそうだったという、あの少年の演技は分かりやすくて良かったです。しかし、同性愛が犯罪だという現実が存在していたことには少し驚いた。  組織の中での命令系統に従えと言われて、その言葉を逆に利用しちゃう反撃ぷりや、今ならGoogleあたりがもっと進化した手口でやりそうな人材発掘の仕方、総スカンくらいそうな危うい状況を紅一点が救ったり、通信係の女性のお喋りが重要なヒントになったり、面白いエピソードがいっぱい詰まって話が進み、暗号解けた後にも次々とドラマは新たな展開。  組織の解散シーンも、なんだか007を観てるような気分がして、正体を知られずに世界を救うヒーローというものが、マーヴェルコミックの世界とかじゃなく、現実にあるということに、言葉にできない感情を抱きました。  主人公アランの報われなさは、単に彼がゲイだったからとか、そんな単純なものではないし、暗号が解読されたことを秘密にするという戦略も彼自身には損なことのはずだし、現在では「実は彼のおかげで命拾いできた人が沢山いるのです」ということは分かっても、では彼がいなかったら死んでいたであろう人は誰なのか、助かった誰もがそれを自覚できず、シンドラーみたいに直接感謝されたりはないわけですよねー、きっと…  で、結局は自作コンピュータに亡き友の面影を重ねながら「独りにはなりたくない」と言い、犯罪者扱いの中で薬漬けにされ最期は自殺。なんて可哀想なんだ。
[DVD(吹替)] 9点(2016-01-24 22:28:55)
26.  マエストロ! 《ネタバレ》 
アマチュアのフルートの女の子の出来過ぎた設定とか、ベタベタな演出とかいくつもあるのに、いろんなシーンでポロポロ泣けてしまいました。こういう体験ははじめてで「都合よすぎる設定でもベタでも冷めずに感動するって出来るんだ!」という不思議な発見が出来ました。TEDでコンサートの指揮についての講演があったのを思い出しました。いくつかの名指揮の映像を紹介してくれて、講演のラストに究極の指揮の映像が流されたのですが、それはもうほとんど指揮者は指揮棒を振っていないのです。楽団と指揮者の心持ちが一体化したような中で起きた奇跡のような表情と、その音楽に身を委ねる動き…。この映画を手がけた人達はもちろんそういうのを知っているはずで、この映画でも西田敏行の指揮はそういう感じに近い状況に出来上がってました。紆余曲折あってたどり着いたホールでの演奏で適当に締めくくられるのかと思っていたら演奏が始まって緊張させる展開。まんまとのせられました。で、2日目の展開で「さすがにそれはないわ!」と…あのホールをリハ含めて一日借りるのにどれだけのお金が必要か、昔そういうところに近い仕事経験あるので「その大金たった一人のためにどこから工面するの?!」という現実が覆いかぶさり「うわぁ、やっちゃったよぉ! これで一気に冷めて引いちゃう展開?」と危ぶみました。が、とりあえずまだ終わろうとしない物語を最後まで見守ろうとつきあううちに、会場費の現実をとりあえず気持ちの外に追い出せるくらい、この映画が伝えようとしているところがズーンと入ってきて、シラケることなく泣けてしまいました。この力技すご過ぎ。「きっとあの指揮者は会場費に何か解決策を持ってるんだ」とこちらで脳内補完してしまいました。もちろん、そういう風にしなくてもいいだけの話の持って行きようがあればあって欲しいですが「お前ら、人ひとりのためにどれだけ本気で全力で音楽(自分で選んだ仕事)やれるんだ?」「命かけてんのか?」みたいなところを訴えかけられてガツーンと来ました。演奏家の知り合い2人いますが、私生活をよく知るわけでもなく、立派な服着て演奏する楽団のひとりひとりの実生活についてもふと考えさせられました。
[DVD(邦画)] 9点(2015-10-09 19:16:06)
27.  リンカーン 《ネタバレ》 
