81. チャーリーとチョコレート工場
左党の自分は甘そうな映像のてんこ盛りに胸焼けしてしまいました。特にチョコレートの川がお汁粉の色に見えてきつかった。バートン監督は大作を撮るようになって毒が抜けてきたのでしょうか?なんか普通の話で拍子抜けしてしまいました。自分はゲームをほとんどしませんが、ゲームを悪者にしておけばオッケー見たいな安直さがバートンらしくないと思いました。一番酷い目にあっているのもゲーマーの男の子でしたし…。色は毒々しいが食べてみると意外に健康食品だったという感じです。父親と息子の相克もなんか納得できません。自分もキャラメル食べるのをやめてからは虫歯にならなくなりました。親としては当然でしょう。別にそれほど強権的な押し付け全開お父さんでもなかったし。 「蝿男の恐怖」と「2001年宇宙の旅」のフュージョンパロディには受けました。 [DVD(字幕)] 5点(2006-02-25 05:17:09) |
82. バットマン ビギンズ
日本のアニメのようにブルース・ウェインは葛藤する。しかし、二元論的思考から離れられず、しかも悩んだ末に裁判を受けさせろには笑った。それでは判断を丸投げげしただけではないか。「ブレード・ランナー」を意識していると思える場面が数箇所あったがいまいち雰囲気がない。バットモービル?もシド・ミード風だがイマイチかっこよくない。ただチェイスシーンは迫力があってよかった。緻密に合理的な説明をつけようとした前半のせいで、後半の街を壊滅させる手口のデタラメさが気になってしまう。水は毎日使っている、いつまでとどまっていると思っているのかなどと余計なことを考えてしまう。ここもきっちり考証を考えるべきだった。結局ゾンビかとがっかり。 しかし、結構長い映画なのに退屈させないサービス精神はいいと思います。チベットみたいなところに影の軍団がいるのには参った。ならば渡辺謙ではなくサニー千葉でしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2006-02-25 04:47:55) |
83. 蝿男の恐怖
今まで見た映画の中でラストシーンに一番衝撃を受けた映画です。 この場面のパロディをバートンは映画で何回も使っていて、バートンファンなら一度見ておいて損はないかも?。確かに古い映画で特撮や被り物は今見るとさすがにショボいですが、複眼の視覚の再現などはその後も真似されているいいアイデアだと思います。 実際の昆虫の視覚は違うらしいですが、直感的にわかりやすくて画期的な手法だったと思います。 また、男が機械で頭を潰されて死んでいるという不思議な事件が起こり、そして妻が真相を語り始めるという構成がさらに恐怖感を増し、映画の世界に引き込まれました。 頭が蝿になってしまったのに黒板に字が書けることが不思議で、博士より蝿が天才なんではないかと思ったものでした。 [地上波(吹替)] 10点(2006-02-24 20:14:00)(笑:1票) (良:1票) |
84. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 モーガン・フリーマンの靴下の穴に泣いた。靴下の穴で泣かされるとは思ってもいませんでした。最近日本では親父はすっかり汚れ役を演じさせられていますが、こういう親父がカッコよく見える演出はイーストウッドはうまいと思います。女の子版のロッキーかと思っていたら急転直下、救いのない話になって驚きました。前半と後半で別の映画にするべきだったのではと思います。現実には解決なんてありえない状況ですが、ヒロインには最後までファイトしてもらいたかったです。 どんなにリアルな話でも映画は現実じゃないという考えの自分はリアルな演出の中にもファンタジーが欲しかったと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-24 07:10:49) |
85. CASSHERN
