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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2641
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 44歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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981.  プリンセス トヨトミ
決して高くはない期待を大きく下回る想定外に“滑稽”な映画だった。  原作は未読だが、人気作家の話題作の映画であるから、映画自体のの善し悪しの前に物語自体の面白さはある程度堪能出来るのだろうと思っていた。 しかし、残念ながら紡ぎ出されるストーリー自体があまりに下らなかった。 突飛な設定をまかり通す物語の説得力と整合性は皆無で、堤真一、中井貴一ら日本を代表する俳優たちの“真面目”な演技が妙に滑稽に映ってしまう程だった。  これが原作通りならば、これほど了見の狭い稚拙な小説がなぜ売れるのだろうと疑問が膨れ上がるところだったが、どうやら例によって、大いに原作の伝える世界観を無視した映画になってしまっているようだ。 そもそも面白い小説の映画化はハードルが高いものなのに、その世界観をただ踏襲することも出来ず、好き勝手に無駄な要素を付け加えて、“別物”に作り替えてしまうことに対する美意識の無さが、いつものことながら理解出来ない。  どうやら映画を観ていて感じた「大阪」という舞台設定におけるあらゆる稚拙さが、原作小説には無い要素であり、逆に舞台となった土地への造詣が深い作者ならではの濃い世界観が原作では繰り広げられているらしい。 原作自体は前々から気になっていたので、読んでみたいとも思うが、この映画を観た後では当面読む気にはなれない。  ただし、憎悪さえ生まれてもおかしくない駄作ぶりにも関わらず、どうしても憎めない自分がいる。 その唯一の要因は、綾瀬はるか嬢の“たわわ”な小走りシーンが、冒頭とクライマックスの二度に渡って映し出されるからに他ならない……。
[DVD(邦画)] 2点(2011-11-30 22:18:36)(良:1票)
982.  ミスター・ノーバディ
土曜日の深夜にこの映画を観た。 映画を観終わり、エンドロールが終わっても、しばし呆然とした。 そして、それほど眠気は無かったが、すぐに眠ることにした。 いつもならば、映画鑑賞をした後はすぐにレビューの文章を綴るのだけれど、この映画の感想を綴るには、とてもじゃないが一日使い古した深夜の思考回路ではおぼつかないと思えた。 それに、一旦眠りに就き、一晩夢見の中でこの映画の余韻に浸りたいと思った。   「死」がなくなった新世界、世界で最後の「死」を迎える老人が118歳の誕生日に自身の人生を顧みる。  あの日、あの時、ああすれば良かった……。という思いは、人生という限られた「時間」を生きゆくすべての人間が思い巡らせることだろう。 自分の人生はただ一つだが、実は同時に「選択」の数だけ無限のパラレルワールドが存在し、それと同じ数だけの人生が存在するということが、あまりに美しいビジュアルの中で表現される。   「選択をしなければ、すべての可能性が残る」 と、人生において最初の「選択」を迫られた少年時代の主人公が語る。  映画は展開し、無限のような広がりを見せた果てに、その少年時代の台詞に帰結する。 死を目前にした老人が“過去の記憶”を辿っていく物語に見えていた映画世界が、その瞬間から、9歳の少年が自らの「選択」による“未来”とそれに伴う“可能性”を辿った物語に転ずる。  それまでに脳内に注ぎ込まれていた膨大で不可思議なイメージが、一瞬で整合した感覚を覚えた。  この映画のすべてを自分自身が正確に把握し理解しているとは思わないが、圧倒的に凄い映画であることは間違いないと思った。 「人間」の営みそのものを宇宙的視野の中で捉え、見事としか言いようがないビジュアルで表現した世界観は、スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」を彷彿とさせる深遠さと崇高さを備えていた。 そして、この映画が表現する「概念」そのものは、手塚治虫の傑作短編集「空気の底」の映像化を見ているようだった。  決して万人に受け入れられる映画ではないだろうし、個々人の精神状態次第で酷く退屈な映画になり得る作品だと思う。 ただ僕は、自分自身が己の人生を通して考え続けているあらゆる要素が溢れているこの映画から目線を外すことが出来なかった。  敢えてもう一度言う。凄い映画だ。人生を通して何度も観たい。
