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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2100
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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681.  第2章 《ネタバレ》 
ニール・サイモンが原作・脚本の大人のラブコメ。 実生活でも彼のパートナーであったマーシャ・メイスン。そして他の作品でも彼女とW主演を演じたことがあるジェームズ・カーン。 ラブコメと一口にいっても色々。10代から20代の爽やかなラブコメもいいですが、本作はそこから10年、20年と時を経た男女のラブコメ。 ニール・サイモンのこんな年代のドラマにはやはり独特の味わいがあります。 本作のマーシャ・メイスン、ジェームズ・カーン、 あるいは「グッバイガール」のリチャード・ドレイファスのような味を持つ男女が彼の作品にはよく似合います。 ニューヨークの人らしい、NYの地名や通りの名前、”ヤンキース”などの台詞の中へのさりげないNYの登場のさせ方も好きです。 洒落ていて、しかしその中に漂う人間臭さや人間の不器用さ。 40代前後、揺れ動く世代の心の機微を描き出し、ほろ苦くも最後は幸せな気分にさせてくれる。 邦題「第2章」原題”chapter two”の通り、人生まだまだこれから。 人生の第2幕の扉を今まさに開けようとするサイモンらしい男と女のドラマです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-25 13:22:56)
682.  パレードへようこそ 《ネタバレ》 
80年代のイギリス。サッチャー政権下、炭鉱ストライキと炭鉱町の人々の人間ドラマ。 「ブラス!」などイギリス映画でよく見られるテーマですが、イギリス映画らしさとその誇りが随所に垣間見える作品です。 本作は実話に基づく、ウェールズの田舎町の炭鉱労働者と、 それを支援しようと立ち上がった同性愛者の活動家達の共闘の物語。 重くなりがちなテーマですが、同性愛者の若者達が作品の中心にいることもあって、いい意味で明るさや躍動感がある。 ビル・ナイ、イメルダ・スタウントンらイギリスの名優達が演じたウェールズの炭鉱町の名も無き庶民達との心の交流の軌跡に心が温まる。 80年代、第2次ブリティッシュ・インベイジョンの時代でイギリスのミュージックシーンにも勢いがあった頃の挿入曲が作品に躍動感をもたらす。 「皆さんがくれたのはお金じゃない。友情だ。」とゲイバーでスピーチする炭鉱の組合の代表者。 まさにこの精神がこの実話を生み出したんだろうなと思う。 炭鉱夫の男達と同性愛者だけでなく、炭鉱町の妻達をはじめとする女性達の心情もうまく挿入されています。 実際に行われたというラストの労働者と同性愛者達のパレード。掲げられた数々の旗が誇らしげで感動的です。 まだまだ同性愛者たちが市民権を得る前の時代のお話ですが、 イギリスで彼らが市民権を得る第一歩になったのが、今度は炭鉱の労働組合の側から差し伸べられた連帯であったという。 人のつながり、確かな心のつながりを感じる実話に基づく人間ドラマでした。
[DVD(字幕)] 8点(2015-10-25 13:11:46)(良:1票)
683.  帰らざる河 《ネタバレ》 
ゴールドラッシュに沸く西部開拓時代の人間ドラマ。 主演がマリリンでなかったら既に忘れられた映画のようになっているのかもしれませんが、 歌声も魅力的なマリリンの姿がいっぱい、それだけでも価値がある作品だと思います。 今ならバッチリCGで処理されるのでしょうが、今に見ると微笑ましさすらあるいかにもという合成の川下りシーンも、 川下りの旅の過酷さを演出するためだけに動員されたかのような先住民の登場も時代を感じさせる味があります。 冒頭の賑わいを見せる盛り場。どこを見ても男、男、男・・・。 そこにギターを持って現れ、歌い始めるマリリン。見事な冒頭の掴みです。 旅の途中から、既に少年にとって母のようなマリリンの姿もいい。これまでの彼女の映画にはなかったマリリンの姿です。 旅の途中もずっと一緒のギターもまた本作には欠かせないピースの1つ。 ”river of no return”のメロディ、マリリンの歌声、歌う表情、その全てが魅力的です。 そんな彼女が歌う酒場に現れるミッチャム。彼女を抱きかかえ、強引にさらっていく。 「家に帰ろう」という彼の言葉を受け入れたかのように、脱いだハイヒールをそっと捨てて馬車に揺られ行くラストシーンが印象的。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-20 22:15:29)
