81. ベリー・バッド・ウェディング
《ネタバレ》 例えば、最初の方の警備員殺害の場面で、コメディにしたいのであれば、別にリアルな殺人描写をする必要はないのだから、誰かが一突きしてあっさり死亡、で場面の目的は達するはず。それをこの作品は、ことさらに警備員に長時間の苦痛を与えて、しかも断末魔の悲鳴までしつこく聞かせ、その間、5人の滑稽な動作を入れて笑いをとろうとしている。この時点で私はこの作品のセンスのなさを確信しましたが、一事が万事その調子でした。アメリカのコメディにはよくありますが、みんなが不必要にぎゃーぎゃーうるさいのも不快。そうまでしないと笑いとれないの? [DVD(字幕)] 2点(2022-08-31 23:44:41) |
82. 男はつらいよ 寅次郎の青春
《ネタバレ》 御前様の(画面上)ラスト作品、というのがもう最初から気になっていて・・・もちろんここ数作を踏襲して、最後の方の縁側の1シーンだけなんですけど、お召しのお着物が白色だったり、場面設定が頭を剃っている状況なのが「最後の身支度」みたいに見えてしまったりと、何とも言えなくなってしまう。●最後、珍しく寅の旅立ちを「とらや(くるまや)全員でしっかり見送る」というのも、もしかするとこれが最終作になるかもしれない、という制作側の想いがあったんじゃないのかな・・・。●マドンナは風吹ジュン様!いやーよくぞ選んでいただきました!と期待は高まったのですが、何と予想外に今ひとつでした。寂れた理髪店の店主という地味な設定がこの人には合わなかったのかな、もう少し崩れた役の方が・・・とも思ったり、慣れない九州弁(というか半分東北弁のように聞こえるが)に苦労したのかなとも思ったり。寅が帰宅を告げてからの一連の流れのみ、本領発揮でしたが。●泉と満男に関しては、作品を重ねるごとに低空飛行になってしまいました。あえて泉を社会人にしたんだったら、その中で社会の厳しさを着実に知っていく泉と、良くも悪くも純な学生のままの満男のギャップ、とかもう少し拡げられなかったのかな?4作も投入しているわけですから。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-23 01:07:27) |
83. 希望の街
《ネタバレ》 約30人くらいの登場人物の、三昼夜にわたる出来事を描いた作品。とだけ聞くと、どんだけごちゃごちゃするんだ、と警戒してしまいます。事実、導入部は話が飛びまくっています。ところが、それぞれの登場人物の顔が見えてくるにつれて、まるでジグソーパズルが完成していくかのように、大きな一つのつながった世界ができあがっていきます。この構築力は見事でした。あっちとこっちがここで関係している、みたいなくだりも多々登場しますが、それも設定に溺れることなく、物語の一部をなしています。その丁寧さの中に、制作者がタイトルにこめたメッセージも見えてくる仕掛けになっています。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-19 02:52:46) |
84. ドーベルマン(1997)
台詞や編集が手を抜きすぎで、何がしたい話なのかほとんど理解できなかった。あと、とにかく映像に品がなさすぎなんですよね。 [DVD(字幕)] 2点(2022-08-15 03:22:40) |
85. マンハッタン・ラプソディ(1996)
《ネタバレ》 バーブラが自分で主演しちゃったのは、やっぱり失敗だったのでは・・・。この主人公はもともと自己肯定感が非常に低く、そこが話のスタートになっているはずなのに、バーブラが主演だと、最初から何をやっていても自信満々に見えてしまいます。また、制作当時で54歳という年齢も合ってませんねえ、あれこれモラトリアムな悩みをする年ではないでしょ。また、ジェフ・ブリッジスも、何が起こってもどうとでも解決しそうに見えますし、ここももうちょっと学問以外何も興味なさそうな人をあてるべきでした。それと、セックスをするとかしないとかいうのも、テーマとしてダメとはもちろんいわないけど、あんなに明け透けにそのまんま展開するのではなくて、もっとアプローチのしかたはいろいろあったのではないかな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-08-12 00:18:25) |
86. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 最初に見たときは、ナレーションがしつこいとかところどころやたら都合が良いとかいう点が気になっていました。しかし、この映画ってキリスト作品なんだな、と分かってからは、気にならなくなりました。レッドは福音者の立場なのですから、語り続けないといけないのですね。また、理不尽な目に遭わされ続けながら最後に理想郷に到達するアンディは、神の子だというわけです。●と思っていたのですが、さらに再見して、もしかしてアンディってイエスではなく、むしろユダの隠喩では?と思うようになりました。冒頭で所長は自身が神の使いであるかのごとき宣言をし、所長室にも聖書の言葉を飾っていますが、主人公は(中身や行動は悪徳とはいえ)その所長に報復し、聖書をくり抜いて脱獄用具も隠しています。屋上のシーンは、囚人の数は12人であり、それに含まれるアンディはイエスではありえません。そしてアンディは会計が職業ですが、ユダは12使徒の中で金入れを預かる会計担当でした。●そして、そんなこととは別次元で、作品を美しくまとめているのが撮影と美術の腕であり、特に、役者の表情や人物配置や全体光景まできっちり撮りきっているカメラの技術は特筆すべきといえます。また、何気ないシーンでのエキストラの動きが美しく、そこだけでぞくぞくします。 [映画館(字幕)] 7点(2022-08-07 15:47:19)(笑:1票) (良:2票) |
87. ベイブ
結局は子供向けとは思うが、そのような作品でも映像や編集に手を抜かずきちんと作っているのは偉い。ナレーションと章立て表示は余計ですね。ところで、羊の顔ってよく見ると結構怖いんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-07 00:17:42)(良:1票) |
88. 男はつらいよ 寅次郎の休日
《ネタバレ》 山田監督という人は、中年以上とか老人とかを描かせると天才である反面、若者に関してはまるで陳腐な描写しかできないのだが、そのことがよく分かってしまう作品。吉岡君の演技力の低さも足を引っ張っているが、さくらと博も、「夫婦」とか「姪(妹)とその夫」とかだと何をやっても面白いのに、「満男の両親」の立場になった瞬間に、つまらなくなる。●中盤で夏木マリが登場してやっとまともな作品の雰囲気になってきますし、サブが寺尾聰に宮崎美子(ほかの作品でマドンナでも全然おかしくない)なんてのも、実に贅沢です。というか、宮崎さんは上手すぎる割に登場時間が少ないので、かえって浮いているくらいです。●夏木マリのマドンナは水商売という設定で、とすると芸者マドンナだった太地喜和子や松坂慶子の洋風版みたいなのも期待してしまいますが、寝台列車と旅館で両方とも半泥酔状態というのは、ちょっと工夫がありませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-08-06 02:05:23) |
89. ジュマンジ
《ネタバレ》 動物が壁を突き破って集団暴走するとか、屋敷がジャングルになるとか、床がいきなり泥沼になるとか、はっきりいって話としてはアホなのです。しかし、この作品が優れているのは、あくまでもそれを愚直に大真面目にごく単純な「双六ゲーム」のルールの中でやり通している点です(それに、ゲーム盤から問答無用で断定されると、かなり怖い)。サイコロはどこで振ってもいいはずなのに、律儀に屋敷の中にいちいち戻っていくのも、何ともいえないおかしさがあります。タイム・トラベル風に締めるラストも好みでした。●それと、改めて見てみると、当時13歳のキルスティン・ダンストの静かな存在感は凄い。子供目線で見た頼れる冷静なお姉さん、という役回りを完全に理解しているし、ロビンの突っ走り演技をピン留めしてバランスを確保するパワーすら感じる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-07-28 02:06:19) |
90. フリー・ウィリー
このタイトルと、「動物モノ」「シリーズ化されている」「子供が主人公」という前情報から、子供と動物が繰り広げる大忙しドタバタ・コメディを勝手に予想して見てしまいました。すみません。いつまでたっても笑わせてくれないので、違う作品を見ているのかと思いました。ただし、いずれにせよ、動物を不必要に崇め奉る作品は好きではないです。●あと、主演の彼の演技が下手すぎなのは、致命的ではないかと思うのだが・・・。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2022-07-22 23:10:16) |
91. エア★アメリカ
中身もしょぼすぎて話にならないが、主役のはずなのにメル・ギブソンの見せ場が異様に少なくないか? [DVD(字幕)] 2点(2022-07-10 23:48:31) |
92. EAST MEETS WEST
《ネタバレ》 発想はすごく面白そうなのに、あれこれ盛り込みすぎて超消化不良なままに終わってしまいました。とりあえず、あの子供の関係はまったくいらなかったのではないでしょうか。竹中直人が邪魔なのはいうまでもなし。大体、忍者という設定なのに、忍者の技術が何一つ発揮されていないし、元忍者であるようにも見えない。加えて、最初に、出航までのタイムリミットという課題設定があったはずなのに、それはどこに行ったの?とか、途中から出てくる教師とやらが物語を乗っ取っている時点で、もとの構築の弱さが露呈してない?とか、突っ込みどころは満載でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-03 23:38:52) |
