941. メカニック(1972)
《ネタバレ》 映画が始まりどれくらい時間が経過しただろう?オープニングからしばらくは登場人物はブロンソンただ1人。誰とも絡まないんだから、何も台詞が無い。ブロンソンが何者かを知らない人が見たら、「何だ?この怪しげな寡黙なおっさんは?」と思うかもしれない。 でも、監督マイケル・ウィナーに主演ブロンソン。ブロンソン好きにとってはこれだけで胸が躍る。このコンビで彼が銃を握らないハズがない。ブロンソン大好きな僕は彼が銃を握ってくれるのをひたすら待つ。この待っている間の微妙な味わいからたまりません。そして遂にブロンソンが静かに銃を取り出す。やっぱりブロンソンはこうでなくっちゃ!です。 以降もひたすらクールな殺しのプロフェッショナルを演じるブロンソンのシブさを堪能。もう、本作はそのためだけの映画と言っていいかもしれません。 そしてこのコンビは間もなく、ブロンソンがワルどもを殺りまくるあの「デス・ウィッシュ」シリーズを連発することになります。 [DVD(字幕)] 5点(2013-11-23 00:20:00) |
942. 激走!5000キロ
公道激走モノって面白い映画多いですね。特にこの頃は面白い映画結構ありました。このジャンルで有名なのは豪華キャスト競演の「キャノンボール」ですが、こっちも面白い映画ですよ! 本作で僕のツボにはまったキャラは不死身のバイク野郎と、の~んびり優雅な爺さまコンビですが、ちょっとキャストが地味でしたかね。同じ頃の同じ系統の映画では「トランザム7000」シリーズのバート・レイノルズ(キャノンボールにも出てましたね)のようなスターが1人入っていてくれたら良かったのですけどね。 古くは60年代の「グレートレース」(これも面白い!)なんかも同じですが、バカやってるけど、クルマに魅せられた連中がどいつもこいつも妙に清々しい。大したストーリーはありませんが、この手の映画はそれでいいんだと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-20 22:11:29) |
943. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 映画を見て久々に腹の底から笑わせてもらいました。フランシス・ヴェベールの監督作を見るのはこれが3本目。どれも90分足らずの短い尺の中にしっかり笑いのツボがあり、どれも本当に面白い。 本作は超がつくほどの「バカ」な善人の主人公の行動で笑わせながらも、それをバカにする男のバカさも一緒に描く。爆笑の中にも皮肉が効いています。この人はどの作品も自らが脚本も手がけていますが、本作の脚本は見事だと思います。最初から最後まで、至る所にちょっとした行動のズレがもたらす笑いドコロが見事なまでにテンポ良く配置されています。 ラストの主人公の「バカ」の思わぬ行動に、“奇人たちの晩餐会”の仕掛け人が発する「次の晩餐会では僕が客になるよ。僕こそバカだった。」という台詞がいい。バカをバカにしていた男が、本当のバカとは一体誰だったのかに気付く。 しかし、もっといいのはそのすぐ後。本作の最後の最後にかかってきた電話に・・・!やっぱりバカはこっちだったか!一瞬持ち上げておいて、でもやっぱり落して、最後もしっかり爆笑を誘います。 これ、映画館で見たかったなあ・・・。上映中は爆笑の渦だったんだろうな。僕もそこで一緒に笑いたかったな。 [DVD(字幕)] 10点(2013-11-19 22:42:16)(良:1票) |
944. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 主人公の男は陰謀に巻き込まれた訳ではなく、自らの意思でいけないモノを隠し持ち、それを国外に持ち出そうとして逮捕され、懲役4年の判決を受ける。裁きを受け罪を償うのは当然であり、まあ、妥当な判決か。ここまでは割と冷ややかに主人公の男を見ていました。しかし、残りの刑期が2か月を切る頃になって突然、お国の事情により4年の刑期が何と、30年に延長されてしまったことでそういう状況は一変します。絶望感、閉塞感、不安感…以降の刑務所の描写は凄まじいの一言。ただしかなり脚色もあるようですが、ここは脚本家オリバー・ストーン、剛腕ぶりを遺憾なく発揮といったところでしょうか…。描き方は賛否分かれるところだとは思いますが、刑務所モノとしての完成度は高い作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-17 00:35:59) |
945. シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛
器用に生きることができない、不器用な2人のロマンス。まずは主演2人のキャスティングがいい。本作はスッとした美男美女が主演ではダメだったと思います。 ジェームズ・カーンに、そして何といってもマーシャ・メイスンが素晴らしい。彼女がオスカー獲ったっておかしくなかったと思うのですが、ノミネート止まりだったんですね。この2人だけじゃなく、息子役の男の子も良かったし、イーライ・ウォラックもいぶし銀のいい味を出しています。 ニューシネマ全盛の時代にあって、(終盤はちょっとニューシネマの空気も感じましたが…)「かぎりなき愛」という邦題が示すとおり、ジェームズ・カーンが演じる水兵の人間的な温かさ、男らしい優しさが心に響く。 小難しくしたり捻ることも無く、ベタに人間の優しさを前面に出した佳作。忘れ去られた作品のようになってしまっているのが勿体ない、いい映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-16 15:39:27)(良:1票) |
946. ロッタちゃんと赤いじてんしゃ
ロッタちゃんシリーズ、「はじめてのおつかい」に続いての鑑賞です。本作でもふくれっ面ご機嫌斜め。不満だらけのロッタちゃんは、いつもブタさん?のぬいぐるみ(このぬいぐるみも立派な登場人物です!)に話しかけるようにブツブツ独り言を言っている。その台詞が可愛いんです。優しいパパとママに、お兄ちゃんとお姉ちゃん。そしてお隣の優しいおばあさんがいて。何ともほんわかとしていて幸せな世界。けんかもするけど、やっぱりみんな仲良しなのがいい。作品全体の大したストーリーはありませんが、幸せに満ちた可愛らしい映画です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-11 21:01:16) |
947. ワイルドキャッツ
元気いっぱいのゴールディの魅力溢れるスポーツ・コメディです。本作の役どころは、とあるハイスクールのダメフットボールチームのコーチ。これは「がんばれ!ベアーズ」と同じパターンですが、同じ監督さんの作品。きっとこのパターンがお好きなんですね。1クセも2クセもある野郎どもと共に成長していくゴールディの陽気な奮闘記。フットボールの指導の合間に挿入される娘や夫との関係の見せ方も良く、これらの全てのゴールディがかわいく魅力的で、素直に「ガンバレ!ゴールディ!」という気持ちにさせてくれます。ゴールディのファンとしてはそんな彼女の姿を見ているだけで十分の作品です。ゴールディはこの時40歳。これは本作に限らずどの映画を見ても思うことですが、この人の若さにはいつも驚かされます。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 00:38:18) |
948. おつむて・ん・て・ん・クリニック
《ネタバレ》 コメディ職人フランク・オズの傑作コメディです!精神科医リチャード・ドレイファス。その患者ビル・マーレイ。2人の100分間コントのような映画です。 患者が主治医に診てもらいたくて付きまとう。全く悪気は無いのだけど、休暇中の別荘にまでやって来る。付きまとわれ、せっかくの休暇が台無しになり、主治医はイライラ、カリカリ。一方の患者は実に楽しそう。主治医は自分の家族と、付きまとう患者を引き離そうと必死だけど、患者は家族のハートをがっちり掴んでしまいます。家族の使い方も絶妙です。 患者ビル・マーレイは空気の読めない天然キャラで、いつも通りの持ち味炸裂で笑わせてくれるのは当然として、本作の場合、主治医ドレイファスが本当に可笑しいのですよ。終始イライラ、カリカリしているのですが、それを実に面白可笑しく演じています。 最後は何だか立場が入れ替わっちゃいましたけど、一応はハッピーエンド?だからこれでいいのかな?やっぱりフランク・オズのコメディは面白い! [DVD(字幕)] 9点(2013-11-06 21:47:24) |