684.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花<特別篇> 《ネタバレ》 
渥美清さんがこの世を去った翌年の作品。勿論本作の存在は知っていたのですが、ずっとスルーしてきた作品です。 満男の回想で始まる本作。当然一緒のシーンはありませんけど、1つの作品の中で2人の満男が共演を果たす貴重な作品?でもあるのですが、 何点をつけて何と評価すればいいのか難しい作品です。 冒頭で満男が「おじさんは色んな女の人をとらやに連れてきたけど、思い出すのはリリーさんです」という。 それには多くの寅さんファンが異議なし!と手を上げると思います。 そして序盤にはリリーが初めて登場した「忘れな草」、2度目の登場作にしてシリーズ屈指の名作「相合傘」のワンシーンも挿入されます。 寅さんとリリーと言われれば絶対「相合傘」だと思うのですが、本作で扱われるのはリリー3度目の登場となった「ハイビスカスの花」です。 本作の満男君、寅さんがいなくなってしまったせいか少々寂しげ。 満男、なに寂しそうにしてるんだよ。泉ちゃんはどうしたんだよ! 泉ちゃんと幸せになってる姿見せて、「おじさん、僕はこの通り元気で幸せにやっています。」 なんて寅さんを安心させてあげたかったなあ・・・。という思いもあったりします。 例えば、ラストで満男はとらやに帰ってきますが、マイホームに帰ってきて、泉ちゃんが「おかえりなさい!」と出迎えるとかね。  さて、僕の寅さん歴も長くなりましたが↓の3737さんの「雑記」を見て、全く同じ謎をお持ちなんだなと思いましたよ。 そう、備後屋です。一体何の店をしてるんだろうって。僕もずっと謎に思っていました。 備後屋はよく白い作業着を来て配達の帰り?らしき自転車に乗って登場してましたので、とらやとご同業の和菓子屋さんかと推測しますが・・・。 まだ他にもいる。蓬莱屋に麒麟堂に、色々出てきました。 麒麟堂は44作「寅次郎の告白」で麒麟堂のせがれが結婚したというエピソードが登場しました。 その時点で今も柴又で商いをされていることが分かりましたが、結局皆さん何の商売をされているのか全く謎のままでした・・・。
[DVD(字幕)] 5点(2015-10-17 16:29:44)(良:2票)
685.  マイ・インターン
ナンシー・マイヤーズらしい良質のハートウォーミング・コメディ。笑いドコロも十分です。 この人の映画にはよく子どもたちが登場します。 本作のアン・ハサウェイ演じる主人公は1人でアパレルのネット通販の会社を興し、 あっという間に大きな会社に成長させた仕事に家庭に頑張る女性。 やはり本作でも家族や子どもとのドラマを実にうまく挿入しています。 本作のアン・ハサウェイ、「プラダを着た悪魔」を思い出します。 家庭を持ち、独立して会社を興した「プラダを着た悪魔」の女の子の数年後といった感じもしますね。 アン・ハサウェイはこういう恋に、家庭に、仕事に頑張る女性の役がよく似合います。 本作は勿論彼女が主人公なのですが、デ・ニーロが演じる、余裕と品とあたたかみを感じさせる溌剌とした70歳が実にいい。 僕は40代のおじさんですが、デ・ニーロ演じるベンには同じ会社勤めの男として見習いたいところが沢山ありました。 最近ちょっと疲れ気味ですが、人生まだまだこれからだよな。 ベンのような70歳になれるよう頑張らなきゃなって元気をもらいましたよ。 ナンシー・マイヤーズの映画では「ホリデイ」でも見られますが、 本作でもさりげなく少しだけ挿入される映画ネタにニッコリさせられます。 鑑賞後は気分良く映画館を後に出来る佳作です。
