681. プールサイド・デイズ
《ネタバレ》 『この映画何が面白いの?』と聞かれると、『○○が良い』とは、正直答えられない作品なんです。 ですが強いて言うなら、『よくわからないんだけどなんか良い』作品です。 中学、高校と友人が全然いなかった自分。バイトを始めて、実は自分が結構仕事ができる人間だと気付く。職場では信頼され、友人もできる。とにかく居心地が悪かった『学校』。一番自分らしくいられた『職場』。そんな経験をもつ私にとって、この少年、とても他人とは思えないわけです。 この少年と同じような立ち位置を経験したことがあるかどうかで評価は大きく変わるでしょう。 主人公の少年ダンカン。いきなり『3点』をつけられるオープニング。性格最低の母親の彼氏。その彼氏の連れ子で、性格最悪の義理の姉。この二人がとにかくダンカンを見下し、馬鹿にし、ハブにする。そんな状況に母親は『目をつぶれ』『協力しろ』とダンカンに暗に求める。いやはや、最低の家族です。 そんな最低家族を、なんとなく見返すクライマックスのシークエンス。派手ではないのですが、ちょっとだけすっきりします。 バイト先の人たちがみんな良い人。みんな明るく魅力的。理想的なバイト先です。 そして何と言っても隣の女の子。ちょっとムチムチなのがポイント高い。そんな女の子とどんどん仲良くなっていくのが、またたまらない展開です。 最低家族が、全然家族としてうまくいっていないのに、みんなが馬鹿にして見下していたダンカンは、なんかすごい楽しい人生送っちゃってて。これがちょっと痛快なんです。つまり、そーゆーところが『なんか良い』作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-18 04:50:43)(良:1票) |
682. イーグル・アイ
《ネタバレ》 謎の女の正体・・・。それは・・・!。 よくあるプロットなのに、騙された。 『銀行口座』『電光掲示板』『信号』『配送先』『携帯』『ドアのロック』『無人戦闘機』、小さなものから大きなものまで、なんでもかんでも『乗っ取り』『操作』。『それは無理だろ』っていうのも結構あるけど、その勢いとアイデアが好き。 だから最初から最後まで手に汗握ら・・・ない。なんだろう、手に汗は握らないんですよね。 1つ1つの仕掛けはユーモアに富んでいて面白いのですが、それが一発芸で終わっちゃっている感じがしまして。点と点が結びついて線になり、それがストーリーとしての面白さにつながるというところまでいっていない気がするのです。 それに、追いかけてくるFBIと空軍女性士官、ちょっとジェリーを最初からテロリストと決めつけすぎじゃないですかね。 『アメリカ社会が報復テロの脅威にさらされたのは、現大統領と現政権のせいだ。』といって、テロリスト顔負けのテロ行為を繰り広げる最高頭脳コンピューター『アリア』。そんな矛盾にも気付かないとは、最高頭脳もたいしたことないな。 なーんてことを考えながら、最後まで目が離せなかったのは間違いないですね。 アイデアの映像化という点では成功していますし、無人戦闘機から逃げるアクションは凄い迫力なので、一見の価値はあるかと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-04-18 04:01:54)(良:3票) |
683. ドクター・ストレンジ
《ネタバレ》 ちょっと不思議の国すぎるなあ。どうして『魔術』とかになると、むつかしい世界へ行こうとするのだろう。もっとわかりやすくていいのに。 いや、途中まではわかりやすくて良かったのです。なんか、『鏡の中の世界』みたいなやつと、『暗黒大王』みたいなやつ。この辺がわかりにくい。 『鼻持ちならない傲慢外科医、事故にあう』⇒『外科医に復帰したいので、魔術にすがる』⇒『立派な魔術士に』⇒『悪い奴をやっつける』⇒『今日から君もアベンジャーズだ』 これだけでよかったのに。 やれ『結界』だ、やれ『時間の概念』だーとか、いらんです。 シンプル・イズ・ベスト。 リアルな世界に起きる、ちょっとだけ非リアルなアドベンチャー。そしてヒーローアクションがあれば十分なんです。 この映像技術があればシンプルな勧善懲悪ストーリーにするだけで絶対面白いんだから。 ドクター・ストレンジの人物像は賛否両論。やや否が多い気がしますね。