61. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 こういう映画、わたしは好きです。こんな映画を撮ることができるのはタナダ監督以外いないかもと思わせられる映画でした。ただラストの「いいんですか、先輩…」のシーンははっきり言っていらないと思いました。タナダ監督は「さくらん」のときもそうだったけど、なんかラストになるとどこかずれてしまうみたいです。あのシーンだけ学生が文化祭用に撮った映画みたくなってしまって、惜しい。伏線は十分にはられているので、お金が貯まらないように中島が鈴子にお金を借りているのは、鈴子以外観ている人は皆わかっていることです。あそこは「先輩、水かけすぎですよ」だけで十分伝わるはず、とかえらそうなことを言ってしまいましたが、タナダ監督、わたしはあなたのファンです。次回作期待しています。それにしても蒼井優はタンクトップがめちゃくちゃ似合う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-05 09:33:53) |
62. ぜんぶ、フィデルのせい
主人公のアンナがとてつもなくかわいらしく、一気に観てしまいました。監督には申し訳ないけれども、アンナ役がニナ・ケルヴェルでなければわたしは観なかったと思います。1970年あたりのスペイン・チリの歴史がいまひとつわかっていないので、映画にぐっとはいっていけず、ひたすらアンナの姿を追っていました。ふくれっ面からにっこりと微笑むアンナにメロメロ。彼女の次回作を期待します。ニナの演技に+1点を。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-30 08:29:28) |
63. 人のセックスを笑うな
《ネタバレ》 この映画の登場人物の中で誰が好きかと言われたら、間違いなく堂本です。自分の親友を好きな女の子をずっと想っている彼のことが映画の間中ずっと気になった。ずっとずっと待ち続けて、最後にえんちゃんにキスをする堂本のシーンを観て、とても幸せな気分になりました。松山ケンイチ目当てで観たのだけれど、ユリとみるめのことは途中からどうでもよくなって、サイドストーリーの方が勝ってる気がした。この映画はちょっとしたシーン・シーンが秀逸で、エリック・ロメールを思わせる覗き見的な場面が多くて、すごくキュートなしかし誰も見ていない知られない出来事を自分だけが目撃しているという錯覚に陥らせる、私好みな映画です。永作さんがもう少しがんばってくれればもっと素晴らしい映画になったと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2008-12-04 09:33:30)(良:1票) |
64. 悪魔の呼ぶ海へ
《ネタバレ》 19世紀に起こった謎解きは最初から展開を十分に予想させるもので、特に目新しさはない。現代の男女4人の関係ははっきりと語られることなく物語はすすむ。ジーンが弟のリッチの写真ばかりを撮る場面から違和感を覚え始め、アデレーンとトムの関係もその場で恋愛のはじまりに立ち会っているような感じである。終わりごろ、「あなたが目的でここに来た」という、ジーンへのアデレーンの科白も謎かけのようだ。過去の物語ははっきりと語られ、現代の物語はなにもかも霧につつまれている。編集が素晴らしく、過去と現代の糸は絡まりに絡まりあっている。そのなかで圧倒的な存在感をしめしているのは、過去の物語の主人公であるマレン(サラ・ポーリー)。私はこのようなタイプの女優を知らない。彼女が画面に映るだけで緊張が走る。特異な女優さんだと思う。若いときのホリー・ハンターに似ているかもしれない。彼女の演技を観るだけで十分に価値のある映画。 [地上波(吹替)] 7点(2008-02-27 09:55:46) |
65. 間宮兄弟
《ネタバレ》 あの森田芳光が「小さな幸せがいっぱい」などという作品を撮るわけがないあの「家族ゲーム」の森田が…と勝手に思い込んで見ていたわけですが、もう最初からツッコムつもりで観ているわけで、なんともひねくれた観客なわけです。で思うに、あの間宮兄弟はあの完結した兄弟の生活のなかで遊んでいるだけなのではないか…と。弟は最初からカレシがいると知っている直美ちゃんを誘うように兄にけしかけ、自分は離婚騒動の最中にいる兄の同僚の奥さんに迫る。どちらも成就しないことを見据えての恋愛ゲーム。兄弟の生活の唯一の汚点は、「結婚できない」「彼女がいない」と言うことであるわけだけれども、それが成立してしまうと兄弟の生活は崩されてしまう。彼らにとっては「女性にもてない」ことさえも兄弟の生活のなかのゲームなのではないか。そう考えてみるとこれは結構怖い映画かもしれない。まったり…などと言っているのが空恐ろしいような気がしました。でもこの映画、わたしは大好きです。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-20 17:17:00) |
66. 小説家を見つけたら
マイケル・ピットが端役で出ているので観ることに。弁護士役でマット・デイモンがちょこっとでているのがうれしかった。今回観たのは2回目だったけれど、最初に観たときよりずっとよかったです。アンナ・パキンが少女特有の透明感で印象的。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-22 08:02:18) |
