781. ザ・サークル
《ネタバレ》 世界最大のSNS企業〝サークル〟に就職した新人女子社員が、社長の抜擢により全世界にリアルタイムで自分の生活を24時間公開することに。最初は注目されることに快感を覚えていた彼女だったが、やがて様々なひずみが生じ生活のすべてが壊れ始めていく――というお話。エマ・ワトソン、トム・ハンクス共演ということで今回鑑賞してみましたが、基礎的な演出力が全く足りていない恐ろしくレベルの低い作品でしたね、これ。SNSで自らの私生活を発信することが当たり前の世の中となった現代、その問題点を提起するために「自分の私生活を全て全世界にさらけ出す女の子」というテーマを採択しているというのに、主人公がそうなる決断をするのが映画が始まって半分以上すぎたあたりって。展開が遅すぎるっしょ!!普通のスリラー映画なら20分、遅くとも30分くらいで主人公をそういう非日常的状況に追い込み、徐々にサスペンスを煽っていくものなのに、それが1時間もかかってたらそりゃかなりテンポの悪い間延びしたストーリーになるのは当然の帰結。また、前半随所に「今、ここで伏線はってますよ」とでも言わんばかりの幼稚な演出がなされているのですが、その伏線が後半見事に回収されるのかというと全くそんなこともなく、むしろ全然回収しきれてません。致命的なのは、主人公をはじめとする全てのキャラクターの人物造形がかなりいいかげんなので、誰にも感情移入できない点でしょう。現代的でいくらでも面白くなりそうなテーマを扱い、しかも今を時めく人気女優とベテラン俳優をキャスティングしていながら、この体たらく。監督をはじめとする全スタッフには猛省を促したい。エマ・ワトソンのさすがの美しさに+1点! [DVD(字幕)] 4点(2019-01-21 02:21:24) |
782. アバウト・レイ 16歳の決断
《ネタバレ》 身体的には女なのだが心は男性として生まれてしまった、16歳の高校生レイ。それまで違和感を抱きながらも普通に生活していた〝彼〟だったが、ある日一大決心をする。それはホルモン療法によって、身体もより男性へと近づける治療を受けることだった。だが、そのためには両親の同意書が必要だった。母親のサインはすぐに得られたものの、一度も会ったことのない離婚した父親のサインも必要と知ったレイは、自分の人生を変えるため自らの知られざる過去と向き合うことに。そんな折、レイ親子が間借りしていたレズビアンで女性パートナーと同居している祖母から別居したい旨を告げられる。八方塞がりに陥ったそんなレイが下した決断とは――。性的マイノリティやシングルマザーとしてそれぞれに生きづらさを抱えた三世代の女性たちの葛藤と和解を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。うーん、豪華な俳優陣に惹かれて今回鑑賞してみたのですが、なんだか全体的に散漫な印象が拭えない作品でしたね、これ。ストーリーとしては、離婚して一度も会ったことのなかった自分の父親(今は新しい家族と幸せに暮らしている)と出会い、最初は対立していたのが、過去を知るうちにいつしか分かり合っていくという有りがちなもの。そこに今っぽいLGBTの問題を絡めているってだけで正直、目新しさは一つもありません。また、S・サランドン演じるレズビアンのおばあちゃんの存在も本筋のストーリーにほとんど絡んでこないため、何のために出てきたのかはなはだ疑問。挙句、特に何もなかったはずなのにあんなに仲が悪かった家族はいつの間にか和解してて最後はみんなで仲良く日本食レストランで会食って……。さすがに薄っぺらすぎやしませんか。男装しててもその美少女さっぷりが際立つエル・ファニングちゃんに+1点! [DVD(字幕)] 5点(2019-01-18 01:28:32) |
783. カメラを止めるな!