[映画館(字幕)] 8点(2015-10-15 21:30:12)(良:2票)
686.  ヒプノティスト-催眠-
叙情派の名匠ハルストレムが故郷スウェーデンに戻って撮ったのは、 これまでの彼の監督作とは全く一線を画すサイコ・スリラー。 冒頭の一家惨殺事件の描写からこれは本当にハルストレムの映画なのか?と思わされる。 その事件から生き延びた子ども、催眠療法を専門とする医師と事件を捜査する刑事。 それぞれの家族のドラマと、2人が事件の真相を追うミステリ・サスペンス。 面白くなりそうな雰囲気もあったのですが、うまく整理しきれておらず後半は非常に長く感じました。 作品を覆う陰鬱な空気、世界観に気が滅入りそうになる。ハルストレムの作品としては異色作ですが、 これまでにも彼が描いてきた家族は問題を抱えながらもそれを乗り越え、ラストにたどり着いてきました。 そういう意味では本作もやはり、彼らしい作品の締めくくり方でした。 その一歩手前の凍りついた湖、沈み行くバス、そして家族。この氷上のサスペンスはなかなかの迫力です。 時折挿入される北欧の雪景色が美しく、ハルストレムならではの美しい風景描写は健在です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-13 18:10:47)
687.  トレインスポッティング
公開当時は”オシャレ””スタイリッシュ”系映画としてもてはやされていた記憶があります。 音楽との一体感、スピード感のある作風などダニー・ボイルらしさを随所に感じる作品です。 ナレーションが作品の軸になっているところがあって、それが作品のテンポもよくしていて、その際の映像も面白い。 「これがクスリだ」ということなのかもしれませんが、こんなにスコットランドを薄汚く感じる映画も珍しいのでは。 それも含めて、取り敢えず食事をしながらの鑑賞はおススメしません。 出世。家族。大型テレビ。クルマ。健康。マイホーム・・・。 冒頭とラストで羅列される、主人公の男が言うところの一般的な人々の心のよりどころ。 そしてクスリ。それが本作に登場する連中の心のよりどころだったということか。 尺も短く退屈せず見られるのは事実だけど、(コメディならそれで十分なんですが) 結末も釈然としないし、鑑賞後は特に心に残るものはありませんでした。 独特の風貌のユエン・ブレムナーですが、本作ではその風貌が絶妙にはまっていました。
[映画館(字幕)] 4点(2015-10-06 21:16:08)
688.  少年と自転車 《ネタバレ》 
父親に捨てられ施設に預けられたシリル少年。彼が負った心の傷、その深さ。 そんな彼の心の内を思うと、途中は見ているのがとても辛い作品。 里親のサマンサについては謎も多い。冒頭で少年の自転車を買い戻し、少年から頼まれ里親になることを引き受けます。 その決断には彼女のこれまでの人生とも無関係ではないと思いますが、彼女の人生についてはほとんど語られません。 この部分についても少し言及があっても良かったのではないかと思います。 自ら里親になって欲しいと希望したサマンサに対するシリル少年の態度にイラッとくる部分があるのも事実。 しかし子供心にそう簡単に現実を受け入れ、割り切れるものではない。そんな少年のやるせない思いが終始伝わってくるし、 少年の全てを受け入れ、彼と接する彼女の描写の1つ1つがとても良かった。  子どもが主人公の映画や青春映画と自転車はやはりよく似合います。 クルマやバイクと違って、自分の足でペダルを漕いで走る。子どもや若者の力強さを感じる。 本作で最も温かみを感じさせる、サマンサとシリルがお弁当のサンドイッチを持って出掛けるサイクリング。 それに続く、突然訪れるラストシーン。少年は倒れた自転車を起こし、再び自転車を漕ぎ出していく。作品は彼のその姿が見えなくなるまで見送る。 シリル少年には力強くペダルを漕いでこれからの人生を進んでいって欲しい。サマンサと共に。そう願わずにいられないラストでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-10-03 15:57:37)
689.  キングスマン
