681. 地獄でなぜ悪い
《ネタバレ》 監督に洗脳されたがごとく、オーバーアクトする若手俳優。青臭い直裁的なメッセージ。良かれ悪しかれ園子温監督の持ち味だったと思います。しかし、本作についてはそのような気配が皆無。薄い物語の上を血しぶきと鉄砲玉が降り注ぐ。おバカ映画を作りたかったのかとも思いましたが、園子温的生真面目さが邪魔してか、ほとんど(いや全く)笑えませんでした。 [DVD(邦画)] 2点(2014-03-30 01:05:04)(良:2票) |
682. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 再見。だから、どうせ「10点」だと思いながら見直してみたのだが、あらためて気づいたことが二つある。その1、ラストを知りつつ見ると、初見時にはダルかった前半のコメディパートがものすごくいい。その2、11点を献上できるなら、本作にこそあげたい。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-03-20 22:37:09)(良:3票) |
683. 宇宙兄弟
漫画の映画化っていったら、もうそれだけで負け戦確定だと思うワタシです。しかし、本作についてはそうじゃなかったような気がします。特に物語前半においては、シーンの間に起きているはずのエピソードが容易に汲み取れるというか、ものすごく上手い寄木細工をみたような感じでした。志の高い人が作ったのではないかと思います。なお、原作は未読です。もちろん読みたくなりました。 [地上波(邦画)] 7点(2014-03-16 21:51:51) |
684. コンプライアンス 服従の心理
《ネタバレ》 バカは罪だ。世の中の不幸のほとんどはバカのせいだ。バカはイヤだ。そんなことを陰々滅々と考えながら、己の身を焦がすような思いで観続ける。こんなことはありえん、と思えないんだ。とてもイヤな本作ですが、冒頭から救いようのないある作中人物の世間話でこの物語を閉じるあたりに監督の並々ならぬ底意地の悪さを感じる。でも、傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 16:28:49) |
685. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 クーッ、もの足りねえ。せっかくこんなに気持ちのいい球場を作っておきながら、野球そのものの魅力、スポーツとしての特殊性を描かないんだ。例えばスコーンと突き抜けて陽気なところとかダイナミックなゲーム性の高いところとか。グラハムには三塁打を打って欲しかったですよ。ダイアモンドを全力で駆け抜けて欲しかった。 [DVD(字幕)] 4点(2014-03-02 06:48:26) |
686. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
《ネタバレ》 見終わった直後は良かったと思ったのですが、しだいに釈然としない。最後の演説シーン。人生の岐路においては、どっちの道が正しい道かは判断できたが、その道を行かなかった。困難な道だからだうんぬんと。偏屈で女好きだけど、筋は通してきた人という解釈でそれまで観ていたのですが、このシーンでフランク元中佐のピントがぼけてしまった。もちろん、正しい道をまっすぐ進んできた人のそれよりも、演説の説得力はあると思いますが、それまでのアルパチーノの堂々とした退役軍人っぷりと照らしてあわない。そういえば、最初からチャーリーに吐いてしまえといったり、クズだとか自嘲的だったりもしてたなとも思うのだけれど。副題のなんだかなぁという感じとともに、なんか今、繰り返しですがいいの観たなあと思いつつも、釈然としない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-01 17:34:47) |
687. ビッグ
《ネタバレ》 12歳の少年がトム・ハンクスの躰をもつって話なら、もう後は推して知るべしってモノ。だから何か文句があるなら、それなら観るなというハナシだと思いますが、それでもちょっと残念だと思うことがある。物語中で13歳の誕生日を迎える主人公。13歳ったら、あんなに子供子供していなくって、ある程度はいろんなこと分かってますよ。ラッキーに恵まれてよいポジションを得ることができたなら、子供の感性なんてモンだけに頼らずに、戦略的に仕事をやり遂げた喜びを勝ち取る成長譚などもあって良かったのじゃないか。スーザンとの関係においても、背伸びしたいのだけれどどうしたらいいのか分からないもどかしさみたいなものが欲しかった。いや、そんな御託を並べるような映画じゃないとは思いますけど。だんだんうちに帰ろうという気持ちになっていくシーン(子供が2人で野球の練習をしてるのを眺めているところ)、良かったです。 [DVD(字幕)] 5点(2014-02-23 16:43:02) |
688. カリートの道
《ネタバレ》 「You are So Beautiful」。往時に流行ったセンチメンタルなこのバラードが映画の主題歌とは知らなかった。本作のラストで、パラオの紫の夕日に踊るゲイル(だと思う)にこの曲が重なって来たときの鳥肌感。もちろん、死を覚悟した透き通った瞳のアル・パチーノのモノローグからのつながりがあってのことだと思います。遠くにいってしまった憧れがどんなに輝きを持っていたか。換言すれば、「You are So Beautiful」を聞くための映画だと思う。よかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-22 20:57:43)(良:2票) |
689. ワイルド・スピード
