421. 三人の名付親
僕が抱いていた西部劇のイメージは「ピストル、銃撃戦、男と男の戦い、生と死」などだった。しかしこの映画を観た事によって、自分が自分の中で作っていた固定観念というものにどれだけ縛られて映画を観てきたか、はっきりと気付かされた。この作品には僕の抱いていた西部劇は出てこなかった。ピストルでの銃撃戦はない、男と男の約束や決闘もない。ただあるのは、名付け子の母親との約束を死に物狂いで守ろうとする、男気であり、西部の男としての強く硬い意思だった。ジョン・ウェイン演ずるボブのピストルを持たず、子供を抱くその姿は、僕の固定観念をぶっっっ壊してくれた。まさに感動そのものだった。ジョン・フォード監督にオレンジジュースで乾杯! 8点(2004-09-26 22:33:46)(良:1票) |
422. 駅馬車(1939)
西部劇の神様と言われ続けている、J・フォード監督作品を遂に初拝見。正直言うと今までJ・フォード作品は避けてきた。何故今までJ・フォード作品(西部劇)を避けてきたかと言うと、単純に西部劇に対してあまり興味が無かったというのもあるし、それに今まで観てきた西部劇の中で面白いと思えた作品に出会った事が無かったので、新たに違う西部劇を観ようと言う気にまったくと言って良いほどならなかった。しかし今回、勇気を振り絞りビデオを借りました。そして観賞。まったく馴染みの無い西部劇とジョン・ウェイン。人間ドラマ中心のストーリー構成に加え、終盤でのスピード感溢れる駅馬車対アパッチ族、そして最後の最後までジョン・ウェインの本当の凄さを見せずに隠し続け、じらせてじらせて最後で「ドカンッ!」。正直驚きました。 あの演出、あの配役、あのスピード感。正直スゴかったッス!でもまだ10点や9点を点けれるほど西部劇に対して慣れしてないので8点が限界です。 8点(2004-09-25 20:03:24)(良:2票) |
423. 黄金(1948)
ストーリーに驚く程の緊張感と緊迫感があった。自分の幸せを求める余り、今まで信頼しあった相棒すら信用できなくなってしまった男の、行動や言動には怒りを感じずにはいられなかった。ラストの終り方によってなんとか暗い気持ちにならずにすんだ。そして観賞後の今は、何故か不思議な爽快感と軽い吐き気を感じています。 8点(2004-09-23 22:47:07)(良:1票) |
424. スクール・オブ・ロック
僕は今、もの凄く後悔している。その理由(わけ)は、あの素晴らしい演奏や美しい歌声から生まれる最高の音楽とパフォーマンスを、我が家のちっぽけなショボいテレビで観て、聞いてしまった自分に対し、怒りを感じ、そして映画館の巨大スクリーンでこの映画を観れなかった事に対し、とても後悔しています。こんなに一つの映画を映画館で観れなかった事に、これほどまでに言いようの無い怒りと悔しさを感じたのは我が人生の中で始めてです。今となってはどうにもならない事だけれど、ホント、マジメッッチャ悔しいです。はぁ~映画館で観たかったぁ~・・・・・・映画館で観れた人にジェラシーと劣等感を感じつつ、この映画の素晴らしさに敬意を込めて9点。 9点(2004-09-23 05:40:20)(笑:1票) |
425. 雨月物語
恐ろしい・・・欲望を抱き過ぎて本当に大切なものを見失ってしまう、その単純な人間の心が死ぬ程恐ろしい・・・ 8点(2004-09-21 20:34:48) |
426. ダイ・ハード3
前作までの『ダイハード』という映画とはまるで違う映画のような気がした。登場人物や前作までのストーリーの繋がりなど、様々な所で違和感を感じた。別の映画と考えた方が、気持ち的にイライラしないので、まだ未見の方はB・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンのアクション大作と考えて観たら気が楽ですよ。 7点(2004-09-20 22:19:28) |
427. 鉄道員(1956)
前半の暗い一家の様子は僕の心をとことん悲しくさせ、本当に胸がはり裂けそうだった。しかしそれとは対称的に、酒場での男達の笑い声や歌声は、心を驚く程明るくさせ、いつまでも頭の中で流れ続け、響いていた。なぜこんなにも対称的な演出をするのだろう。もしかするとこれは演出ではなく実際にイタリア人というのはこういう人種なのだろうか。よくわからない。でも、観賞後のあの清々しい気持ちはすごく好き。それに最後のサンドリの笑顔も。 [ビデオ(字幕)] 9点(2004-09-16 23:04:19)(良:1票) |