作中に何度か引用された、おてんば花売り娘がレディへと華麗なる変身を遂げていく「マイ・フェア・レディ」。 本作ではグレかけていた主人公の青年が、最後は今は亡き父と師匠の遺志を受け継ぐかのように立派な英国紳士になっていました。 数々の秘密兵器も革靴に傘に、どれもこれも英国紳士然としていて、いちいち凝っている。 コリン・ファースはますますこんな英国紳士然とした渋みのある役が様になってきました。 しかし作品の世界観はなかなかブッ飛んでいます。それを体現するサミュエル・L・ジャクソンの狂気の大富豪キャラもいい。 僕が苦手とする結構グロい描写もあるのですが、それでも面白い映画でした。 終盤の手に汗を握る大作戦、そこにホッと一息つかせるようなユーモアの挿入もまた良し。 特に拉致された王女様。最後はあんな使い方をするとは思いもよらなかったです。 ここで使われる挿入曲”slave to love”の使い方、いいセンスしています。イギリス映画らしい選曲。 でもこの曲を聴くと、なぜかいつもワインかブランデーグラスを傾け、1人悦に入っているブライアン・フェリーの姿が思い浮かんでしまう。
[映画館(字幕)] 7点(2015-10-01 17:57:06)
690.  ラヴレース
アマンダ主演でこのタイトル。軽いラブコメを思わせるタイトルですが、重い作品です。 波乱の人生を送った伝説のポルノ女優、リンダ・ラヴレースを演じたアマンダの姿を見ているのがストーリーが進むにつれて次第に辛くなってくる。 見る者にそう思わせるアマンダの熱演は素晴らしかったし、夫チャックを演じたピーター・サースガードもよかったと思います。 爽やかな青春ものやロマンスが似合う清純派のイメージがあったのですが、早いものでアマンダは今年で30歳になるんですね。 本作は彼女の大きなチャレンジだったのだと思いますが、本作に彼女が合っていたのかどうか。 これから演じる役の幅をどんどん広げていってくれると思いますが、 出来ればもう少し、これまでのイメージの彼女を見ていたいなと思ったりもします。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-30 20:33:39)
691.  マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 《ネタバレ》 
1人の女性ノーマ・ジーンと1人の女優マリリン・モンローを見事に描いた実に見応えのあるドキュメンタリーでした。 マリリン・モンローのストーリーについては語りつくされた感があり、 (勿論彼女の死因など、恐らくは永遠に謎のままのものもありますが・・・) 本作も特に目新しいMMのストーリーは出てこないのですが、 そのマリリン・モンローのストーリーを肉付けしていく当時の貴重な映像の数々、様々な女優が演じたマリリン。 それらを食い入るように見ている内にあっという間にマリリン・モンローのストーリーは終わってしまいました。 そう、あまりにも短い彼女の生涯でした。  女優マリリンの後期は、本作でもかなり時間をとって描かれている通り、どの監督ともうまくいかなかった。 ローレンス・オリヴィエ(「マリリン 7日間の恋」でも取り上げられたオリヴィエがマリリンに放ったある一言は本作にも登場します)、 ジョージ・キューカー、再びコンビを組んだビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストン。彼らの苦悩もまた取り上げられています。 一方でケネディ兄弟との関係は完全にスルーされています。 ケネディを匂わせるのは唯一、ハッピーバースデー、ミスタープレジデントのみです。 「恋をしましょう」でのイヴ・モンタンとのエピソードも本作はスルーしています。 以上のように一方的にマリリンを擁護している訳ではなく、かと言って必要以上にスキャンダルに焦点を当てることもしない。 出来る限り等身大のMMを伝えようとしたのでしょう。  皆に愛されたコメディエンヌ・マリリン。世紀のセックスシンボル・マリリン。 この世界から愛された女優マリリンのイメージに対するノーマ・ジーンの苦悩もまたじっくりと取り上げられています。 彼女の心の内を代弁するかのようにマリリンを演じた様々な女優たちの演技もまた見応えがありました。  マリリンが映画に登場し始めた頃、その多くはモノクロの作品でした。 しかし、彼女が一気にスターとなった「紳士は金髪がお好き」「百万長者と結婚する方法」・・・。 これらカラーの作品に登場するカラフルな衣装に身を包んだ彼女の姿はとても美しい。 「彼女は自信を持ってカメラの前に立つことができなかった。でもカメラの前に立った瞬間、彼女とレンズは恋をした。」 「百万長者と結婚する方法」の監督、ジーン・ネグレスコのこの一言がとても印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-29 21:18:17)
