861. バウンド(1996)
全員知らない俳優ばかりだ。しかも視点を置くのがレズビアンかあ。と、「客の共感」を得るにはなかなかハンデを負った作品かと思うのに、これがすごく面白いんですね。手には汗、緊張で目は充血の108分。 開けるのか、やめるのか?のスーツケースネタで引っ張ること引っ張ること、こうも緊迫させるとは。けっこう映画観てるんですけど、きっちりハラハラさせられた。巧いですねえ、人間心理も読み込んだサスペンスのお手本ですね。 瑣末なことですが、レズの(たぶん男役の)人って男性用のブリーフを着用するの?あの場面、画的にどうだろう。それと90年代の作品なのに80年代ぽいのは何故かしら。誰かわかりませんか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-11 00:18:37) |
862. ミケランジェロ・プロジェクト
《ネタバレ》 第二次大戦中の、ナチからの美術品奪還物語。こんなこともあったのですね。 戦時の物語ではあるけど、時期がほぼ戦局が見えてきた頃でもあり、どう見ても兵役の上限年齢を越えたオジサンたちが「新兵」として奮闘するくだりがコミカルだったりで、凄惨なシーンは無くおおむねのどかです。“モニュメントメン”の面々がそうそうたるベテラン揃いでコメディタッチな軽さは彼らのキャスティングによるところも大きいと感じます。 とはいえ、事実に基づき殉職する者も出てしまう。彼らへの敬意を込めて制作したのでしょう。大げさな演出を避けてはいるけど、記憶に長く留まるような描写でありました。 ナチスとついでにソ連を悪役に回して、実に志の高い誇り高きアメリカ人の皆さんである。今時ちょっと珍しいくらい、てらいなく「アメリカ万歳」を言っているかのようで、アメリカの人がこれを観て気分を良くするのは別に構わない。 でも占領していた日本から引き上げる際、占領軍の一部はわが町からも勝手に接収施設の調度品を持って行っちゃってるよな?返してくれ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-10 01:08:00) |
863. オデッサ・ファイル
《ネタバレ》 なんとオーソドックスな「THEスパイ映画」であることか。もう少し娯楽に寄った派手な起伏があってもいいんじゃないかな。 キャスティングは良かったです。もっさり気味のJ・ヴォイトがプロのスパイではなくジャーナリストだというのはハマってましたし、元SS役のマクシミリアンが終盤ちょこっとだけの登場なれど堂々たる悪辣っぷりで見せます。もう詰んでる状態の元ナチ将校の張る弁舌たるやある意味圧倒するものがあり、J・ヴォイトまさかの押され気味で、こちらも焦ります。 あと、父親の敵討ちというネタばらしは悪くないとは思うけど、ドイツ人ジャーナリストとしての使命感でもって行動してきたとばかり思ってたわけでこちらは。なんだ私怨だったんかい、と拍子抜けしなくもなかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-30 00:26:18) |
864. ピエロがお前を嘲笑う
《ネタバレ》 ”映画観てる”勘の良い人たちなら早々と気付いちゃってるらしい、「ファイトクラブ」なジャンルものでした。私はそこらへん大層鈍いので思いがけなくて、けっこうびっくりしたのですけどね。だからこそ、二重底みたいな“もう一回”のアレは必要なかったと思いますね。 ネットの電脳社会を視覚化するのに、不特定多数が行き交う電車内での描写にしたのは上手いなあと思いました。電車っていうのがまたオタク感があるのですね。これがデパートではちょっと違うものね。 指一本でコード変更し、社会システムを混乱させ得るのがコンピュータ社会の危うさであり、こういうハッキングストーリーの肝なんだけど。だけどやってることはゴミの山を漁って手書きの物を探したり、警備員を騙して建物に潜入したりとけっこう生身の身体を張っててアナログ度も高いよね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-26 18:07:27) |
