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81.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
SFアクション映画と思わせて青春コメディ?な序盤。どのシーンもきっちり作られていて各演技が優れていておまけに編集のテンポも良い。だから本筋がよく分からなくなるほどだが、この高品質な満艦飾がいい感じのデタラメ感を持っていてかなり愉快。  30分過ぎからはエイリアンとの闘いに収束していくが、CGIの出来にややばらつきはあるものの破壊の表現などはかなり良い。侵略的異星人を単なる嫌がらせ役ではなく理解不能の存在に描いているのも良かった。各キャラクターもしっかり活躍させておいてかつ主役を食わない程度にひっこめるシナリオの妙がある。重厚なBGMとハードロックを組み合わせる音楽もセンスが良い。  古戦艦と古英雄の活躍とかカタルシス要素をしっかり盛り込んで実によく出来たエンタメ映画なのだが、しかし中身は、ないよね。作家性のなさというか、指揮者不在のフェスティバル楽団。「祭り映画」という評も頷ける。楽しいので人には勧められるが、しょせんレジャー映画というか、自分の映画体験としてはこれで2時間楽しむなら別のことしてもよかったね、と思えてしまう。
[インターネット(字幕)] 6点(2018-08-16 21:53:16)
82.  ネメシス/S.T.X 《ネタバレ》 
冒頭から映像の見事さに感心する。TNGのTVシリーズは未見だが、とにかくスター・トレック映画のシリーズは映像のリアリティは二の次三の次な所があって、そこをきちんとやっているのは良かった。シンゾン役のトム・ハーディがパトリック・スチュワートと唇こそかなり違うものの鼻と頭の形がほぼ同じ。メイクだと思うが、ちゃんと似せようとする努力は買う。そのシンゾンが死期に近づくにつれて変化するメイクも説得力がある。話の中心はピカードとデータのアイデンティティをめぐっていく。基本的に無神論であるスター・トレック世界観で、人間の可能性を遺伝子や設計で決められないとするのはシリーズ最後の映画にふさわしいヒューマニズムの原点に立ち返ったテーマだ。  というわけで全体的に良質のSF映画と言えると思うだが、不満な点ももちろんある。まず映画オリジナルのレムス人の設定がご都合主義的すぎる。虐げられてた割にはえらい科学力を持っているもんだな。おまけに超能力まであるし、こいつらが下風に立たざるを得なかった理由はなんだ?造形も『ロード・オブ・ザ・リング』のオークよろしくひと目で「こいつワルモン」とわかる外見で、実際そうなんだからちょっと深みがない。あとレムスの副官がロン・パールマン?あのメイクと役柄じゃ誰がやっても同じじゃないか(笑)?稀代の怪優の無駄遣いだ。  個人的にはよくできた作品だと思うので良い目の点数付けるが、この映画がスター・トレック・ファンにそっぽを向かれる理由もなんとなくわかる。主要キャラの死についてはこの作品においては十分納得がいくものだと思う。(過去作の二例については全く納得いかないけどね!)