《ネタバレ》 昔、思想にかぶれた学生がよくやっていた青臭い新劇、あるいは、教師の指導のもと学園祭で上演された戦争反対の演劇を見せられているようでした。 それに、お前はただの人間だったといわれても納得できません。 ならなぜ新造人間はそんなに強いのでしょうか。 このように、 ラストはもう何がなんだかシッチャカメッチャカでわけわかりませんです。 テーマを台詞で説明されると概して幼稚になります。意識的にそれなりの工夫の元に行われればそれもひとつの手法足りうるしょう。しかし、残念ながら思い込みの強さは伝わってきますが、それがだだ漏れではどうにもならないでしょう。 やはり作品としての一つのまとまりを持たせるためには、何を捨てるかが重要な気がします。意図したイメージの氾濫やあえて理解を拒絶するような不自然な構成や複雑な物語といったものとはこれは違うように思います。すべてのアイデアを取捨選択できずにとりあえず全部ぶち込んでみたという印象を受けました。 [地上波(字幕)] 3点(2006-02-13 08:50:49) |
86. マイ・フェア・レディ
初めて見たのは淀川さんがお元気な頃の日曜洋画劇場でした。この方のおかげでビデオやDVDのなかった自分の子供時代でも、古今の名作を見ることができました。ありがとう淀川さん。 <変更>言葉の問題に集約しているが教育の問題なのだろう。貧民という経済格差があるだけで血筋といったものはナンセンス。経済格差が教育の格差を生み、教育の格差を血統の格差と勘違いしているというのが本旨なのだろう。つまり、ヒギンズ教授はイライザに教育を授けることによって逆襲される。教育とは人間を自立させるものであり、彼女は自立してしまった。そのことに思い及ばなかった教授は自分の中に芽生えてしまった恋心に困惑する。思い通りになる女を欲しながら、思い通りにならない女を作ってしまったのだ。フランケンシュタインの怪物と同質のものを感じてしまう。<付け足し>幕間のあるような長い映画をDVDで一気に観ると長く感じてしまう。映画の幕間は舞台の名残なのだろう。幕間の後はクールダウンのためのお話でトーンダウンするのが常道。興奮を冷まして劇場からお帰りくださいという心遣いだ。銀幕という言葉が生きていた時代の映画です。舞台芸術のひとつとして鑑賞するという観かたもあったのだろう。歌舞伎の幕の内弁当のように、幕間の間にアイスクリームを食べたりする時間の楽しいことよ。 [地上波(吹替)] 10点(2006-01-19 09:46:39) |
87. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
《ネタバレ》 ちょっと雰囲気が『ビッグオー』を意識しているような気がするんですがどうなんでしょう?。 お話はそんなに面白くなかったです。前半は退屈で見続けるためには忍耐が必要でした。人間離れした美形の主演のお二人はこの映画にぴったりでこのキャストは成功していると思います。 巨大ロボットを下から見上げる構図が巨大ロボット好きの自分にとっては心に来るものがありました。ここだけはわくわくしました。しかし、残念なことに空中の戦闘機アクションに説得力があまりなくわくわくドキドキまでは達せず残念。 それから古めかしさを強調した画像処理はやりすぎかなとも思いますが 綺麗なことは綺麗で悪くはなかったです。 レンズキャップのギャグは古典的で、昨今のデジカメしか使ったことのない方にはピンとこないかもしれません。でも、これは観客もレンズキャップをつけたままだということを知っていないと笑えません。それが古典的なやり方です。が、肝心のシャッターを切る直前の場面ではレンズキャップは付いていませんでした。小さなギャグもきっちりやって欲しいものです。この様に一事が万事、全体的に古いコミックスの世界を演出しようと言う志は感じるがいまいち詰めが甘いという印象を持ちました。#恥ずかしい変換ミスをしていました。申し訳ありませんでした。 [DVD(字幕)] 3点(2006-01-07 12:22:22) |
88. 幻魔大戦
石森章太郎のマンガが最初の幻魔大戦で、その後、漫画のノベライズとしてではなく独立した小説として、平井和正による小説が出たのだと思う。石森版は秋田書店発行の単行本で呼んだ。その本には原作平井和正とあったと記憶している。 『続マンガ家入門』(だったと思うけれど今はもう手元にないので確認できない)の中で原作者をつけることに否定的なことを少しだけ書いておられた。おそらくマンガ『幻魔大戦』が連載打ち切りになったことによるものだと思う。当時の人気漫画家だった石森章太郎にとってショックは大きかっただろう。 たおやかな美少女だったプリンセス・ルーナが大友キャラでは自分にはイメージが違いすぎて困惑した。そして、劣等感の塊で姉にべったりの東丈。そしてその弟を溺愛する姉が彼を庇って死んでゆくまでの濃密さが表現されていない。 もちろん、この映画は石森章太郎の漫画ではなく小説の映画化なのだろう。 