865. チャーリング・クロス街84番地
《ネタバレ》 ああ、しみじみと人生というものが凝縮したような良い話でした。ついに彼女がロンドンを訪れた時は相手はもういないし、店も看板を下ろしている。人生ってこんなものだ。大切なことは必ずしもタイミングが合わないまま、いつのまにか手から零れ落ちる。でも確かに存在した、その意味の大きいこと。 「大切にする世界観が一緒」なので20年も続いたアメリカ女とイギリス男の交流。恋ではなく、友情ともちょっと違う。現実生活のほんの数パーセントを占める出来事だけど、心を完全に預けられる相手。互いがそう認識する関係はなかなか稀有だ。夫婦でもそうはいかない。 主張のはっきりした、いかにもウーマン・リブ創成期の女性像のアンと、物静かで見識の深いアンソニーは好対照な二人でした。 戦時の世相も織り込んだエピソードは興味深いし、書店員が脇でちょこちょこと現われてはいなくなったりして時の流れを感じさせる脚本も巧みです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-23 00:34:42) |
866. ペット・セメタリー(1989)
《ネタバレ》 猫で失敗して、息子で失敗してるのに何故3度目の過ちを犯す?学習能力の無い父ちゃんだなあ。 あと、あんな小さい子に禍々しい芝居をさせるのはやめてください。 [ビデオ(字幕)] 4点(2017-08-21 00:01:35) |
867. 長く熱い週末
《ネタバレ》 ギャング映画のカテゴリーにしてはちょっと地味ですが、切れ味はなかなかの一品です。自分の力を過信気味のボスはB・ホスキンス。小っちゃい身体でキレながらこまこまと動き回り、自ら真相を追う。やたらフットワークの良いボスではあるんだけどいかんせんワンマン。周りの意見にもっと耳を貸すことができたなら、非業のラストを迎えることにはならなかったのに。このラストシーン、とうとう詰んだホスキンスのアップを数秒間突きつけられる。ヤバさ極まれり。このラスト以外にも、じわーっと冷たい空気感を裂くように銃口が火を噴いたり、突如刃物が閃いたりと、全編緊張が途切れない演出の上手さも印象的。 あまり考えの深くない恫喝型ホスキンスが暴走気味になったとき、ビンタをかまして落ち着かせるヘレン・ミレンの姐御っぷりも見逃せない。こんなに若い時から目が据わっていたのね。 そしてIRA、この頃はテロリストの定番のようにいろんな映画に登場していたなあ。状況がもうだいぶ変わって映画の題材になることは無さそうですね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-08-19 00:23:10) |
868. ホステル
間違えた。私はこの映画の客ではなかった。間違って入ってしまった出してくださいすいません。 ホラーやスプラッタを人が求めるのは分かるんだよ。暗い残酷性をそういった映画でわーっと昇華させたい、そういう需要は確かに存在するでしょう。 しかし何事もさじ加減が大切。見せすぎやり過ぎはよろしくない。かの名作「悪魔のいけにえ」だって戸がばたん、と閉まってそれっきり。恐怖である。 本作、なにしろ愛敬(?)が無さ過ぎる。日本人の女の子にわざわざ「痛いー」と言わせるいじめっ子な脚本な。やめろ。 気持ちを発散させたい時はスプラッタよりバッティングセンターに行こう。そうしませんか。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-08-17 23:40:21) |
869. ゲームの規則
《ネタバレ》 正直、「傑作中の傑作」と言われてもあまりピンと来ないのですが、製作年を見てちょっと驚いた。だって全く古臭さを感じなかったのですよ。軽妙な皮肉のセンスとか、遠景まで捉えて説明を済ますカメラワークとか、大変観やすい。狩猟の場面は不必要なほどに衝撃的ですし。いかに後世の作品が参考にしてきたのか、伺えます。 お話は不倫ばっか。貴族から使用人に至るまで、恋愛感覚の柔軟すぎること。ラストで恋愛沙汰で人が死んでも「不幸な事故」であったと客全員が了解してしまう、このブラックさ。開戦間近だというのにこんなことやってる場合か、と突っ込みのひとつも入れたくなりますが、もちろんそれは監督の狙い通りなんだろうな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-16 00:42:32) |