[DVD(字幕)] 10点(2011-11-27 01:37:41)(良:1票)
983.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
三谷幸喜。この小心者の人気脚本家は、与えられた潤沢な製作費と大衆の反応を気にするあまり、“コメディ”の面白さそのものを見失っているように思えてならない。  まずはっきり言ってしまうと、この映画に稀代のコメディ作家が織りなす“ストーリー”の面白味として特筆すべきものは何もない。 三谷幸喜が、その役割を果たせた要素は、無意味に豪華なキャストを揃えたことくらいだ。彼の実績が、単独で映画の主演を務められる俳優たちを幾人も集め、別に彼らにその役を演じさせる必要の無い端役を演じさせている。 豪華なカメオ出演に彩られて、ストーリーが面白いのであればもちろん問題はない。でも、そうではないので、やはり問題視せざるを得ない。  殺人事件裁判の証人に落ち武者の幽霊を立たせるという荒唐無稽な設定自体に文句が言いたいのではない。 そこから始まるストーリーテリングが、あまりに論理性に欠け、陳腐だ。 “下らない”要素を論理的に積み重ね、物語に面白味に長けた説得力を持たせることが、三谷幸喜という脚本家の魅力だったはずだ。 舞台設定の雰囲気と、キャストの豪華さのみに頼り、ストーリーそのものの面白さが無かったことが残念でならない。  と、つらつらと酷評を綴ったが、それでもこの映画は観客をスクリーンに惹き付ける“要素”を持っている。 それは、主演女優の愛らしさだ。深津絵里が魅力的で仕方が無い。 昨年の「悪人」で見せた薄幸のささくれた表現からひっくり返ったような可愛らしいパフォーマンスに対して、頬のゆるみを止められなかった。  主演女優の存在感が、ぎりぎりのところでこの映画の娯楽性を繋ぎ止め、盛り上げていた。そんな気がする。
[映画館(邦画)] 5点(2011-11-06 20:10:52)(良:2票)
984.  DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
「アートであれば、裸になってもいい」と、大島優子がきっぱりと言った。 一昔前であればアイドルの言動としてはあり得ないその様を見て、これが今の時代の“アイドル”の姿なのだなと妙に納得した。  自分の価値観の中では、もうすでに“アイドル”にうつつを抜かす歳ではないという認識なので、残念ながら今この瞬間の「時代」を騒がす「AKB48」のファンというわけではない。 ただどんな形であれ、これほどまで世間の話題の中に出現し、確実に浸透度を高めていく様を見ていると、やはり興味深い存在にはなってきている。  にわかの知識で論じるのはとてもおこがましいと思うが、「AKB48」というアイドルの最大の特徴は、「アイドル」という“システム”自体を表立たせ、その“表裏”両面を“売り”としたことだと思う。 彼女たちがどのように集まり、どのように成長し、どのようにせめぎ合い、どのように生き残っているのか。 そういうことを一つ一つ“表現”することを「魅力」としたことが、成功の要因だろうと思う。  ただし、それは必ずしも包み隠さず“有りのまま”を表現しているということではない。 このドキュメンタリー映画も含め、あらゆるメディアの中に登場する彼女たちの言動が、それぞれの人間そのものの姿だとは決して思わない。 とても強く思ったことは、彼女たちはプロフェッショナルだということだ。良い悪いではなく、本当の意味で「アイドル」のプロなのだと思った。  可愛らしさや笑顔はもちろん、涙や怒りや嫉妬や滑稽さまでもが、自分たちが売るべき「商品」であることを彼女たちは認識している。 自分たちがどんな表情を見せれば、どういう効果を得られるということをきちんと計算し、勝算を持っている。 似つかわしくない言い方をすれば、「飯を食っていくため」にアイドルという仕事をしていることを、一人一人が本質的に理解しているように思えた。  そういう冷静な“割り切り”を根底に敷いた上で、自分たちに与えられた“限られた時間”を精一杯に突っ走る。 その様こそが、「AKB48」が時代に受け入れられた最たる要因なのかもしれない。   ドキュメンタリー映画としては主要メンバーのインタビューを羅列しただけのもので程度が高いとは言い難い。 ただし、それでも映し出された彼女たちの姿を見て、今更ながらうつつを抜かしてしまいそうにはなってきた。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2011-11-05 22:01:41)
