81. 静かなる決闘
まぁ結婚できない理由を言いたくても言えない恭二の気持ちも分からんではないけど、やっぱあれじゃあ婚約者が可哀想では? で、引くなら引くで、後になってから看護婦にグチグチ泣き言いうんじゃねぇよ!って思っちゃいます。結構湿っぽい映画ですが(終始雨か雪まで降ってるし)、あのダンサー崩れの見習い看護婦がいい感じに全体のバランスをとっていたような気がします。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 12:18:42) |
82. 素晴らしき日曜日
貧乏カップルのありふれた日曜日…ただそれだけのお話。正味まる一日の話なのに、やたらといろんな場面で引っ張るから間延び気味です(キャバレーのシーンとか雄三の下宿とか、未完成交響曲ごっことか、あんなに長々と必要か?)。そのうえ主人公二人が魅力ゼロなのが痛い。雄三は甲斐性なしだし、昌子は自己チューなうえにKY。戦後すぐの日本の情景や生活の様子を味わう以上のものは残念ながら得られませんでした。 [DVD(邦画)] 5点(2008-04-05 12:13:37) |
83. わが青春に悔なし
最初から最後まで原節子様々な映画なので、それ以外の些細な部分をつついてもしょうがないと思いつつ一言二言。戦中~戦後にかけて野毛と糸川という対照的な人生を歩んだ男が出てきますが、どうしても「野毛=英雄」「糸川=裏切者(又は臆病者)」といった構図になってしまっているのが疑問です。果たして糸川の選んだ人生は幸枝にあそこまで軽蔑されるべきものだったのか(気まぐれに「土下座して私に謝りなさい」なんてホザくバカ女に!)。彼は彼なりに自分の人生に対してケジメをつけたのではないか。戦争が終わり、かつての軍国主義を振り返って批判するのは結構ですが、なんかフェアじゃない気がしました。 [DVD(邦画)] 6点(2008-04-05 12:07:48) |
84. 虎の尾を踏む男達
源義経一行が山伏に扮して関所を越える、ただそれだけのお話。関所での弁慶と富樫のやり取りを除けば、特に大きな見せ場もないごく普通の作品かと。というかある意味一番印象的だったのはタイトルの下にある「1945年9月製作」の文字。製作に関わった人々は、いったいどんな思いでこの映画を作ったんでしょうね。 [DVD(邦画)] 5点(2008-04-05 11:41:52) |
85. 一番美しく
撃ちてし止まぬ国策映画。以前にNHKスペシャルなどで第二次大戦の頃のプロパガンダ映画や戦意高揚映画の断片を見たことがありますけど、日本でも本当にこんなのを作っていたんですね(戦時中のリアルな日常が見られる分、史料的価値も高い?)。もうどこを切っても「お国の為に!」って声が聞こえてきそうです。そういう映画なのであまり物語のアラ探しをしても意味がないと思うので、その辺は割愛。 [DVD(邦画)] 5点(2008-03-15 21:42:13) |
86. 續・姿三四郎
前作の源之助に比べると、この鉄心&源三郎コンビはどうみても小物。しかも中盤からラスト手前までぷっつり姿を消すので更に影が薄い存在に。三四郎にしてもなぜ破門を覚悟の上で彼らと戦わねばならなかったのかがよく分からん。いろんな意味で無理がある続編です。 [DVD(邦画)] 5点(2008-03-15 21:31:46) |
87. 姿三四郎(1943)
面白いお話というわけでもなく、後の三船敏郎のような圧倒的な俳優がいるわけでもない(志村喬御大除く)、黒澤明のデビュー作という”付加価値”を除けば、別段優れた作品というほどには思えませんでした。柔道の試合のシーンは何というか…モロにマンガです。投げ飛ばされてあんな風に飛んでいくか! [DVD(邦画)] 6点(2008-03-15 21:24:48) |
88. 兵隊やくざ
とってつけたような反戦メッセージもなく(全くない訳でも無いが)、戦争映画というよりは勝新が大暴れする痛快アクション映画といったところ。これでただ勝新が暴れるだけで終ったら大して面白くなかっただろうが、ここに有田上等兵が加わることで物語にメリハリがついた気がする。つうか真に恐ろしいのは勝新よりこの上等兵殿だと感じたのは僕だけか? [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 21:15:00) |
89. 情婦
一度目のどんでん返しはともかく、二度目はちょっと蛇足な気も…(一度目で十分ビックリ)。但しこの二度のどんでん返しがあってこその映画だと思うので、特に大きな不満はないです。老弁護士と看護婦のミニコント(?)も、映画を陰鬱にさせない為の絶妙なアクセントとなっており◎。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-15 21:08:31) |
90. 裏窓(1954)
個人的にはこの映画のオチ、あの『サイコ』よりも「えぇ~っ!?」って感じでした。ただし「そんなアホな!」って意味でですが。あいつが怪しい、さっきのあの行動が怪しい、とか真剣に考えながら観ていた観客を嘲笑うかのようなあの結末、個人的には微妙でした。殺人事件の真相を暴くと言いつつ、結局はただの覗き屋に過ぎないJ・スチュワートに感情移入できるか否かによって、この映画の評価が大きく変わると思います。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-15 20:59:34) |
91. 北北西に進路を取れ
《ネタバレ》 ヒッチ作品にしてはアクションが多く、次から次へと舞台が変わっていくある意味ロードムービー(予告編なんかモロにそういうつくりだし)。行く先々でトラブルが発生しますが、なかには「このシーンは別になくても…」と思うような展開がいくつかあったのがちょっと気になったりもしました(だからヒッチ史上最長尺になったのか?)。余談ですが『シベ超』ファンはもちろん必見です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-15 20:47:50) |