870. レフト・ビハインド
《ネタバレ》 これはイカン。久々の大迷走映画を観た。 大体、人が突如文字通り「消えて無くなる」なんて、あまりの大風呂敷っぷり、収めようが無い。普通のやり方では。 だから、まあ百歩譲って、「神の行い」であるとの設定も呑むとしよう。では、その後神様に「置いてけぼりにされた」人たちがどう生きるのか、また何らかの形で消えた者たちが復活するのか、観客の視点はそういうことに移ると思うんだ。少なくとも私は。 ところがところが、映画は登場人物らの観念など一ミリも描かず、ひたすらパニック映画の様相になってゆく。飛行機の燃料はたりないわ、着陸場所はないわ。しかし、機長とその娘(大学生)の機転により、飛行機は見事建設中の道路に着地するのだった。おお、と思わず拍手・・するはずもなく、もうどこに気持ちを置いてこの話を観りゃいいのか、画面の前の異教徒のワタシも若干パニックだ。 で、こんな映画に出るのかN・ケイジは。もういいかげんパニックものにはニコラスを使えのパターンやめてくんないかな。 あいかわらず上手いんだが、その器用さがこんなのに使われると悲しくなる。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-08-15 00:36:31)(良:2票) |
871. 黄色いロールスロイス
《ネタバレ》 一台の麗しいロールスロイスがめぐる3パターンのお話。こんな珍しい構成、初めて観ました。 一話目は凡庸な不倫話で、貴族階級の夫婦のごたごたなど興味もわかない。ジャンヌ・モローが若くてびっくりする。やっぱり口の端が下がっている。 二話目はシャーリー・マクレーン(彼女も若い!)が魅力的。どんどん可愛らしく見えてくるのは、ありゃなんのマジックだろうか。軽いチャラ男のアラン・ドロンもハマリ役。軽いけど濃い、日本人にはできない芸当だ。 三話目はきりりと美しいI・バーグマンの独擅場。「サボテンの花」でも披露してますが、彼女はわりとコメディセンスがある女優さんです。強引にまとわり付いてくる活動家のO・シャリフをうるさそーにあしらったり、爆撃ふりそそぐ中、不機嫌に一人夕食を続けたりと、そこはかとなくおかしみを醸しております。若い頃のメロドラマよりこういう作品の方が好きです。 1:2で楽しめる割合の方が多かったので、まあ損はしませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-13 00:02:46) |
872. ライト/オフ
《ネタバレ》 元ネタの2分ちょいの動画の方が怖いですよね。2分を80分に伸ばさなきゃならん、というわけでどうしてもいろんなことを付け足さなきゃならないんだけど、その付け足しが物語をつまんなくしてしまいました。 オバケの正体はノイローゼの母親が作り出した幻影というのもちょっと突拍子も無い印象だけど、幻というにはコイツ物理的に強すぎませんか。家以外にもほいほい出現するし、人一人持ち上げて落とすとか、格闘技かいな。ホラーとしてははなはだ興をそぐ演出でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-12 00:35:45) |
873. ドラフト・デイ