[インターネット(字幕)] 7点(2018-08-08 20:22:16)
83.  スター・トレック/叛乱 《ネタバレ》 
スター・トレックは深遠なテーマを扱うが、意外と中心となる核は単純だったりする。この映画は出だしからかなり良い。特にデータの暴走が良心回路の基づくものという設定はイカしている。アーミッシュのように伝統的生活を営む原始的種族が実は・・・という展開も美しい風景と相まって実に魅力ある。  だが中盤以降はなんだかその魅力が薄れてくる。巨悪に対抗するはずが、肝心の敵が全然「巨」じゃないんだよ。そしてなんと言っても不老不死を生み出す惑星に全員が惑わされ「ない」。ピカード以下クルー達もまったくその点に関しては自制心を崩さないし、驚くべきことにソーナ人も「復讐」の方がメインだったりする。おいおい現実世界でもちょっと長生きできる地域に金持ちが押し寄せたりしてるぞ。ここに焦点を当てればもっと深くなったのでは?パトリック・スチュワートも「若返った」と口で言わせるだけじゃなくてちょこっと植毛とか染色とかすれば説得力が増したのに。  ちょっと鬱陶しいのがSF的なギミックで、怪しげな数値や用語を叫んでる時間がやたら長い。そこは「ギミック」だと皆分かってるんでもうちょっとさっさと済ましてほしい。監督の副艦長にやけにおいしいシーンが押し込まれるのもご愛嬌。  全体的に惜しい映画なんだよね。不老不死、理想化されたアーミッシュ、連邦の陰謀との闘いと、テーマ的には掘り下げれば名作になり得た可能性があったはず。
[インターネット(字幕)] 6点(2018-07-29 18:16:28)
84.  ホビット/決戦のゆくえ 《ネタバレ》 
本作は『ロード・オブ・ザ・リング』のファンには物足りないようですが、こっちはあのくどさにちょっと辟易する方なので素直に楽しめました。なんと言ってもテンポが良い。そしてやっと2時間ちょっとに収めてくれた。大群の整列と突撃シーンはやはり圧巻で、特に一糸乱れぬ優雅な動きのエルフ軍が素晴らしい。ドワーフ軍が山羊に乗るのも良いね。  気に入らない点ももちろんあって、まず卑怯者のアルフリド、散々ウザさを振りまくのを放置しておいてちょっと矜持を見せて出ていこうとしたらぶっ潰されるって(笑)。どっちかにしてくれよ。そしてなんと言っても肉弾戦は強いのに魔法はからきしなガンダルフ。結局このシリーズでは前作で松ぼっくり燃やしただけだぞ。いいのかそれで。  いいのかそれでと言うとバルド役のルーク・エヴァンスはどう見ても顔と活躍が主役級、なのに終盤居なくなるぞ。居なくなるといえばクライマックス中ビルボは気絶したままなのだがこれまたいいのかそれで。  ドラゴンが早々に退治されるのはあれでよし。あいつは台詞が小物すぎる。カンバーバッチがしゃべったってだめ。それより全体的に条件設定があるのかないのかよく分からない、というかストーリーの都合で変わってる気がする。オークやトロールの首のもげやすさもその都度変わる。あと人間軍は漁師だから強いという話なのに最初からおばさん前線に出してどうする。  まあいろいろな突っ込みどころもテンポ良く進むので観ている間はあまり気にならないが、このシリーズはクライマックスとラストがやたら長いのでその間に反省会が出来てしまうんだよね。
[インターネット(字幕)] 6点(2018-05-19 00:00:36)
85.  42~世界を変えた男~
映像が美しく物語がサクサク進んでテンポが良い。ジャッキーとその妻役が魅力的だし久々に2時間が長く感じない映画だった。ただ当時のジャッキー・ロビンソンが受けた困難の描写は生ぬるいように感じる。どこにでも黒人ファンやコミュニティが支えていて四面楚歌な感じが薄い。そして問題なのは音楽。効果的なシーンもあるが、冒頭と最後を感動的な音楽だけで盛り上げようというのは安易過ぎないか?妻役も美しいがあんなに出す必要あるか?それならチームメイトとの葛藤をもっと描いたほうが良いような気がするのだが。  とはいえブランチ・リッキー役のハリソン・フォードは凄い。片方の口だけ上げるいつもの演技はしてみせるものの、最後までハン・ソロとは別人の気骨ある老オーナーの姿だった。映画評論家の町山智浩さんによるとハリソン・フォードという人はいつもやる気がないらしい。その気だるい演技で評判を取ってきた。『ブレードランナー』の演技も評価が高いが、劣悪な撮影環境でうんざりする気持ちをそのまま演技に出して成功した。要は天才なのだ。その天才が本気を出すとどうなるか。このブランチ・リッキーは本当に時代を変えた男に見える。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-03-10 23:07:46)
