41. クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
《ネタバレ》 さすがに荷が重すぎたかな、と。 これって「ひろしがロボになった」話でもあり「ひろしが二人になった」とも言える内容なわけです。一方は記憶や性格のコピーで「生まれた」ロボット。つまり、「人の記憶をコピーした機械には人としてのアイデンティティは存在するのか」みたいな、攻殻とかあっちの領域のテーマに足を突っ込んじゃってるところがあるんですね。 しかし、本作が描こうとしているのはあくまで「家族愛・父親愛」。クライマックスシーンでロボひろしが息絶えても、ロボであるけどひとりの人間の死であることには違いないという倫理観には一切ノータッチ。あくまで家族の幸せのために身を呈した父親としてしか描いていません。 このテーマと素材の齟齬感が、どうもスッキリしない。 さすがにクレしんで、精神転送という、倫理を問われるアイテムを取り扱ったのは、マズかったんじゃないかと。 [DVD(邦画)] 5点(2014-12-27 10:51:43) |
42. 第5惑星
そこそこ面白かったのですが、終盤の単純な勧善懲悪の展開はいかがなものか。中盤まではむしろのその「単純さ」を否定していたはずです。敵対していた主人公とエイリアンが未開と思われる惑星に墜落。仕方なしにサバイバルによる共存の道を歩むことになった両者。しかしそこには、本来知りえるはずのなかった敵の人間性を垣間見、心を許しあい、寄り添いあう二者の姿が。互いが互いの習慣、言語、宗教を知り、時には喧嘩や決別も勃発するけれど、一層の信頼と友情を築く、そのストーリー。そこには、呆れるほど分かりやすい「偏見への罵倒」というメッセージ性、寓話性が描き出されています。 しかし終盤の描かれ方は翻って至って単純。悪そうに見えるヤツは悪く、いいヤツそう見えるヤツはいいヤツで、可哀相に見えるヤツはやっぱり可哀相なヤツ。急に大衆的なウケを狙ったような勧善懲悪が台頭したことで、表面だけ物事を決め付けてはいけないよ、というメッセージ性を含んだ中盤までのせっかくの流れをガン絶ちしてしまっています。表現方法としては極めて分かりやすかった一方で、その中身はどう見ても「人種差別問題」というヘヴィで難しいトピックのメタファーに映ってしまうストーリー。それをどう着地させるのだろうとこっそり心配してたのですが、見事にえいやー!とマルなげしちまいやがりましたね。 そのあたりはさすがに少々肩透かし。本作なりの答えをたたき出して欲しかった。 ただ、やはり異種族同士である主人公とエイリアンが親睦を深めていく過程だけでも、普遍的な心地よさと滑稽さがあるように感じて、十分面白かったですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-27 08:25:20) |
43. トランスフォーマー
《ネタバレ》 とにかくバンブルビーの描き方に尽きる。敵味方似通った造形のロボットと人間サイドの軍事が入り乱れ、誰が何をやっているのか訳の分からない坩堝のなか、マスコットとして強烈な存在感を放つキャラクター造形と機能性。こういう作品を見る際は、「脚本」という評価項を端からへし折ってから観るのだが、彼を魅力的個性的なキャラクターとして発揮させたシナリオに関しては、素直に賞賛するに適う手腕だろうと思う。 ただ、最後の最後で発声できるようになってしまったのは、マスコットとしての価値を堕落させてしまって残念。他のロボとの差別化が希薄になってしまう。というのもバンブルビー以外のロボの描き分けはポンコツという他ない。個体の判別、味方が一体戦死した事実、敵の勢力数、誰が誰を撃墜したのかという功績、全てを初見で把握できた人がいたらマジで尊敬する。自分は5回見直しても個体すら判別できない自信がある。ロボとロボが取っ組み合う迫力の映像世界を堪能する作品だとは分かっちゃあいるが、キャラクターに愛着がもちづらいのはさすがにツライものがある。 [地上波(邦画)] 6点(2014-08-31 13:17:12)(良:2票) |
44. 遊星からの物体X
久々にすごい映画を観た気がした。SFXにここまで衝撃を食らったのはザ・フライ以来だろうか。CGの誕生によって映画の映像技術は衰退したと言えてしまいそうになるほどのクオリティ。グロさ、生々しさは「エイリアン」の比じゃないそれどころか現在のCGの技術をフル稼働させてもこれには及ばないだろう。傑作。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-01 02:33:18)(良:1票) |
45. ヒドゥン(1987)
《ネタバレ》 高評価に期待して観てみたけど期待はずれだったかな。敵がずっとあの調子で9年逃げ続けててたってとこがピンと来ず、展開や銃撃戦にもこれといった緊張感も感じれらない。B級だからしゃーないといえばそれまでかもしれないが、結局「我慢して最後までみた」感じになってしまってた。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-01 02:21:48) |
46. ソウ