まあ、彼が好かれないのはわかります。 個人的には、インテリで傲慢。でも良識があり優しい。そんな相反する性格を持ち合わせている人間臭い感じが、スタークにちょっと似ていて好きですね。 ストレンジとウォンとの漫才はかなり面白い。マントもナイスキャラ。 最終決戦がまさかの『根くらべ』。意表を突かれましたね。『地球から出て行かないと永遠に繰り返すぞー。』『もうやめてくれ。』って、まるでコント。魔術の世界は奥が深い・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-04-16 21:23:04)(良:1票) |
684. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 20分程度の出来事を、主観を変えることで90分に引き延ばした映画。こーゆー手法はいまや真新しくはありませんが、1つの出来事をいろんな視点で見るってのは、やはり楽しいものです。言わば、この作品は『それだけに特化した作品』とも言えそうです。 アイデア頼みのところがあるこの作品。ストーリそのものの面白さは特筆すべき箇所はありません。 テロリストは普通にテロリスト。デニス・クエイドは見たまんま主人公。裏がありそうな同僚にはやはり裏がある。 こーゆーのって、複数のエピソードから紡ぎだされる『真相』によってもたらされる『驚き』が快感に変わるわけですが、そういった面が、本作ちょっと弱い。 例えば、イケメンの地元警察官がシークレットサービスに射殺されたように見えた映像は、実はテロリストに射殺されたものだった。でもその種明かしをされたところで、『はあ・・』という感想しか出てきません。肝心の種明かしのシーンが驚きや感動につながらないのです。 トーマス・バーンズが2回ほど、映像を見て驚くシーンがあります。ひとつはハンディカメラ。もうひとつはテレビ局の映像。そーゆー演出は良かった。何を見たのか後で教えてくれるだろーから、そーゆーのを期待しながら続きを見ることが出来ます。 『1回目の爆発音、実は本物の大統領がいるビルで起こったもの』という真相も良かったです。 だから悪くはないんですが、今ひとつ決定打に欠ける印象です。ちょっと思わせぶりすぎたのかな。こちらの期待値は上手に上げてくれるんですが、結果がそれに見合わない感じです。 ついでに言うと、良いところでいつも『ふりだし』に戻されちゃうので、途中で飽きがきちゃって若干中だるみする時間があったのもマイナスポイントですね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-04-16 03:21:08) |
685. ゲスト(2009)
《ネタバレ》 いやいや、そんな馬鹿な、と思いまして、もう1回巻き戻して全部チェックしましたよ。 うおお、確かに誰も話しかけていないし、誰も答えていません。 またしてもひっかかってしまった。 『第6感』以降、この手の作品にはひっかかるまいと気をつけていたのに、またしてもしてやられてしまった。くやしい…。 ただ、はじめからレイチェルは怪しすぎるので、レイチェルはないなと思っていました。 パターン①父親が犯人 パターン②アレックスが犯人 で、レイチェルは良い人で、最後は助けてくれるのだろうと。 でもそーかそーか。そーゆーことですか。 ただ、サプライズは成功していますが、映画としてはどうかな。面白いかな。ちょっとダラダラしすぎじゃないかな。ダラダラした展開を無駄なホラー演出で誤魔化してはいないかな。 もともとわたくし、『夢』とか『幻覚』なんかの電波系スリラーが好きじゃありません。ですのでこの作品が好みでないのは確かです。まあですが『夢』や『幻覚』が必要最低限に抑えられているので、結局は最後まで興味深く鑑賞しちゃったわけです。 ただ映画として面白かったかと問われると…いまひとつかな。 [DVD(字幕)] 6点(2020-04-15 04:26:13) |
686. チェイサー (2008)