《ネタバレ》 いくら低予算でもアイデア次第でいくらでも面白い映画が創れることを見事に証明してくれた本作、確かによく練られていて最後まで大変面白く観ることが出来ました。張り巡らされた伏線が見事に回収される後半は特に素晴らしい!!あと、個人的に女性主人公のコスチュームをタンクトップにホットパンツといういで立ちにした監督のセンスも素晴らしかった!! [DVD(邦画)] 7点(2019-01-18 00:55:35) |
784. 女神の見えざる手
《ネタバレ》 凄腕の女性ロビイスト、ミス・スローン。彼女が知力と戦略、時には違法すれすれの策略を駆使して銃規制強化法案を可決させようと奔走する姿をスタイリッシュに描いた政治ドラマ。冒頭から息をつかせぬカット割りと膨大な台詞のやり取りで突っ走ってゆくこのスピード感は最後まで心地良かったです。監督はアカデミー賞にも輝くジョン・マッデンだけあって、ちゃんと緩急をつけたその演出はもはや匠の技。なかなか素晴らしい。また、主人公を演じたジェシカ・チャスティンもまさに嵌まり役で、本当にカッコよかった!まぁ一緒に働きたくはないですけど(笑)。最後のどんでん返しは少々やり過ぎな気もしなくはないですが、政治サスペンスとして充分楽しめました。7点! [DVD(字幕)] 7点(2019-01-14 10:26:34) |
785. ゲット・アウト
《ネタバレ》 都会で洗練された生活を送る黒人のカメラマン、クリス。だが、彼には一つの悩みの種があった。それは三か月前から付き合っている白人の美しい彼女ローズとのこと。まだまだ社会に根深く残る人種差別問題は、彼らの関係にも小さくない影を落としていた。そしてそれは、田舎で夫婦水入らずの暮らしを送っているローズの両親を訪ねたことでより強固に彼の前に立ちはだかる。表面上は歓迎してくれる両親だったが、言葉の端々に微妙な感情が孕まれているのを敏感に感じ取るクリス。それは次の日開催された友人たちとのパーティーで一気に噴出してくるのだった――。意味ありげな微笑を浮かべる黒人使用人、あからさまな敵意を剥き出しにしてくる彼女の弟、そして好奇の目でクリスを見つめてくるパーティの客人たち…。いったいこの家にはどんな秘密が隠されているというのか?まるで操り人形のようにふるまう不気味な黒人たちの本当の意図とは?そして、クリスが心に抱え込む幼少期のトラウマとは?あくまで良質なホラーとして制作されながらも、そこに人種差別問題を絶妙に絡めたおかげでまさかのアカデミー脚本賞を受賞したという本作、なかなか興味深く鑑賞させていただきました。この監督の観客への不安感の煽り方は抜群に巧い!なんなんですか、この実家のいや~~~な感じの空気感は。こんな息苦しい実家、たとえ人種のどーのこーのがなくても絶対に帰りたくない(笑)。本作が優れているのは、この黒人と白人の間に未だわだかまる意識や価値観のずれ、お互いへの不信感をホラーのベースとしているところ。今もアメリカ社会の中に歴然と存在するそんな強大な壁を巧くホラーとして昇華させている。見事なセンスというしかありません。そんな社会問題をベースとしていながらも、ちゃんと一級のホラー/スリラーとしても最後まで面白く観られるのも素晴らしいですね。惜しいのは、肝心のことの真相があまりにも荒唐無稽なSFになってしまったところ。それまでずっとリアルな世界観を構築していたのに、最後で少々バランスが崩れてしまったような気がしなくもない。とはいえなかなか見応え充分な良質のエンタメ映画でありました。7点! [DVD(字幕)] 7点(2019-01-12 22:43:01) |
786. ラブ & ドラッグ