CSでシリーズ一挙放送があり、マラソンを決意。第1作はソウ全7作の中でちゃんとサスペンスしてる作品。大どんでん返しってやつ。グロテスク要素はあくまで2番手。低予算ながら脚本と演出の勝利の第1作目。グロ免疫をつけてくれたお礼に+1点。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-17 00:41:45) |
47. ニュー・シネマ・パラダイス
やばーーーい!!何も感じない。ベストランキングでTOP30に入ってて「感動」「泣けた」のレビューの嵐の作品だが、ただただ冗長なだけに感じてしまった。多分これは鑑賞側の精神年齢が高ければ波長が合って、物語に感情移入できるんだと思いますが、自分のような人間には後半からは状況を追っているようにしか見えません。前半の子供時代のトトのままで展開していって欲しかった。いつかこの映画で感動できるようになりたい。 音楽は素晴らしかった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-07-05 19:48:58) |
48. 空の大怪獣ラドン
《ネタバレ》 隠れ名作と言われてる割には初代モスラよりもレビュー数が多い今作。てっきり怪獣はラドンしか出ないものとかかって見たので、芋虫の登場にはちょっと驚いた。しかもその姿、リアリティはなかなか不気味で臨場感のある画だった。ストーリーに記憶喪失が絡んだ時はおいおいと思ったけど、卵を発見した記憶が戻った時のシーンがよかったのでどっこいどっこい。ラストはモスラ以上に美しく、儚い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-07-02 20:32:36)(良:1票) |
49. 脱走特急
前半はややダレるし、キャラの相関図も弱冠分かりにくいとこもあるが、開始40分の列車を乗っ取って脱走する場面から面白くなり、ラストで一番盛り上がる隠れ良作。しかし最後のあの一文を引き立たせるためにも、コミカルなB級感は抑えて終始シリアスで緊張感のある演出の方がよかった気がする。映像的には年代らしさも感じられるが結構頑張ってる印象。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-24 22:36:32) |
50. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 本編よりも予告の方がおもろい映画。こういうのはリアリティを絡めて初めて活かされる設定なのにもうツッコミどころだらけ。何もかもが無理がある。ひょうたん収集の件は萎える。性同一性障害のテーマもほぼ絡んでいない。富士山の十字架は一般ピープルにはただの放置プレイ。演技と予告編と前半の引きが唯一の救い。 [地上波(邦画)] 3点(2012-06-24 00:18:09) |
51. アルカトラズからの脱出
良作。エイリアンの2より1が好きな自分は、ショーシャンクよりこっちの方が好き。派手さやこれと言ったオチはないが、静寂の中の緊張感にグイグイ引き込まれる。しかもダレない。色んな映画の元ネタを見れた気がした。またキャラクターも分かり易くていい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-24 00:06:53) |
52. モスラ(1961)
《ネタバレ》 なんといっても特筆すべきは幼虫が街を行進する特撮でしょう。卵からの孵化や成虫の飛翔、ダムの決壊など賞賛すべきシーンは幾多ありますが、やはり素晴らしきは幼虫です。我々の住む空間とほとんど変わらない目線に、幼虫の巨大な顔面が迫ってくるシュールさ。これが、精緻なミニチュア技術と相まって妙な現実味を含んだ不気味な迫力となっています。幼虫特有の「目線の低さ」にアングルを合わせた故の妙味です。人間にさらわれた小美人を救出するためだけに動く「追跡マシーン」としての恐ろしさをより一層膨らませています。シナリオとしては、低年齢層向けの感は否めません。小美人を商品として扱おうとしているヤツが「小美人は商品だ」なんて言いません。こういう、セリフからこぼれる善悪の分かりやすさは、いかにもお子様向けという感じです。しかしそれでも、特撮をはじめ音響演出や映像センスには目を張るものがあるのも確か。日本の古典特撮映画として世界に誇れる作品でしょう。 [DVD(邦画)] 7点(2012-06-18 23:35:49)(良:1票) |
53. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 オチが語られてる映画だが、オチよりもそれまでのストーリーの方が断然魅力。ヘンリー・フォンダのポーカーにのめり込むあまり大金をつぎ込んでいくダメ人間っぷり、奥さんと銀行当主との駆け引き、色々と一言じゃ言い表せない面白さがある。邦題の「5人」てのもずるい。うまいこと5人で被ってるんですから。しかしこのページでこの映画の存在を知った人は不幸だ。「邦題にトリックがある」ことのレビューを一瞬でも目に入れたが最後、そういう視点で物語を追ってしまうから・・・。 オチについてだが個人的には邦題のことを知ってしまってたので(笑)悔しさが残る反面、蛇足かなとも思った。あの余韻のまま終わっててくれれば最高だった。しかしオチよりもそれまでのプロセスだけでも十分楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-16 18:40:21)(良:1票) |