《ネタバレ》 後味悪いなあ・・・。韓国ってこんなんばっか。いや、こーゆー映画を知らず知らずのうちにチョイスしちゃってるだけなのか。 ヨンミンをジュンホが捕まえるまでは、なかなかのスピード感あるハラハラサスペンス。捕まえてからは、なぜかコメディタッチなテイストが増え、ゆるゆるな感じに。そして次第にシリアスなサスペンスへと再びシフトチェンジ。 うーん、緊張感のない『中盤』をはさむことで、『序盤+終盤』とのギャップに余計気持ち悪さを覚える、その効果は否定しません。ですが、無理矢理救いの無い結末に持っていっている感じがして、はっきり言って不快です。 『ミジンは助かって!』って一生懸命願いながら見ていたのに、なんだよこの結末。 警察が、ジュンホが、真剣にミジンを探していたのなら、完璧な捜査のうえでの結末ならまだ許せる。もしヨンミンがレクター博士のような天才犯罪者ならまだ許せる。でも全然違う。 警察だけではありません。ジュンホも馬鹿すぎます。お互いに足を引っ張りまくり。第一、ヨンミンを捕まえ、他人の車に乗っていて、血痕までついていて、殺人の自供までしているにも関わらず、ミジンの居所ひとつ吐かせられない取調べ。とてもプロだとは思えません。映画用に、あえて無能すぎる警察組織を作ったのですか? ジュンホだってもうちょっと警察に正確に状況を説明すれば済む話。無駄なアウトロー感がイライラさせます。 第一あんなに刑事がいたくせに、釈放されたヨンミンにつける尾行が2人だけってアホですか。そしてヨンミンを尾行していた女刑事がいたはずなのに、ヨンミンは殺害後どうやって売店から姿を消したのさ。 ミジンが売店のおばちゃんに電話を借りて、警察に通報。でも警察は来ない。何故ならパトカーの中で居眠りをしていたから。そんな馬鹿な。犯人にとってのご都合主義にも程があります。 勢いと雰囲気。迫力。暴力描写の容赦の無さはさすがです。ですがこんなに穴だらけなストーリー構成はだめでしょ。 救いようの無い悲劇にしたいのであれば、それ相応の説得力が必要だと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2020-04-15 02:55:53)(良:2票) |
687. ロンドンゾンビ紀行
《ネタバレ》 『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ゾンビランド』系のゆる系ゾンビ。 ここにカテゴライズされるゾンビ映画のゾンビたちは、基本走らない。これ大事。 ゾンビたちの中で居眠りする老人。このシチュエーション考えた人は天才すぎ。ゾンビたちも気付かないってのが、作り手のセンスを感じさせます。 ゆるい中にも、ちゃんとサバイバル感を感じとることができます。 みんな一生懸命闘うし、一生懸命逃げる。妹に会いに家に行くときはちゃんと警戒するし、今何をすべきかちゃんと考える。主要キャラたちは無駄に油断することがないので、その辺でイライラすることがありません。 銃の弾だってなくなる。ミッキーの隠れ家に武器を調達しに行く。こーゆーところをちゃんと描く。これが大事。コメディタッチな作品だからってディテールに手を抜かず、設定がしっかりしています。 ゾンビたちをばったばったとなぎ倒すシーンが全編通して盛り沢山。もはや爽快感さえ感じちゃいます。 兄ちゃん、じいちゃん、いとこの姉ちゃんは戦闘力高め。弟も少しずつ成長していく様子が微笑ましい。 街中を車やバスで走っているときに、街のあちこちでさりげなくゾンビに襲われている人たちを映し出している。良い仕事です。こーゆー細かいところをきちんと描く作品って意外と少ないので嬉しくなります。 コメディ的笑いはそんなにありません。ただし一箇所だけ、ちょっと笑ってしまったシーンが。今作ではゾンビの弱点を克服した最強ゾンビが登場します。ヘッドショットが効かない、頭金属ゾンビ。カキーンカキーン。会話の中に伏線まではってある凝りよう。 個人的にはゆる系ゾンビ映画の中ではトップクラスの出来栄えだと思っています。私は『ゾンビランド』や『ショーン・オブ~』より、こっちのほうが好きですね。 [DVD(字幕)] 8点(2020-04-14 02:20:20) |
688. ファイナル・デッドクルーズ
