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さめがいさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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81.  ミート・ザ・ペアレンツ2 《ネタバレ》 
前作に続いて際どい下ネタと爆笑シーンの連続で、お下品な英語のジョークを知っていて、かつ許容できる人にとっては大満足できる作品です。本作の主役はベン・スティーラーではなく、ほとんどデ・ニーロになっています。前作は、花婿と義父であるベン・スティーラーとデニーロの間に横たわる途方もない距離の隔たりがギャクのネタになっていました、本作はデニーロ夫妻と完全な対を成すホフマン夫妻との家同士の違いが、爆笑の源泉になっています。超コンサバで親バカのデニーロの常軌を逸した行動に目が奪われがちですが、対照的にリベラルなホフマン一家でも、子供への愛情表現は自己満足の変形であるという点では全く同じであり、繰り出されるギャグは全て親バカネタです。この軸がかっちりと押さえられているがゆえに、下品ではあるものの本質を突いたギャクに不快感を覚えず安心して爆笑できる作品だと思います。でもやはり、かなりお下品には違いありません。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-11 13:35:23)
82.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
近未来SF作品には欠かせない役者となったロボット。人工知能が極度に進化して意志を持つに至り、人間に反旗を翻すというおなじみの展開ですが、ウィル・スミスが登場するのだから地球規模の話に発展しないわけがありません。人間の都合でロボット大量回収・供給が繰り返される描写は、手塚治虫の『火の鳥』に登場するロボット、ロビタを思い起こさせます。人間の脳とロボットの人工知能をひとつの回路に移植されたロビタは、本作における善玉ロボ、サニーと同様、作り手の強い意思により作られた点や、ロボットというアイデンティティを持っていることにより集団行動に出るところも共通していますが、ロボットという「種」に対する強い意思は、あと一歩足りないように感じました。ロビタは、全ての固体がロビタという種の意志のもとで行動を起こし、「一体が死(破壊)を望むならば、それはロビタという種の選択だから我々全ては死を望む」という解釈を導き、溶鉱炉に次々に身を投げる姿からロボットという「種」の強力な意思を感じましたが、本作ではこの個性=全体の源泉であるロボットという種の意志が、善玉ロボ・サニーからしか伝わってこなかったのが残念。悪玉ロボである統合コンピューター、新型ロボの登場により廃却される旧式ロボなど、ロボットが人間社会化することによる弊害も察せられるあたり、舞台はロビタよりずっと先の未来の姿なのかもしれません。ロボットの姿を借りて映画に登場されたCGプログラマーの皆さんに敬意を表して+1点。6点献上。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-11 13:28:58)
83.  スターシップ・トゥルーパーズ
いやぁ、これはすごい映画を観てしまいました。二時間中だるみなし、期待を大きく上回る作品でした。 先日、引越しをしまして、新居で入浴していた時のことです。小さなハエが側面のタイルに張り付いていました(水をかけたくらいでは死なず、そのくせ同じ場所に戻ってくるアヤツです)。見つけるたびにはたいていたのですが、浴室の扉を開けるたびに目に入るタイルの黒い点が気になってきました。妻が排水口を確認するよう言うので、バスタブの側面を取り外し排水口を覗いてみると、ちょっと想像もつかない数の小さなハエが。そのとき私は全裸でした。ハエと私を比べると、体格では数百倍、腕力では比較にならないほどの差がありますが、彼らがかくも短期間で繁殖し、我が新居に住みついていることに戦慄を覚え、すぐに蓋を閉めました。翌日、会社帰りにバスマジックリンを買い求め、めったにつけないコンタクトレンズとゴーグルを装着し、敵の巣目掛けて引き金を引いたのです・・・・・・。 その際、学生の頃洋画劇場で見たこの作品を思い出したのです。当時は、エイリアン退治をしようとして逆に蹂躙される未来の軍隊モノ程度の認識と記憶しかありませんでしたが、『トータル・リコール』や『ロボコップ』を経由してポール・バンホーヘンという監督が何者か知ったうえで本作を鑑賞すると、俄然面白かったです。全編から匂い立つ胡散臭さと予定調和は現実世界に対する皮肉であり、戦闘シーンはそれを打ち消すかの如くのリアリズム路線で突き進みます。このどうしようもない予定調和と、手足内蔵脳みそが乱れ飛ぶ戦闘シーンのリアリズムが絶妙に絡み合い、本作を稀有なものにしています。 