見入るような面白い作られ方をしているかといえば、全く地味でオーソドックスな感じの映画だと思います。けれど、いくつかの登場人物たちから発せられる名セリフの数々が凄いなと、これほど人の発する言葉に魅了されたのは初めてかもしれません。歴史資料だけをもとに、これほどの印象的なセリフの数々が並べられるだろうか? これはきっと脚本家たちの並々ならぬ努力があったのではないかと…もし、そういうわけでもないならば、それらの言葉を現実に口にしたであろう歴史上の方々の生きる力の凄さといいますか、どう言っていいかわかりませんが、とにかく言葉が持ってる魂がパワフルなのです! 吹き替えで鑑賞しましたが、字幕でも観てみようと思います。吹き替えは、サリー・フィールドの声が「違うやろ~!」過ぎます。  「リンカーン知ってる知ってる、奴隷解放した人だよね」程度のバカ私に、この偉業を成し遂げるのにどれほどの難関と苦悩があり、どれほどの人々の努力と知恵と勇気が必要だったかを教え刻んでくれたこの映画を作ってくれたスピルバーグに感謝します。
[DVD(吹替)] 9点(2015-02-05 21:55:15)
28.  カラスの親指 《ネタバレ》 
ショージさんの演技を観てみたいなぁというそれだけの興味でレンタルしたのですが、予想以上に面白かったです。映画をいろいろ見慣れてると、読めてしまう展開は多いもので、この映画でも多くは予想したとおりの展開はいっぱいありました。けれどクライマックスではハラハラドキドキさせられましたし「え、え、どういう展開? これ芝居? マジ?」みたいに不安にさせられ、ついには「ま、マジかよ…!」と思わされてしまいました。いい感じに話は収束し、心地よく皆別れて「うーん、イイ話だったね」と家族と言い合っていたら、どっこいまだ終わっていませんでした! 軽いエピローグのオマケで締めくくるのかと思いきや、新しい謎が浮上。いやぁ、スゴく楽しめました‼︎ それから、ショージさん出演の映画をもっと観たいなと思いました。キャスティングした人ブラボーです! 姉の彼氏のキャラも良かったです。
[DVD(邦画)] 9点(2014-08-05 21:52:40)
29.  ももへの手紙 《ネタバレ》 
ひっさびさに良いアニメを見せて頂きました! ここでの多くの方の評価に少し驚きです。『トトロ』と比べるのはいくらなんでも乱暴かなと思います。とてもジブリっぽいとは思いましたが『トトロ』はないでしょう。テイストが違いすぎます。これは良かった頃のジブリの高畑さんの作品のノリに近いと思います。『耳をすませば』とか『おもひでぽろぽろ』とか…。そこにちょっと『もののけ姫』のこだまやディダラボッチが乱入してくる感じではありましたが。ジブリっぽいとは言いましたものの、最近ちっとも良くないジブリには、この作品を見習って欲しく思います。海外の児童書で『青空の向こう』というものがあり、姉と弟が言い争いの喧嘩をしたまま死に別れてしまうのですが、それを思い出しました。心にもないことを口にしてしまった後悔と、本当にどうしても伝えるべき気持ちを相手に伝えるエネルギーの話。妖怪たちとの別れの後、もう少し余韻に浸っていたい思いに気持ち良く寄り添ってくれて、いい感じにエピローグ。人と人が本当に心を通わせるには、自分の心を閉ざさず開いたり、受け入れてもらえるかどうか不安な相手の心に飛び込んだり、そういうのって、あの飛び込みのように勇気のいること。新しき友たちが輪になるなか、主人公の体が深く水に潜り込み浮かび上がるまでのラストシーンは、心象風景としてとても感動的でした。父親も飛び込めなかったんだよね娘の心に…だから「ももへ」の後を書けないままだった。人の心のなかに入るのって、人はそれを求めてもいるのだけれど、やっぱり怖いもんです。そこにいない人の気持ちを「あの人ならきっとこう言うはず」とかいうのは、それもありかもだけど、身勝手な人には自分に都合のいい想像だけを選択するなんてのもあるわけで、酷いことを言ったまま死に別れてしまった相手に「許してくれてるよ」なんて勝手に想像するなんて絶対嫌。自分を責め続けるのも嫌。だからもういない人について「あの人は多分今こう言ってる」的な表現にしないで、ちゃんと父からのメッセージを届けてくれた描き方は良かったです。それこそが作り話にこそできる癒しと思います。「ももへ」に書き戻された手紙に大笑いしました。その直後のメッセージなので「母と娘の勝手な想像」では片付けられないようにできています。でも別の便箋だし見えない文字だから、解釈に幅を持たせてありその辺が繊細で巧いと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2014-05-13 00:25:43)(良:2票)