《ネタバレ》 ただのサスペンスかと思ったらエスカレート系。 犯罪者でもなければ殺人鬼でもない。ちょっと女好きな人たちと、ちょっと男好きな人たち。どこにでもいる普通の若者。そんな普通の若者たちが、ちょっとしたボタンの掛け違えで、お互いに殺しあってしまうまでを描いたシチュエーションサスペンス。その狂気を、違和感や不自然さを感じさせないぎりぎりのバランスで描いた良作。 前半がちょっとダラダラしすぎかもしれないですね。まあ必要な人物描写のシーンではありますが。それに前半の平穏なバカンス風景があるからこそ、中盤からの殺し合いがよりスリリングに感じられるというものです。にしても長い前半です。 リサが死んでからは徐々にスリリングな展開に。みんなの精神が少しずつおかしくなっていく様が妙に生々しくリアルです。 一番情けない感じだったジョシュ。そんな彼が一番狂気をはらんだ人間に変貌を遂げていくなんて誰が想像できるでしょう。 ショーンとキムの最期が悲劇的で悲しい。これだって、平常時であれば、キムはこんなミスはしなかったでしょう。これがパニック状態の人間の怖さ。早とちりで簡単に人間の命が散ってしまう。 気がつけばタミーとジョシュしか生き残っていません。クルーズに出る前、誰がこんな結末を予想したでしょう。うまいなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2020-04-13 22:08:25)(良:1票) |
689. パラサイト・バイティング 食人草
《ネタバレ》 『怖い』というより『痛い』。そして『気持ち悪い』。恐怖感より嫌悪感のほうを強く感じちゃいますね。 外では村人たちが武装して、一歩でも外に出れば射殺。水も食料も残り僅かで助けが来る保障もない。唯一の望みは遺跡から鳴り響く携帯だったわけですが・・・。いやいや。その携帯の正体がそれじゃあちょっと八方塞がりすぎるなあ。 ここまで手も足も出ない状況でひたすら消耗していく様子を見せられると、気が滅入ってしまいます。 ホラー映画に求める、ハラハラとか、ドキドキとか、たまに訪れる反撃のカタルシスとか、なんかそーゆーのが全然ないんですよね。 食人草は良かったと思います。パックリ口開けてガブっとかじゃないのが良い。なんか本当にこーゆー植物いそうですよね。寝ている間に傷口から侵入するとか、なかなかいい感じです。 舞台もいい。こじんまりした遺跡というのが好み。ただ、低予算のためか、ほとんど遺跡の外の話ってのは物足りなさを感じます。 この舞台設定と、アグレッシブな若者を揃えた割りには、ホラーに寄りすぎている感じはします。もうちょっとだけアクションアドベンチャー的要素もあれば、また評価は違ったかもしれません。 主人公がひたすら篭城を主張し、友人は脱出を主張する。保守派と革新派。結果保守派が勝利し、映画はひたすら陰鬱で地味なものへ。その割には極端に痛い描写、生々しい描写あり。うーん。微妙に私の好みからずれていて残念でした。 [DVD(字幕)] 5点(2020-04-13 21:33:12)(良:1票) |
690. マンイーター
《ネタバレ》 『こんなジャングル・クルーズは嫌だ!』みたいな作品。 何かの陰謀とか、実験とか、生物兵器とか、遺伝子操作とか、そんな雑味はいっさいなし。ただでかいワニがいた。そして人を食う。それだけの映画。なんと潔いのでしょう。 このリアルワニワニパニックの巨大ワニの存在を、地元の人間が誰も知らない。なぜならこれはB級だから。 パニック映画としては一定の水準を満たしているのではないでしょうか。 『ジョーズ』の舞台を『ジャングル・クルーズ』に変えただけですね。 ホラーやパニックにたいして新しい風を求めない私とは、とても相性が良い。 ワニの巣穴に迷い込んでからの攻防はなかなかの迫力。リアルな恐怖心を感じられます。ワニが水中に入ってスーってこっちにやってくるときの恐怖はジョーズに通じます。 ただねえ。こーゆー映画ならではの『登場人物たちにイライラ』なーんて悪習まで踏襲する必要はないんです。その筆頭はケイト。ツアー客を自分の勝手な判断で巻き込むなんて非常識。更にはツアー客に死傷者多数。自身も大怪我して、みんなにこれからどう償っていくんだい、と心配していたら、そんな彼女がピートに一言。『ツアーはどうだった?』いやいやいや!これだけ死人を出しといてその冗談!こいつまじか! ピートはピートで会ったばかりのガイドの女性のために、そこまで命をかけるかね。 何とも理解に苦しむ人たちです。今回ばかりは二人ともワニに食べられちゃっても良かったです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-12 21:12:57)(良:3票) |