949. 幸せの向う側
ゴールディ・ホーンは僕のかなりお気に入りの女優さんです。ゴールディと言えばやっぱりコメディ。いつも映画の中で陽気に笑って感動して怒って泣いて・・・。そんな彼女が大好きなのですが、本作はそんないつもの彼女の姿がどこにも無いサイコサスペンスです。メイクの影響もあるのかもしれませんが、表情もいつもの彼女とかなり違って見えました。一方、サイコサスペンスの主役である正体不明の夫ジョン・ハードの、どこか冷たさを感じさせる目と視線がいい。しかしラストの彼の最期に関してはちょっと手抜きじゃないですか?本作はサスペンスとしてよりも「あの優しかった夫は一体何者だったのか、夫は一体悪か善なのか?」というゴールディ演じる妻のドラマとして良かったと思う。それだけにゴールディのファンとしては、自身の持ち味を封印するしかなかった彼女よりも、誰か別の人が演じた方が良かったのではないかという思いもあります。 [DVD(字幕)] 6点(2013-11-03 00:39:05) |
950. アメリカン・スウィートハート
ロマンティック・コメディと、結構下ネタもありのアメリカン・ドタバタコメディ。どっちも欲しがって共倒れしたような感じですね。姉妹役の2大ハリウッドスターをはじめ、超豪華キャストの競演は楽しめましたが…。ジュリア&キャサリンにどうしても注目が集まる作品ですが、男優陣も個性派が顔を揃えており、それぞれの個人技はなかなか楽しませてくれます。その中でもとりわけビリー・クリスタル。脚本・製作にまで名前を連ねています。しかしビリーさん、ちょっと自分が目立とうとしすぎましたかね。ハリウッド内幕もの的な内容もあり、豪華キャストが個々には楽しませてくれるものの、作品トータルではバランスが悪くなってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-11-01 20:28:56) |
951. 88ミニッツ
「お前の命はあと88分だ。チクタク…。」こういう時間制約モノって好きなんですが、リミットは1時間半足らずしかなく、バタバタしている割には刻一刻とリミットが近づいているという切迫感があまり感じられませんでした。とりあえず次々に怪しい人物を登場させますが、バタバタしている間に終わってしまったという感じです。こういう映画は見る側にも推理する余裕の部分も、もうちょっと欲しいですね。本作にしても今のところ僕が見たパチーノの最新作「陰謀の代償」にしても、どうも最近のパチーノは作品に恵まれていないと言うべきか、作品選びが適当と言うべきか分かりませんが、パチーノファンとしては残念な作品が多いですね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-10-31 22:02:59) |
952. パリより愛をこめて
トラボルタの映画であるという大前提で見たので、彼だと分かりましたが、でなければあのスキンヘッドにヒゲのゴツいオヤジがトラボルタとはすぐには気付かなかったかもしれません。本作は男2人のバディムービーではあるのですが、とにかくトラボルタ演じるワックスの豪快なキャラが凄すぎる分、相棒はかなり分が悪くなってしまいましたね。しかし95分という短めの尺の中、実に楽しそうに映画の中でひたすら暴れ回っていたトラボルタを見ているだけでも十分楽しい映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-25 22:27:10)(良:1票) |
953. ダイアナ
