461. あしたのジョー(2010)
《ネタバレ》 物語りは、ウォルターヒルの世界観に近いBGMでドヤ街から始まる。 刑務所でのボクシング試合といい、まるでヒル監督の「デッドロック」。 おなじみの話が続くのだが、キャスティングがいいですね。 とくに香川照之の丹下は、見応えあります! [DVD(邦画)] 7点(2021-07-10 20:06:04) |
462. 無法松の一生(1943)
《ネタバレ》 下手なコメントできない。 日本映画の傑作。 何度も観たい。 [ビデオ(邦画)] 10点(2021-07-09 11:12:42) |
463. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 「バードマン」でもそうだったけど、アレハンドロ監督は、カメラが被写体に寄りますね。 だから、痛いシーンも自然の厳しい環境も、観客である我々にビシビシ伝わってくる。 復讐ものではあるが、見せ場は何度もひどい目にあって、そこからの起死回生である。 時にはインディアンに助けられたり、時には知恵を使って・・ それにしても冒頭のグリズリーに襲われる場面はどうやって撮影したんだろう? あと愛息子の殺される場面で自分は何もできないシーン。 ちょっと「時計仕掛けのオレンジ」のアノ場面を思い出します。(それほど酷い) [DVD(字幕)] 7点(2021-07-03 21:26:02) |
464. 雨月物語
《ネタバレ》 溝口健二、代表作である。 まだ、こんな傑作を観てなかったか、と唸ってしまった。 見事、この一言に尽きる。 田中絹代を本で調べていたら、次のような記述があった。 撮影後、溝口が森雅之に、その演技の見事さにライターで火をつけたという。 田中は「私だってうまいと言わせてみせる」と思ったらしい。 まさしくラストの霊の田中は絶品である。 以後、溝口と田中は映画界で、力をみせつけあうかのように、張り合い、 田中絹代は同年、「恋文」(未見)という映画で監督までしてみせるのである。 [ビデオ(邦画)] 10点(2021-06-30 23:35:04)(良:1票) |
465. 浅田家!
《ネタバレ》 笑いの絶えない、愛すべき底抜け親バカファミリーの ボンボンは、あの東日本でも愛を届ける、という話。 前半は、つらかった。恵まれてる家の子が簡単に 認められて、二宮君の顔が恨めしくも思えた。 ところが後半、あの東日本大震災。 二宮君のニヒルさは、いつしか飾り気のないアンちゃんのそれになっていた。 あの震災で傷ついた少女に愛を届けられるかが焦点になる。 そして、恐るべし浅田家ファミリー。 そこでの愛が愛を呼ぶからスゴイ。 実話と聞いて、素直に楽しめた。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-27 20:46:44) |
466. 海辺の映画館 キネマの玉手箱
《ネタバレ》 玉手箱というタイトルどおり、冒頭2時間くらい 映画のクライマックスのようなイメージの洪水が続く。 うわぁこりゃしんどいなぁと思ってたら、 ラスト1時間くらいになって、さくら隊の話で一気に話がしまってくる。 それからは、あの広島での出来事である。 あぁそういえば、監督の尾道って広島だっけ・・ 大林監督の、戦争を体験した映画監督、やり残したことないような とても重い3時間でした。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-26 22:16:55) |
467. 罪の声
《ネタバレ》 日本を震撼させた劇場型犯罪グ●コ・森●事件をモデルにした映画。 あのテレビで有名になった声の持ち主はどうしているか? そこからヒントを得たのであろう。 星野源の歌手とは思えぬ堂々とした演技。 そして、「日本人」のいい顔になった小栗旬。 女性の影が薄い本編なので、悲惨な人生がクローズアップされる辛さもあったが、 長時間の話があっという間でした。 [DVD(邦画)] 8点(2021-06-17 23:20:27) |