691. アントマン
《ネタバレ》 小さくなるだけかと思ったら、まさかの『アリ使い』。操作系の能力者ですね。それに、小さいままでなく、大きくなったり小さくなったりを繰り返して相手を翻弄する戦い方が楽しい。 主人公のスコット・ラング自身もちょっと背が低め。キャラに合っています。冴えない泥棒かと思いきや、理系の大学出身で、プロのスパイのような能力を持っている。ハンク・ピムの金庫を開けるまでの知的な強奪シーンは結構好き。オーシャンズ11やミッションインポッシブルを連想させてかっこいいです。 お茶目なんだけどクール。犯罪者だけど善人。インテリ系だけど身のこなしが軽い。愛すべきキャラクターです。スタークとキャプテン・アメリカを足して2で割ったような人物。 このシリーズに期待するのはなんといってもアクションなんですが、大変良かったです。大事なのは敵キャラですが、アントマンと闘うのはファルコンとイエロー・ジャケット。どちらもグッドです。 ファルコン好きなんで、彼が出てくれるだけでも嬉しい。愛すべき脇キャラです。2人のスピーディな技ありバトルは必見。 そしてイエロー・ジャケット。肩レーザーがガン・キャノンを連想させてかっこいい。対するアントマンの特殊技能は『アリ』。普通逆じゃないですか? 娘へのプレゼント。ペーニャのアテレコ。機関車トーマス。笑いのポイントも盛り沢山。大変愉快な作品でした。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-04-12 18:04:39)(良:2票) |
692. アイズ(2008)
《ネタバレ》 オリジナル見ています。オリジナルは、かなりはまりました。満点つけたと思います。ホラー映画の傑作です。 こちらのリメイク版も好きです。よく出来ています。オリジナルの雰囲気も出せていたのではないでしょうか。 ドラマパートよりホラーに力を入れているイメージがあります。その分、私はこのリメイク版のほうが怖かったわけですが、ドラマパートはオリジナルに軍配が上がりそうです。 特にアリシアとのエピソード。オリジナルでは子供との別れで泣いた記憶があるくらい感動しましたが、こちらではあっさり。 『アリシアとの別れを悲しむ』⇒『写真を見ながら、アリシアとの思い出を懐かしむ』⇒『写真を見ながら、笑顔でコレは誰?』 この演出がリメイク版ではいまいちなんです。特に、写真を見るときに最初から怪訝そうな表情をしていてはだめなんです。わかってないなー。この辺りのドラマパートの演出が随分大味でありきたりなものになってしまったのがもったいない。 ですので、これはもう普通のホラー映画。とにかく怖がらせてきます。カフェでのおばさん霊も怖かったのですが、一番怖かったのはエレベーター。密室で一人のところにあの霊はやばいっしょ。好きなエピソードは火事になった中華料理屋。かなり好きです。 ちょっと怖すぎるシーンもありましたが、ホラー映画として十分満足できる内容でした。 [DVD(字幕)] 7点(2020-04-11 14:13:49) |
693. フェイク シティ ある男のルール
《ネタバレ》 似たような映画が結構ありますから、オチは最初のほうでわかっちゃいます。 トムは最初出てきたときはクレイジーでダーティーな役かと思ったのですが、意外とまともでした。実は良いやつ。うーん、もっと悪い人間でも良かったかもしれないですね。『毒を以って毒を制す。』みたいな。 フォレスト・ウィテカーをはじめとして、同僚がみんな悪人顔で善良な刑事には見えません(笑)。もっと善良そうな同僚、気のいい仲間たちってのが伝わるようなキャスティングと演出であれば、最後の裏切りは読めなかったろうし、衝撃的だったかもしれないです。この人たちの悪人顔ったら・・良いやつなわけないじゃんね。 なのでミステリーとしてはいまいちなわけですが、刑事サスペンスものとしては好きなテイストです。しかも途中からバディものみたいになりますし。ディスカントが死んじゃうのは予想外。案内役の小太りギャングも殺されるとは思わず。 エンターテイメントアクション特有のノリ。軽めの爽快感。その一方でやたらシリアスでハードボイルドな苦味。この相反する二つのファクターがうまいこと絡み合っていない感じがするんですよね。ですから、意外性よりも違和感を感じてしまいます。 ですが私はこーゆー映画が好き。『悪い奴は全員死』。これだけでもすっきりします。ワンダーの悪事だってすべて明るみに出ちゃう。もちろん彼と同僚たちは警察内部のガンの一つにすぎませんが、少なくとも一つはなくなったわけです。これが大事。そして私はキアヌが好き。これも大事。よってこの作品は充分楽しめたのであります。以上。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-11 03:55:59) |