[DVD(字幕)] 9点(2010-12-11 13:23:44)(笑:1票)
84.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
本作のまず素晴らしいところは、音楽が皆無に近いこと。場を盛り立てるために使われる音、場面を切り替えるために使われる音が皆無であり、映像で勝負するという気概が冒頭からビシバシ伝わってきます。大金を偶然拾った多少腕に自身のあるベトナム帰還兵が冷酷無慈悲な殺し屋に命を狙われるという筋書きで、この殺し屋のイカレっぷりが本作の見所です。感情を元に行動しない彼は、自分の目的を達成するため、障害を排除するため、復讐を果たすために殺すのではなく、かといって理性的は判断に基づいて実行するわけでもありません。感情をより所にしないということは自分にとって都合の悪いことも含め、全てを受け入れることであり、銃創を自ら取り除く場面では、痛みさえも受け入れているようです。これは並の人間にはできないことで、それゆえ彼の行動はまったく予測できず、彼が映るシーンは、こちら側も尋常ではない緊張感を強いられます。ただ、静寂を破る突然の大音響が多々あり、ビビリ者としては少々疲れてしまいました。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-11 13:19:18)
85.  ブラインドネス 《ネタバレ》 
原作既読です。人類ほぼすべてが失明するという状況を文字で巧みに表現した優れた原作をいかに映像で語るのかを期待しましたが、ちょこっと画面が白む程度。冒頭、一番初めに失明する日本人の演技からして目も当てられず、フェルナンド・メイレス監督が目隠しして撮った映画としか思えません。物語の筋書きを知っているものとしては、観るべきものはありませんでした。
[DVD(字幕)] 2点(2010-12-11 13:12:05)
86.  クロッシング(2008) 《ネタバレ》 
描かれるかの地での生活は、元サッカー選手でさえ食べるために炭鉱夫として働かざるを得ず、床に伏す妻のための薬が流通していないばかりか買うお金さえなく、憲兵の監視に怯え収容所で倒れるまで働かされる恐怖と隣り合わせの生活というものです。主人公である炭鉱夫は、中国へ越境して食べ物と薬を手に戻ってくると妻と子に別れを告げ、再会までの道筋が描かれています。非常に特徴的なのが、作中でしばしば降る雨と、天国という言葉です。生き別れた父と子が(妻は死んでしまいます)相手を思うとき、場所を隔てていても同じ雨が降るところにいるのだという希望を持たせるような役割を果たしています。天国という言葉は、収容所で今にも倒れそうな女の子が、天国飢えも痛みもない天国に行きたい、と口にするシーンが際立っています。現実に対して何の希望も持ち得ないとき、死の先に天国という場所を思い浮かべて手を伸ばす姿は何よりも切実です。また、冒頭、中国と密貿易している隣人から渡された聖書の読まれた箇所は、アブラハムが息子イサクを殺す場面です。アブラハムは、息子をいけにえとして捧げよという神の仰せに従い刃を当てようとしたところ、神はひとり子さえ惜しまない彼の信仰の深さに感心し、子孫の繁栄を約束するというエピソードがあります。これををなぞるように炭鉱夫へ試練が降りかかりますが、家族との再会を希望に最善の選択をし中国を経由して韓国にたどり着きます。妻の悲報を耳にした時も、子との再会に望みを託して、神が自分を生かしているのは家族と合わせるためだ、と張り裂けそうな胸を押さえます。しかし炭鉱夫は家族を救うことはできません。試練と運命に従順だった彼に、神は報いなかったのか? この問いの答えは明確に表現されています。この遺体を埋葬した後、子の声が聞こえたかと思うと同時に雨が降ります。子はこの世の存在ではなくなりましたが、土に還り、天にのぼり雨を降らすというふうに。極めつけはラスト。父と子がサッカーをし、それを見守る妻、冒頭で捕らえられた隣人たちや、亡くなった少女たちが河原で休日を過ごす場面が映されます。飢えも痛みもない場所で再び家族で暮らしたいという願いを具現化した場所であり、天国に他ならないのです。そう、これは国を考える映画です。地球上にはあまたの国家がありますが、天国というところは、ひとつしかないのです。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-11 13:08:11)