985.  Q&A
「巨悪」に立ち向かう正義感溢れる若手検事が主人公。彼が巨悪を打倒し、正義を証明することに結する映画かと思ったが、そうではなかった。 自分が対峙する巨悪が、「支配者」であり、自分自身が巨大な“仕組み”の中の些細な“パーツ”であったことを叩き付けられ、無力さに打ちのめされる様を描いたドラマだった。 当然、そこにカタルシスは生じないが、シドニー・ルメット監督らしい社会の裏側を描いたドラマ性は興味深かった。  最大の見所はニック・ノルティ。モンスター的な悪徳刑事を言葉の通りに「怪演」していた。 彼の存在感が強すぎて、殊更に主人公のキャラクター性が希薄に映ってしまったことも否めない。主人公を演じる俳優にもっと厚みがあれば、悪徳刑事との構図がもっと明確になり、映画自体に深みが出たと思えた。  世の中を動かしているものは決して正義だけではない。たぶん多くの人が、そのことを“見て見ぬふり”をしているのだろう。 “見て見ぬふり”が、悪いことなのか、正しいことなのかさえも実際よく分からない。 手放しに面白い映画だとは言い難いが、そういう社会全体が抱えるジレンマの一側面を描いた作品だとは思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-11-05 21:27:51)
986.  インシテミル 7日間のデス・ゲーム
“くだらなくて面白くない映画”であることは、容易に想像できた。そして、想像通りに“くだらなくて面白くない映画”だった。 「観る価値もない」というのは映画ファンとしての全うな意見だろうが、観ていないのに「面白くない」と断ずるのも、映画ファンとして違うように思う。なので観た。  何でも良いので「予想外」のものを見せてくれないかということが、一抹の望みだった。 しかし、ストーリー展開と顛末、俳優の演技、映像、音響、編集……、映画を象るすべての要素において、「予想外」と表せるものは何一つ無かった。残念ながら。  予想された舞台設定に、予想されたストーリー展開が繰り広げられ、俳優たちは予想通りの演技をしていた。 むしろ、予想よりも遥かにストーリー性に深みは無く、「強引」とも言えない整合性の無さに呆れる程だった。 登場人物たちの描かれ方があまりにチープで、すべての言動に説得力が無く、故に恐怖シーンにも恐ろしさを覚えない。  面白くないことを予想していた映画に対してくどくどと酷評をしてもしかたない。 けれど、もう一つだけ言いたいことは、“美術”の酷さだ。 こういった突飛な世界観を描いた日本の低レベルな娯楽映画にはよく見られることだが、舞台となる建物の造形やポイントとなる様々な小物のクオリティーが、なぜこうも低いのだろうと思う。 あんな“ハリボテ”感満載のセットを見せられて、緊張感を持てというのはそもそも無理な話だ。  大手芸能プロダクションが、所属する俳優たちを寄せ集めて安直な「企画」を繰り広げただけにしか見えない映画だ。
[地上波(邦画)] 0点(2011-11-04 15:39:29)(良:5票)
987.  ミッション:8ミニッツ
実は、数日前の休日の束の間、自分の体調の悪さとそれに伴う眠気を省みず映画館に入り、この映画を“うつつ”の中で観てしまった。 とは言っても、眠りこけてしまったというわけではないし、ストーリーの大筋は理解出来ていたので、「まあ面白かったな」という印象のままやり過ごしてしまおうかとも思った。 また、“うつつ”という状態が、主人公が生と死の狭間で半強制的に与えられた「時間」を繰り返すというこの映画の世界観とも何となく類似しているような気がして、そういう状態で観た映画として記憶しておくのも悪くないかなとも思えた。  ただ、そういう思いと同時に、強く後ろ髪を引かれる感覚もしつこく付きまとった。 映画ファンとして、この映画の本質を不明瞭に捉えたまま過ごすことは、とんでもない後悔に繋がるかもしれないという「予感」が最終的には先立ち、結局、再び映画館に足を運び観直すことにした。  結論としては、観直すことを選択して良かったと思う。「まあ面白い映画」ではなく、「とても面白く、とても好きな映画」だった。 映画ファンとしてというよりは、SFファンとして、この映画の本質を捉えきれないままでいることは不幸なことだったと思う。  まるで上質なSF短編小説を読んでいるような映画世界が文句無く素晴らしい。 