428. トト・ザ・ヒーロー
子供ながら姉のアリスに熱い愛を抱き、嫉妬し、そして大人のように情熱的な恋をしたトマ。僕は彼に感情移入は出来なかった。でも彼の人生には感動した。父を失い、母が崩れ、さらには愛する姉アリスを失ったトマ。本当なら他人である一家を心から愛し、逆に本当なら家族である一家を憎んだ。そして、アルフレッドに怒りは向かい、復讐を誓った。胸が張り裂けそうなほど切ないトマの人生。でもその切なさは灰となり、青空にちったトマと一緒に僕の心から消えて行った。僕にとってトマはヒーローだ。 8点(2004-09-15 18:03:45)(良:1票) |
429. ブロウ
僕の父はよくこう言う。「宝くじは当たらないでいい、お金を手にしてしまったらお前等にお金を渡して俺は遊んでしまう。そうなったら俺の人生は終りだ。お金なんてなくても家族団欒で食卓が囲めればそれで良い」と。ジョージの父と僕の父がだぶる。いつも意味のある大切な事を僕に言ってくれる。その度に僕の心に突き刺さり涙が出そうになる。そしてこの映画のジョージの父が言ったセリフも感動した。でもジョージは父の想いがこもった言葉を、ちゃんと聞き入れなかったが為に彼の人生は狂ってしまったのだと思う。僕は、父の言葉をしっかりと胸にしまい、後悔しない人生を送りたい。この映画は僕にその事に気付かせてくれ、そして父の有り難味を心から思い知らせてくれた。しかし、ここで一つ疑問が上がった。「当たらなくて良い」と言いつつも宝くじ買う父。父の好奇心の豊富さを冷めた目で見つめ、そして温もりのある感情で包み込みたいと思うのであった。 7点(2004-09-14 22:42:08)(良:1票) |
430. マイ・ガール
“詩”は心。“映画”も心。そして“人生”も心。全ては“心”だ。そしてベーダの“心”は純粋で綺麗だった。“心”に染みる映画でした。 7点(2004-09-12 20:10:54) |
431. バイオハザードII アポカリプス
ゲームを映画化するのだから、選択肢は二つしかない。一つは、ゲームとは全然違うストーリーにするという方法。それが前作だった。前作の監督は、ゲームのバイオ1の事件が起きる前の段階を映画化した。なので、あまりゲームとの接点のない感じだった。そして、今作は選択肢の二つ目の、ゲームに忠実に造るという方法をとっていた。例えば、ラクーンシティ内でのゾンビ対警察&スワットの銃撃戦は、ゲーム盤バイオ3のオープニングで流れるアニメーションにかなり忠実に造ってあったし、墓から生きかえる死者や追跡者(ネメシス)が待つ武器(マシンガンとロケットランチャー)など、細かくゲームにそって造ってあった。更には、ゲーム中に流れる不気味なBGMや、歩くたびに聞こえていた響く足音など、ゲームで強調されていた恐怖感をそそる“音”という部分が今作にはしっかりと強調してあり、ゲームをやっている時に感じた恐怖感や緊張感に近いものを感じた。ここまでゲームに忠実に造ってもらえると、ゲームをやっていた僕からしてみると凄く嬉しいし、楽しさも感じた。映画自体のストーリー展開やアクションシーンなども、とても見応えがあり、全体的に完成度も高く、素晴らしい娯楽作品だと思う。そして次回作への繋がりもしっかりと残した終わり方は、次回作への期待と不安感を残して終わって行った。ゲームでは、この映画のラストのような終わり方ではなかったので、次回作はまた新たなストーリーで造られそうなので、それに対しての期待と不安を込めて9点。 9点(2004-09-12 14:58:47)(良:3票) |
432. 男と女(1966)
ガキの僕にはまだ到底理解出来そうにもないラストの二人の心境。情熱的な愛、燃え上がる二人の想い、まさに大人の恋愛だった。僕には一生理解出来ないかもしれない。唯一学んだ事がある、それは“恋愛になると男は考え、女は全てを感じる”という事。だから男はいつも馬鹿を見るのだ!あぁ~、男は辛い! 7点(2004-09-10 21:45:40) |
433. ルール
あんまりホラーは観ないので、比べる対象が無くてこの映画がどの程度面白いのかよく解らなかった。ただそんなに怖くないし、緊迫感も無かったので、微妙なのかな?よくわからない・・・とりあえず、隣で観てた姉が喜んでいたので6点で。。。 6点(2004-09-09 23:07:19)(笑:1票) |
434. 父の祈りを