《ネタバレ》 バイアグラのセールスマンで超女好きのナンパ男と、とある事情から男性と深く関わりたくない女性とのセックスから始まる恋愛を描いたラブコメディ。監督は社会性の強いエンタメを得意とするエドワード・ズウィック。あくまでロマンティックな軽いノリのラブコメという体裁を取りながらも、後半では難病に犯されいずれは寝たきりになるかもしれない彼女との付き合い方という深刻な問題をさらりと差し挟んでくるところなど、この監督らしい手腕はお見事というしかありません。見事な脱ぎっぷりを披露してくれたアン・ハサウェイに、どんな役柄でもしっかりといい仕事をやってくれるジェイク・ギレンホールという主演二人も華があって大変グッド。ただ、こういう軽いノリを楽しむ映画だとは分かっているのですが、少々きれいごと過ぎるのが評価の分かれ目ですね。僕はぎりぎり許容できたかなって感じです。取り敢えず、アン・ハサウェイのあんなマシュマロ・おっぱいを仕事で胸に押し付けられるジェイク・ギレンホールはめっちゃ羨ましい(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2019-01-12 21:33:14)(良:1票) |
787. バリー・シール/アメリカをはめた男
《ネタバレ》 80年代のアメリカを舞台に、CIAの工作員として活動しながらも同時に麻薬カルテルの運び屋をもしていたという破天荒な男の人生を実話を基にして描いたピカレスク・ロマン。なかなか興味深いお話で、かなりの悪党でありながら何故か人を惹き付ける魅力を兼ね備えたバリー・シール役をトム・クルーズが好演しており、最後まで飽きずに観ることが出来ました。反面、事実にとらわれ過ぎたのか物語の起伏に乏しく、こちらの期待を超えるほどの面白さは見出すことは出来ず。なんだか全体に惜しい映画という印象でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-01-11 00:52:54) |
788. 僕のワンダフル・ライフ
《ネタバレ》 最愛の飼い主に再び巡り会うため、何度も何度も生まれ変わりを繰り返す犬のお話。監督は名匠ラッセ・ハルストレム。いかにも彼らしいきれいな映像や魅力的な人物造形、心温まるストーリー展開は安心感抜群で、初期の名作『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』を思い出しながら鑑賞いたしました。と、まぁ良かったんですけど、さすがに後半の展開はちょっと無理あり過ぎでご都合主義感が半端ないっす。 [DVD(字幕)] 6点(2019-01-10 19:26:07) |
789. 犬ヶ島
《ネタバレ》 近未来の日本を舞台に、人間に虐げられた犬たちの反抗と戦いを独特の映像とユーモアを交えて描いたクレイ・アニメ。この監督のセンスとは昔から合わないと感じていて敬遠しがちだったのですが、日本が舞台ってことと豪華な声優陣に惹かれて今回鑑賞してみました。うーん、やっぱり僕の感性とは合わないですわ、この人。何度も途中で寝落ちして、都合三日かかって最後まで観終えました。ストーリーも分かったような分からんようなだし、キャラクター造形も別段魅力を感じず。これは好みの問題なので如何ともしがたい。映像だけはキレイだったので4点。 [DVD(字幕)] 4点(2019-01-04 00:50:31) |
790. キング・ホステージ
《ネタバレ》 ここはアメリカのとある地方都市。貧しい家庭に生まれながらも幼いころからずっと力を合わせて生きてきたマイキーとJPは、世界一仲のいい兄弟。特別な絆で結ばれた彼らだったが、その後の人生はまるで正反対なものだった。街のギャングたちのボス、エディ・キングに見入られた兄マイキーはクスリがらみのチンピラとしてずっと日陰の世界を生き、実業家として成功の足掛かりを得た弟JPは愛する妻とともに充実した毎日を送っていた。だが、そんなJPの元にある日、予期せぬ手紙が届けられる。コカイン取引に失敗した兄が誘拐され、三日以内に35万ドル払わなければ命の保証はないというのだ。犯人は間違いなくエディ・キングだったが、確実な証拠は何もない。