468. スパイの妻《劇場版》
《ネタバレ》 映画としては面白かったが、人間不信に陥りそうな話。 浮気を隠し通して、ついには国まで売った男の話にしか見えんのは、 俺の甲斐性なしゆえか(笑) いや~、サスペンスの神様ヒッチコック先生でも ヒロイン泣かすことはしないっスよ、黒沢監督~ それにしても蒼井優。 今の映画界で、一番体張ってる女優! スゴイです♡ [DVD(邦画)] 7点(2021-06-13 18:13:09) |
469. 朝が来る
《ネタバレ》 ラストの「なかったことにしないでください」の文字。 刺さりました。 「八日目の蝉」の永作博美に、養子の母役を演じさせるとはニクイですね。 前半の愛情いっぱいの永作の表情に、普通の女の子、ひかりが転げ落ちていく話のまん中を はさんで、後半の永作とひかりの対峙する場面。 エンディングの後の「会いたかったよ」の声。 絶望の中の光でした。 どうだと言わんばかりの、もう女性しか撮れない女性映画! 河瀨監督には、ただただ圧倒される。 [DVD(邦画)] 9点(2021-06-12 20:56:24)(良:2票) |
470. 切られ与三郎
《ネタバレ》 伊藤大輔は、そうなんだよなぁ・・ 絶体絶命のシーンから、絶命しちゃうんだなぁ・・ だから、こんな状況でも助かっちゃう黒澤明に比べて、後世まで伝わってないんだよねぇ・・ でも、すごい作品なんだよなぁ・・ 死んだはずだよ、お富さん♪のエピソードを巧みに取り込んで、 モテモテ男の悲劇を、また市川雷蔵がハマりまくって演じている・・ そして、数々の女の裏切り(?)にあいながら、養子先の妹だけは、 自分を本当に愛してたと知り、死んじゃうんだよなぁ・・ シェイクスピアみたいな芳醇な作品が、日本映画にはあるってことを知ってほしい・・ [ビデオ(邦画)] 8点(2021-05-29 23:03:17) |
471. 象は静かに座っている
《ネタバレ》 閉塞した中国のある町。 そこで3人の男女が町で窮屈な思いをする。 さて、それぞれがそこで別の町の動物園に象を見に行こうという話である。 やがて、ここに一人の不良が焦点に上がる。 町の不良の頭で、いじめをする実業家の息子の兄だ。 この兄が実によく描けてる。 不良だからと言って、すぐに暴行を加えるタイプではない。 実に魅力のある不良だ。 弟を殺され、実業家の親が、殺した学生を探し回っているときに、 その不良の兄は、弟は嫌いだったと、その学生を逃がそうとする。 ここで大きな見せ場がある。 その携帯を盗んだ友だちが、銃を持って、その不良を撃つのだ。 この学生、不良、女子高生を中心に描かれているが、ここに老人が加わる。 こうしてラスト、町に窮屈な思いをした3人が、バスに乗って、町を出る。 そこで最後、象の鳴き声が聞こえて終わる。 さて、この監督は自死してしまった。 これほどの作品をつくる才能が何故? 彼も、どこに逃げ場のないこの世界から逃げ出したかったのかもしれない。 合掌。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-24 13:16:12) |
472. 嵐電
《ネタバレ》 よくできた自主制作の映画と思えば、聞き取りづらい声も気にならない。 京都という土地柄も、嵐電も、幻想的な内容にはピッタシのシチュエーション。 幻想的な雰囲気に、男女の関係をもってくれば、もう完璧。 撮影隊の男優と、土地の女性のラブシーンは、ちょっとドキッとするくらい エロい。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-24 13:09:10) |
473. 音楽(2019)
《ネタバレ》 「フラッシュバックメモリーズ」の翻訳版みたいなアニメ。 岩井澤さんの執念を感じた。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-24 12:51:29) |
474. 異端の鳥