694. メイジーの瞳
《ネタバレ》 おいおい、まじでだめな大人たちだな。と思っていたのですが、マーゴとリンカーンはまだマシか。若い分、学び、人としての精神的な成長が見られます。最悪なのはスザンナ(母親)とビール(父親)。これくらいの年齢になると、精神的な成長は期待できず、こんな人たちのもとに生まれちゃったことがもはや不幸ですね。 メイジーより不幸な境遇の子供はもちろんいます。ですが程度の差ではないんですよね。やっぱりメイジーも幸せだとは言い難いでしょう。唯一の救いはマーゴやリンカーンだけでなく、バーの従業員やマンションの管理人まで、メイジーを助けてくれる人がたくさんいたことでしょうか。 スザンナとビールもメイジーのことを愛していないわけではないのですが、その愛し方がペットと変わらないのが大問題。彼らは優先順位が常に自分たちにあります。自分たちの生活を犠牲にしなければいけない局面になると、メイジーを犬やネコのように置き去りにしちゃいます。これはもう監督責任義務違反でしょう。 そんなメイジーを助けてあげるのがリンカーンとマーゴ。なのにクソな両親、特にスザンナはそんな二人をけなし罵倒するというモンスターぶり。スザンナやビールから、体のよい使用人のように扱われていることに気付いた二人は当然スザンナとビールの元から去っていきます。要は、誰もメイジーのことを本気で考えている人はこの時点ではいないわけです。勝手なものですね。子供のような大人たちに猛省を促す作品です。そういった意味ではこの映画の存在意義ってのは大きいでしょう。 映画として面白いかと言われると微妙ですが・・・。 ただ一番幼いメイジーが、誰よりも空気を読んで、大人達に合わせている様子は超健気。メイジーが大人たちと触れ合うときは本当に楽しそうにするわけで、それがまたいじらしくて泣けます。 海に行ってからは、『学校は?』『仕事は?』といろいろ気になっちゃいますね。 [DVD(字幕)] 6点(2020-04-10 12:17:07) |
695. シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~
《ネタバレ》 お仕事&グルメ系サクセスストーリー。わかりやすく爽快。コメディタッチで愉快。映画よりドラマにしたほうが面白そうな感じ。 天才は天才を知る。好きなんです。こーゆーの。 尺をコンパクトにまとめているため、ラガルドがジャッキーを見出すまでがあっと言う間ではありますが、このテンポ感嫌いじゃないです。 今まで誰にも認められなかった、埋もれた天才ジャッキー。ラガルドに見出され才能を開花。料理に関してはラガルドを凌ぐほどの腕と知識を持っているのが面白い。しかもすべて独学。 料理以外では謙虚だが、料理のことになると一歩も引かないキャラがかなり良い。師であり恩人であるラガルドにだって一切の遠慮ない。そこから生み出される二人の掛け合いは、並の漫才よりよほど面白いです。 また、彼女の存在や厨房の仲間たちなど、脇役、モブキャラの存在が良い具合に光っているのも本作の特徴。 『主人公が少しずつ認められていく』タイプのサクセスなので、見ていて気持ちが良い作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-08 04:33:48)(良:1票) |
696. ベッドタイム・ストーリー