692.  ウエスタン 《ネタバレ》 
冒頭、駅に現れたいかにも西部のならず者といった面々。その中にはジャック・イーラムの姿も。 口元に止まったハエを何とか追い払おうとするシーンが可笑しかったりもしますが、 この男たち、全く言葉を発しない。音楽も全く使われない。しかし彼らがかもし出す張り詰めた空気がたまらない。 そこに現れたブロンソン。この男たちをあっという間に撃ち殺す。 それに続く農場一家の皆殺し事件。悪役ヘンリーフォンダが登場する。 ジェイソン・ロバーズが登場する。ユーモアさえ感じさせる余裕しゃくしゃくの本作のロバーズ、かなりいい味出しています。 そしてCCが登場する。西部の荒野に凛として咲く一輪の花といったところか。 登場する誰もがベラベラ喋らない。とにかく寡黙な作品。 ゆったりとしたテンポの長尺ですが、1つ1つのシーンの裏に常に緊張感が張り付いている。おかげでその長さを全く感じさせません。 モリコーネの音楽も相変わらずの素晴らしさ。 ゆっくりと登場人物の事情を明かしていく作品のテンポと合わせるように馬がゆっくり歩を進めるかのような音楽。 そしてもう1つ。これぞモリコーネ、と言うような甘美なスコア。 CCが農場へ向かう馬車の車中に流れるこの音楽。 果てしなく続く荒野と巨大な奇岩の群れ。一般的な西部劇の音楽とは趣が異なるこのこの音楽がこの風景にピタリとはまる。 前半は登場人物の相関図に分かり辛さはありますが、中盤以降は実に分かりやすいストーリーとなっています。 誰と誰が最後に対峙し、その結末がどうなるかも分かっているようなものですが、 その最後の決闘に至るまでの過程をゆったりと、じっくりと堪能する。 僕が愛してやまないブロンソン。ラスト近く、CCの元へ帰ってくるシーン。何なんだ!この時のブロンソンのカッコ良さは!! この時のブロンソンは、今まで見た中で一番カッコいいブロンソンかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-09-23 00:11:59)
693.  危険な情事
微塵も楽しさがない映画ですが、よく出来ている映画だと思います。 いつどこからグレン・クローズが現れるか分からない雰囲気作りが見事で2時間の間、作品から全く目が離せない。 特に終盤、バスルームで妻が湯気で曇った鏡を拭く。そこに背後から現れ鏡に映る彼女の姿。 それとその後、息絶えたと思った彼女が不死身のごとく復活するラスト・・・。 ちょっといきすぎの感もある、まさにホラーの演出ですがこの彼女の姿にはゾッとさせられます。 現実の世界でも起こりえるホラーの世界。だからこその迫力が本作にはあります。 この頃のマイケル・ダグラスは本作や「氷の微笑」のような映画がよくはまっていました。 カッコいい人だと思うし、富も地位もある役がよく似合うのですが、この人が持つ独特の微妙にチャラい雰囲気。 こんな映画のこんな役がハマリ役でもありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-19 21:53:46)
694.  バーニー/みんなが愛した殺人者
