761. ピアニスト
久々に心をえぐられるような衝撃を受けた一作。物凄く滑稽だけど笑えない。内臓の奥という奥まで乱暴に突かれるような凄まじい暴力性に溢れた壮絶な映画。長く切れ目のない悲鳴をひたすらに聞かされているようで、心拍数が上がる。痛々しいラストシーンには言葉を失った。男性は暴力性を外に向け、女性は内に向ける。生殖行為の形態と一緒。 10点(2003-12-08 21:07:08) |
762. ナチュラル・ボーン・キラーズ
タランティーノはこの映画の出来に相当気を悪くし、クレジットから自分の名前を外してくれとさえ言ったらしい。タランティーノ流のぶっ飛んだ殺戮ハネムーン映画かと思って観たら、社会派自負のストーン監督によるへんてこな編集遊びの映画になってしまっていて残念。ただ、この頃ジュリエット・ルイスが大好きだったので、それを見れただけでも良かった。この映画の彼女のビジュアルは大好き。友人にも評判良かったですよ。特に橋の上での結婚式のワンピ&ヅラのスタイルは可愛かったですね。ローライズのパンツなんかも似合ってた。 7点(2003-12-08 20:46:47) |
763. レオン(1994)
ナタリー・ポートマンがOKしたら、ベッソンは続編の「マチルダ」を撮るのだろうな…。それは嫌だ。この映画はこの映画で世界観が完結してるんだし。10代に観て感動した映画というのは特別で、この映画もついつい評価が高くなってしまう。まるで漫画みたいな設定と展開だけれど、よくまとまっていて綺麗で完成度の高い、本当に良い映画だと思う。あとこういうことを書くと卑猥だと思われかねないけれど、当時の雑誌のインタビューで本人が堂々と言っていたしいいかな、と思ったので言及します。当時13歳のナタリー・ポートマンには、まだ初潮が来ていなかったそうです(ちょっと遅めかな。彼女小柄で痩せてたしね)。肉体的に子供と大人のちょうど中間、そのギリギリの時期、その時期にしか出せない危うさを孕んだ色気が自然に滲み出ていて、とても魅力的だった。こんなこと書くとロリコンと思われそうですが、私は女だし、全くそんな性癖はない人間なので勘弁して下さいね(笑)。変な意味は全くなく真面目に、ああ、いいな、羨ましいな、彼女はいい時期をフィルムに閉じ込めたな、と思うのですよ。そういう意味でもとても美しい作品です。ちょっとした奇跡ですよ。 10点(2003-12-08 20:19:03)(良:4票) |
764. ダンサー・イン・ザ・ダーク
ラース・フォン・トリアーがビョークを使って映画を撮るという時点で、あのラストは完全に予定調和。あの変態監督、神経逆なでする映画ばかりでムカつくんだけど、どうしても観てしまう。才能は物凄くある。列車のシーンのカット割りは素晴らしく、鳥肌が立ってしまった。ラストよりずっといい。監督の実際の言葉。「この映画のどこにも愛はない」。母親の無償の愛を描いた映画だ、というのは解釈違いのようです。 そうですね、あれは母親の無償の愛じゃない。セルマの自己満足の物語です。息子を思うどころか、むしろ息子のいる現実から逃げ、自分の世界に酔い、それに殉死した。そういう意味で、セルマは勝ち逃げをしたのです。幸せな人なのです。少なくとも私はそう思った。だから、私は一般的な解釈にかなり違和感を抱いてしまう。分かりますか、そういう訳で、本当にひどい監督なんですよ、この人は。 10点(2003-12-08 20:02:00)(良:4票) |
765. ボディガード(1992)
ケビン・コスナーがナイフ使って桃食ってるシーンは、とても色っぽくてドキドキした。ホイットニー食ってるシーンは何かもうどうでも良かった。 4点(2003-12-08 19:45:24)(笑:1票) |
766. カットスロート・アイランド
史上最大の大コケ映画としてギネスに載ってましたね。100億円制作費かけてその10分の1位しか回収できなかったとか。内容的に別にクソ映画という程ひどくもないと思いましたが、確かにはっきりいって面白くないです。こういう、制作費を湯水のように使って作る中途半端な映画は、逆に罪ですね。クソ映画ならカルト的な人気も出るのに。 4点(2003-12-07 23:25:56) |
767. 死国