《ネタバレ》 世界中から愛されたプリンセス、ダイアナの最後の2年間をパキスタン人の医師、ハーン氏との恋をメインに描いた作品です。 公の場での世界でもっとも有名な女性であるプリンセス・ダイアナとプライベートの場での1人の人間であるダイアナ。チャールズとの結婚生活が破綻し、常にパパラッチに付け狙われ、子どもたちとも自由に会えない。そんな苦悩の日々に出会った1人の医師に惹かれていく・・・。 しかし彼女の母親としての思いや、地雷撲滅の活動なども触れられていますが、作品としてはあまりにも彼女の恋愛が中心になりすぎてしまっていたのは残念でした。見た目に関しては、誰が演じても違和感があったと思うし、誰しも受けるべきか迷うオファーだと思う。しかし、特に公の場でのダイアナには時折ハッとするほど似ていると思う瞬間もあったし、ナオミ・ワッツは大健闘だったと思います。 予告編を見ていなかったので思い描いていた作品のイメージとはかなり違う作品でした。彼女の抱えていたプレッシャーや苦悩を想像することはできますが、それはあまりにも大きすぎて僕には本当に分かることは出来ません。でも、最後の2年間、彼女が何に立ち向かい、そこにどんな苦悩があったのか、その一端は感じられたような気がします。 [映画館(字幕)] 6点(2013-10-25 22:05:50)(良:1票) |
954. ロッタちゃん はじめてのおつかい
アストリッド・リンドグレーン原作の映画を見るのは、ラッセ・ハルストレム監督の「やかまし村」シリーズ以来です。「やかまし村」も「ロッタちゃん」も作品全体のストーリーは特にありませんが、特に大人になってから見ると何か癒されるような、素朴な空気があっていいですね。 時には移り変わる季節や自然、時には子ども達が心待ちにしている年中行事を挿入しながら、いずれも映画の中の子どもたちが可愛らしく生き生きとしていています。そんな子ども達を見つめる大人達も当然ですが皆がいい人で優しい。本作に関しては唯一「何とかしてやれよ」、と思ったのはモミの木を運搬するトラックの運転手ですが、ちゃんと素敵な落し物をして行ってくれましたしね。 リンドグレーンさんは子ども達を愛し、自身も子ども心を失わない、きっと優しくて素敵な人だったんだろうなと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-19 15:30:51) |
955. 人生はビギナーズ
《ネタバレ》 妻に先立たれた75歳の父親がゲイをカミングアウト。人生の終盤を迎えても新たに“恋”をして人生を謳歌している。そしてそれは余命わずかであることが分かっても。 重さのある展開ですが、それを感じさせない、かと言って軽くなっている訳でもないクリストファー・プラマーがあまりにも素晴らしい。重さを感じさせないということでは、愛犬も見事に重要な役割を果たしています。 一方の息子は、人生に対しあと一歩をなかなか踏み出せず消極的。こういうナイーヴな人物像はユアン・マクレガーの得意とするところであり、抜群の安定感を見せてくれます。お相手のメラニー・ロランも抑えた好演を見せています。 新たな人生のスタートをきるのに年齢なんて関係ない。父の死を機に新たな人生のスタートラインに立とうとしている、晩年の父の姿を傍で見てきた息子の姿で終わるラスト。その横には彼女がいる。切なくほろ苦くも、優しさのある人生賛歌でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-18 22:10:05) |
956. 黒いオルフェ
ギリシャ神話の悲恋物語がベースになっているとのことですが、それをカーニバルの熱気に包まれたリオを舞台に再現する。ギリシャ神話の悲恋物語とラテンの空気が見事に融合しています。カーニバルの熱気と、あまりにも鮮やかな色彩と、常にどこからか聞こえてくるサンバのリズムと情熱的に踊る人々。作品にみなぎる溢れんばかりの生命力、しかしそんな中に時折ちらつく死、そして最後は・・・。生きている限り、生と死は常に表裏一体ということなのか。熱気の中に不思議な、神秘的な空気を感じる作品です。もし本作を映画館で見ていたならば、本作のパワーにもっと圧倒されていたことだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-16 20:05:52) |
957. 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日
