61. プライベート・ライアン
私は正直ノンポリですが、そんな私でも、超大国アメリカがこういう映画を作りそれを礼賛している限り、今後も正義に名を借りた暴力つまり戦争は絶え間なく続き、流血がやむことはないのだろうと思いました。描写やカメラワーク、演技、見所はたくさんあると思います。スタッフ・キャストには本当にgood jobと言いたい。しかし、映画は文化すなわち生きるための糧だと思いますので、二人の娘を持つ親の立場としても、この評価にさせていただきます。 0点(2004-01-20 23:28:18)(笑:1票) (良:6票) |
62. 文学賞殺人事件 大いなる助走
話自体は別に映画にするほどのものでもないんですが、とにかく登場人物が濃い!2つの妖怪集団が出てきます。一つは同人誌グループのメンバー。この中で石橋蓮司の狂気が炸裂しています。蟹江敬三の演技も見事!もうひとつは直本賞選考委員会のメンバー、これがまた実におどろおどろしい。 7点(2004-01-17 17:59:12) |
63. 羊たちの沈黙
レクター博士を自分はそれほど恐いと思いませんでした。「あ、アンソニー・ホプキンスが演技している」という感じ。ストーリーの本筋である猟奇殺人自体も、犯人は割れている、動機も思いつき、話の展開と何の係わり合いもない、といった感じで、謎解きの要素もない。 5点(2004-01-17 17:52:47) |
64. アパートの鍵貸します
「恋はなりゆき」と言っていますが、それ自体を見事に表現していると思いました。特別衝撃を受けるような出会いでもなく、ときめくような描写があるわけでもない。ただいつのまにか事件が重なるにつれて、引き寄せられている、というよりも、そこにお互いが立っているという感じ。自分の居場所を神に導かれているような・・・。観客としても主人公と同じようにひきつけられていきます。設定が荒唐無稽であっても、こういった人間の感情の動きや時間と空間の流れにリアリティーがあるからこそ、この映画は名作として語り継がれているものと思います。まさに神業でしょう。 10点(2004-01-17 17:36:53)(良:2票) |
65. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
こういうの好きですねぇ。モンティ・パイソンっぽくて。ピーター・セラーズはほんとに全然わからなかったです。これだけふざけた内容でありながら、しっかりお金かけて作ってるっていうのは、すごいですねぇ。 8点(2004-01-12 22:18:53) |
66. シックス・センス
話の本線である、子供に霊が見えるという設定の段階で、もはや「まあ、そんなこともあるだろう」くらいの感覚の、ありふれているところがあり、多くの人が映画に期待する、この先どうなるのかというようなドキドキ感が薄いまま話が進んでいくのが、物語を起伏のないものにしているのではないかと思いました。よほどのどんでん返しがない限り観客は納得しないだろうと。監督はそれを見越してあのラストを持ってきているのでしょうが、なんだかラストの企画が念頭にあったようにも感じます。謎解きのもうひとつの、ヴィンセントと少年の関係、母親と少年の関係も説明不足。このあたりをもっとしっかり描いてくれたら、もっと見ごたえのあるものになったのではないかと思います。しかし、何の予備知識もなく観ていたのですっかりだまされました。 7点(2004-01-12 22:13:10) |
67. スティング
軽妙で口あたり爽やか、にもかかわらずどっしりした風格のようなものを感じるのは、脇役も含めた俳優陣のうまさなんでしょう。ポール・ニューマンの登場シーンにはひっくり返ってしまいました。ただひとつ残念なのは、この復讐劇を敢行する必然性の説明が弱かったこと。これだけのクセ者を一瞬にして集められるのならば、わざわざここまで趣向を凝らさなくても乗っ取れるのではないかと思いました。やはり登場人物を後押しする形で楽しむ映画は、この部分が弱いというのは物足りない気持ちがします。 8点(2004-01-09 22:13:25) |
68. 情婦
大どんでん返しは言うまでもないですが、そこにいたる描き方も実に巧妙。ファーストシーンから悪態をつく弁護士、「このおっさんどんな奴やねん」と思っていたら、帰還をワクワクして待っている従業員達。小憎たらしいけどいかにも憎めないキャラクターだというのが2シーンでわかります。同じような形でタイロン・パワーにも、ディートリッヒにも描写が重ねられていて、この人達の行く末から目が離せなくさせてしまう。タイロン・パワーが帽子屋で見せるあの笑顔、「きったねぇ!」と思ってしまいます。職人の作品だなと感じました。 10点(2004-01-09 20:05:18) |
69. 大脱走