93. ホーム・アローン2
マコーレー・カルキンって、人相が悪いというか、こまっしゃくれた雰囲気全開で、笑った顔もよく見ると可愛くなくて、子役ではあまり好きではないです。しかも本作でのマコーレーは、泥棒を機転と頓知で撃退する利発少年というよりも、むしろ人に危害を加えることそれ自体に嬉々としているようにしか見えません(まあ、大半は演出の責任ですが)。よって、高い点はつけられません。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2022-06-25 01:19:55) |
94. ホーム・アローン
このワン・アイディアだけで映画を1本作ってしまおうと考えた発想自体は特筆ものだが、マコーレーを中心としていろんな人が何かあるたびにワーワー声を上げてうるさいのと、全体的に何か展開が単調なのとで、意外に見終わったあとの爽快感は少ない。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2022-06-24 00:53:10) |
95. 恋に落ちたら・・・
おいおい、タイトルに偽りありだろ!この地味で暗くて鬱々した話から、どうやったらこのタイトルがつくわけ?いや、地味でも味わいがあればいいんだけど、中身も、どうでもいいような何の発展もない話が延々と続くだけです。デニーロの中年オッサン丸出しのラブシーンなんてのも、できれば見たくなかったなあ・・・。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-06-22 23:26:42) |
96. インドの仕置人
《ネタバレ》 かつて独立の闘士として戦った主人公が、理不尽な体験を経て復讐者として牙をむく。いや、たったそれだけなんですけど、それで3時間保たせてしまうのがインド映画です。ただ、復讐のターゲットがやっていることが、手続のたびにチマチマした賄賂を要求するという木っ端役人レベルなので、何というか、それで3時間は難しいのですね。せめて、1人あたりの復讐にいろいろプロセスがあるとかならまだしも、それ自体はあっさりしてますし。あと、息子との対立軸というのを大きなテーマに置きたかったのでしょうが、この息子が人物としても小物である上に、制作者もどう描きたかったのかがはっきりしません。よってメインになるはずの親子対決も盛り上がりません。というか、そもそも、数々挿入されるダンスシーンで、悪役(のはずの人)が楽しそうにダンスしていたらいかんだろ。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-11 01:16:43) |
97. サイダーハウス・ルール
いい話っぽい内容なのに、演出があまりにも平坦で、ほとんど面白みがありませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-08 01:10:57) |
98. イマジン(1999)
サーフィンに血道を上げる若者グループを追いかけたドキュメンタリー。グループの行方に応じて、世界各地の様々な海と、そして迫力の波は存分に収められており、その部分では鑑賞目的は達成できる。しかし、技術や器具を含めた肝心のサーフィンの具体的内容や、あるいは各地を転々とする中での生活のディテールなどには踏み込まれておらず、もったいないという気もする。しかし、難しいことは考えずにとにかく各地の波とサーフィンの映像をまとめるというのが制作意図だったのかもしれないし、その意味では一貫しているとはいえなくもない。 [DVD(字幕)] 4点(2022-05-30 01:42:12) |
99. NY検事局
《ネタバレ》 前半の成功一直線部分があまりにも平凡すぎて薄っぺらいので、肝心の後半が全然生きていません(それにしても、あんな誰が見ても「勝って当然」の筋の事件で勝って大喜びしてる検事局って・・・)。邦題も工夫なさすぎ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-05-20 00:31:13) |
100. ペリカン文書
そもそもジュリア・ロバーツが、無力な女子大生には全然見えないのですが(この人の場合、もともと老け顔だからなあ)。デンゼル扮する記者に協力を得るという設定なのですが、むしろ顎で使ってそうです。それはさておいても、何か壮大な陰謀とサスペンスを構築しようとしているのは窺えるのですが、話がどこまで行ってもチマチマした雰囲気で進んでいるので、結局何だったのと思ってしまいます。脇役も巧者揃いのはずなのですが、ほとんど生かされていません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-05-15 16:14:49) |