だから、こういうことを言うのは筋違いなのは承知している。 しかし、『デビルマン』に匹敵する名作漫画・幻魔大戦がありながら 漫画のイメージをばっさり切り捨ててしまったのは残念でならない。 アメリカの暴動に乗じて幻魔がやってくる場面などは小説も漫画も 暴動の熱気が伝わってきて読んでいるこちらまでじっとりとしたまとわりつくような汗をかいているような錯覚におちいるすばらしさ。人種差別も貧富の差も人々の日々の不満も…あらゆる物を飲み込んで人類の命運をかけた宇宙規模の戦いが始まる。 そこを何とか、もうちょっと……。 #あれっ?。ここを見ると原作石森章太郎になっている。ということならなおのこと…。権利関係はどうなっているのだろう?。 [映画館(字幕)] 5点(2006-01-02 09:55:40) |
89. 変身パワーズ
ボー・デレクになれるのだ!。アハハハハハハ。 自分的にはこれで百点です!。 でも遠慮してこの点数にしておきます。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-22 00:35:06) |
90. 真夜中のカーボーイ
《ネタバレ》 ダスティン・ホフマンの名演数あれど この映画の街のクズの演技が自分では最高に好きです。 テレビで初めて見たときに小便漏らしながら死んでゆく彼が 子供心に深く印象に残っています。 指差して笑われても仕方のないような二人 それなのに何か共感してしまう。 それは自分がクズだからなのかもしれません。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-22 00:26:28) |
91. ニューオーリンズ・トライアル
《ネタバレ》 法廷での駆け引きや法律の裏表ではなく 裁判の水面下で行われる駆け引きをスリリングに描いていて 手に汗握って見てしまいました。 これは法廷モノというより ヒーローモノです。 ヒーローが悪をやっつける荒唐無稽な話と思ってみると ジーン・ハックマンのやられっぷりもすばらしく ダスティン・ホフマンのいい人ぶりも鼻につかず 面白かったです。 法廷版ダークマンでした。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-22 00:03:47) |
92. オズの魔法使
《ネタバレ》 最後でその場を取り繕うようないい加減な権威をもらうことによって 自信を取り戻す。 なんかここが好きなんです。 特撮やセットは当時の最高水準であっただろうと思われますが さすがに今見ると古いです。 でもそこがいい。 あとライオンさんが関根勤の大滝秀治に見えて仕方なかった。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-20 13:44:15) |
93. ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション
ダンテ映画の常連ディック・ミラーの出番が少なかったのが残念でした。 ゆるい展開ぬるいギャグ、この監督さんのこういうとこ個人的には好きです。 パロディは三分の二くらいわかりました。そのうち元ネタの映画を見たことがあるのは半分くらい。ちょっとネタがマニアックすぎてついていけません。 特にあのポップコーンマシーンにされた宇宙人が気になるのですがさっぱりわかりません。 ちゃんと考えて作ってる?と突っ込みたくなるような展開でふざけすぎなところが 多分受けないでしょう。しかし、こういう映画も作られているという事実が映画よりも重要な気もします。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-15 20:18:07) |
94. アンブレイカブル
《ネタバレ》 ―わたしが信じられない可能性を提示しよう―なんんてイライジャ風にはじめてみました。いつも重要な徴は逆さまに現れることが不思議でずっと考えていたのですが、地上波の放映を見ていて(実はDVD持ってるんですが…w)あのフード付のレインコートが 死神か悪魔の隠喩ではないかと思えてきたのです。―もちろんこれは一つの可能性であり論理は不完全だ―そう考えると、水に弱いと言う理由も見えてきます。水は日本でもそうですが洗礼のときに聖水が使われるように罪穢れを洗い流す象徴です。つまり、アンブレイカブルである彼は悪だから水に弱いのではないか。そして逆さまに現れる啓示はこの物語も反転して見よという謎かけだとすれば、実はイライジャが善だということになってしまいます。なんかそんな気がしてきました。それはそれとしていろいろな見方ができていい映画だと思います。 ただ、日本の漫画を侮辱しているところだけは許せません。(自分は日本の漫画でマスかいたことなどありません。本当です。信じてくださいお願いします)それで減点2点です。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-12 18:59:03) |
