781. 女と女と井戸の中
《ネタバレ》 考えたらラストシーンの主人公、家族も友人も恋人も若さもお金も職も住む家もすることも、とにかく何もないんですよ。室温が下がったような空寒い感じがしました。本当に寂しい映画なのだけれど、妙に心に残ってしまう。ちょっとしたトラウマムービー。画面も青い、内容も青黒い、まさにブル~な映画。 7点(2003-12-02 21:06:07)(良:1票) |
782. バロン
独特の世界観を武器にする監督は多いけれど、テリー・ギリアムはその中でもかなり独特。この作品は今まで観たどの映画にも似ていない。強烈なオリジナリティーがある。だから拒否反応を起こす人も多いだろうけど、一見の価値はある。若き日のユマ・サーマン(何と18歳!)や幼き日のサラ・ポーリーが見れることも得をした感じ。ところでバロンの仲間の1人のビジュアルにそっくりなキャラが某有名海賊漫画に出て来ませんか?うちの弟も同意してくれたよ。他にも、あれ?エピソードが似てるぞ?と思うところがいくらか。あの漫画家さんも好きなのかな?この映画。 8点(2003-12-01 21:42:27) |
783. グーニーズ
《ネタバレ》 初めて観たのは8歳位の頃で、その頃でも「洞窟とか作り物っぽい」と思ったし、友達は「最後の海の上の船、張りぼてみたい」なんて言っていた。CGに毒されていない時代の子供にすらそのセットは子供だましに思えた(ていうか子供ですらだまされていない)。でもそれなのに単純にわくわくした。主人公パーティと一緒に冒険した気になって楽しんでいた。いい映画だと、今でも思う。多少嘘臭くても、私は手作りの映画が好きだ。むしろその嘘臭さ、チープさを愛している。CGにはどうしたって出せない温かみがあるから。アナログはデジタルとは違って、作り手と受け取り手の距離が短く、近しいから。 9点(2003-12-01 21:15:29) |
784. マルホランド・ドライブ
この映画(他のリンチ映画もですが)は、その世界観に耽溺し、不可解さに翻弄されるのが醍醐味であり、明解な回答や辻褄合わせを求めるのは野暮で、そもそもそんなもの自体存在しないのだ、と個人的に思い込んでいました。しかし全く論理の破綻のない解釈をすることが可能であることを知り、目からうろこが落ちました。なるほど、辻褄合わせも出来るのか。でも答えなんて別にどうでもいいです。ラストのあの何とも言えない感覚、喪失感と充足感が同時混在する、あの不思議な耽美に酔えただけで、私は超絶大満足。 10点(2003-12-01 20:45:00)(良:1票) |
785. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 すごい制作費をかけて作ったちょっと個性派なB級風味SF。キッチュでポップな未来世界の造形は結構好き。シャネルのメイクゴーグルとか、ああいう遊び心のある小物使いがイイ。20歳位のミラ・ジョボビッチも初々しくて可愛い。ラスト、ほんとに文字通り愛が世界を救いおった。笑いが止まらなかった。ごめん、好きです、この映画。 8点(2003-12-01 20:30:51) |
786. トゥルー・ロマンス
アラバマ最高。可愛くて、ビッチで、無垢で、奔放で、一途で、クール。その全部があるヒロインって、意外といそうでいない。この映画のパトリシア・アークエットが1番好き。私生活でもマジであの程度のファッションセンスしか持ち合わせていないことを知った時は引きましたが。クリスチャン・スレーターも突っ走るオタクを好演。走れ、オタク!いいぞ!てゆうかアレはモロにタラちゃんの自己投影+妄想だね!ホッパーV.S.ウォーケンの怪優対決も最高にイケてた。実は主役をやりたかったけど、ちょい役でもいいから出たい!という訳であの役になってしまったブラピもグー。 9点(2003-12-01 20:13:50)(良:1票) |
787. 黒い家(1999)
原作も特別面白いと思わなかったし、映画なんか一生観ることはないだろうと思っていたのに、家族が借りて来てしまい、残念なことに観てしまった。なんだこりゃ。日本映画はどうしてこんなにつまらなくなってしまったのだろう…。大体、こんな役は大概いつも大竹しのぶじゃないか。困った時の大竹しのぶ頼み。ワンパタ~ンです。確かに上手いけどね。例の乳のシーンが明らかにボディ・ダブルなのは笑った。てゆうかそもそも何だよ、「乳吸え」って。原作にはそんなのねえよ。びっくりだよ。 1点(2003-12-01 17:12:14)(笑:1票) |