30.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
3Dで観ました。カメラがはじめてサンドラに接近する頃には、ふわっと足が軽くなったような錯覚を覚え、こんなふうに体が反応していることに少しビックリ。撮影はヘルメットなしだったらしいけど、視点がヘルメットを通過して入り込んでくる映像で納得。なかなかいい具合にサンドラの立場になり切れます。ヒューマンなドラマ性はあまりなく、アクシデントの連続でたたみかけるアトラクション型ムービーでしたが、面白かったです! 不安感・危機感の伝達表現が上手いんでしょうか、心臓・血流を掻き乱されるほど体が反応していました。映画なんだから自分は安全圏で高みの見物と分かっているはずなのに、映画でこれほど体が強く反応したのは初めてです。 グラビティとは「重大なこと」「容易ならぬこと」「重力」「引力」のこと。1単語でこの映画の全てを的確に表しているタイトルなのに、なんで邦題に0をくっつけたんでしょう。もったいない。
[映画館(吹替)] 9点(2014-01-30 23:02:35)
31.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
僕はどうも香川さんという役者が苦手だッたんですが、この映画での彼は良かったです! これまでもう見飽きるようなブラックでワンパターンな演技ばかり見せられていた上に、『ゴールデン・スランバー』でも『半生直樹』でも堺雅人と対峙する役をやってきたので「また…?」みたいな気持ちもあったのですが、映画見てみたら、これまでとは違う香川さんを見られて「イイ役貰ったね~‼︎」と嬉しくなるほど良かったです。この作品は堺さん主演というより香川さんのために出来た映画と思えます。話は面白いし笑いもあり、これは友人知人に薦めたくなります。
[DVD(邦画)] 9点(2013-09-21 20:52:42)(良:1票)
32.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
ここでのレビューを読んでから観に行ったので、内容は無視して楽しむつもりでいました。話は確かに単純過ぎでドラマとしては長く記憶に留める価値を感じませんが、長く記憶に残る映像はあちこちにあります。僕はここでのレビューを見なければ、この映画を見てなかったと思います。『トランスフォーマー』と同じようなものと思っていたので…。この映画を見終わって、とても満足な気分に浸れました。この作品、ちょっと変わってるなと思ったのは、スター俳優が出てないこと。ちょっと前なら、ブルース・ウィリスとかウィル・スミスあたりがヒーロー主人公して、あとはそれを補強するばかりのキャラで賑わせて…という感じが多い中で、この作品は出演者それぞれがカッコイイ場面を持ってます。オタクキャラ二人にさえ。日本のアニメやいろいろに影響されてるんでしょうが、線が細くてどう見てもこの手のヒーローなど無理そうな日本のオバサン好みの男を使わなかったことは有難いです。ちゃんと骨を感じて安心感がありました。ロボットや怪獣を見上げる映像のアングルも巨大感や重量感がたっぷりで、何度も劇場に足を運ぶ人の気持ちが分かります。芦田愛菜ちゃんのハリウッド・デビューおめでとう。それから、ヘルボーイことバールマンがこんなにカッコイイ男に見えるとは、キャラデザうまい!