87.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
ボンベイのスラム街。ゴミ捨て場を漁り最底辺の生活を送る人々の掘立小屋がひしめく街を、退屈しのぎにからかった警備員から縦横無尽に逃げ回る子供たち。『シティ・オブ・ゴッド』を彷彿させるような、野放図なエネルギーに満ちた映画かと思いきや、実にシンプルなラブストーリーでした。幼い頃に生き別れた少女との再会を無心に信じた少年の物語であり、その章ごとのキーワードが、クイズ番組の問題として出題されます。誰にでも語るべき物語があり、彼が彼自身の存在を掛けて掴んだ真実こそが彼にとっての答えであり、それゆえに彼は全問正解した、と言えるのではないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-05 22:30:22)
88.  バニラ・スカイ
本作のオープニングは、トム・クルーズがレディオヘッドの「エブリシング・イン・イッツ・ライトプレイス」をバックに、アパートで目覚めるところから始まります。打ち込み音が多くひんやりとした肌触りの『キッドA』というアルバムのオープニング曲で、このアルバムと同じく、一体何が始まるのか音の先に広がる風景を想像して非常にワクワクします。が、ケミカルブラザーズ、シガーロス、ジェフ・バックリィなど、途切れることなく聴こえてくる音楽すべて、映像とその場面に全くマッチせず、かえって違和感を掻き立てられます。映画は全編、トム・クルーズの観ている夢でした、というオチを知ってみるとこの非現実感と不気味さも納得できました。『トータル・リコール』と『インセプション』と『エターナル・サンシャイン』に『ハイフィディリティ』を振りかけたような映画で、キャメロン・クロウの作品らしく、深刻になりすぎない明るさがあり、エンターテイメントとしてよくできた作品だと思います。ヒロインのペネロペが、可憐でありながら芯の強い女性を見事に演じています。彼女の演技の幅の広さには毎回脱帽させられます。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-05 22:29:24)
89.  すべての美しい馬
コーマック・マッカーシー原作の『ロード』が映画化されると聞いて、その世界観を過去作品で予習をと思い鑑賞。率直に言います、映像、音楽、ストーリー共にダメでした。トラブルに遭うんだろうなー、と思っていると遭い、とりあえず仕事は見つかるんだろうなー、と思っていると牧場が見つかり、美人の娘なんかと一目で恋に落ちるんだろうなーと思っていると恋に落ちる、予定調和も甚だしい作品でした。ヒロインのペネロペも、ちょっと若すぎて、魅力がまだ開花していない感じがします。そんな登場人物を乗せながらも広大な荒野を掛ける馬の姿は美しかったです。
[DVD(字幕)] 2点(2010-11-28 23:10:27)
90.  仁義なき戦い
ヤクザモノと聞いて鑑賞に難色を示す妻に、日本版の『ゴッド・ファーザー』らしいよ、と説得して、そうであることを期待しつつ共に鑑賞。冒頭からやられたらやり返すという倫理をひたすら実践してゆき、赤鉛筆のような血しぶきを上げながらぽんぽん人が死んでいきます。その殺しの倫理が実に無邪気かつ罪悪感のないものであり、時に中学生のように純真に見えてきて、複雑に入り組んだ抗争図と、登場人物の苦悩がいつしかかすんでしまいます。私たちの関心は、松方弘樹はいつサングラスを取るのだろうとか、当時梅宮辰夫はアンナが生まれたばかりだったのだろうかとか、田中邦衛はいつ北の国に帰るのかに注がれたのでした。戦後直後という舞台設定、公開年が1年だけ異なるという類似点の多い『ゴッド・ファーザー』では、血の繋がった家族の安全を脅かすものは誰であろうと全力で排除するという信条を貫くマフィア一族が描れていましたが、人情を何よりも信じる一匹狼の極道者が仁義無き組織に挑むという構図は、実に対照的でした。