《ネタバレ》 ディズニー映画が好きなので見ました。期待値を超えるものではありませんでした。ですがそこそこに面白い作品です。 ベン・スティラーやアダム・サンドラーといった役者さん好きです。少し前ならジム・キャリーみたいなポジションでしょうか。こーゆー人たちは貴重です。でも今作のスキータは好きになれません。『良いところ』もあるのですが、『自分本位なちょっとクズ』な部分がどうにも受け入れられない。 『子供たちがつむいだお話が現実のものとなっていく』といくファンタジックなプロットは良かったです。好きです。ですが、そのアイデアが活かしきれていない感じがします。 スキータの作る物語はどれも中途半端で幕を閉じます。彼の『お話し』自体に面白さは感じません。まさに子供だまし。だからこそ、彼と子供たちが作り出したベッドタイム・ストーリーが現実とどう絡むかが大事です。 個人的には、こーゆープロットなら『お話』をするたびに、状況が良くなってほしいわけです。そこで、『2こめ』の『フェラーリ』、あれはだめでしょう。現実世界、なんも変わってないじゃないですか。 そして肝心のラストは、ベッドタイム・ストーリーなしで、『天の声』から後押しされちゃう。おいおい。そこはやっぱベッドタイム・ストーリーで子供たちから最後のアイデア出してもらわなきゃ。 そんでそのラストのご都合主義の強引さ。ご都合主義そのものは嫌いじゃございません。ハッピーエンドなら、爽快な気分になれるなら、何でも良いんです。 ですが今作の無理矢理すぎるハッピーエンドはあまりにもご都合主義すぎて、志村ロスでぽっかり空いた私の心の穴を埋めるには至りませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-04-06 04:50:48) |
697. スウィング・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 情緒を感じさせるゾンビ映画として評価すべきなんでしょうが、このかったるさはいかんともし難く、欠伸が出る始末。 更にはミッキー。彼の足手まといぶり。それでいてわがままばかり言う子供じみた性格。まるで自分の使えない部下を見ているようでイライラしちゃったのがまずかったみたいです。映画にノレなかったなー。 ゾンビ映画ならではの緩急のつけ方はきっちりしています。怖くはないんですが、要所要所で『おっ』っと思わせる展開は多々あり。なので悪くないとは思うのですが、ゾンビと関係ない『間』がちょっと多い。そして長い。くどい。『ゾンビ映画』=『超娯楽ムービー』というスタンスを希望する私とはなんとも相性が悪いのです。 その一方で、『とりあえず車の中は安全じゃん。何で外にでちゃうの』っていう『とにかく篭城第一主義』という私にとって、その思いを実現してくれた意義は大きい。 ですから、非常に判断に迷うところですが、お世辞にも面白いとは言えず、ましてや誰にもおすすめできないのは間違いありません。 もし女性たちのボスたちの砦を見せてくれて、彼女達にリベンジする姿を見せてくれたらまた評価が変わったかもしれません。 ちょっとこのテイストの映画にしては後味悪いっすわ。 [DVD(字幕)] 5点(2020-04-06 04:18:00) |
698. デイブレイカー
《ネタバレ》 ヴァンパイアが世界を席巻し、人間が絶滅危惧種。斬新。『人間が絶滅』⇒『ヴァンパイアも絶滅』という当たり前の構図をめっちゃ真面目に作った映画。 ヴァンパイア主体の世界ってのが、人間社会と同じように一定の秩序が保たれた社会ってのが面白い。駅の売店で売られている血液入りコーヒーのアイデアが好き。全くの仮想空間でありながら、ある種のリアリティを感じさせるほどに作りこまれた世界観。見事です。 さて、ストーリーはなんてことない普通のサスペンスアクション。もちろん面白いのですが、突き抜けた面白さというわけではありません。ただ、1つのアイデアを軸にして展開するストーリー構成が結構好きです。 吸血鬼から人間に戻る方法その①『太陽の光を浴びる。※1大変痛いです。※2死ぬこともあります。』 吸血鬼から人間に戻る方法その②『人間に戻った元吸血鬼の血をすう。※近くに別の吸血鬼が居た場合、命の危険があります。』 どちらもなんてことないルールなんですが、この取り入れ方、そして見せ方が抜群に上手いです。特に終盤判明するルール②.弟君に何かが起こり、突然場面が変わってエドワードは本社へ。このシークエンス、一体何が起こったのだろうと大変好奇心をくすぐられます。うまいなあ。 そしてこのアイデアを最大限に活かした最後の捕食ループ。この冗談のようなループを大真面目に、しかもクライマックスにもってきちゃうってのに脱帽です。