[映画館(字幕)] 9点(2013-09-12 23:35:07)(良:1票)
33.  THE WAVE ウェイヴ 《ネタバレ》 
完全に実話なわけじゃないようで、実際どう収束したのか知りたくなりました。独裁政治が成立する条件を挙げていくくだりで「高い失業率と社会不満」との言葉が出てきてちょっとヒンヤリした。ただ日本人は今のところさほど不満を感じてなさそうだし、ネット上でプチ団結もどきして憂さ晴らしてそうなので大丈夫かな…? 今の日本は戦争直前の雰囲気に近いと聞きもするけれど…。日本は中高制服当たり前だけど、制服に別に反対する気はないものの黒とか紺とか夜道に見え辛い服でうろつかせるのはいい加減やめて欲しいものだ。ある人があるアニメについて「友情とか仲間とか、そういうのに弱いんです」とか言っていて、僕はそれに内心冷めて返す言葉も見つからなかったことがありますが、友達の数がどうのこうの言ったり、気に入らない奴のことを「きっと友達少ない(いない)」だの書き込んだりする連中て、もしかすると流されやすいのかもね…。仲間だ友だと力入れる人、そういうのは会社組織の派閥でも政治派閥でもヤクザの世界だって似たようなもんで、要はその集団が何を犠牲にして何を得たいのかの物差しの質が問われるんだと思う。映画の元になった事件は実際どんなものだったか知りませんが、危険性や取り返しのつかない生徒の心の傷のことはとりあえず置いておくなら、とても素晴らしい授業と思えます。しっかり抜かりない安全装置を確保できる指導案ができるならば、これほど生きた社会勉強はないと思うほど、教師の授業能力には感心しました。「いい面もあった」という生徒の言葉が妙に心の隅に残ります。思想信条自由すぎてみんなバラバラで不毛な世界も嫌だし、違う価値観を認める余裕を持たないガチガチの世界も怖いし、いろいろ考えさせられます。
[DVD(吹替)] 9点(2013-08-24 23:00:12)
34.  僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 《ネタバレ》 
「僕たちは世界を変えることができる」なんて言われたら「はいはい」という気持ちになってしまうかもしれないけど、「僕たちは世界を変えることができない」なんて言われると、これまたネガティブ過ぎてこのタイトルがすごく嫌でこれまでスルーしてきました。学校建てることもできなくて、その代わりせめて…みたいな話だと思い込んでもいました。観てみたら、いやぁこれはスゴくジンときました泣けました。グイグイ心に突っ込んできます。茶髪のチャラい男が実はとっても頼りになるイイ奴だったり、ガイドさんが父親の話を語るシーンなんか、あれがもしただの演技だとしたら彼は凄すぎます。カンボジア視察旅行場面はドキュメンタリーぽさがあって、ちょっと『ウルルン滞在記』を見てるような錯覚に陥る瞬間もありますが、演技演技したワザとらしさで浮いてしまう感じにならなくてよかったと思います。うーむ、すげーいい話だし教育的にも素晴らしいのでうちの子にも見せよう!…と思っていたら、大学生の話なんでちょっとオトナの世界が顔をのぞかせ子供と見るにはちょっとビミョーなところが出てきて思案中。けど、そのシーンだって実はすごいイイ場面です。この映画はたくさんの人に見てもらいたいオススメです!
[DVD(邦画)] 9点(2013-07-19 20:16:10)
35.  ピラミッド 5000年の嘘 《ネタバレ》 
じわじわと、気の遠くなる超過去の歴史領域に踏み込んで行きます。それはたかだか何千年とかのレベルではありません。ものすごく面白くなっていきます。 もし現代の私たちの文明が衰退を余儀無くされ、何万年あるいは何十万年先に復興するかもしれない未来人のために何かメッセージを残そうとしたら、どうするでしょう? その時、私たち現代人の文明の痕跡など腐蝕で何一つ残らなかったとしたら…
[DVD(字幕)] 9点(2013-07-16 16:05:38)
36.  最強のふたり 《ネタバレ》 
交通事故で障害者になった僕にとって、オープニングの暴走は不快でした。でも、最後は涙が流れました。いっぱい笑えました。今後「熊蜂の飛行」を聴くとこの映画のことを思い出して笑いそうです。元になった実話があったなんて知りませんでした。『最高の人生の見つけ方』と設定に似たところがあるけど、あれがどんだけくだらない映画か…こちらは本当に心がこもった映画です。
[DVD(吹替)] 9点(2013-06-09 09:25:35)
37.  ツレがうつになりまして。 《ネタバレ》 