[DVD(邦画)] 3点(2010-11-28 22:59:07)(良:1票)
91.  戦場でワルツを 《ネタバレ》 
レバノン侵攻に従軍した元兵士が、心の奥底に封印された虐殺の記憶を探し求めて知人を訪ね歩くという筋です。本作は終盤の3分を除き全編特徴的なアニメーションになっていて、妄想を帯びたあいまいな記憶の残像と鮮明な現実感の両立に成功しています。砂塵を上げ砲撃する戦車や、砲弾により破壊しつくされた廃墟でのた打ち回る馬など、超現実的と言えるほどの不気味なリアルさがあります。ただアニメーションはFlashを使ったパソコンゲームのような質感であり、人を選ぶ映像だと思います(単純に好みの問題だと思いますが、私は苦手でした)。特筆すべきば冒頭、野良犬が街をさまよい、やがて黒い一群となってビルの隙間を疾駆するシーンで、『犬狼伝説』のエンディングの続きを見ているかのような錯覚を覚えました。+1点で5点献上。
[DVD(字幕)] 5点(2010-11-28 22:26:34)
92.  地球が静止する日 《ネタバレ》 
地球壊滅寸前モノです。地球を生かすために人類を滅ぼすべくやってきた宇宙文明代表のキアヌが、ジェニファー・コネリーたちの親子愛に得心して勝手に帰ってゆくという筋書きです。人類は、キアヌ操る破壊兵器ペプシマン28号(のちにナノ・イナゴに分身)に攻撃を続けますが効果がなく、それと平行してキアヌを説得するジェニファー親子の姿を我々は鑑賞します。印象に残ったのはノーベル賞受賞科学者とキアヌが話す場面。変わろうとする意思が欠けているとキアヌは人類批判するのに対して、種は窮地に立って初めて変わろうとする意思を持つ。その可能性を奪わないでくれと科学者は言い返します。これが進化の法則である、と。ここから一気にキアヌは人類側に傾倒することになり、ジェニファー親子は「We can change!」を合言葉にキアヌを泣き落とすことに成功し人類は滅亡の危機から救われるのですが、まあなんとすっきりしない終わり方! キアヌの見た、変わることのできた人類はジェニファー親子だけであり、ミスター・グレイさんが鋭く指摘されているように、この映画には変わりえた「人々」が一切描写されません。これではジェニファー親子のために地球があるようで、人類が救われたというカタルシスがまったくありません。一体何が起ころうとしているのか予測できない序盤は実にテンポが良いのですが、大風呂敷を広げるならそれ相応の人間が巻き込まれないと、観ているこちらも感情移入できないというものです。
[DVD(字幕)] 4点(2010-11-28 22:04:20)
93.  サロゲート 《ネタバレ》 
レンタルショップで「この男、何回世界を救えば気が済むのか」というコピーを見てブルース・ウィリス主演の新作と知り、並外れた強運と体力で幼稚な動機で大金のこそ泥を企む犯人に挑む不死身の娯楽アクションに違いないと思い込み、本国にならった鑑賞態度で臨もうとマクドナルドのセットを片手にいつもの名画座へ。ところが。ちょっとSFちっくなサスペンス映画でした。アクションシーンはブルースの身代わりロボットが犯人を追い詰めるシーン程度で、この作品の肝であるサロゲートのメカニックな解説もなく、何よりクスッと笑えるシーンが皆無。フライのないフィレオフィッシュのような按配でした。奥さんとの距離を縮めるために彼が取った行動が多くの命を救うことに繋がるくだりは、世間体はどうあれ自分の大切な個人のために全精力をつぎ込む姿はブルースの出演作だなぁと思えたのはよかったです。しかしブルース、齢取ったなぁ。イーストウッドは『グラン・トリノ』で役者としての自分を葬りましたが、自分としてはブルースの不死身の活躍をまだまだ映画館で観たいのです。フサフサのブルースを活写できるハリウッドのメイク技術の進歩に某シリーズの続編を期待して+1点、5点献上。
[映画館(字幕)] 5点(2010-11-23 00:51:13)
94.  3時10分、決断のとき