まず実話だという事に恐ろしさを感じた。それに何もしていない人間が突然、犯罪者にされてしまう。これは現代の世界中、何処にいても起こりうる災難だと僕は思う。まさに恐怖だ。権力と嘘によって、15年間という長い時間を苦痛と怒りだけの世界へ連れこまれた主人公達。あまりの怒りと憎しみによって観ている僕が奴等を殺してやりたくなった。そして、ラストはとにかく嬉しかった。僕でさえこれだけの喜びを感じたのだから、彼等は一体どれだけの喜びを手にしたのだろう?僕には計り知れない。 8点(2004-09-09 18:47:19)(良:2票) |
435. 旅立ちの時
子供はいつか家族と言う篭の中から飛び立ち、大空へ旅立たなければならない。その時は誰にだってやってくる。ダニーだってその中の一人だ。縛られた生活を続けていては、いつまでたっても才能と言う大きく美しい羽は仕舞われたまま。親が子供をしっかり理解し、子供が親に心から感謝したその時が、旅立ちの時なのかもしれない。 9点(2004-09-08 23:11:55) |
436. 東京ゴッドファーザーズ
人間って、生きる目標があるとあんなに輝く事が出来るんだ。人間って凄いなぁ~・・・ 7点(2004-09-07 15:27:23) |
437. 摩天楼を夢みて
雨の中、ダラダラと愚痴を言う男達。見ていて腹が立ってくるほど愚痴ばかり。期待は愚痴を言っていた男達のガッカリした顔、落ちこんだ姿が見たかった。そしてラスト前、年老いたセールスマンが小ネタで契約を取り付けた。万歳!そして、その事を知って逆ギレする愚痴男の姿。やったぞ!の喜びもつかの間、その契約者の事実を知り、落ちこむ年寄りセールスマン。そして落ちこむ僕。さらに追い討ちをかけるようにあのラスト。僕の期待はことごとく的を外れた・・・でも、まあ人生なんてそんなもんか。思ったように行かないのが人生だ。この映画のストーリーもそんな感じだったし。映画もまた期待通りには進まない。まあ、だから映画は面白いだけどね。 8点(2004-09-05 18:33:25) |
438. マイ・フレンド・フォーエバー
エリックがデクスターの胸に抱かせたスニーカーは二人だけの秘密であり、二人だけの友情の証だった。そしてエリックが川に流したデクスターの靴は、悲しさや寂しさも一緒に流し去ってくれた。でも涙だけは止めど無く流れ続けた。 9点(2004-09-04 20:44:30)(良:1票) |
439. 誰も知らない(2004)
目が覚めれば親が居て、食事が用意されている。そしてごく自然に学校へ行く。漠然とした日常の暮らしの中で、それらの事があって“あたりまえ”だと思っていた。だって、朝起きると親が居なくて、ご飯がなくて学校も行けないなんて、今の僕には想像もできない。これらの事がどれだけ幸せで、恵まれた事か、僕は知らず知らずの間に忘れていたのかもしれない。きっと日本に住むたくさんの子供達には、この映画の主人公達の想いは想像も出来ないだろうし、忘れてしまっていると思う。絶対に忘れては行けない事を忘れてしまっている。 この映画は胸が張り裂けそうなほど辛く悲しい。子供達が笑っている時でさえも・・・でもそこから学び、知るものがたくさんあった。それが“あたりまえ”の大切さ。今の僕にはもう、漠然とした毎日の“あたりまえ”が“あたりまえ”だなんて思えなくなった。そう、この映画に出会えたお蔭で。。。 素晴らしい映画には、いつも隠れたメッセージがある。でもメッセージがいつも、観た人全てに伝わるとは限らないし、届くメッセージも一人一人少しずつ違う。それが感想であり、意見でもある。僕に届いたメッセージは「“あたりまえ”を大切にする」という事だった。この「“あたりまえ”を大切にする」というメッセージは、できるだけ沢山の子供達に観て欲しい。言葉で言っても伝わらない事が、この映画には込められてる。だから観て欲しい。そして知って欲しい。たくさんの人々に。 9点(2004-09-02 23:31:36)(良:2票) |
440. RETURNER リターナー
パクリ?僕は、ハリウッドのアイデアをちょっと貰って、ちゃんと手を加えてオリジナルにしてあると思う。たしかにハリウッドなどの素晴らしい作品の数々と比べてしまうと、新鮮さも斬新さもない。だが、日本映画にこんな作品は今まであっただろうか。CGを多く使い、SFを取り入れたこの映画。日本映画内で比べればこれ以上の最先端技術映画はない。そうやって日本映画業界が刺激しあって、より良い作品を作って欲しい。この作品は先頭に立った作品だと僕は考える。 7点(2004-08-30 15:10:37)(良:2票) |