《ネタバレ》 悪魔の子の行く先々で、悪魔的なことが起きる。 しかし、この世が悪魔のような世であり、この子は旅人だった・・ というような寓話かと思ってたら、ナチスの手から逃すために、 おばさんの家に預けてもらってたところから話の始まる、現実の話だったことがわかる。 それがラスト分かると、劇中の、あのコトもあのコトも、 ほんの7~80年くらい前の、この世界で起こってたことなのだと気づかされる。 鑑賞後の、気分の落ち込みは、かなりハードだった。 (この落ち込みが、感性がマヒしたものだったと、レビュー読んで、気づかされた・・) [DVD(字幕)] 7点(2021-05-16 18:42:57) |
475. 糸(2020)
《ネタバレ》 また好きな映画が増えた。 今の若い俳優が演じる、運命の糸の話。 平成時代をまるごと総括したスゴイ映画。 やはり瀬々監督は凄いな♪ でも昭和の大歌手を平成に閉じ込めたのは、ちょっと悔しかったかな?(笑) [DVD(邦画)] 9点(2021-05-11 01:10:20) |
476. ペイン・アンド・グローリー
《ネタバレ》 アルモドバルの自伝的な映画。 延々とヘロインにたわむれる、監督のモヤモヤが続くが、 これはラストの方の同性愛的な欲望の萌芽の場面を際立たせるためだとわかる。 「はじめての欲望」と題した、その内容にアルモドバルの真摯に己とも映画とも向き合う姿勢が見られて、 好感が持てる。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-09 23:34:25) |
477. けんかえれじい
《ネタバレ》 痛快! 岡山のバンカラが、会津若松に転校。 白虎隊の土地で、お互いの魂のぶつかりあいで大暴れ! 愛しのマドンナは、修道院へ。 射貫いたような目つきで彼を見ていた男が、東京の作家とわかると、 さっと上京して、さぁこれからどうなる!というとこで映画は終わる。 多分、東京でも喧嘩三昧で、大変だろうけど、 結婚はしたのかなぁ・・? なんともほろ苦くも逞しい男たちの唄だった。 [ビデオ(邦画)] 7点(2021-05-02 20:29:20) |
478. 男はつらいよ ぼくの伯父さん
《ネタバレ》 2度目のコロナで迎えるGWは、寅さんで始まった! 選んだ映画は「ぼくの伯父さん」! 自分の青春とも重なって、涙でいっぱいになって、大笑いをしました。 渥美清は天才です!間違いなく! [ビデオ(邦画)] 8点(2021-05-01 02:08:58) |
479. カスパー・ハウザーの謎
《ネタバレ》 文明批判の名手、ヘルツォークが冴える。 今話は、ずっと牢にいた男が、言葉を覚え、本当のことをドンドン言って、周囲を驚かせ、 最後、殺されて、解剖され、やっぱり人と違うよ、この人は、と皆が安堵するという話である。 痛烈な風刺である。 論理学の先生とのやり取りが痛快である。 二重否定の論理より、カスパーの方が、ずっと明解なのだ。 あと二つの夢。 みんなが山を登ると、頂上には死神がいたという話。 もう一つは、砂漠での隊商の先頭は盲目の老人。幻影に惑わされず、町にたどり着くのだが、 その町は・・・というとこで彼の話は終わる。 どれも、文明の先にある不安を言い表しているようだ。 しかし、文明批判の展開が進む中、流れる曲はカノンというのは、変な気持ちもした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2021-04-29 16:33:07) |
480. 夜の女たち
《ネタバレ》 田中絹代、汚れ役である。 メガホンをとるは、溝口健二。 先に小津さんの「風の中の牝鶏」や溝口の「歌麿をめぐる5人の女」を見てたので、デジャブがある。 ここでの田中は、メソメソしない。 居直って、他の猛者たちとも渡り合うし、収容所からの脱走までやってのける。 田中絹代の集大成のひとつ「西鶴一代女」にわたる流れである。 それにしても、この映画の田中の髪型。 まさしくサザエさんである。 小生、サザエさんのモデルも田中絹代ではないか、と睨んでる。 [DVD(邦画)] 7点(2021-04-25 23:36:58) |