86.  ヒア アフター 《ネタバレ》 
クリント・イーストウッドは映画を撮るのが上手い。シーンを作るのが上手い。映像が上手い。早撮りの名手らしいが役者に自然な演技をさせるのが上手い。台詞ではなく映像で分かりやすくさらっと説明してしまうのが上手い。そして題材が幅広い。この監督にマット・デイモンはすごく合う。あの「スターの輝きを持ちながら自分ではそれに気付かない普通の人」っぽさは異常だ。映画自体もシーンごとの流れが自然なので見やすいし、3つの別々の話がどう絡んでいくのかわくわくさせられる。  で、これ結局なんの話だったの?霊能力に悩む霊能力者、臨死体験を持つ人気キャスター、双子の兄を失った少年、それぞれ問題を抱えているのは分かるが、その深みというか闇の質がいまいち伝わらない。そしてこの3人が出会うとどうなるのか?というと特に意外なことは起こらないんだよね(笑)。個人的には話の整合性を重視しすぎて盛り上がらないストーリーというのも嫌いではないが、広げた風呂敷を半分に折って「はい畳みました」というのもどうなのか。  あと壊滅的なのが音楽で、ギターかピアノかストリングスの叙情的?メロディーがシーンによっては延々流れ続ける。音楽はクリント・イーストウッド。名優にして大監督に対してこんなこと言うのもなんだが、音楽はちゃんとした人を雇いなさい。
[インターネット(字幕)] 5点(2018-02-16 22:30:56)(良:1票)
87.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
これはものを作る人や作りたい人にとってのシンデレラ・ストーリー。「いつか白馬に乗った理想世界がボクを迎えに来てくれる」。主人公は偉大な芸術家たちに諸手を挙げて歓迎され常に気に入られすぐに腹を割った話ができる。萌え小説のクリエイター版か。  この映画にはウディ・アレンの願望・妄想・欲望が炸裂している。その恥ずかしいご開陳を決別という形にして自立した成長物語のふりをする。過去の世界に留まりたい気持ちはアドリアナが身代わりに実現させ、自分はちゃっかりと戻る。それも現代のパリという丁度よい落とし所で新しいお相手まで見つかる。「黄金時代」が幻想だと言ったのは「天敵」だった似非教養人のポール。そういえばアドリアナが19世紀で服装の斬新さを讃えられるのに明らかに場違いな21世紀人のギルは何も言われない。彼は帰る人だからか?夢の世界で1人醒めてしまった人か。ダブル黄金時代が黄金時代の幻想を醒ます。  数々の偉人の中でもロートレックがあまりにそのまんまでびっくりする。ピカソがずっと小物っぽいのも面白い。そしてキャシー・ベイツ扮するガートルード・スタインがめちゃくちゃ格好良い。ピカソやヘミングウェイにも堂々と意見するスタインはギルを励ます。成長物語のようでいて実は甘い甘い夢物語。僕もどこかへ引っ越したくなってきた。
[インターネット(字幕)] 9点(2018-01-25 10:05:15)
88.  スペース・カウボーイ 《ネタバレ》 
イーストウッド映画らしく話は明快でかつ余計な説明なしに進んでいく。が、これはちょっとゆるすぎる。まず4人の絆が強調されるんだが、若い頃の場面と上手くつながらなくて最初誰が誰かよく分からない。別に分からなくても特に問題はないが、若い場面では2人が印象的なのであとの2人はどこから出てきたという感じになる。  ちょっと致命的だと思うのは音楽。勇壮なスペースオペラ風テーマはすべっているし、何も問題ない場面で不安を煽るようなBGMが流れる。そして危機の場面では緊迫感のある音楽が「かすかに」流れるんだな。これはいくらなんでもおかしいでしょう。ドカシャカ鳴らすかあえて静謐にするかどちらかにしないと。宇宙でもバコバコ衝撃音がする設定ならせめて音楽で盛り上げるのが普通だと思うが。音楽自体もありもの適当につなぎ合わせたようなちぐはくな印象がある。  じいさん達は格好良いので若い娘にモテモテでも別にいいのだが、イーストウッドが「真面目」「賢い」「熱血」の全部持っていってるので肝心の主役がうっとおしい。あとこの映画は「SF」のカテゴリーに入っていることが多いが、これSFじゃないよね。サイエンス絡みのフィクションだがサイエンス・フィクションじゃなくてあくまで宇宙も舞台に入る現代劇。