知り合いの刑事に相談しても親身になってくれるどころか、兄の偽装誘拐まで疑われる始末。もはや頼れるのは自分だけ。JPはたった一人の兄を救うため、自ら行動を起こすのだった――。毎度おなじみニコラス・ケイジがイカれたギャング役を演じた本作、あまり期待せずに今回鑑賞してみました。正直、さっぱり面白くなかったんですけど!なんかこれ、脚本がテキトーすぎません?だいたいこのどうしようもない兄をそこまで慕う主人公にさっぱり感情移入できません。なのでまあ物語が盛り上がらない盛り上がらない。悪役であるギャングのボスもイカれてるというよりただ単純に頭が悪いだけだし、ジョン・キューザック演じる刑事なんて最後まで何もせずぐだぐだ文句を言うだけで居る意味がほぼ皆無。また、ただでさえストーリーのテンポが悪いのに、要所要所に差し挟まれるスローモーションがそれに拍車を掛けています。だいたいこのスローモーションを多用した映像も見にくいだけでセンスが欠片も感じられない。挙句、取って付けたような薄っぺらいハッピーエンドで終わるとこなんてもう目も当てられません。最近のニコケイ映画の中でもかなり出来の悪い駄作でありました。3点。 [DVD(字幕)] 3点(2019-01-02 12:11:51)(良:1票) |
791. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 実際に起こった列車内でのテロ未遂事件。偶然その場に居合わせ、一瞬の判断で車内での大量虐殺を未然に防ぐことに成功した三人の若者たち。彼らの物語を実際の本人たちが演じるという一風変わった手法で描いた、イーストウッド監督の実話ドラマ。テーマ性も映像も名匠らしく手堅く纏められてはいるが、過去の彼の作品と比べると少々物足りない印象。もう少し心に響く何かが欲しかった。 [DVD(字幕)] 6点(2019-01-01 22:36:54) |
792. ノクターナル・アニマルズ
《ネタバレ》 現代美術家として成功を収め、実業家として名を馳せた夫と何不自由ない生活を送ってきたスーザン。ある日、そんな彼女の元に一冊の本が届く。タイトルは『夜の獣たち』。作者の名を見て彼女は思わず息を呑んでしまう。その名は二十年前に破局を迎えたきり、ほとんど音沙汰のなかった元夫エドワード・シェフィールドだったのだ。資金繰りに息詰まっている今の夫を出張へと送り出したスーザンはソファに横たわり、その元夫が書いたという本に目を通してゆく――。物語はその後、彼女の現実世界と小説内のフィクションの世界、そしてスーザンが二十年前に作者である元夫と過ごした若き日々を複雑に行き交いながら、暴力と不条理に満ちたミステリアスで濃厚な世界を形作ってゆく。劇中劇として語られる小説の世界は、テキサスの夜の路上で偶然出会ってしまった荒くれ者たちによって妻子を凌辱される一人の男の物語。そして二十年前の若き日のスーザンと元夫との物語は、情熱的な恋に落ちた二人が悲劇的な結末を迎えるまでを描いている。ポイントは、この小説の主人公とスーザンの元夫役を同じ、ジェイク・ギレンホールが演じているところ。本来は何の関係もないはずの二人が、主人公であるスーザンの想像の中では同一人物と認識されることで、この元夫の本書を書いた意図が透けて見えてくるという非常に高度で深い心理劇を形成することに成功している。とても考え抜かれた優れた脚本であると言えるだろう。また、人生の曲がり角を迎えた中年女性を演じたエイミー・アダムス、凄みのある犯罪者をリアルに演じたアーロン・テイラー・ジョンソンもこの作品の不穏に満ちた空気を醸成させることに貢献している。特に癌に犯された刑事役を演じたマイケル・シャノンの存在感は際立っていた。果たして、このような小説を書きさらには二十年も前に別れた元妻へと送り届けた、この元夫の真の意図とはなんであったのか。復讐?懺悔?未練?そして最後に彼が取った行動の本当の意味とはまで、見る人それぞれにいかようにも解釈できる、とても優れた心理ドラマの秀作であった。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-30 00:04:48)(良:1票) |