しかもここが一番盛り上がっちゃうのも確か。1つのルールも使い方次第でストーリーや演出が面白くなる良い見本だと思います。 もったいなかったのは、最後に生き残った隊員達をクリストファーの手によって簡単に射殺させちゃったこと。ここはちょっと興が醒めます。ついでに言うと、会社のボスの娘がサブサイダーになったみたいですが、それがすぐに娘の成れの果てってわかりにくいのがちょっと減点。 面白かったのはクリストファーが代用血液を土壇場で完成させちゃったこと。『え?できたの?』って思ったのは私だけですか? [DVD(字幕)] 7点(2020-04-05 05:25:46) |
699. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
《ネタバレ》 もうはっきり言ってストーリーは意味不明なところがありますが、私はついていけるので全然OK。妻は寝ちゃいました。 今回はトニー・スタークが元凶。彼が『無敵のアイアン軍団』なんか作ろうとするからこんなことに・・・。もちろんそのおかげで『ヴィジョン』って新しい仲間が加わるわけですが、クイックシルバーが死んじゃうのが何とも悲しい。彼にはぜひこれからのアベンジャーズで活躍してほしかったものです。 ヴィジョンもねえ。まあこれからどうゆう活躍をしていくかにもよりますが、できれば『ジャーヴィス』って名乗ってくれたほうが親近感が湧いたかなぁ。 さて、今作では今までのヒーローたちがメインからサブまでみんな活躍してくれる。ウォーマシーンのような『ザ・脇役』もしっかり闘ってくれる。それだけで嬉しくなる。終盤の空中戦ではファルコンも登場してくれるのかと思っていたので、ちょっと残念でしたね。パーティと最後の集まりには居たのに。 また、パーティバトルならではの協力プレイが盛り沢山。キャプテン・アメリカの盾は使い勝手が良いみたいで、みんなで仲良く使っていますね。私は『ハルク』と『キャプテン・アメリカ』が特に好きなので、二人のバトルシーンはテンションが上がりっぱなしです。 『オープニングのヒドラ襲撃』『お約束のカーチェイスバトル』『ハルクVS巨大アイアンマン』『ラストの全面対決』と見所がいっぱい。列車を止めるシーンは遂に双子と協力し始めるとてもアツいシーン。前作よりもあらゆる面でのパワーアップを感じられる本作。最初から最後まで理屈抜きに楽しませてもらいました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-03-30 03:13:16)(良:1票) |
700. デイ・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 安定の『走るゾンビ』映画。ノロノロゾンビのほうが好きなんですけど、これはこれで良い。 本家のほうは世界が終わっちゃった感が半端なかったんですが、こちらはあくまで片田舎限定の話。なので単純な脱出サバイバルムービーになっちゃってます。 ゾンビ達が走り回る。それは良いんですが、変な知恵まであるのはいただけません。とくに終盤。ドクターが天井ゾンビにさらわれちゃうのはドリフかと思いましたよ。 兵士ゾンビが銃を撃ちまくるのも好きじゃないなぁ。 で、『噛まれたら感染する』。これ大事。ゾンビものって、血液感染が原則だと思うんですよね。ところが本作、まさかの空気感染。いやいや、防ぎようがないです。あまりに絶望的すぎるのもなあ。で、そんな中『免疫がある人間は感染しない。でも噛まれたら最後。』って、凄い設定だぜ。もはやゲームのようなご都合設定じゃないですか。 あれ、なんか批判的な内容が並んじゃいましたが、私はこの映画、嫌いじゃないです。ヒロイン。その弟とその彼女。黒人兵士。みんなで武装して脱出。この単純明快なサバイバルアクションがたまらなく好きなんです。 弟君たちが逃げ込んだビル内での『感染者は誰だ』のシーンや、はしごを上ってくるゾンビにTVを落として撃退するシーン。そしてなんと言ってもガンショップですよ。こーゆー映画で武器の調達しているシーン、凄く好き。とまあゾンビ映画として大事なポイントは押さえています。 ですので、満足度は結構高かったりします。 [DVD(字幕)] 7点(2020-03-30 02:03:43) |