92. 新幹線大爆破(1975)
ハッキリ言ってストーリーはムチャクチャです。あり得ないです(特に川下りと首都高と喫茶店のくだり)。とにかく「勢い命!」で押し切った映画であり、この理屈抜きの勢いは、なんとなく数年後の『太陽を盗んだ男』にも通ずるものがありますが、本作はサスペンスの要素が強い分、そのムチャクチャがかえって仇になった部分もあったので、若干減点。 [DVD(邦画)] 9点(2008-03-15 20:37:42) |
93. 砂の器
『飢餓海峡』にも通じる一大戦後叙事詩といったところでしょうか。サスペンスという観点から見れば、犯人をたどっていく推理の部分が丁寧でよくできていた分、個人的には『飢餓海峡』よりこちらに軍配。なかでも演奏会と真相解明のそれぞれのシーンが同時進行していくラストの怒濤の展開には圧倒されました。回想シーンが若干くどい気もしますが、特に大きな減点要因にはならず、結果この点数。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 20:27:31) |
94. 天上草原
物語自体には特に意外性もなく、ラストまでバッチリ読めてしまうぐらい非常に単純なお話。それなのに決して期待ハズレ感がないのは、やはりあの圧倒的に美しいモンゴルの大自然のおかげでしょう。まるでNHKのドキュメンタリーでも見ているような淡々とした映像の連続が、シンプル極まりない物語の隙間をいい具合に埋めていき、結果として退屈な話を決して飽きさせない(映像と物語のどちらかが突出した構成ではこうはならなかったのでは?)。一見の価値ありです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-15 20:17:51) |
95. 座頭市物語
ヤクザ者だけど義理人情に厚く、どこか翳りのあるオリジナル座頭市。安易に派手な殺陣に頼らず、まずじっくりとドラマを固めていく構成も◎。ラストの勝負も、たけし版とは違って非常に見応えがありよかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-08 22:59:21) |
96. 世界大戦争
おそらく核戦争のよる人類滅亡を描いた世界初の映画では? 本作の3年後にキューブリックが『博士の異常な愛情』で、人類滅亡をコメディという形で描きましたが、これはまさに対局。思い切り真剣。しかも戦争をする側ではなく、何の抵抗もできないまま巻き込まれていく一般市民の側から描いているからなおさら怖い。観賞後しばらく、夕日を見るたびにフランキー堺のあの絶叫シーンが脳裏をよぎって困ったものです。でもそれぐらいあのシーンは衝撃的だったし、ヘタな反戦メッセージなどよりよっぽど説得力があったと思います。未見の方はぜひ、お正月にご鑑賞ください。間違いなく休みボケが木っ端微塵に吹き飛びます(?)。 [DVD(邦画)] 9点(2008-03-08 22:51:18) |
97. 幕末太陽傳
落語に関する知識はほぼ皆無ですが(某連続TV小説も未見)、それでも単純に面白かったです。舞台を品川宿の一箇所に限定し、且つかなり多くの登場人物を次から次へと動かしているのに、決してダレたり単調になったりすることなく最後まで実にいいテンポで駆け抜ける。この問答無用の絶妙なテンポが、落語に疎い自分のような観客でも容易に楽しめる秘密なのかも。名作。 [DVD(邦画)] 8点(2008-03-08 22:37:45) |
98. バーバー吉野
本作の面白さは何といっても吉野刈りのビジュアル・インパクトに尽きます。それに比べたら物語自体は特に印象に残るモノでもなく、子供を主人公にした物語によくある「ひと夏の冒険(+ちょっとした反抗)の物語」といったところ。だいたい、もたいまさこの言うとおり、ガキのくせに権利だの自由だのと「フザケたことぬかすな!」ですよ、本当に。それを逆手に、責任と義務を放棄して自由と権利だけを享受しようとする甘ったれた最近のガキ共を一喝する内容だったら、それはそれで面白かったと思いますが…。 [DVD(邦画)] 6点(2008-03-08 22:27:46) |
99. ファイト・クラブ
これって単にどんでん返しの為のどんでん返しというか…。思い返してみると確かに至るところに伏線はあったのだが(それこそオープニングロール自体が伏線)、もしあのオチが事実だとしたら、そもそもファイト・クラブの設立に至らないのでは? だって殴り合いにならないやん。端から見たら「あいつアホか?」で終わりでしょう、普通。個人的には、本作のようにどんでん返しをヘタに「目的化」されてしまった場合、見終わった瞬間は快感だが、よくよく頭を整理していったら一気に冷めてしまいます。でもそれって楽しくない。どうせひっくり返すなら『シベ超』ぐらいの勢いと破壊力でやらないと(爆)。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-08 22:17:52) |
100. ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
この最終版でようやく『ブレラン』初鑑賞。ストーリー、ビジュアルともに噂通りの凄まじい作品でした。限りなく人間に近い【機械】を通じて「【人間】とは何か?」という永遠の命題に挑んだ作品かと。おかげで僕の頭の中では「『2001年宇宙の旅』~『ブレラン』~『攻殻機動隊』~『A.I.』」というヘンSF映画史の流れができてしまいました。機会があれば劇場版やファイナル・カット版も観ておきたいです。ちなみに僕はデッカード=人間派ですけど、そうなると「ピアノの上の写真」と「ユニコーン」をどう解釈するか…。う~ん、恐るべしブレラン。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-08 21:59:33) |