793. セリーナ 炎の女
《ネタバレ》 1929年、アメリカ北部の荒涼とした山岳地帯。父親から譲り受けた広大な土地で材木業を営むジョージ・ペンバートンは、次々に巻き起こるトラブルとうまくいかない資金繰りに奔走していた。そんな折、ボストンまでの出張に出かけた彼は、そこで若く美しい女性と恋に落ちる。相手の名は、セリーナ。幼いころに火事で家族を失い、以来天涯孤独の人生を送ってきたという。そのミステリアスな美しさと力強い眼差しに心惹かれたジョージはその日のうちに求婚し、彼女を妻として地元へと連れ帰ってくるのだった。以来二人は熱情と愛欲に満ちた、幸せな毎日を謳歌する。だが、そんな満ち足りた日々も長くは続かなかった――。土地が国立公園の予定地と重なったことで伐採所の買収話が持ち上がり、その過程で彼の地方議員への贈賄疑惑が持ち上がったのだ。このままでは土地を奪われるばかりか、刑務所にぶち込まれセリーナとの幸せな日々さえも失ってしまう。悩んだ末に、ジョージはとある決断を下すのだが…。アメリカの雄大な山岳地帯を舞台に、ただ幸せになりたいと願った一組の情熱的な夫婦の愛と葛藤の日々を美しい映像で綴ったラブ・ロマンス。ジェニファー・ローレンスとブラットリー・クーパーという今ノリにノッている人気者二人が夫婦役を演じたということで今回鑑賞してみました。なかなか丁寧に作り込まれた脚本の力と円熟味を増した主演俳優たちの魅力とで最後まで興味深く観ることが出来ました。彼ら以外にも、個性豊かな脇役たち――ジョージの子供を身籠っていると思しき貧しい女性や得体の知れない凄みを感じさせる元犯罪者の作業員、粘着質な目で二人を追う土地買収業者等、誰もがきらりと光る達者な仕事を披露してくれています。なかなか見応えのあるメロドラマの秀作に仕上がっていたと言っていいでしょう。ただ、残念だったのは後半の展開。それまで土地買収を巡るやり取りで充分緊迫感を煽っていたのに、前半でそれをいったん終わらてしまったせいで、そこからお話の密度が若干薄まってしまったように感じてしまいました。前半の緊張感を最後まで保っていればもっと完成度の高い傑作になっていたかも知れませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2018-12-29 22:57:01) |
794. ブレードランナー 2049
《ネタバレ》 SF映画のカルト的名作の続編。監督は現在ハリウッドでノリにのっているドニ・ヴェルヌーヴ監督。いやー、なかなか重厚な世界観はこの監督ならでは。少々冗長な面もなきにしもあらずだけど、美麗な映像や哲学的なストーリーは存分に楽しめました。レプリカントたちの心の拠り所となっている記憶を作っているのが、実は…というオチにはしてやられましたわ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-27 23:46:59) |
795. IT イット “それ”が見えたら、終わり。
《ネタバレ》 27年ごとに〝それ〟はやってくる。下水道の暗い闇の底から子供たちを狙って――。デリーの街で多発する子供の失踪事件、その陰に暗躍する〝それ〟の存在に気付いた7人の子供たちは、それぞれの家庭に問題を抱えながらも立ち向かおうとする。絆というたった一つの武器だけを頼りに…。スティーブン・キングの分厚い文庫本全四冊を読んだのはもう二十年以上前、その余りの面白さに夢中になり、最後まで一気呵成に読んだのを鮮明に覚えています。なので今回懐かしさを覚えながら鑑賞してみました。「あぁこのデブの男の子が女の子に贈るのは詩じゃなくて俳句だったよなぁ」「大人パートで、このユダヤ人の男が最初に〇〇しちゃうんだよな」「懐かしいーー!」なんて、終始ニヤニヤしながら観てました。原作では大人パートと子供パートが交互に展開されるのですが、それを子供パートだけにバッサリ絞ったのは正解だったんじゃないかな。確かに全体的に脚本がふわふわしすぎてて話に纏まりがないのが残念でしたが、ぼちぼち及第点だったんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2018-12-23 22:04:23) |