788. 素肌の涙
真摯な姿勢で一家の崩壊を丹念に描いた秀作。荒涼とした風景が更にやりきれなさを助長する。姉役のララ・ベルモントの演技も素晴らしく、観ていて息詰まる思いだった。ただ、気になるのは邦題。家族それぞれの葛藤を描いている(まさしく原題の通り THE WAR ZONE )のに、まるで姉だけに焦点を当てたように思える邦題は何だかちょっと納得がいかない。てゆうか邦題と内容が合わない。 9点(2003-12-01 17:00:19) |
789. ズーランダー
《ネタバレ》 ワム!の曲に合わせて無邪気に爽やかにガソリンを掛け合う野郎たちのスローモーションの後の爆発シーンを観た時、間違いなくこの映画は好きだと思った。ベン・スティラーのセンスが炸裂していて素晴らしい。とてつもなく豪華なバカ映画。センスのない馬鹿映画は害悪以外の何者でもないのだけれど、こういうスタイリッシュでハイセンスな馬鹿映画はリスペクトに値します。いやあ、アメリカのコメディ映画であんなに楽しい気持ちになったのは初めてかも。 9点(2003-12-01 16:36:57) |
790. オータム・イン・ニューヨーク
ハリウッドは21世紀になってもまだこんなラブストーリーを作ってるよ!気を付けて!と忠告して回りたい。何ともため息が出てしまう1作。嘘臭く、薄っぺらい。略してうそっぺらい。この映画の撮影時のウィノナとリチャードの不仲は凄かったらしいから、そのせいもあるのかな。あと主人公が、男の連れの東洋系の明らかに一回り頭がでかい女のことを「彼女は頭が小さい」とか言ってた時は、皮肉かと思った。 3点(2003-12-01 16:19:34) |
791. ビューティフル(2000)
大切なのは外見よりも中身なんだよ、という語り尽くされて逆に誰も手を出さなくなったテーマにあえて直球に挑んだ作品。い、今更それで来る!?と多少驚きはしたものの、作品自体の作りは丁寧で好感が持てた。でもミニー・ドライバーがミスコンで美を競うというのはどうやったって解せない。だってあのフェイスライン…。いや、うん。はい。とりあえず、「難しい映画はイヤ、少々ベタでハートウォーミングで単純な、安心して観れる映画が観たいわ」というような時にどうぞ。 6点(2003-12-01 16:04:40) |
792. ビフォア・ザ・レイン
《ネタバレ》 終盤、この映画には時間の流れに矛盾があり、未来と過去が循環していることに気付く。そんな非現実的な時間のパラドックスが、現実的な人間の業の輪廻の比喩となり、「人はいつまでもいつまでも馬鹿なことの繰り返しばっかしてるんだよ」と物語る。これが良い映画なのかは分からない。賞取り映画のような気もする。でも確かにこれは一つの、確実な現実ではあるはずなんだとは、分かる。 6点(2003-12-01 00:43:26) |
793. ブレイブ
《ネタバレ》 深遠なテーマを提起したかったのだろうけれど、残念ながら空回りしてました。てゆうか主人公に殺された奴が、死んでいるはずなのに思いっきり呼吸をしている(笑)。いや、酷過ぎるだろ、その演技!ちょっと息を止める位ちゃんとやれよ!太り過ぎだから息を止めるのが辛かった?駄目だね、駄目駄目ちゃんだね!そこでもう、これは嘘っこだな、と完全に醒めた。…気を配ろうよ、そこんとこ。ジョニデはこの作品を私財を投げ打ってまで作ったんだからさ…。でもやっぱり結果的に借金だけ残っちゃったね…。そして借金を返す為に「ノイズ」なんて作品に出演する羽目になる、と。 4点(2003-12-01 00:15:37) |
794. サイン
びっくりした。あのオチには呼吸が止まるかと思った。大風呂敷をどんどん広げて、たたみ方を何だか間違えちゃったんですよねぇ、と、あの出たがりのインドの方に尋ねたい。こんな映画の脚本にホイホイ10億円も出すハリウッドに皮肉の1点、全身タイツに1点。 2点(2003-11-30 23:52:37)(良:1票) |
795. ブレインデッド