67. イルマーレ(2000)
キスもなく思わせぶりなラヴシーンもなく、ひとを好きになることの切なさや怖さをちゃんと描いている。もちろんキーになるのは時間のずれなわけですが、韓国映画のこういうところにはまいりますね。終わり方にはいろいろ異議があるみたいだけれど、わたしはなんかわからんうちに終わってしまうのがいいような気もします。あれどうなるんだろう…みたいな。それにしてもチョン・ジヒョンさん、相変わらずチャーミング!服の着こなし方とかひとつひとつのしぐさが洗練されていて、わたしはすごくすきですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-28 12:28:37) |
68. ボーイズ・ドント・クライ
主演のヒラリー・スワンクは計算された演技と独特の美貌で心を奪う。この映画はその一点だけで成り立っているような感じがする。感情をまじえず、事実として性同一障害者の現状・悲しみを描こうとした意図はよくわかるけれども、かえってそれが現実をなぞるだけに終わってしまっているような気がする。アカデミー賞をとったのが主演女優賞だけというのもむべなるかな。でも人には絶対お勧めしない。あまりにも悲しすぎるから。おすぎさんとかはどう思うんだろう、こういう映画。どういう批評をしているのか知りたいと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-10-03 11:32:48) |
69. ビューティフル(2000)
《ネタバレ》 サリー・フィールド監督作品ということで観てみました。美人なんだかよくわからないミニー・ドライバーにも興味があったので。よくあるネタじゃんと思いつつも、主役3人の演技にひきつけられ、だれることなく一気に観てしまった。子役のヴァネッサ役の少女がすごくうまい。日本じゃ考えられないうまさだ。いつまでも子どものような大人になりきれないモナをミニー・ドライバーが好演。また何度も不運にみまわれてもけっして音をあげないルビーにエールをおくりたくなる。「幸せなことなんでしょうね、母親に愛されるって」とつぶやくモナに、「そうね」と答えるヴァネッサ。立場がまるで逆転しているところにこの映画のすばらしさがあると思う。そして母親に愛されなくても子どもから愛されることによって立ち直っていくモナに希望をみる。エンディングはご都合主義といわれれば、もちろんそうなんだけど、でもいいじゃない、こんなにがんばったんだもん。でもあそこで失格になって、それでもちゃんと生きていけることを示すことができたら、もっと深い映画になったかも…。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-24 22:36:25) |
70. マシニスト
《ネタバレ》 クリスチャン・ベールがいったいどうやってあんなにまで痩せることができたのか?それがこの映画の最大の謎ですね~一度観てしまうと二度は観れないタイプの映画(シックスセンス、エンゼルハート、などなど)ではあるけれども、暗いというだけでは説明のできない映像が素晴らしくて、わたしはまた観ちゃうかもと思いました。ストーリーは今ひとつではあるけれど、クリスチャン・ベールの演技には本当に鬼気迫るものがあり一気に観てしまった。ただあの冷蔵庫をなんで開けないの?いったいいつになったら開けるの?とそればかりが気になってイライラしました。それも演出なんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-11 09:38:00) |
71. ファーゴ
最初はバイオレンス映画だと思って観ていたのですが、マージ(フランシス・マクドーマンド)が出てきたところから映画の雰囲気ががらっと変わりました。瞬きひとつでこんなふうに映画の趣きを変えてしまう彼女の演技に魅了され、アカデミー賞も当然と納得。シリアスな映画であるにもかかわらず不思議に乾いた印象の映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-22 20:39:45) |
72. コンスタンティン
キアヌのファンなのでどうしても点が甘くなってしまうのですが、それにしてもレイチェル・ワイズとキアヌが出ていて、他の出演者もけっこうすごくて、その上この映像美…いうことないんじゃないでしょうか? わたしは「西洋悪魔図鑑」など読んだりもするので結構楽しめました。キリスト教の基礎知識はある程度必要だと思います。でも宗教としてではなく、あくまでも神話としてとらえて観た方が楽しめますよ。映画なんだしそれでいいと思う。別にメッセージとか求めてないし。それからエンドロールのあとにちょっといいシーンがあります。見逃さないで。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-08 11:01:06) |
73. プロヴァンスの贈りもの