クオリティーの高い映像世界を目の前にしながら、余分なディティールを削ぎ落とした短編小説の文体が、そのまま脳味噌の中に流れ込んでくるような感覚を覚えた。  “うつつ”の中で繰り返される8分間という時間。半強制的に与えられたこの時間の中で、主人公の男が見出したものは、“幾重”にも生み出した新しい世界の価値は如何なるものだったのか。 果たして、彼の運命の結末にあったものは、悲しみだったのか、喜びだったのか、それとも結末すら無かったのか……。 そういうことをつらつら考えていくことに、本当の“面白味”を見出せる映画だと思う。  そんなことを考えながら上映館を出た時、ふと目の前の風景に激しい既視感を覚えた。 まさか自分も同じ時間を繰り返しているのか……、と一寸の間呆然とした。 しかし、三日前に同じ場所で同じ映画を観たのだから「当たり前だ」と、すぐに気付いた。
[映画館(字幕)] 9点(2011-11-03 21:44:04)(笑:1票)
988.  殯の森
漠然としていて、退屈で、とても居心地の悪い映画だ。“映画通”ぶって賞賛したいところだが、どう転んでも“好き”にはなれない映画だったと思う。 ただ、「命」の在り方を描いたこの作品そのものの“在り方”は、これで間違いないのだろうとも思える。  それは、「命」というもの自体が、漠然としていて、捉えようが無く、それを全うする多くの時間がある種の退屈さと居心地の悪さを秘めているからだ。  決して面白い映画ではなく、「つまらない」と断言できるが、この映画が「命」というものの本質を描こうとしている以上、それは仕方の無いことだと思う。   つまらない映画と言ったが、個人的には「尾野真千子」が観られただけで良い。 今作から10年前の同じ河瀬直美監督作品「萌の朱雀」にて、ロケ先の村の中学校で靴箱掃除をしているところをスカウトされ、主演デビュー。 当時立ち寄ったミニシアターでたまたまその映画を観た際の彼女に対する衝撃は忘れられない。 もちろん“素人”の演技であったことは確かだが、溢れ出る“女優”としての魅力と可能性に心を打たれた。  10年という時を経て、再び河瀬直美の独特の映画世界に降り立った彼女は、すっかり“女優”としての風格を携えていて、何だかそのことが一番感動的だった。
[DVD(邦画)] 5点(2011-10-22 01:48:31)
989.  一命
映画の冒頭、非常にショッキングなシーンがある。映画館の後方で観ていた中年女性は、気分が悪くなったようで、そのシーンを見るや否や呼吸が荒くなり、耐えきれずに席を立ったまま戻ってこなかった。 僕は、オリジナル作品である「切腹(1967年)」を鑑賞していたので、“そのシーン”があるだろうことも心得ていたが、それでも尚、あまりの光景に目を背けそうになってしまった。 ただ、“そのシーン”が、この映画にとって必要不可欠なものであることは間違いない。 そして、大傑作であるオリジナル作品を受け、現代においてそれを真っ正面から描き出すことが出来たのは、やはり三池崇史を置いて他に居なかったろうと思う。  主人公に市川海老蔵を起用した配役はまったく間違ってはいない。 武士の様式美と人間としての本質的な迫力を必要とする役柄に、“歌舞伎界のプリンス”は流石に合致していた。 色々と“お騒がせ”な話題にも事欠かない人なので、どうしても訝しく見てしまう側面もあった。 しかし、単純なことだが、例えば発声の仕方一つとっても、必然的に他の役者とは一線を画すものがあったと思うし、少なくともこの映画のこの主人公に対しては、市川海老蔵以外のキャスティングは想像できないと思わせるものがあった。  ただし、そういうことを踏まえて敢えて言うならば、やはり彼がこの役を演じるにはいささか若過ぎたように思えてならない。市川海老蔵の娘が満島ひかりでその夫が瑛太、瑛太が海老蔵に対して「父上」と呼ぶのにはどうしても違和感を覚えた。 よくよく時代性を考えれば、市川海老蔵の実年齢である三十代半ばで孫を持つということは充分にあり得る事だろうとは思う。 そもそも、「切腹」で同じく主人公を演じた仲代達矢は、公開当時三十歳だったらしいから、単に役者としての力量の差と言ってしまえばそれまでだろうとも思う。  しかし、市川海老蔵が見せたパフォーマンスと潜在能力自体は、確実に素晴らしく思えただけに、彼自身がもう少し一人の人間として様々な経験(「死ぬかと思った」一連の不祥事や実子の誕生も含めて)を経た上でこの役を演じたなら、もっと凄まじい描写が見られたように思う。  あと10年、いやあと5年、市川海老蔵がこの役を演じる時期を待っていてくれたなら、この映画はほぼ完璧な映画になったかもしれない。