54. タイタンズを忘れない
高校アメフトのスポ魂映画、黒人白人の人種差別問題を盛り込んだ実話を基にした作品。観てると「なんで肌の色の違いでそこまで差別するのか」と不思議に思うのだが、背景は違えど、現在の日本人全員が北朝鮮人に偏見なく接することが出来るかと考えると、やはり難しい問題なのだと思った(日本の北朝鮮人学校に石が投げこまれたなんてニュースもあったっけ)。 スポ魂要素と人種差別を絡めた題材なのはいいが、結果的には「広く浅い」ストーリーになった。ディープに入り込みたい、感情移入したい人には向かない。実話ものはダイジェストテイストなものが多いので、どうしてもライトな仕上がりになる。でもそこが長所でもある。感動できるかどうかは好みの差が大きく出ると思う。あと脇見運転は絶対しないでおこうと思った。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-16 18:15:15)(良:1票) |
55. ライラの冒険/黄金の羅針盤
《ネタバレ》 なんかハリー・ポッターが公開されてから、「賢者の石」「秘密の部屋」みたいなサブタイトルを意識した邦題が増えた気がする。「ライラの冒険」、「ヒューゴの不思議な発明」「ライオンと魔女」みたいな。ハリポタに触発されてファンタジー系の原作の映画化が増えたからとか、単なる偶然とかかもしれないけど。内容的にはテンポが速すぎてイマイチ。白熊が出会ってから仲間に加わるの早すぎ。鎧がない→鎧を見つけた→借りができた仲間になろう。RPGじゃないんだから。 映像や世界観は面白いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-03 19:02:38) |
56. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 よかった。密室系や推理系は好きなので楽しめました。頑なに有罪を唱えてた人たちが、無罪に転がっていく様子が面白い。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-03 18:40:20) |
57. ランボー/最後の戦場
《ネタバレ》 文句があるとすれば短い!ラストの開いた場所での乱闘が中盤でいいくらいです。それからラストの最終決戦があれば最高でした。あと最後に傭兵の誰が死んで誰が残ったかよく分からん。アクションや演出は緊張感があってよかった。リアルさを追求したグロもいい感じ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-03 18:33:44) |
58. 彼岸島
《ネタバレ》 原作があったことも知らなかった私から言わせてもらいますと、最初は残虐ホラーかなんかと思ってました。でも実際は特撮系というか、主人公の秘めたる能力が覚醒!みたいな対吸血鬼ヒーローアクション映画でした。そもそも序盤でメガネのクラスメートが不良に追われる主人公を助けるのに、爆発する科学製品の入ったフラスコというある意味ベタベタアイテムを取り出してきた時点で、この映画の方向性を物語っていたのかもしれません。B級映画としてみれば、まぁまぁ頑張ってるなーとは思います。しかし演出、脚本がなんとも言えない。ラスボスの化け物のCGのクオ、及びぎこちない動き、あっさりやられる敵幹部、さっさととどめを刺さない山本耕史、胸を刀で貫かれたのにまだ動ける兄貴、落ちてきた葉っぱをかっこよく斬るカット・・・。グロに免疫のある自分には大してショッキングな映像もなかったです。総じて言うと、ちょっとグロに背伸びした中高生、もしくはそれを承知の上で楽しめるB級好き人向け。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-04-03 18:28:14) |
59. U.M.A レイク・プラシッド2<TVM>
《ネタバレ》 デカいワニがひたすら脇役を食ってくB級の中のB級モンスターパニック映画。"B級"だけならまだしも、手抜き感や制作側のこだわりのなさが顕著すぎ。ワニのCGの稚拙さ。目の前に10m級のワニがいるというのに危機感のなさげな人間。豪雨の中を駆けてきたというのに家に入ると乾いている髪や服。ワニの股の間を行く犬。可愛すぎるウサギ(笑。何から何までB級C級な映画。その手のものが好きな人以外にはとても薦められない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-12-23 08:06:56) |
60. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 本サイトですさまじい高得点をたたき出してる今作を、CSにて満を持して観ました。面白かったのですが、やはり期待度のハードルの高さとは罪深いもので、なんでもいいからとんでもないものを期待してしまって見てしまった自分が憎い。ポスターのネタも瞬時に分かってしまったし、脱獄モノという割りには、人間ドラマに重点をおきすぎかなーと。人間ドラマモノとして臨めば全然面白いです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-05 17:35:25) |