81. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 単純に面白かった。映像美は、アバターのようなあざとい映像ではなく、本当に美しいといえるようなものが多く、満足できた。ただ、ここまでのレベルだと3Dじゃなくてもいいんじゃないか、とさえ思ってしまう。宗教的なモチーフが目立つ本作だが、トラとは主人公自身の投影に他ならない(これはラストでも明らかにされる)。食人島の解釈はいかん、わかれるところだろう。 [映画館(字幕)] 7点(2013-01-31 01:42:13) |
82. 東京家族
《ネタバレ》 俳優の演技は非常に良かったが、しかし、1953年に小津が「家族の崩壊を描きたかった」と言って撮られたこの映画を、その60年後にほとんど同じ形で再び撮る意図は何だろうか? それは結局山田洋次が、昭和の、いやそれどころかそれ以前の旧体質な家族像への郷愁を見出しているからに他ならない。山田のほかの作品を観ても歴然としているが、彼は現代においても(ほぼ無自覚であろうが)家父長制的、前近代的家族に郷愁を覚え、最早崩壊しかけているその形を復活させようとしている。しかし、そのような家族像は小津が「東京物語」で描こうとしたものとは真逆のものだろう。小津は決して家族を無理に復活させるような、そんなあざとく分かりやすい映画は撮らなかった。紀子の役柄を比較すれば一目瞭然だろう。また、構図なども小津の技法を取り入れているが、それも中途半端すぎて安定感を失っているように思う。「東京物語」と同じ構図は安心して観ていられたが、それ以外はどうもまずい。小津と比較して(小津の方がゆっくりなのにも関わらず)テンポもよくない。結果として小津の偉大さを思い知らされる映画であった。 [映画館(邦画)] 5点(2013-01-29 09:40:22)(良:1票) |
83. LOOPER/ルーパー
タイムループものとしては説明を避け、斬新さは特にない。ターミネーター、バックトゥザフューチャーと変わらない。マシンガンをぶっ放すブルース・ウィリスは完全にダイハードにしか見えない。ジョセフ・ゴードン・レヴィットはエドワード・ノートン(これはまぁいいか笑)、そしてレインメーカーはダミアンにしか見えない。とんでもない既視感。つまらないわけではないのだが、どうしても足りない。凡作。 [映画館(字幕)] 6点(2013-01-17 23:43:09) |
84. エル・スール
南の方へ。父親の脱アイドル化と共に少女の成長が描かれる。移動なのだ。移動。 [映画館(字幕)] 7点(2013-01-17 23:38:21) |
85. ミツバチのささやき
素晴らしい。子どもを通した世界の見え方はこうなっている。子どもの視点を借りて都合の良い子ども観を押し付けるエセ子ども映画とは完全に一線を画す。フランケンシュタインをきっかけとする魅惑の世界。 [映画館(字幕)] 8点(2013-01-17 23:37:31) |
86. TIME/タイム
時間=通貨という設定による歪んだ資本主義批判みたいなものはチープだがまだいいとして、その対決方法が革命かぁ。義賊的解決には何のカタルシスも覚えなかった。むしろ時間=通貨にも関わらず単なる通貨に収斂されない時間性のようなものが重要なのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2013-01-15 11:22:04) |
87. SOMEWHERE
ソフィア・コッポラのベスト。「ヴァージン・スーサイズ」の頃の甘ったるい冗長さが洗練され、上品な甘みへと進化を遂げている。間の取り方や動きそのものを見せる画にこだわったシーンや、美しさには魅了される。この起伏のなさに、我々は劇的なドラマ(これは皮肉な同語反復だが)を普段望みすぎているのかもしれない、と気付かされる。本当にストーリーに起伏はなかったのだろうか? そんなはずはない。我々は劇的な劇を、二重のドラマを欲するあまり、何気ない感情の動きや機微に鈍感になっているだけではないか。映画は何を映し、我々は何を観るのか、を再考させられるような一本だった。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-10 21:27:50) |
88. 真夜中のカーボーイ
ジョン・ヴォイドとダスティン・ホフマンの素晴らしさよ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-08 23:03:12) |
89. 幸福の黄色いハンカチ
家父長的イデオロギーが非常に鼻につく点が大幅にマイナス要素だが、ラストは確かに感動的。武田、桃井の二人も素晴らしい。 [DVD(邦画)] 6点(2013-01-07 23:12:24) |
90. サマータイムマシン・ブルース
ラストのセリフが最も素晴らしいことは言うまでもない。 [DVD(邦画)] 8点(2012-12-24 22:15:01) |
91. カリフォルニア・ドールス
プロレスの素晴らしさ。画も演出も平凡だが、なぜか惹きつける。特に最後の試合でのドールズの入場シーンは爆笑すると同時に感動すら覚える。 [映画館(字幕)] 7点(2012-12-18 10:14:05) |
92. 007/ロシアより愛をこめて
まぁ普通です。 [DVD(字幕)] 6点(2012-12-07 00:18:39) |
93. きっと ここが帰る場所
評価が難しい映画。ロードムービーの割には一つ一つのエピソードにあまり思い入れがなさそうだし、やけに色々画面が飛ぶので、どちらかというと「バベル」のような多場面が交差している印象がある。ストーリーもどのようにつながっているか正直追いきれない部分が多く(例えば忍び込んだときの通信簿の意味、ユタ州ハンツヴィルに行ったことと太った息子と二人暮らしの女性との関係(父親がハンツヴィルと言っていた)、そもそもなぜハンツヴィルに手がかりがあるとわかったのか、家出した男と主人公、女の子の関係など)、いわゆるアート系の映画なら「雰囲気で」でもいいのだけれど、ナチスの残党を敵討ちに追いかけるというストーリーはなかなかそうもいかない。分からなくていい部分と分からなければならないんじゃないかという部分が混合して、なんともいえない気分になる。そしてデヴィッド・バーンに絡んだネタなどふざけた部分もあり、不思議な作品になっている。 [映画館(字幕)] 6点(2012-11-28 02:31:59) |
94. 007/ドクター・ノオ
評価するのが難しいが、あくまで現在の視点からということで。 [DVD(字幕)] 5点(2012-11-27 11:32:30) |
95. 犬神家の一族(1976)
いやー、たまらん。スケキヨの存在でもう勝負ありという感じ。 [DVD(邦画)] 8点(2012-11-27 11:30:03) |
96. ラヂオの時間
何より脚本がいいし、役者もいい。惜しむらくは画の撮り方。密室ゆえにダイナミズムを出そうとしたのはわかるが、位置関係など分かりにくい。もう少し工夫が欲しかった。が、文句なしに面白い。 [DVD(邦画)] 8点(2012-11-27 11:27:37) |
97. 凶気の桜
映像は工夫していたが、革新的でもないし効果的でもない。むしろ構図としての画はいまいちだった。バイオレンスシーンなど、もっと工夫できた。ストーリーもいまいちというほかない。凡作。 [DVD(邦画)] 5点(2012-11-27 11:26:00) |
98. パコと魔法の絵本
物足りない。映像は毎回素晴らしい。 [DVD(邦画)] 6点(2012-11-15 22:53:13) |
99. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
ギムリ、レゴラス、アラゴルンの映画。エントのほほえましいキャラクターもさることながら、攻城戦の迫力は素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-15 01:19:47) |
100. ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
一度通常版を観てからだと、さらに面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-15 01:18:29) |