この映画の栗山千秋は、人形作家の堀佳子の作る人形ととても似ていると思いました。鬼気迫る美しさというか、ダークサイド的な日本の美というか。本当に日本人形のようで、純和風で、適役でした。美しかったですね。ストーリーはちょっと…。小説を乱読してた頃に原作も読みましたが、私は原作からして好きじゃなかったんです。2本立て(「リング2」と一緒だったかな?)じゃなかったら観ませんでした。 2点(2003-12-07 23:01:26) |
768. WASABI
このパラレルワールドな日本では、日本のやくざが流暢にフランス語を話し、全てのやくざは同じ黒スーツとサングラスの着用を義務付けられ、フランス人と日本人との間に生まれた子は完全な東洋人顔となり、感動的なシーンには鬼塚ちひろのBGMが流れる。パラレルです。日本人の知らない日本です。リュック・ベッソンは、90年代の後半あたりでどこかに才能を落っことして来たんじゃないですか?あの人の女好きは有名なので、この映画の撮影中、広末涼子がかなり心配でした。 3点(2003-12-07 22:51:54) |
769. ジーパーズ・クリーパーズ
いい映画がどれだけいいかを実感するために、たまにクソ映画が観たくて観たくてたまらなくなる時があって、「クソ映画~、クソ映画~、クソ映画はどこかな~」とカタカタ検索して行き当たったのがこれでした。でも、あんまりクソ映画という先入観を持って観ちゃいけませんね。思ったほどクソ映画じゃなくてがっかりしました。大グソ映画と思ったら、小グソ映画くらいでした。そこそこです。 3点(2003-12-07 20:07:56)(笑:1票) |
770. ミスティック・ピザ
今時の感覚で観ると、ファッションもすごくダサいし、全然洗練された映画でもないのだけど、なぜか私の中で、ちょっとしたお洒落映画という位置付けになってしまっている映画なのです。ミスティック・ピザ、食いてえ。 7点(2003-12-07 19:36:12)(良:1票) |
771. ショーシャンクの空に
だいぶ前、原作の「刑務所のリタ・ヘイワース」の方を先に読んでから観ました。この映画は、完全に原作を凌駕している数少ない映画の1つ です。と言っても、原作がつまらないわけでは決してないのですよ。原作を読んでない方の為に付け加えますが、さほど長くない中篇の原作を、原作に忠実になぞりながら、こんなに長い映画にする訳ですから、この映画では、より設定やエピソードが濃くなっているんです。例えば、原作の刑務所側の人間は、映画ほど極悪に悪い奴ではありません。相当悪いは悪いんですが。人物描写が、より精緻になっているような気がします。個人的なエピソードですが、私がレンタルビデオで借りて来て観た数日後、いつもは友人と外に遊びに行って、家に1人でいることなどほとんどない弟が、部屋にビデオを持って行き、3時間も1人で部屋にこもって、観終わった後、出て来て一言、「凄く感動した」と言っていたのが印象的でした。スティーブン・キングは、自身の小説の映画化作品で成功したものの1つとしてこの作品をあげています。その他は、「スタンド・バイ・ミー」「黙秘」「グリーン・マイル」「ドリームキャッチャー」だそうです…え……「ドリームキャッチャー」?それはなあ…。 9点(2003-12-07 15:06:32)(良:2票) |
772. 娼婦ベロニカ
《ネタバレ》 厳しい人間ドラマかと思って観てみたら、ハリウッド風味の女性のサクセスストーリーに仕上がっていて、あれれ?と思ってしまった。後味良くハッピーエンドにしたかったのだろうけれど、ちょっとあのラストにはコケてしまった。あの時代あの社会的風潮で、ああはならないって…。そして中世のイタリアの話なのに、なぜかみんな全編に渡って流暢な英語をしゃべっているよ!気を付けて!…まあ、いちいち指摘するのも野暮ですけどさ。 5点(2003-12-06 14:40:09) |
773. アルマゲドン(1998)
「インデペンデンス・デイ」と同じ匂いがする。自国礼賛映画を国外に出して外貨稼げちゃう国っていうのは本当に羨ましい限りですね。めでたいですね。残念ながら私もそれに一役買っちまいました。特撮の凄さは認めます。派手で良いと思う。視覚的には楽しいですよ。だから6点献上。でもこの映画に関しては、根底に流れるものが決定的にバカです。あ、あとブシェミがいた。ブシェミはよいよ。ブシェミは最高。ブシェミだけ最高。 6点(2003-12-06 13:53:15) |