絶頂期にはもう見飽きるほど、当たり作続きだったケビン・コスナー。水映画でコケてから、長い低迷期に入るとは人生分からないものだなあと思っていた。今作、「どれどれ」の気分でナメてかかって観ましたら、おやこれがなかなか”見せる”ドラフトドラマなのでした。コスナー復活の狼煙となるか。 プロスポーツの経営ドラマといえば、ブラピの「マネーボール」が記憶に新しいし、評価も高い。二番煎じというハードルもなかなか高いぞ、と思ったのですがこちらはアメフトのドラフトの一日に絞ったのが功を奏しました。 ライバルチームの腹の探りあいや、旧知の選手とのわだかまり、オーナーやファンからの圧力といったマネージメント業のストレス要素をみごとドラマに変換し、さらに一人の目玉選手について「マイナス点の有無」を観る者にも投げかける引っ張り方も巧い。 コスナー個人の恋愛ネタがちょっとうるさかったですが。ここ職場だよ。 苦悩しつつ、毅然と考えを貫くGMにコスナーが久々にかっこよくハマりました。長らく御無沙汰でもスクリーン映えするその姿。きちんと容姿をキープしているプロ根性に、ケビン・コスナーやるなあとちょっと感動しました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-09 00:45:26)(良:1票) |
874. ウィッカーマン(2006)
《ネタバレ》 元婚約者のために一肌脱いだ警官役の、ニコラス・ケイジ。眉を八の字にして正義のために働くその姿は実にハマリ役でして、そんな律儀な彼を酷い目にあわせるだけのお話。バカヤロー、気分悪いぞ。 「敵」がもっと深遠かつ圧倒的な世界観でこちらを凌駕してくるのなら、「おお、とんでもない所に来てしまった。ニコラス逃げろ!」と感情移入もできただろうけど、あのオバサンが島を統べる教祖かいな。ちょっと迫力不足は否めない。蜂ばっかぶんぶん飛んでたけど。 ラストシーンはつまり数年前のニコラスってことですね。メンズ奴隷の一本釣りを脈々と続けてきたわけだ。 ホラーとしてもサスペンスとしても中途半端な出来の本作だけども、そもそもニコラスが惚れ込んだオリジナルの方がずっと評価が高いのですね。ちょっと興味あります。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-08-08 00:51:38) |
875. 2012(2009)
《ネタバレ》 どうだ凄いだろうと言わんばかりの映像はたしかに凄くて、割れる地面、降り注ぐ噴石、なんとチベット山脈の高さまで到達する津波など、おおおーすっごいなあこわいなあと息を呑みっぱなしであります。もうこの画力だけで、ディザスタームービーとして満点ではあるんだけども。 なんかやっぱりねえ、人の生死の扱いのセンスが合わないとげんなりしますね。この映画ちょっとそのへん倫理観無さすぎ。どこかの大佐じゃあるまいし、おびただしい人が高速道路から次々投げ出される様を見て喜べるわけないし、脱出に尽力したパイロットやゴードンの扱い方もひどい。いらんタイミングで差し挟まる家族愛ドラマで展開がもたつくのもやだ。 ”悼む”ように見せて、その実演出のアクセサリーみたいに死を扱うのが不快です。しかも生き残った側のあっけら感。なんか頭にきて、あの船ひっくり返ればいいのに、と思いました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-05 18:16:32)(笑:1票) |
876. ゴーストバスターズ(2016)
《ネタバレ》 いやあ、残念です。オリジナルのを当時観た時は心から楽しくて、映画を観ることの喜びを体感したものでした。これは工夫も何も無い焼き直しです。 オバサンばかりの4人組、ルックスで客は呼べないこのユニットで何ができるのかとまず疑問でしたが、各々の役回りもオリジナルのそれと一緒なので、女にした意味は特に無いように思います。 ゴースト達が街中で好き勝手して大混乱、の弾けっぷりも原版の方がずっと楽しい。スライムの食欲ゴーストやマシュマロマンなどはオリジナルに敬意を表しての登場でしょうが、まったく同じことをやらせてどうするんだ。 リメイクは難しい。オリジナルへの愛が必要なのはもちろんだけど、その想いを糧にして新しい創造をしないと単なる模倣で終わってしまいますから。こうも堂々と創造性の無さを発表されてむしろびっくりしました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-08-02 01:09:18)(良:1票) |
877. X-メン