何より感じたのは、これが事実だとしたら、ドイツ兵って案外人道的だなあということ。夜中に捕虜があれだけ集まってたら脱走の相談くらいするよなあ、と。収容所も占拠できそうな勢いですし(笑)。しかしそういうものとは別に、非常に明るく、元気が出る映画ということで評価したいと思います。ラストも夢があっていいですね。「夢を忘れるなよ!」と。 7点(2004-01-09 19:57:10) |
70. タクシードライバー(1976)
ジェットコースターに乗っていて、頂上についた後延々と平坦なレールを進み、長い時間緊張させられた後一気に叩き落されたかのようです。あの緊張感は他の映画にない独特のものです。デニーロの演技はハンパではないですね。 10点(2004-01-09 19:51:55) |
71. マトリックス リローデッド
スミス100人切りのシーンに流れる音楽は、「八つ墓村」の32人殺しのシーンに流れる曲にどことなく似ている気がするのですが、単なる偶然でしょうか? 7点(2004-01-08 10:37:43) |
72. 飢餓海峡
巷の評価が非常に高いので期待してみましたが、期待が大きすぎたかなと思います。警察の犯人の断定ぶりがあまりにも強引。迷宮入りしかけた事件があれだけの推測で一挙に解決してしまっていいものかと思いました。樽見京一郎が懺悔の念で私財を寄付する、というのも薄っぺらい。また、左幸子が樽見京一郎に迫る場面はかなりエキセントリックな感じがしました。爪を肌身離さず持っているくらい恩義を感じているのはわかりますが、あれでは相手のこともかまわず、ただ自分の望みさえかなえられれば相手の生活はどうなってもよいとばかりに見えました。それも貧困のせいにしてしまうのは、少しばかり論理の飛躍というものでしょう。それにしても、伴淳三郎、三国連太郎、左幸子の演技は際立っていましたね。事件の解決にむけての努力、飢えと貧困からくる犯罪と良心の呵責、この映画で訴えようとしているそういうものの多くがシナリオからではなく、上記主役陣の演技に助けられて表現されているような気がしました。最後の遠ざかる海のシーンは印象的でした。 7点(2004-01-07 17:46:59) |
73. アメリカン・ヒストリーX
エドワード・ノートンはうまい!正直言って、刑務所の中での回想エピソードはありきたりのものでうすっぺらい気はするが、ノートンの代わりぶりで「いろいろあったんだね」と思わせられる説得力があったと思う。表情の作り方や仕草にデ・ニーロの影響が多分に見て取れます。題材は黒人差別に対するものですが、テーマとしては、肉親への愛情や、後生担わねばならない業のようなものを強く感じました。 8点(2004-01-07 17:29:46) |
74. 会社物語 MEMORIES OF YOU
市川準監督作品の、「BUSU」が東京の朝の風景を写しているとすれば、この作品は東京の夕暮れを見事に表現している。これは、それぞれ富田靖子の成長、ハナ肇の老いとオーバーラップしてみることができると思います。ストーリー事態はものすごく地味なのですが、東京の風景に同化することで非常に心にしみる作品になったと思います。 6点(2004-01-03 22:42:01) |
75. ちょうちん
陣内がかっこよかったですね。内藤剛志、石田えりもうまかった。 5点(2004-01-03 22:39:03) |
76. あげまん
うーん・・・。宮本信子を主演にという主目的を持っているのはわかるのですが、役と乖離せずチャーミングに見せることのできたギリギリの作品ではなかったでしょうか?マルタイではちょっと完全に無理がありますね。このころの伊丹映画はキャストのそれぞれの演技をみるのが楽しいですね。 5点(2004-01-03 22:37:07) |
77. 酔いどれ天使
暗い雰囲気がどうも好きになれない。やはり時代の流れを感じてしまう。三船は怖すぎる・・・。 6点(2004-01-03 22:34:19) |
78. 隠し砦の三悪人
ネーミングがいいじゃないですか。「隠し砦の三悪人」て。主演の女優はとても美人だったけれども、セリフが聞き取りづらかった。黒澤作品の女優は往々にしてセリフがききとりづらい場合が多いと思うのは私だけでしょうか?そのせいもあってか、息もつかせぬ展開、というものは感じられませんでした。 6点(2004-01-03 22:32:49) |
79. ターミネーター2
パート1のスリルをそのまま引き継いで、ドラマ的要素を追加しているところは、パート2としては大成功ではないでしょうか?期待通りだったと思います。 8点(2004-01-03 22:30:01) |
80. マルコヴィッチの穴
意識と実体というものの存在を掘り下げるために、このストーリーを思いついたのだとしたら、このアイデアはスゴイ。コメディとしても楽しめますが、なんだか騙し絵を見ているようで、それでいて考えさせられるところが多い。一回観ただけでは本質まではわかりませんでした。気がついたのですが、「真剣に演じている」のではなく、「真剣さを演じ得ている喜劇」が面白さの秘訣なのかなと思いました。 8点(2004-01-03 16:59:29) |