《ネタバレ》 もっとアクロバチックな車のサーカスみたいな映画を期待してましたが、そういうものではないのですね。とにかく、作中の音がうるっさい。チューンナップされたエンジンの音とか、軋むタイヤの音とかうるっさい。地球が壊れたり、宇宙人と戦ったりするもっと騒がしい賑やかな音の映画を観てきましたが、本作のはホンットうるっさい。夏の夜に県道走っているあいつらの音なのですね。やってる悪事はDVDプレーヤー泥棒って、小者っぷり。それでいて結構友情に厚かったりする、ようするに外国の「ヤンキー映画」です。本邦にもそういう映画の需要はあるように、外国にもそれが楽しい方々がいるんだろうけど、なんで大人しい日本のワタシがそんなの見なきゃいけねーんだよって感じでした。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2014-02-21 22:47:23) |
690. 鴛鴦歌合戦
花のように明るくて楽しくてかわいい。志ん朝の落語のような話だ。 [DVD(邦画)] 8点(2014-02-16 00:03:53)(良:1票) |
691. キツツキと雨
《ネタバレ》 木こりが出てくる映画と聞いていましたが、バリバリ林業じゃないですか。冒頭、木を切り倒すところから、スルスル木を登る枝打ちやお昼の腰弁当を作るところさえ、魅力的な林業。だから、映画人の方が林業に引きずりこまれる話と期待しましたが、逆なんだ。基本的にワタシ苦手な映画制作の話。もし、本作にもう少し気を入れられるとしたら、作中、田辺監督が作るところの「ユートピア~ゾンビ大戦争~」が確かに岸を泣かせるだけのチカラ(ワンシーンでもいいんだ)があればと思いましたが、そんな片鱗をうかがわせることもないのですね。残念。 [DVD(邦画)] 3点(2014-02-15 16:29:46) |
692. テストN
ただつまらないんじゃなくて、鼻につく面白くなさなんだ。ここにはもちろん書きませんが、劇中人物の最後のセリフに怖気が走る。おまえさん方(制作方)、やっぱりそんなふうに思っていたのか。むしろ、世に流通させた発売元に問題ありかと確認してみれば、あの「ラ○ー」を売り出したところ。ここんのは、もう信用しねえぞ。 [DVD(字幕)] 1点(2014-02-15 08:18:01) |
693. エリジウム
《ネタバレ》 フレイの娘を含めた地球の残った人類の運命のカギを握りつつも、躊躇なくエリジウムでの治療を目指すというアクション映画の主人公らしからぬ命根性のいさぎわるさ。それも最後の展開のためのしかけだったと思いたい。とにかく弱いんだか強いんだか、かっこいいんだか悪いんだか分からない主人公ですが、釈然としないラインを迷走しつづけるこの物語にあっていたとも思う。あ、いや、この映画は好きなんだ。豚売りのおばちゃんの物言わぬ親切とか、田舎に立ってる警官人形のような保護観察官のくだりとか。監督が築き上げた世界観の奥行きを深めていたと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 19:28:31) |
694. 乱れる
《ネタバレ》 一途であるとか、けなげとか。身を引きますとか、忖度するとか。慎ましやかであるとか、私は大丈夫とか。最悪のシナリオはそんな良かれと思っているようなものの上に描かれているという映画。だから見終わった後、しんどい気持ちになります。こわい女だよ。 [DVD(邦画)] 8点(2014-02-02 19:46:01) |
695. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 「外の世界には、まったく興味がないんだ」。おーこれは、あのいしいひさいちベースの”社会不適応者”ホームズが活躍する話なのかもしれん、と血圧上がりました。しかし、そんなワケはないのですね。何だか意味ありげですが散漫な感じのイベントが繰り返された後、最後の対決になります。そこで、いままでの種明かしがきちんと行われる親切設計なので、観て損したとは言いませんが、ロバート・ダウニー・Jrなのに、かっこいいと思わなかったぞ。なんか薄味。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-02-02 00:18:05)(良:1票) |
696. アライバル-侵略者-
《ネタバレ》 関節が反対に曲がるだけで、こんなにへんてこに見えるのかという新鮮な驚き。しかし、怪奇大作戦みたいなもんなのだろうから、そういう尺でもっとスパッとやってくれれば良かったのになあ。割と出たとこ勝負のゼイン氏には宇宙人を出し抜けるようには見えなかったので、「吸い込み玉」に飲まれちゃった方がしっくりきたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-26 15:50:22) |
697. 今朝の秋<TVM>
「ながらえば」、「冬構え」、そして本作。扱っているモチーフもテイストも全然違いますが、日本の湿っぽい「グラン・トリノ」と呼びたい。潔く老いて居ることを教えてくれます。すばらしい! [DVD(邦画)] 9点(2014-01-20 19:16:42) |
698. マッチスティック・メン
《ネタバレ》 娘を思う父親の気持ちくらい無防備なモノはありませんっ!だから、最後のひっくり返しは大反則でしょう。あの仕掛けは、娘抜きでやってくれ。からっけつになっちゃったけど、3人で幸せに暮らしましたとさってヤツでお願いしたかった。ものすごく美人ではない、ごく当たり前にみえるアリソン・ローマンがチャーミング。ラストのくだりでは、ロイになり変わって、バカ男に娘を引っ張られるよな気持ちになってました。いやいや、娘じゃないんだって。【追記】リドリー・スコットというより、ロバート・ゼメキスの映画だな。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-18 23:49:08) |
699. 黒い画集 第二話 寒流
《ネタバレ》 裏焼きの「半沢直樹」。または平田昭彦氏が植木均役をやってるという見立てで無理矢理「無責任シリーズ」の外伝。 [DVD(邦画)] 6点(2014-01-11 06:22:23) |
700. 冬構え<TVM>
《ネタバレ》 山田太一による「東京物語」の換骨奪胎。永遠のおじいさんであるところの笠智衆。彼の名優が決して演じなかったおじいさんの物語。もっとたくさんの人に観て欲しい! [DVD(邦画)] 9点(2014-01-02 15:13:43) |