結末はちょっと悲しい実話なんですが、バーニーと事件を語る町に人々へのインタビューが軸となる、 一風変わったテイストが面白いドキュメンタリータッチの作品。 元々ジャック・ブラックという人は好きなんですが、彼が何度も演じてきた、 ちょっぴりだめだけど憎めない勢いのいいロック野郎とは雰囲気が異なりとても静かな印象を与えます。 本作の彼の風貌と確かな演技力はフィリップ・シーモア・ホフマンを思い出しました。 事件前も事件後も町の誰もから愛された殺人者と、誰からも嫌われた被害者。 「罪を憎んで人を憎まず」という言葉もありますが、こういう事件をどう裁くのか。 ジャック・ブラックやマコノヒーの存在もあり、終始コメディタッチですが考えさせられる内容です。 そしてもう1人、どんな役を演じても抜群の存在感があるシャーリー・マクレーン。 こういうふてぶてしさのある役もお手の物です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-17 21:35:14)
695.  結婚宣言
パワフルに迫ってくるソフィア・ローレン。 そしてそんな彼女に振り回されるマストロヤンニ。 これはもう、あまりにもお馴染みのこの2人の姿。  デ・シーカの「昨日・今日・明日」や「ああ結婚」など、 イタリア映画の伝統芸とも言える艶笑喜劇でおなじみの名優にして盟友の2人。 本作でも鉄板の安定感でとても楽しい掛け合いを見せてくれます。 この2人のこのパターンの映画は何本見ても全く飽きが来ない楽しさがあります。  昼は教会の学校で教師をつとめ、夜は”命の電話”の相談員をつとめる、 典型的堅物のマストロヤンニ演じるドン・マリオと、 ”命の電話”に電話をかけてきたことがきっかけでローレン演じるヴァレリアの2人が互いに惹かれあうのですが、 ドン・マリオのカトリックの伝統に縛られた神父さんという立場が作品をとても面白いものにしています。  マストロヤンニは終始神父さんの黒い服と黒縁眼鏡の地味な衣装。 それだけにゴージャスなローレンが頻繁に着せ替えを見せてくれるカラフルな衣装が作品の中でとてもよく映えています。 巨匠トロヴァヨーリの音楽も相変わらず素晴らしい。 この2人が主演で、キャスト以外にもイタリア映画界の大物が顔を揃えるイタリア映画でありながら、 なぜか英語であることだけが残念。やはりこんなイタリアン・コメディには、 「ボンジョルノ!」といったイタリア語の響きが似合うと思うのですが・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2015-09-14 20:20:40)
696.  ピンクパンサー
スティーブ・マーティン好きでない限り、特にブレイク・エドワーズ版を見ている人には微妙な作品だと思います。 でも、スティーブ・マーティン好きにとっては十分の作品ですね。 日本で言うとドリフ系のマーティンならではのベッタベタなギャグもたっぷり味わえます。 結構スベッっているギャグもあるのですが、それも含めてこの人の味だと思っています。 ビヨンセ、エミリー・モーティマーの女優陣も魅力的。ジャン・レノはいつも通りです。 普通にスティーブ・マーティン映画なので、捜査の行方などは途中はどうでもよくなっていました。 終盤のスティーブ・マーティンとジャン・レノが派手なタイツ来て変なダンスを披露するシーンがお気に入り。 ハマッているマーティンと見事に浮きまくっているレノ。 マーティンのクルーゾーがいいかどうかはとりあえず置いといて、 このシーンを見てこの作品はこの2人のコンビで良かったのかも・・・。と思えました。
[DVD(字幕)] 6点(2015-09-12 23:55:35)
697.  ドン・ジョン
「(500日)のサマー」では華奢な感じの草食系男子だったジョセフ・ゴードン。 本作では、マッチョでポルノ依存の肉食野郎を演じる。 「500日のサマー」と比べると別人のようです。それでも、頻繁に教会を訪れ懺悔をする。 懺悔を聞く神父の「何回祈りなさい」の回数が毎回微妙に変わるのが可笑しかったりもするのですが、 このあたりは日常生活に宗教があまり入り込んでいない日本人には分かりづらい感覚なのかな。 冒頭からしばらくは、結構なバカ映画か?と思いきや、 ジュリアン・ムーアが登場するあたりからは少しずつ作品の空気も変わっていく。 僕は「500日のサマー」のような役の方がいいとおもいましたが、本作のジョセフ・ゴードンのキャラもこれはこれで面白かったです。
[DVD(字幕)] 5点(2015-09-12 23:50:09)
698.  テナント/恐怖を借りた男