タイトルは知ってたけど、とくに興味が湧かずスルーしていました。観てみたら、何の構えもなかったからなのか、たくさん笑いました。たくさん泣きました。感動が激しくて、一瞬もしかしたら失神しちゃうのではと思うくらい、全身がジンジンしてしまうシーンもありました。鬱病に自分も周囲も何の関係もなくても、共感できるものがたくさん詰まっています。確実に鬱がテーマではあっても、その軸を中心に描かれるのは、とても普遍的で大事なことがいっぱい。僕の場合「結婚てどうあるべきなのか」「自分がしたい仕事って、ホントは何かな?」とか、「人との縁て、時々すごい神がかりなことってあるよな」とか、そんなことを思いました。これ、ちっちゃい子供なんかいたら、この物語みたいにはいかないんじゃないかと、そういうケース考えるとゾッとしてしまうところもありますが、いろいろ気づきをもらえる話で素晴らしい邦画だと思います‼
[DVD(邦画)] 9点(2013-05-21 14:19:15)(良:1票)
38.  幸せへのキセキ 《ネタバレ》 
斬新さや派手さは一切なく、全体的なムードとしては地味なので、誰にでもオススメという感じではないと思いますが、とってもいい映画だと思いました。登場人物それぞれがよく描けていて脚本がとても丁寧だと思います。父と息子の確執も、娘の可愛らしさも、亡くした妻への引きずる思いも、動物園で出会う女性と女の子の魅力も、主人公の兄も、ヒゲおやじも、全て印象的に出来上がってて手抜かりがない上手さだと思いました。最近の映画でこれだけキャラクターそれぞれをしっかり印象的に描けてる映画は貴重だと思います。「なぜこの動物園を買ったの?」になんて答えるのか気になっていたら「いけない?」という返事。僕にはとっても印象的だったこの切り返しが、ラストに泣かせるとは思ってもいませんでした。とっても上手い映画だと思います。いろんなシーンのコミュニケーションのやりとりが記憶に残る作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-03-18 10:23:20)
39.  ヘルプ 心がつなぐストーリー 《ネタバレ》 
10点か9点かで迷いました。前の方が書いていらっしゃいますように 、少し厳しい描写が控えめで、当時の黒人の生活にのしかかっているバックグラウンドやばれた場合の恐怖が弱めになっているかも。日本人にはこの当時の黒人差別に関してあまり馴染みがないから、もう少し酷いところを示してもよかったかも。以前観た『カラーパープル』『プレイス・イン・ザ・ハート』『ミシシッピー・バーニング』などがそこを補ってくれた感じです。「アメリカの娘たちの会」の会長は『カラーパープル』でソフィアを雇ってた車運転おばさんで、チョイ役だけど意識した配役だったのかな? 書くことは自分を救う、みたいなことをセラピー分野で聞き覚えがあるけど、タイトルはそういう意味が込められているんでしょうね。「汚い」「病気が移る」とトイレを別にするのに、そういう存在に食事を作らせて平気で食べてる状況が愚かで、そこにしっかりとツッコミいれたエピソードが良かったです。『カラーパープル』の唾入りレモネード思い出しました。スキーターの彼氏とのエピソードもなかなか良くて、その分成り行きが残念でした。スキーターの母親は目つきが印象的な女優さんですが、適役ですね。あの顔つきが後に非常に活かされて印象的ないい場面があります。シーリアとその旦那さんもいい人で、良かった! 胸がスカッとするシーン、気持ちが優しくなるシーンが良質の作品でした。
[DVD(吹替)] 9点(2013-03-14 13:55:41)(良:1票)
40.  LOOPER/ルーパー 《ネタバレ》 
私は良質のSFというのは科学的理屈やディテイルに完璧こだわることではなく、いかに人間や社会というものを描けているかどうかだと感じています。タイムパラドックスもののセオリーがどうたらこうたらと、物語が伝えたい本質とさほど関係ないことにうるさい人たちに、この作品の評価を落とされてしまうのはとても残念な気がします。この作品は2作目までで終わらせとけば良かった『ターミネーター』シリーズの愚かなループと、『マイノリティー・リポート』がうまく描くことのできなかった部分に、強烈な答えと光を提示してくれたと思います。私がこの映画を観て強く感じたことは「世界を良くしたいなら、まずは自分の子供を愛して大切にしっかり育てなさい」ということでした。最後に復習に来るキャラクターでさえ、自分を拾ってくれた悪人に自分の存在価値を認められたいという愛情を欲しているし、すべてのキャラが自分と関わる者との絆を大切に思っているわけですが、その大切にする方向や方法が問われてる映画だったと思います。ひとりひとりが他者への思いやりを持ち、かつ家族が愛し合って健やかに心を育て合うことができれば、社会は未来は良い方向に向かうはずだと、そういう魂を感じる良作でした。子役、上手い子を見つけたなと思います。幼くして持つ重い枷に潰されまいと、同年代に比べてしっかりした判断行動を見せる健気で逞しく孤独を秘めたキャラに合った目をしてました。
[映画館(字幕)] 9点(2013-01-22 18:27:10)(良:2票)
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