かなり完成度の高い天然の友人が、乙葉みたいな声で、「血がチーズっぽいねん、芝刈り機でバリバリ」と言っていたので、その言の葉を解読する為に観てみた。実は公開当時の子供の頃から知っていてずっと観たいとは思っていたのだけれど、各国で上映禁止になったとか失神者続出だとかいう脅しの文句を色んな雑誌で目にしていて、手が出せずにいた。20歳を超えてやっと観る機会が出来て、真夜中に真っ暗な部屋で1人、どきどきしながら見始めたのだけれど、画面内のテンションが上がるにつれて、こっちのテンションは穏やかに低くなっていった。てゆうか、ラットモンキー、コマ撮りかよ…なんつーか、出来損ないのシュヴァンクマイエルだ…。だけどここまで独自の展開をハイテンションで繰り広げる映画は逆に大名作なのかも知れない。血しぶきの量もギネス級だ(キル・ビルがブレインデッドの血の量を超えたとか言ってるけど、とんでもねえ)。見終わると、天然の友人の言っていたことは珍しく意外とまともだったことに気付いた。血なんかもう血じゃねえし、芝刈り機もバリバリとゴキゲンなまでに駆動している。いや…凄いな。こりゃ凄いや。もう無条件降伏だがや。この監督がこの作品以降からどういう訳で指輪の話の監督に抜擢されるに至ったのか、その経緯を知りたい。そっちのがホラーだ。この監督はとにもかくにも、凄まじいまでの引き出しを持っているということがよく分かった。 8点(2003-11-30 23:32:54) |
796. ザ・セル
CG映像の美しさでは、私の中で最高峰に近い作品。ただ、映像を追求するクリエイターが陥りやすいことに、内容は相当に希薄。この映画のバランスをいえば、映像9割、ストーリー1割といったところ。先に映像ありきで、ストーリーは後付けという感じが多分にある。とにかく世界観は監督の全くの趣味ですね。グリーナウェイの「プロスペローの本」とかパクってなかった?ジェニロペが劇中で「ファンタスティック・プラネット」を観てたりもしてました。凄い。完全に趣味に走ってます(笑)。その分かり易い暴走と映像美に8点。 8点(2003-11-30 22:58:06) |
797. トレマーズ
《ネタバレ》 やばい。何回観ても面白い。奇跡的なまでに面白い。今更言うまでもないけれど、言わせてもらおう、「これぞB級モンスターパニック映画の最高峰!」。12歳で出会って以来、私の中では今もこれを超えるB級モンスターものはない。出て来る人たちのキャラも立っていて素晴らしい。ナイスコンビの何でも屋とか、傭兵みたいな夫婦とか。ただ、何だちきしょう、って思ったのが、アジア系の人だけ殺られたことね。やっぱね、あれはね、あ~ハリウッド映画だなあ~って思ったよ。アメリカ映画ではいつも、“カラード”で括られる人間は真っ先に殺られるんだ。まあ、いいや。それでも。多めに見よう。面白いから。 10点(2003-11-30 22:39:26)(良:1票) |
798. 秘密の花園(1993)
本当なら花園を子供たちの手だけであそこまで蘇らせるのは不可能だ。作り手側も最初からその過程をリアルに撮ろうとはせず、子供の尽力プラス何かの力が働いた、というファンタジー性、寓話的な雰囲気を大切にすることを意識していたそう。蘇っていく花園の映像が美しく妙に心に残り、たまに観たくなってしまう。児童文学の映画化作品としてこの作品が特別の傑作とは思わない。けれど特にくさすところもない、良質で罪のない映画ではあると思う。考えた挙句、8点献上。私の中の童心が、この映画を無下に出来ない。 8点(2003-11-30 22:18:03) |
799. 妹の恋人
ノスタルジックで、どこかファンタジー色のある、ほのぼのとした可愛らしい恋の物語。女性に受けるタイプの映画、という感じ。私もジョニー・デップのキュートさに惚れ込んでしまった。DVDを友人に貸すと、「何か、堂本剛に見えた」とのこと。ああ、私も分かる。確かに目元が何だか似ていると思った。そして彼が作中で見せる「チャップリンの黄金狂時代」の“パンの踊り”などなど、様々なパフォーマンスは必見。とにかくジョニー・デップの芸達者ぶりには感心してしまう。 8点(2003-11-30 22:00:29) |
800. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
とにかく、広げた風呂敷をうまくラストに向かって収束していくというか、パズルを組み合わせて行くというか、そのプロットの練り方は凄いと言うしかない。お見事、の一言。しかも最高にスタイリッシュ。本当にもう、やられた!素晴らしい!…どうでもいいけど、個人的に、主人公の仲間のコックがTOKIOの城島に見える(誰も言わないから私の気のせいだろう)。 9点(2003-11-30 21:47:02) |