ラッセル・クロウ、リドリー・スコットが意外にもラブコメを。びっくりです。マリオン・コティヤールが抜群に美しくて、サングラスをかけて自転車に乗ってやってくるところがもうかっこよくて、彼女になりたいと思いましたわ。ラッセルクロウはあまり好きでない俳優さんなのだけど、この映画のラッセルはキュート。 あと子役のフレディ・ハイモアがベテランかっていうほど老成した演技をみせていて、鳥肌ものでした。アルバート・フィニー相手に堂々たる演技。このひとは演じるために生まれてきたような人だなと思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-22 08:40:57) |
74. マジック・イン・ムーンライト
《ネタバレ》 ウッディ・アレンの映画は大好きだけど、特に会話が気が利いていて好きなんですが、今回はそれも考慮してもいつものレベルのアレンではないなと思いました。ただ、ちょっと軽い映画、楽しめるものを彼は撮りたかったのかもしれません。 コリン・ファースもエマ・ストーンもとてもすてきだし、彼女のファッションもめちゃめちゃ美しい。南仏の風景も素晴らしい。 でもどう考えても、ソフィがスタンリーのことを好きになる理由がまるでわかりませんでした。いつもアレンの男の夢なのかな。 やっぱりラブコメなんだから、説得力はなくちゃ!と思った映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-18 09:28:51) |
75. ミケランジェロ・プロジェクト
《ネタバレ》 まずこの映画の美術はすごいと思う。美術品はもとより、第二次大戦後の街の風景や兵士たちの服装まで、全然手抜きがない。最初のシーンからそこにひきこまれていった。しかしジョージクルーニーとマットデイモンが出ている時点で、オーシャンズ11を彷彿とさせ、またチームものということもあって、ソダーバーグの二番煎じという気持ちは抜けなかった。原作が面白そうなだけ、もっとうまく料理できればという感じがする。淡々と描きたいのか(ドキュメント風に)、エンターテイメントなのか、中途半端。俳優としてのジョージクルーニーはとても尊敬しているので(マイレージ、マイライフなど)、ちょっと失望した。やはり映画は誰にでも撮れるものではないのだなあと思う。でもキャストが豪華だし、楽しめる作品ではある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-09 06:55:07) |
76. 私がクマにキレた理由
スカーレット・ヨハンソンがキュート、セクシー。ダサい格好しててもかわいい。ローラ・リニーがめっちゃゴージャスでびっくらこいた。でもお金持ちの生活って大変だなあ。ドラマゴシップガールでもそうだけど、アッパーイーストサイドの生活って、普通の人にはムリムリですね。 でもみんなああなりたいのかしら、そうなのかしら、と考えた映画。映画の本筋とはまるで関係ないことばっかり考えさせられたけど、でも十分に楽しめる映画だと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-01-22 14:15:42) |
77. 永遠の0
岡田准一がよかった。それは間違いない。孫役の三浦春馬が役に入りきれていないし、また岡田准一と比べてしまうせいか、美青年にも見えずちょっと苦しい。宮部久蔵の心理をいまひとつ描き切れていないと感じた。時間の関係もあると思うけれども、そこはもっと深く描いてほしかった。そのぶん、現代版は削ってもいいと思う。全体に感動しようと思ってもさえぎるものがある、なぜか。しかし零戦、赤城などパーフェクトといっていいくらい再現されていると思う。零戦が初期グレーであったことは恥ずかしいながら初めて知った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-10-12 10:16:57) |
78. サプライズ(2011)
《ネタバレ》 面白かったです。ちょっとイライラしているときに観たからかもしれないけど爽快でした。どんどん人が死んじゃうんで、最後アガサクリスティの「誰もいなくなった」みたいになるのかと思った。エリンは助かったでしょうね。でも説明が大変だなあ。警官まで死んでるし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-05 07:43:35) |
79. Wの悲劇
《ネタバレ》 昔々にリアルタイムで観ているのですが、今回BSで放送されていたので懐かしく観ました。当時は世良さんと三田村さんの対決とか、アイドル薬師丸ひろ子にばかり目がいっていましたが、今観ると三田佳子さんが演技がとんでもなく素晴らしかった。蜷川監督が台本を投げていたのが妙にうれしかったです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-10-29 22:46:51) |
80. ボローニャの夕暮れ
《ネタバレ》 評価が難しいです。点数をつけるのも。観ているうちにどんどん心が暗くなります。母性を描いた作品は多いけれども、父性を描いた作品、特にこんなふうに描いた作品はなかったように思います。それでもジョヴァンナに感情移入するのは難しい。娘を溺愛する父親に比べて、美人の母親には母性が欠けている。わたしがもっとも感動したシーンは親友と妻の恋愛(不倫ではなく)に対してミケーレが親友に言い放つ場面。この映画はミケーレ役のシルヴィオ・オルランドに負うところが多いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-11-24 21:59:40) |