796. パーティで女の子に話しかけるには
《ネタバレ》 地球にやって来た宇宙人の女の子とパンクかぶれの不良少年との恋を独特の映像センスで描いたエキセントリックなラブストーリー。正直、さっぱり面白くなかったんですけど!この監督の一部ではカルト的な人気を誇る『ヘドウィク・アンド・アングリーインチ』も自分的にはさっぱり良さが分からなかったので別に興味もなかったのですが、最近の僕のお気に入りの若手女優エル・ファニングちゃんが出ていたので一応鑑賞してみました。でも、やっぱり駄目でしたわ。きっと狙ってやってるんだろうけど、この監督のセンスのダサさにはだいぶ辟易。なんすかあの宇宙人たちの超ダサいコスチュームは!ところどころにかなりお下品なエログロ描写が差し挟まれるのにもうんざり。エル・ファニングとニコール・キッドマンのお美しさに+1点! [DVD(字幕)] 3点(2018-12-21 10:56:23) |
797. ウォルト・ディズニーの約束
《ネタバレ》 ディズニーの名作映画『メリー・ポピンズ』。その制作の舞台裏を、ウォルト・ディズニーと原作者であるトラヴァース夫人との確執をメインに描いたヒューマン・ドラマ。ディズニー社制作でありながら、ウォルト・ディズニーを必要以上に美化しておらず、また非常に丁寧に作られていて好感は持てるものの、『メリー・ポピンズ』にほとんど思い入れのない自分にはそこまで心に響かず。それでも嫌みなおばちゃんをのびのびと演じていたエマ・トンプソンはなかなかの嵌まり役でしたね。 [DVD(字幕)] 6点(2018-12-14 09:48:51) |
798. アトミック・ブロンド
《ネタバレ》 東西冷戦終結間近の混沌としたベルリンを舞台に、世界各国の諜報機関が入り乱れる中を颯爽と駆け抜ける女スパイの活躍を描いたアクション・エンタメ。シャーリーズ・セロン姉さんを目当てに観たのですが、これがとにかくストーリーが分かりづらい!!途中までは頑張って物語を追っかけていましたが、もう後半からはどうでもいい感じで流して観てましたわ。これってストーリーの見せ方が単純に下手なだけなんじゃないかしら?シャーリーズ姉さんの身体を張ったド迫力なアクションとドエロいレズHシーンに+1点! [DVD(字幕)] 5点(2018-12-12 22:58:49) |
799. ヴェンジェンス
《ネタバレ》 銃撃事件により相棒を亡くしたばかりの刑事ジョン・ドロモア。失意の中に生きていた彼はある日、夜の酒場でシングルマザーのティーナと出会う。奔放な見た目や言動とは違い、その優しい性格に意気投合したジョンは少しずつ癒されていくのだった。だが、そんな幸せな日々も長くは続かなかった――。独立記念日の夜、友人宅で飲んだ帰り道、ティーナは一緒に歩いていた12歳の娘ベシーとともに四人のチンピラたちに絡まれ船小屋へと連れ込まれてしまう。そして、娘の目の前でティーナは非道な男どもに抑え込まれ、死んでもおかしくないほどの暴行を受けるのだった。捜査を担当することになったジョンの尽力によりすぐに犯人は逮捕されたものの、家族に雇われた敏腕弁護士によってすぐに釈放されてしまう。あろうことか直後に始まった陪審員裁判の中でティーナは売春婦扱いされ、男どもは無罪放免になる可能性さえあった。ティーナは精神的に追い詰められ、塞ぎ込む娘のベシーには追い打ちをかけるように犯人からの嫌がらせが始まった。