774. タイタニック(1997)
服脱いだら意外と細いなー、おかしいなー、腹もそんな出てないなー、と思ってたら、ケイト・ウィンスレットの体、CG処理してたんですね。最近TVで知りました。プチ衝撃でした。 8点(2003-12-05 22:52:08)(笑:1票) |
775. 尼僧の恋 マリアの涙
当時19歳のアンジェラ・ベティスが可憐。昔雑誌で牧瀬里穂に似てると書かれていたけれど、確かに似てる。それでもって、相手役は長瀬智也に似てる。 6点(2003-12-05 22:26:47) |
776. 200本のたばこ
何のメッセージ性もなくライトなので、気楽に観られた映画でした。可愛くてあったかい群像劇だと思います。こういうの結構好き。あとギャビー・ホフマン。「フィールド・オブ・ドリームス」のあのちっこい女の子がこうも成長しましたか。プライベートでもクリスティーナ・リッチと仲良しみたいですね。 7点(2003-12-05 22:13:59) |
777. もののけ姫
《ネタバレ》 宮崎監督はいつも、僕はいちいち語りたくない、解釈は観客にゆだねられるものだ、という姿勢でいるけれど、やはり何か考えがあるから作品が作られる訳で、この作品内の1つ1つ全てに意味があるはずだ。この映画は複雑で難解だけれど、監督による破綻していない1つの一貫した意図なり思想なりがあるのかも知れない。でもそれをどれだけ観客が受け取れるのかは微妙だ。だって私について言えば、この映画を映画館で観た時、面白いと思ったし、深いとも思ったけれど、シシ神の巨大化は結局は何なのかなんて、理解できなかったのだから。後に私が読んだインタビュー記事で、監督がほのめかしていた。あれは原爆なのだ。リアルタイムで観てそれを受け止められた人が、一体何人いたのだろう? 6点(2003-12-03 00:39:17) |
778. ソナチネ(1993)
死神と踊るやくざたち。如実に表れた北野監督の死生観。死が生を内包しているのか、生が死を内包しているのか、お互いが属しあっているのか、何とも言えず限りなく同じ所にある生と死。監督に自分の自殺願望を見せ付けられているような、所詮超えられないものがあるんだよ、と言われているような映画。超えられる人と超えられない人がいる、という比喩の「ソナチネ」。タイトルの由来を知った時、心が妙に騒いだ。私はバイエルを終えてしばらくしてやめた。ソナチネには届いていない。 8点(2003-12-02 22:41:24) |
779. オープン・ユア・アイズ
常々、ペネロペ・クルスは綺麗だけれど絶世の美女と言う形容は違うなあ…と思っていたのだけれど、この映画の彼女は壮絶に美しいと思った。それはこの映画が彼女のエキゾチシズムとミステリアスさを大切にしているからだと思う(あと神秘的なアイラインメイクも大切)。逆にリメイク版では、同じ役柄を演じたにもかかわらず、その神秘性が損なわれてしまっている。ハリウッドのフィルターを通ってアメリカナイズされてしまい、「ちょっとミステリアスで愛くるしい女性」と言う雰囲気になってしまっている。メイクもファッションも違うしね。まあ好みの問題ですが。ありゃ、ペネロペのことばかりになってしまった。ストーリー自体は、変化球ではあるものの、特別な斬新さは感じなかった。 7点(2003-12-02 22:01:48) |
780. ミリオンダラー・ホテル
美しい映画だとは思う。お洒落で現代的だとも。だけど映画自体に今までのヴィム・ヴェンダースの作品のような重厚感はあまり感じられなかった。何も知らずに観ていたら多分、期待の若手の監督の作品かな?と思っていたと思う。表層的な美しさと今どき感はあれど、深みはあまりない。でも世界観構築のセンスはやはり良い。「ミリオンダラー・ホテル」という名前でありながら、住むのは富などとは対極の所にある者たちばかり。この人生の皮肉と脱落者たちに見る人生の美学。その視線は相変わらず好きです。内容はずしんと来なかったけれど、やっぱりどうしてもこの世界観が好きなので、8点献上。 8点(2003-12-02 21:35:11) |