アパートに住む主人公、部屋の中で次第に膨らむ妄想、薄気味悪いアパートの住人・・・。 ポランスキー自身の監督作「反撥」「ローズマリーの赤ちゃん」と共通する部分を多く感じるサイコサスペンス。  とあるアパートに転居してきた1人の男。自分の前の住人の女性は自殺している。 実は彼女はこのアパートの隣人達に自殺に追い詰められたか、あるいは彼らに殺されてしまったのではないのか・・・? そして隣人達は自分のことも自殺に追い込むか殺そうとしているのではないのか・・・? そんな妄想が彼の中で芽生え膨らんでいく様を、少しずつ小出しにじっくりと彼を苦しめ、追い詰めていくかのごとく描いていく。 1つ1つは些細なことを丁寧に積み上げていき、次第に彼の心を狂わせていく様に次第に目が離せなくなっていきます。  この主人公の男を演じるのはポランスキー自身。 久々に俳優ポランスキーを見ましたが、やはり見る者を引き付ける演技を見せてくれます。 このポランスキー演じる男はポーランド系フランス人であり、これはまさにポランスキー自身と重なります。 これは少年時代から隣人の目や迫害から身を隠し緊張を強いられて生きてきた、彼の生い立ちなどと無関係では無いのでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-06 15:12:00)
699.  わたしに会うまでの1600キロ 《ネタバレ》 
PCL(パシフィック・クレスト・トレイル) メキシコとの国境からカナダとの国境まで。アメリカを南北に横断する、険しい自然の中をひたすら徒歩で行くロードムービー。 メキシコ国境付近の果てしなく続く砂漠。険しい山岳地帯に雪原に、連日雨が続く鬱蒼とした森林地帯。 ロケーションを変えながらリースが重い旅の装備を背負い、重い過去を背負いながら徒歩で旅する様を追い続ける。 そんな旅の風景にテーマ曲的に使われる「コンドルは飛んでいく」がピタリとはまっている。 本作は実際にこのコースを3ヶ月かけて踏破した女性シェリルの体験に基づいています。 旅の風景に頻繁に彼女の過去の姿が挿入される。ドラッグにセックス依存に離婚、愛する母とのエピソードと悲しい別れ。 フラッシュバックされる彼女の過去は思い描いていたよりもシリアスな内容でしたが、 旅の風景やサバイバル描写はソフトに抑えられており、見やすさのある作品になっています。 この旅を通じて人生をリセットし、新たな人生を歩みだそうともがき続けるシェリル。 旅の1日目、テントを立てるのにも一苦労、重い旅の装備を背負い、立ち上がるのにも一苦労。 バーナーの燃料を間違えてしまい調理も出来ない。砂漠の真ん中でポツンと1人でテントの中。怖くて眠ることも出来ない。 最初は不安で一杯だったけど、旅を通じて少しずつ強くなっていく。 そんなシェリルを演じる、顔も服も汚れて化粧気も無いリースの熱演に、 母親を演じたローラ・ダーンも印象に残る演技を見せてくれます。 旅のゴールは「ヤッター!」と声を上げることも無く意外なほどあっけなかった。 でも、1人旅のゴールってこんな感じなのじゃないかな。 いつまでに帰らなければならないとか、2泊3日とか、そんな期限の無い旅。 僕もいつかそんな旅をしてみたいなと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2015-09-03 20:16:56)
700.  バンクジャック 《ネタバレ》 
銀行のセキュリティ担当のウォーレン・ベイティが、 その立場を利用し悪党どもの金をまんまと盗み出す痛快サスペンス・コメディ。 相棒役のゴールディ・ホーンがとにかく可愛いです。パワフル・コメディエンヌのゴールディの魅力が全開。 実際に金を盗み出すまでの前半がちょっと長く感じるのですが、 金を盗み出し、悪党どもから執拗に追われる後半はとてもよく出来ています。 台詞をほとんど用いず、追いつ追われつのウォーレン&ゴールディと悪党どもの鬼ごっこをテンポ良く見せていく。 サスペンスとコメディのバランス配分も実にいい。 本作のMVPは勿論ゴールディ。彼女抜きではここまで面白い作品にはならなかったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-02 23:23:14)
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