[インターネット(字幕)] 5点(2018-01-24 08:40:56)
89.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
おなじみのモーガン・フリーマンがあの偉大な大統領に見える。マット・デイモンが本物のラグビー選手に見える。アパルトヘイトを常識として育った人々、新しいヒーローに興奮する子供たち、そして熱狂する大観衆、街の人々etc、全部本物に見える。  最初に注意点を一つ。この映画はよくある「負け犬が立ち上がるスポーツ物」に見えるかもしれないが、南アは元々トップクラスの強豪国。アパルトヘイトのせいで国際試合から締め出されて若干低迷していただけで決して弱小チームだったわけではない。あくまで強豪国ならではのプレッシャー。  エンドロールでは現実の選手の画像が流れるが、これまた顔以外ほとんど映画と同じに見える。ラグビーというスポーツの激しさを始め、この映画は現実にしかありえない光景を見事に映画にしてのけている。本当にあった困難、一つの国が崩壊する危機、決して断ち切れない憎悪、南アのその後の苦難と発展を考えればやはりどこかで誰かが「奇跡」を起こしていたのだ。それらが映画として生真面目に再現される。ちょっとこれ、ものすごいぞ。
[インターネット(字幕)] 9点(2018-01-17 08:54:20)
90.  きっと、うまくいく 《ネタバレ》 
初インド映画鑑賞でしたが、ミュージカルパートがこれほど自然にストーリーに入ってくるとは思わなかった。ていうかこの映画に関してはあれがあることでかえってリアリティのラインが安定するような気がする。話自体はけっこうとんでもないからね。  あからさまに泣かせにかかってくるシーンも多いが、話の面白さやキャラクターと共に伝統社会と近代化の間に挟まれたインドの現在を表しているのが興味深かった。そしてアーミル・カーンの爽やかさと最後の青空が無茶なストリーをまとめ上げている。主題歌を最も悲しい場面と最後に使う演出も心憎い。個人的には「本名の男」が気に入った。あいつ根はそこそこ良い奴だな。  あと学生時代と現在パートの経年変化が自然過ぎるんだがメイクだけでやってるんだろうか?まさか本当に10年かけて撮ったとか?と思えるくらいの自然さ。子供時代役の子もめちゃくちゃ似ているし。後でアミール・カーンが1965年生まれで撮影当時44歳と知って驚愕。インド映画いろいろと恐るべし。
[インターネット(字幕)] 8点(2018-01-15 04:59:15)
91.  フィフス・エレメント
リュック・ベッソンが実はフザけた野郎だということはもうみなさん周知の事と思うが(『グラン・ブルー』だって結構ひどいネタあるぞ)、この映画は重々しいオープニングから一転して最初のシーンが始まった瞬間に「あ、これ真面目にやる気が一切ないな」というのがわかる。そのままラストまで延々フザけ倒し。正直ギャグというより「フザけ」なのでこれで笑うには「徹夜明けのテンション」みたいなのが必要だろう。ブルース・ウィリスが終始うんざりした顔してるがこっちも同じ気分なので共感できる(笑)。ミラ・ジョボビッチに対した時だけ演技のテンション上がるがそれもこちらと同様だ。  結構テンポ良くサクサク進むし終盤の展開はなかなか熱い。スター・ウォーズのパロディが目立つがコントロールルーム?などはスター・トレック風味か。他にもブレードランナーや2001年などの雑な引用がカラフルな画面に押し込まれてデタラメな未来世界観を構築している。個人的に観終わった後の後味が良かったので良い目の点付けるが、うっかり人に勧めるとどう思われるか予想できない映画。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-01-14 01:30:37)