母と娘、おばと姪など、マドンナと寅さんが気になるもう1人の女の子がいる作品って、例えば「寅次郎春の夢」なんかもそうですが、寅さんの絡みが2人に分かれてしまうところがあって今一つ寅さんとマドンナの心の触れ合いが少なくなってしまいますね。 この頃になると寅さんも段々大人しくなってくる。マドンナがとらや(あっ、そうだ。本作から事情があってくるまやに屋号が変わりましたね)を訪ねる。そしてまずは帝釈天にお参りしたいという。寅さんが若い頃なら「ワタシがご案内しましょう!」と尻尾ふって一緒について行くんだけど、源公や三平ちゃんに案内に行かせる。こういう何気ない1つ1つに寂しさを感じたりします。 本作はマドンナとの恋よりも、小諸のおばあちゃんが印象に残りますね。「寅次郎恋愛塾」でも、長崎の五島でクリスチャンのおばあちゃんと人生最後の楽しい夜を過ごしました。僕の好きな寅さんは色々ありますが、こういう時の寅さんもとても好きですね。 そう言えば御前様も珍しく寅さんを褒めてくれました。褒めたつもりは無いんだが…と言いつつも「近頃は金儲けしか考えない輩が増えてきたが、寅のような無欲な男と話しすると心が休まります。寅はこのままでいいんです。」と。時はバブル全盛期。サラリと時代への皮肉が込められています。 「サラダ記念日」って懐かしいですね。作品の中でも所々で詩が挿入されますが、寅さんが早稲田大学を訪ねた時の詩は寅さんの良さがとてもうまく表れています。 「寅さんが 早稲田の杜にあらわれて 優しくなった午後の教室」 [ビデオ(邦画)] 6点(2013-10-12 12:43:05) |
958. バグジー
アメリカの犯罪史やマフィア・ギャング関係の本などを見ると、本作にも登場するかつてのアメリカ犯罪界の影の重鎮として有名だったマイヤー・ランスキーなどと共に必ず登場するバグジー・シーゲル。僕のイメージする彼の人物像は、派手で女好き、ダンディな色男にしてギャング界有数の凶暴な男。そしてラスベガスを作った男。演じるウォーレン・ベイティはそんな彼のイメージにすごく良くはまっていた。他にもランスキーを演じたベン・キングズレーにミッキー・コーエンを演じたハーヴェイ・カイテルといった名優達もさすがのシブい存在感を醸し出しています。その一方で本作のバグジーの人物像に関しては、彼の凶暴さは抑え気味にされておりソフトに描かれています。娘の誕生パーティーのくだりはどはかなりコメディタッチでしたね。その分、実在する大物を主人公としたギャング・マフィア映画としては重厚感や見応えには欠けていたように思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-10-09 19:09:49) |
959. 食べて、祈って、恋をして
これは平均点通りの映画でした。離婚して、仕事もそれまでの生活も、すべてを投げ出して1年間の旅に出る。そこにはかなりの動機があるはずですが、旅に出る前の彼女の日常からはそういうものが見えてこない。この冒頭から失敗しているのでジュリア演じる主人公の女性の人物像も、作品自体も薄っぺらくなってしまいました。ジュリアが世界を一人旅するプライベート・フィルムか旅番組のような感覚で見ればいいのかもしれませんがね。その後も、旅での様々な出会いや経験を通して成長して、という部分が感じられず、イタリアで食べまくって、インドでちょっと瞑想して、バリで恋をしました、ということでタイトル通り「食べて、祈って、恋をして」であらすじ完了!という作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-10-06 21:39:08) |
960. 告発
久々にズシリと重く、人間の尊厳を描いた映画を見た気がする…。これは鑑賞後の感想ですが、見ている最中は不思議とそれほど重さを感じませんでした。そう感じさせてくれたのはクリスチャン・スレーターの存在だったのだと思います。まだ何色にも染まっていない、熱き新人弁護士の透明感を見事に演じて見せた。法廷ものとしてはクリスチャン・スレーター演じる新人弁護士の独壇場になりすぎたかと思いますが、最初は会話すら成立しなかった弁護士と囚人が次第に心を通わせていく、その過程の2人は実に見応えがありました。その囚人を演じた本作のケビン・ベーコン。もう2度と見ることができない映画かもしれませんが、彼の入魂の凄まじい演技を忘れることは無いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-05 18:46:35) |