95. イノセンス
前作『Ghost in the shell』よりも面白く見ることができました。 前作もこんな感じでやってくれていたら良かったのに…。 こういう映画は理解する必要はないと思っています。 ただただ、引用の洪水に身をゆだねて映画の世界を漂えば、 意識が薄れて解脱できるかも知れません。 ただ、戦闘シーンは迫力も説得力もなく残念でした。 戦闘シーンを士郎正宗が監督してくれたら2点UPです。 ヘブライ文字。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-04 19:43:20) |
96. ネクロノミカン
《ネタバレ》 ラブクラフトの役なら、コムズではなくてズバリ嶋田久作でしょう。 各話水準はクリアしていると思います。 最後、ユズナは期待通りの無茶をやってくれています。 「婦警さん 変な夫婦に だまされて 哀れ最後は 子づくりダルマ」 お粗末。 #ごめんなさい。真似してしまいました。もうしません。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-04 09:57:16) |
97. 超能力者/ユリ・ゲラー
山城新伍の火曜洋画劇場で見たんですけど 映画が終わってから、 解説の山城新伍がラッセル監督はどうしちゃったんでしょうみたいな困惑した表情で、 言葉も出ない様子が印象に残っています。 はじめは、イカサマがばれて逃げ出す場面などあり、 成り上がってやろうという若者を描く、 人間ユリ・ゲラー立志編みたいのを想像して 期待して見ていたのですが、 どんどんあらぬ方向へ突っ走っていってしまいました。 途中で急に方針が変わったような感じがするのですが実際のところはわかりません。 半ばやけくそ気味の誇張を結構楽しんでしまいましたが、 評価としてはこのくらいにさせていただきます。 [地上波(字幕)] 3点(2005-11-03 14:31:05) |
98. I SHOT ANDY WARHOL
リリ・テイラーが本当にこんな人みたいで凄かった。 バレリー・ソラナスがアンディ・ウォーホルを狙撃するまでを 当時のウォーホル周辺の雰囲気を伝えながら描いています。 安全なところから無責任なことを言うのではなく 独りで戦うその姿は美しくさえありました。 この映画でソラナスに興味を持ち、彼女の著作S.C.U.M.Manifestoを探してみましたが 翻訳は見つけられませんでした。 この本が翻訳されないのは何か不都合でもあるのでしょうか? [地上波(字幕)] 7点(2005-11-03 10:40:22) |
99. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
《ネタバレ》 まず、キャラクターの造形にどことなく暗さがあって 可愛いだけではないところに惹かれます。 ジャックの貪欲に探究する姿は滑稽なのに いや、滑稽であるだけに悲しくて感情移入してしまいます。 それにしても、立ち直りが早すぎ。まぁ、それも良。 細かなことですが、ラストのほうでサンタさんがどうしてブギーマンのところにいるとわかったのか謎です。 メイヤーさんを見ているとアンクルトリスを思い出してしまいました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-03 10:16:49) |
100. 魔人ドラキュラ
おっちゃんそんなに眼ぇむかいでも、とあの顔が挿入されるたびに笑ってしまいました。でも、古典的な美しい顔立ちだと思います。 それを除けば恐怖の演出は良かったです。特に霧が怖かった。 フィルムが古くなっているのとあいまって、霧に煙る夜のロンドンの雰囲気に深みがあって、 こういう闇があればどんな魔物がいても不思議はないと思えました。 [地上波(字幕)] 8点(2005-11-03 09:49:02) |