92.  ファースト・コンタクト/STAR TREK 《ネタバレ》 
TNGシリーズ未見なのでもっと置いていかれるかと思ったが意外に分かりやすかった。むしろくどくど説明しすぎないのが良い。全体的にしっかりとした緊迫感があって、これは前作や旧シリーズにはいつも足りなかった要素。ホログラム小説のシーンなど単なる息抜きシーンかと思いきやしっかりと必然性を盛り込んでいる。(無茶ではあるが)  恐ろしくも美しい女王、頼りになるアンドロイドとクリンゴン人、そして普段は冷静だがいざとなると暴走する艦長(笑)。コクレーン博士がいいキャラ過ぎるが、偉人の素顔はこんなもの感を魅力的に描いている。人間の描き方はどれも隙がない。  プロットはやや大雑把でタイム・パラドックスの扱いが能天気(これはおそらく全シリーズ共通なので致し方なし)、なにより宇宙戦闘の特撮がしょぼ過ぎる(『スター・ウォーズ』1作目から何年経ってるんだ)のは残念だが、21世紀半ばの人々という微妙な未来の人間風俗をしっかり創り出しているのは感心する。スター・トレックはいつだって正面から未来に向き合う。そしてそういうSF作品は意外に珍しいのだ。
[インターネット(字幕)] 8点(2018-01-11 21:30:09)(良:1票)
93.  スティーブ・ジョブズ(2015)
普通の脚本家はストーリーを作るが、アーロン・ソーキンという脚本家は人間を丸ごと造り出してしまう。その人間が舞台の中で自由に動き回って衝突する。ほとんど会話だけで話を成立させるのだが、その会話の密度が凄く、それでいて一貫した人間的テーマが論じられる。およそ「頭の良い人間」の表現をギミックなしのまともな会話だけで説得力を持たせられるのはソーキンくらいだろう。誰にも媚びない観客置いてけぼり感がむしろ心地良い。  時代によって解像度を変える映像表現は効果的だが、その中に写っている時代を確実に反映したディテールが凄い。80年代の大群衆がまったくその時代の人間にしか見えないし、1998年も今から見ればけっこうな「昔」だということがよく分かる。  この現実感とフィクションの独特の折り合いの付け方がジョブス役のファスベンダーで、外見はまったくスティーブ・ジョブズに似ていないし最後ちょっと寄せはするものの基本的に似せる気がない。ウォズニアックもスカリーも同様。つまりこの映画の登場人物は実在でエピソードも事実を元にはしているが、あくまで架空の人物なのだ。この映画は懸命に生きて魂でぶつかり合った人々のファンタジーだ。
[インターネット(字幕)] 8点(2018-01-11 00:20:17)
94.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 
前半1時間延々続く少年の苦労話が辛い。まあ映像は美しいしカメラワークも見事、主役のエイサ・バターフィールド君も印象的。名だたる名優が居並ぶ中でクロエ・モレッツとの子供だけのパートが見劣りしない。  後半は打って変わって話が急展開するが、じゃああの前半は何だったん?まず前半だけずっと流れ続けるハリー・ポッター風の音楽がくどすぎる。そしてあれほど意味ありげに登場したノート、あれ単なるマクガフィンなんだな。ストーリー上で「大事な物」扱いであればなんでもいい。だから用済みになると話から消えてしまう。もっと言うと機械人形も物語上大事な役割を果たすが、要は「大事な物」だから大事という存在。ヒューゴが劇中でちゃんと「発明」していればまた意味も変わるのだろうが。  話が途中から映画黎明期の歴史にシフトしていくのでヒューゴの存在意義が危うくなる。それを補うために人形を大事にしたり爺さんに彼の「功績」をわざわざスピーチさせたりするわけ。ノートや人形だけでなく主役まで小道具と化してしまっている。この映画は後味は良いし映像は美しいし映画愛に満ちているがその「映画愛」に集中したためにかえって物語の意味が薄れている。  邦題は評判が悪いが実は原作のタイトルでもある。原作ではヒューゴの「不思議な発明」が本当に出てくるらしいが、映画ではそのプロットが削られたために原題でもなくなった。それを邦題で復活させるとは何考えてんの?