妻の勧めで観てみました。うーん、これはどうでしょうか。借金持ちで2人の子持ちの貧乏農場主クリスチャン・ベールは、借金返済と己のプライドを賭して大悪党ラッセル・クロウを護送することを決意する。ラッセル・クロウ奪還を目論む悪党一味に包囲されたホテルの一室に立てこもった2人は、敵味方という立場を捨て男同士として向き合い、いつしか友情のようなものが芽生えて・・・・・・。駅までダッシュ!という映画ですねこれは。賞金稼ぎがなんとなくイーストウッドに似ていたり、インディアンの襲撃があったり、馬車を強盗する派手なシーンがあったりと、西部劇へのオマージュがちりばめられているのですが、このダッシュのためだけに2時間を見るのはちょっと退屈でした。終盤、散々人を殺してきたラッセル・クロウが、クリスチャン・ベールのひたむきさに打たれて更生したのかと思いきや腹心を瞬殺し、途中下車する気満々なのに列車に乗り込んだうえで馬を追走させたりと、悪党のすることはさっぱりわけがわかりません。
[DVD(字幕)] 3点(2010-11-23 00:42:44)
95.  アマデウス ディレクターズカット
バッハを音楽の父にたとえるならモーツァルトは兄よ!という妻に勧められて鑑賞。印象に残る高笑いと共になるほど賑やかな音楽のお兄さんぶりを発揮する彼の姿を見ることができました。周囲の風評や家族の生活を省みず、自らの才能に絶対の自信と確信を持つ紛れもない天才を描く姿勢は一貫しており、政治的駆け引きに長ける凡才サリエリとの対比が実に鮮やかで安心して鑑賞できるこれぞアカデミー賞といった映画です。クラシック音楽が好きで、モーツァルトという人物に関心のある方なら存分に当時の世界を味わいながら曲に耳を傾けることができると思うのですが、いかんせん自分はロック育ちのため、散りばめられた天才の曲たちにさほど動かされることなく3時間を過ごしてしまいました。天才の馬鹿笑いに+1点。
[DVD(字幕)] 6点(2010-11-23 00:11:28)
96.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 
この作品を観る方というのはおそらく、というか間違いなく本家を鑑賞され、シュワちゃんの人類最強ぶりとプレ様のご尊顔に感銘を受け、『2』で妊婦に手心を加えられるプレ様に親近感を覚え、『AVP』で有志以前は神とあがめられたプレ様に更なる関心を覚えつつも人間(含む製作側)のお粗末さに落胆し、『AVP2』では落胆を通り越しもう続編は見まいと決意しつつ劇場を後にした方々でしょう。本作を観られる際は、本家に敵うものではなく設定を楽しむ作品であることに留意しつつも、製作・ロバート・ロドリゲスという言葉に一抹の希望を抱えながら劇場に足を運ばれたことと思います。私の場合、その希望は一瞬で潰えました。なぜか戦場のピアニストが地球代表の殺し屋で、裸足のヤクザとプレ様がチャンバラ合戦。そして異様に肥えて臭そうなモーフィアス・・・。ジャングルの地形を生かした罠や泥パック、見えない敵への一斉掃射など本家へのオマージュがところかしこにちりばめられており、間違い探しのように見つけて楽しむことはできるといえばできるのですが、新たな発見もなく(あ、ありました。プレ様は犬を飼っています)、驚くべきアクションもありません。更に驚嘆したのが、映画冒頭では館内に7人ほどの観客がいたのですが、エンドロールが始まる頃には私1人でした。これぞプレデター(ズにあらず)!
[映画館(字幕)] 4点(2010-11-22 00:21:53)(笑:4票)
97.  告白(2010)
いやぁ、これは面白い。道徳と倫理そっちのけでエンターテイメントに徹した近年稀にみる邦画です。暴力的に話を要約すると、中学生の教え子に一人娘を殺された松たか子が彼らに復讐する話です。人の痛みを理解できず、自己陶酔を自ら演出することに長けたいかにも現代っ子な中学生にたちに執拗な罠を仕掛ける松たか子の演技が冴えに冴え渡っており、彼女ゆえに本作が成り立っているとういえます。エイズ、少年法、殺すことの善悪など、いかにも映画のメッセージに成りえる要素を含んでいながら、それを軽がると無視する中学生の軽薄さと現実感の欠如と、愛娘を殺された松たか子の激烈な怨念の深さにハラハラドキドキしながら喝采する映画ですよこれは。原作が小説であることからかモノローグが多用されており、言葉ではなく映像で語るという点で物足りなさがあるものの、イメージ映像、スローモーション映像を刈り込めば、『パルプ・フィクション』クラスの世界各国に輸出できる極めて良質なエンタテイメント作品であると思います。バックに流れる音楽も素晴らしい。
[映画館(邦画)] 9点(2010-11-21 23:50:29)
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