《ネタバレ》 ”ミュータント”を現代社会の人種問題や宗教差別に模して、鋭く社会問題に切り込んだ作品・・、ではなかった。もちろんこれはアメコミ娯楽作品でしたね。やりたかったのは超能力博覧会、念力で暴風は起き、コピー能力でそっくりさん出現、念動力で体の力は奪われるわ。なかなかの見ごたえです。そんな中、ウルヴァリンの能力はちと地味ではありませんか。なんせ手から長い刃が出るだけ。あと死なない。彼の役割はもう「気持ち一本」で突き進む、気合い型ヒーローなのだね。端整な顔立ちながら、素朴なアメリカンヒーローを演じたH・ジャックマンの思いがけぬハマリっぷりにへえ、と驚いた次第。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-07-30 00:45:33) |
878. デッドプール
ワタシはアメコミにもX-MENにもほとんど造詣のない人間なのですが、それでも楽しかったです。真面目な要素をきれいに排除して、馬鹿なまま突っ走ったセンスは好きです。あと、はっちゃけてるライアン・レイノルズの貢献度も大きいです。 それほど下品じゃないし(異論はありそう)、彼女はキレイだし、話は難しくないし、はははーと笑って観れた私は一応人の子の親なのだが、何か問題あるだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-26 23:31:41) |
879. あの子を探して
《ネタバレ》 なんか色々たまげました。中国って日本人の尺度では測れない国だなあと圧倒された。 子どもも大人も、あまり相手との距離をとらないのね。にこりともしないヒロインは別に特殊ではなく皆けんか腰(に見える)。 貧困地域の子供らは「金をくれ」と恥じる事無く声高に叫び、対する大人(レンガ工場の責任者とかバス会社の車掌とかテレビ局の受付のおばはんとか)も子ども相手に大人の理性でもって説こうとしない。より一層デカイ声を出して邪険に扱う。この子らが育ったらあんな大人になる。うへえ。 主人公の13才の先生だって「あの子を探しに」来た目的は自分の給料満額確保のためだからね、元々は。 工場でもらえるという賃金、バスの運賃など主人公にもたらされる情報は所詮「コドモの」不確かなものばかり。そして彼女も13才の子どもなんである。意味の無いことに手持ちの金を使い切り、結局は数少ない「情ある」大人の目に留まって事は大団円へと向かう。言ってみりゃ、単なるラッキーですよね。 彼女が一体いつから男の子の身を案じていたのやら、と釈然としないしテレビが解決してくれるまでの展開がミもフタも無くてとても感動話には思えん。 中国、格差がひどすぎる。半世紀以上前、経済が高度成長期だった日本の田舎の小学校はもっとちゃんとしていたし、教員も大人だったよ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-26 00:13:32) |
880. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
すごい実話があったもんだ。詐欺の手口が斬新(と言っていいのか)で、こんなにうまくいくのかなあと呆気に取られつつも、へええ、という感心の方が大きく、感心は快感に変わり、つまりとても楽しかったのでした。 ディカプリオはティーンの役も違和感無くこなす驚異の芸達者ぶり。すっかりシリアスドラマの仕事が多くなったT・ハンクスはそういえば”BIG”の役者さんでした。コメディセンスは健在で、イライラとレオを追っかけるFBIのオジサンは情に厚くて嘘は言わない(終盤に一つだけ)ナイスなキャラクターで,トムにぴったりハマっておりました。 逃げる方と追う方の間に、いつの間にやら友情ぽい繋がりが生じる様も繊細に描かれるあたりは脚本、心憎いばかり。ドラマの筋に第一のヤマ、第二のヤマと盛り上がりも用意してアクセントを多数つけた展開は見飽きないですし、画もキレイ。 矯正ブリッジをつけたA・アダムスのおばかさんな笑顔や、なつかしのM・シーンを見つけたりとか、印象的な画もちょくちょく挟まります。観て楽しい、この一言。コメディの見本のような良作と思います。 [DVD(字幕)] 9点(2017-07-25 00:41:31) |