[インターネット(字幕)] 5点(2018-01-10 00:17:34)(良:1票)
95.  ジェネレーションズ/STAR TREK 《ネタバレ》 
『新スタートレック』未見。TVシリーズ未見でも分かるという評判なので観てみたが、たしかにストーリーは追えるがキャラクターの前提条件がよく分からない。「感情が暴走するデータ少佐」というのはこのシリーズ知ってる人なら面白いのかもしれないが・・・。冒頭の帆船遊びも一体どういうことなのか。  全体的にこの映画は「一体どういうことなのか」という要素が多すぎる。ソランはあの外見で宇宙人?恒星を破壊するミサイルがあのサイズ?しかも地上で爆発してあんなもん?そして時間を巻き戻すネタまで使わないといけないピンチは必要あるか?  『スター・ウォーズ』でもそうだが、大作シリーズを手がける連中の中には自分が主要キャラの首を獲りたいと思う奴が出てくるものらしい。本当に劇中で死なせる必要があるか?死なせるといえばクリンゴンの女艦長達、散々キャラ立てといてあっさり皆殺しってひどくないか?なんかヒューマニズムってやつが感じられないぞ。ピカードも突然カウンセラー呼びつけてさめざめと泣き始めるとかトラウマ描写に深みがない。  もしこの映画に大物キャラの登場と死、そして「作戦失敗でいったんクルー全員死亡」がなければどうなるか考えてみてくださいよ。「偽物のユートピア」はTVでも充分できるネタでしょ?全体的に作為的な話の脆さをショックで誤魔化そうとしているのとしか思えなかった。
[インターネット(字幕)] 4点(2018-01-08 20:03:16)
96.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 
前作に比べるとテンポが良くて見やすい。エルフ2人のスーパーテクニカルアクションが格好良いが、原作にないらしい場面が最大の見どころというのはどうなのか(笑)。そしてイケメンにはやっぱりイケメン向きの役割があったか。  前作以上にドワーフやホビットの「小ささ」の表現が磨かれていて、189cmのトーリン役アーミテージを始めドワーフだけやホビット1人の場面でもしっかり小さく見える。この点は『ロード・オブ・ザ・リング』で常に違和感があったので技術の進歩というのは素晴らしい。  今作ではドワーフの頑固さや傑出したリーダーであるトーリンの独善性が描かれる。「勇敢な種族」は勇敢であるだけに潔い。つまり諦めも早い。まあこの回はドワーフがめんどくさい奴らであることを強調する回なんでしょう。そろそろビルボも活躍させないといけないし。  竜のおしゃべりはカンバーバッチだからつい長くしたかったんだろうな。この竜は「悪いことするために存在する悪役」であり、物語上の作為的な障害物と言える。しかしそもそもこの世界はオークが完全に邪悪でマシな奴すらいない世界なので役割的な作為性はある程度は仕方がない。  映像表現は素晴らしいがその表現に唯一不満が。ファンタジーとはいえ人間が演じるので仕方がないが、一応前日譚なので『ロード・オブ・ザ・リング』の登場人物はもう少し若く見せる工夫があってもいいんじゃないかと思った。全部CGで化粧するのは大変だろうが、せめてガンダルフのヒゲはちょっと短く黒めにするとかしたらいいのに。
[インターネット(字幕)] 7点(2018-01-06 04:19:27)
97.  ホビット/思いがけない冒険 《ネタバレ》 
『ロード・オブ・ザ・リング』が原作読み込んだファン向け(としか思えない)のに比べるとこちらはいちげんさんにも優しい。ストーリーも状況もよく分かる。進まないんだけどね。  個人的には序盤のしつこい食事風景が良かった。登場人物がちゃんと血の通う人間類(?)で文化や様式は異なっているがそれぞれの生活があることが想像できる。ホビットはただのひ弱な小人ではなくて立派な文明人なのだ。  『ロード~』に比べるとドワーフやホビットの「小ささ」がきちんと表現されているシーンが多いのも良い。そしてこれまでヒゲオヤジしかいなかったドワーフにちゃんと若いヒゲイケメンがいる。これファンタジー作品として画期的じゃない?そしてヒゲオヤジ連中もみんな個性的で味がある。  相変わらずガンダルフは何が出来て何が出来ないのかよく分からないしストーリー展開は偶然に頼りすぎだが、ドワーフのキャラ、特にトーリン王子が格好良いので2時間ついていける。2時間ならね。でも3時間なんだよな。原作薄いらしいのになぜそう長くしたがる?