法律は役に立たない。娘からの決死の訴えを聞いたジョンは、自らの力で犯人どもに正義の鉄槌を下すことを決意する…。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、そんな勧善懲悪リベンジ・アクション作品。まあベタベタな内容ながら、けっこう丁寧に作られていてそこそこ面白かったですね、これ。突っ込みどころは満載だし、絵に描いたような憎まれ演技してる悪役たちにもちょっと笑っちゃいそうにもなりましたけど。んでも娘役の女の子は健気に頑張っていたし、もういかにもな悪徳弁護士を演じたドン・ジョンソンもなかなかの嵌まり具合。肝心の復讐劇もそこまでやり過ぎにならず、ぎりぎりでリアリティを保っていたのも良かったかな。まあ頭空っぽにして観る分にはぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。それにしてもニコラス・ケイジ、今も新作が2~3本レンタルビデオ屋さんの棚に並んでいたけど、ほんとにどんなけ自分を安売りするねん!って改めて思っちゃいます。もうここまで来たら自分も出来る限り観ていったろやんけ!って若干意地になってます(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2018-12-07 08:54:02) |
800. 光をくれた人
《ネタバレ》 第一次大戦で心に深い傷を負った元兵士トム。退役後、何もかもを捨て去るようにして静かな港町へと辿り着いた彼は、小さな孤島に聳え立つ灯台の灯台守という職を得る。以来彼は、深い孤独の中でただひたすら海を照らす光を守り続けていた。ある日、そんな孤独なトムの人生に新たな光が差すことに。港町に住む純朴な女性イザベルと恋に落ちたトムは、情熱的な交際期間を経て、彼女を妻として灯台のある島へと迎え入れることになるのだった。誰にも邪魔されず、平穏ながらもただただ幸せな日々を過ごすトムとイザベル。だが、そんな幸せな日々も長くは続かなかった。子供を強く望んだ二人だったが、最初に身ごもった子供は流産し、二人目も死産してしまう。心身ともに疲れ果て息詰まるような生活を続けていた二人。だがある日、そんなトムとイザベルのもとに信じられないようなことが起こる。一艘の小さなボートが島へと流れ着き、その中に若い男の遺体と生まれたばかりの小さな女の子が横たわっていたのだ。すぐに当局へと報告するというトムを説得し、イザベルはその女の子にルーシーという名をつけ、自らの子供として育てていくことを決意するのだった――。物語はその後、罪を隠しただ幸せそうな夫婦を演じていた二人が数年後、教会で衝撃的な事実を知ることで急展開することになる。そう、彼らがルーシーを授かったのと同じころ、生まれたばかりの女の子が父親の乗ったボートで行方不明となる事件が起こっていたのだ。残された母親はただひたすら子供の行方を追い続けていた。「もう隠しておけない。真実を話すべきだ」というトムに、イザベルは「私が母親よ。何も言わないで」と訴える。親の性とは言え、見ていてなんとも心苦しい展開が続く。誰も悪くはない。ただ心が少し弱かっただけ。そんな人々の悲劇など我関せずとばかりに海は今日も波打ち続ける……。デビュー以来、美しい映像でもって人生の光と闇を見つめ続けるデレク・シアンフランス監督の美質が今回も冴え渡っている。本当の家族としか思えない役者たちの演技も素晴らしい(主役を演じた二人はこの後、本当の家族になったらしいが)。最後、年老いた主人公の元に成長した娘が訪ねてくるシーンなど、年月の重みを感じさせ涙なくしては観れなかった。ときに暗い海へと沈み込みそうになる人生というものに、微かな道しるべともなる明るい光を投げかけるような味わい深い一篇だ。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-04 22:21:49) |