[インターネット(字幕)] 7点(2018-01-05 01:46:55)(良:1票)
98.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
マーゴット・ロビーがとにかく美しくて見とれてしまう。本人はもうこういう役はやりたくないそうだが、彼女の完璧な外見は成功者の「トロフィー」としてぴったりなんだよね。ディカプリオと釣り合うどころかだいぶ超えている。  全編通じてバディ映画の雰囲気があって仲間意識が強調される。司法取引に応じても仲間を売らずに切り抜けようとするし、天敵であるFBI捜査官もどこか捕まえたくなさそうだ。こいつらのやってる「悪いこと」の描写は経済犯罪よりもセックスとドラッグに集中する。その無茶苦茶さが痛快なのでついベルフォートに肩入れしたくなる。  だがちょっと待って下さいよ?この話はジョーダン・ベルフォートという男の自伝が元になっている。仲間達は極端にダサくダメな奴に描かれていて、なのに美しい友情がある。肝心の詐欺は抽象的にしか描かれずスイス銀行マンの方が悪く見える(あいつのセックスシーン、いるか?)。被害者である顧客は一切画面に出て来ず電話の声だけ。  この映画の3時間は退屈ではないが疲れる。この長さは多分2時間くらいだと観客が冷静になってベルフォートの嘘に気付いてしまうからだろう。3時間のまくし立てに観ている側も呑み込まれていく。ディカプリオが突然観客に話しかけるメタ演技は最初の方にだけ出て来るが、あれは作り手の「これはあくまでこいつの言い分ですよ」という言い訳なのだ。  この映画は大変評判が良いが、詐欺師の言い分そのまんまで観客を騙しに来る映画でもある。相手に考えさせるな、電話(台詞)を切らすな、札束(裸)を喰らわせろ。ベルフォートの詐欺の手口をそのまま映画で観客に向けて実演している。気をつけよう。
[インターネット(字幕)] 6点(2018-01-03 06:19:22)(良:1票)
99.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 
僕には散りばめられているネタはごく一部しか理解できていないのだが、それでも面白かった。こういう映画にありがちな汚いネタやエグいシーンは一切なし。警官が爆死するところでドキっとするくらい。これも状況的に爆発に巻き込まれる描写になっている。基本的に観客を追い詰めないで「良いシーン」で映画を作っていく姿勢は好きだ。  悲しいシーンでも役者は涙を出さないし感動シーンも茶々を入れて笑いで終わらせる。ラストは少し長いなと思ったらポールが自分でその点を突っ込む。これはイギリスのエンターテインメントの特徴なのかわからないが、バカにも分かるような作りにしない代わりに分かる人ならちゃんと気付けるように作ってある。観客を騙しに行かない。こういうところが後味の良さを生み出していると思う。  ポールのキャラと造形には感心した。あの目は爬虫類のような「瞬膜」があるんだよね。生物としてのリアリティをマニアックに追求している。スーパーボールみたいにペンポコ跳ね回る最近のCGアクションに辟易しているのでポールのあの自然な動きは新鮮だった。
[インターネット(字幕)] 8点(2017-12-31 23:40:40)(良:1票)
100.  グリーン・ランタン 《ネタバレ》 
評価が低いので気軽に流し見するつもりで観たらけっこう楽しめた。ていうかむしろ出来が良い部類なのでは?ライアン・レイノルズの3枚目っぷり、ヒロインの完璧彼女ぶり、親友と屈折したライバル、いかにも議員ぽい議員と演技のレベルは高い。スーパーマンを遥かに凌ぐ大設定ながらみんなそんなに強くなさそうなのはご愛嬌。  この映画は明るく楽しく爽快で「ちょっと」無理があるという正統派アメコミ映画だと思うが、生まれた2011年はシリアスヒーローが大流行の時代。おそらくそういう風潮に抗いたかったのだろうがあえなく撃沈した。しかし主人公ハルの苦悩はもうちょっと前面に出しても良かったのでは?そして「恐怖に立ち向かう勇気」という手垢まみれのテーマをもうちょっと刺さる言葉で鋭く表現してほしかった。せっかく雰囲気は良いシーンなのに。  良いシーンと言えば基本的にシーンはどれも丁寧で退屈しないのだが、特に群衆のシーンは良かった。どんなにCGが発達しても「必死で逃げ惑う大群衆」を撮るのは意外に難しい。よく見ると画面のすみで「ジョギング(ただ指示通りに走っている)している人」が写ってる名作映画はいくらでもある。この映画の悪役は「恐怖」を餌にするという設定だからこの点は重要だ。子供の集団まで必死感を出していたのは感心した。  この映画はコケてしまったせいか劇中で「予告」される続編はアニメになったようだ。制作陣は同じらしい。つまり彼らはきちんと志とヴィジョンを持って作っていたわけだ。時流に合わずに敗れたがいずれ再評価されることを願う。(とまで言っておいてなんだがそれほど深いメッセージ性とか感動があるわけではないのがつらいところ。)
[インターネット(字幕)] 7点(2017-12-31 18:00:05)(良:1票)
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