[映画館(邦画)] 9点(2011-10-17 09:09:34)(良:1票)
990.  ワイルド・スピード/MEGA MAX
この映画は、「マンガ」だ。 ストーリーや設定がではなく、登場するキャラクターそのものが極めて“マンガ的”。だから良い。  シリーズ5作目にして、もはや第1作目の雰囲気の面影は皆無と言ってしまって過言ではない。 カーアクション映画というカテゴリーを超え、ヒーローアクション映画を経て、「ルパン三世」並にアニメチックな泥棒アクション映画に問答無用に進化している。 しかし、その問答無用な発展性がこの映画シリーズそのものの「魅力」になっていると思う。  相変わらずストーリーの内容は薄い。 前作のラストを受け、もはや一流の“悪党”として海外で逃亡生活を続ける主人公コンビが、今度はリオデジャネイロを舞台に地元の悪党と追ってくる最強FBI捜査官との怒濤の三つ巴アクションを繰り広げる。そして最後は痛快に逃げおうせる。 ただそれだけの話である。そしてこの映画は“それだけの話”だけで良い。  あとはヴィン・ディーゼルが“肉厚”なアクションを見せ、強引過ぎる程に派手なカーアクションで締めくくればそれで良し。しかも今作には、そこに“ザ・ロック”もといドウェイン・ジョンソンも加わり、“熱苦しさ”は半端ない。  一応、「最終作」という触れ込みでシリーズのオールスターキャストが登場するとのことだったので、“彼女”や“彼女”の登場が無かったことがいささか消化不良に繋がりかけていたが、そこは最後の最後で「定石」とも言える更なる次回作への“布石”をしっかり打ってくれており、次への「期待感」の発生という満足へ繋ぎ返してみせた。  大概の映画シリーズは5作目ぐらいまでくると、「もういいよ」となりがちだ。 でも、この映画の場合、そもそものスタートの初速がそれほど速くなかったので、シリーズが進むごとに体感スピードは高まっている印象だ。 まだまだスピードメーターを振り切る余地はありそうだ。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-17 09:04:37)(良:1票)
991.  突入せよ! あさま山荘事件
日本の事件史に残る「あさま荘事件」を、敢えて警察組織側からの目線のみで描いた今作。 事件解決に挑む警察官それぞれの奮闘を描き連ねるものの、そこには爽快なヒーロー像は存在せず、むしろ時代の過渡期の中での警察組織の“未成熟さ”を如実に表していることが、とても興味深かった。  事件解決に挑んだ警察官たちの働きを美談的に描いたドキュメンタリーも多々あるであろう中、最もエンターテイメントに徹していいはずのこの映画が、現場に居合わせた人物たちの良い部分も悪い部分も含めた“人間らしさ”をありのままに描いていることに、作り手の潔さとそれに伴う説得力を感じた。  組織としてあまりに未完成な醜態をさらす映画の中の警察には、正直観ていて辟易してきた。 ただし、まだまだ経験値の乏しい“途上中”の国の中で起こった事件に対して、その対応に追われた警察の実態はまさにこのようなものだったのだろうと思えた。 そして、実際問題右も左も分からぬままで、文字通り命をかけて解決に臨んだ熱さには、作り物ではない感動を覚えた。  社会と組織がもっと成熟していれば、幾人かの命が消えることも無かったかもしれない。 でもいつの世であっても、“今”を生きる者は、そういう“命”の犠牲の上に立っているものだろうと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-12 14:51:25)
992.  猿の惑星:創世記(ジェネシス)
面白い映画だったとは思う。ただその面白さはすべてにおいて「想定内」だった。 「猿の惑星」というSF映画が好きだからこそ、自分の"想定”を少しも超えてくれなかったことが、最終的な不満足に繋がったように思う。  詰まるところ、この稀代のSF映画を題材にした最新作を迎えるにあたり、個人的に最も欲したものは“驚き”だった。 それは何も1968年製作の第一作「猿の惑星」で、チャールトン・ヘストンが号叫した"あのラストシーン”を超えるものを見せろという無理難題を言いたいのではない。 多少強引でも良いので、「SF映画」の名の下において観客の想像を覆す試みに挑んでほしかったということだ。  おそらく、この最新作に対する是非は、第一作目の「猿の惑星」に対してのスタンスではなく、その後に作られたシリーズ作に対するスタンスによって大いに左右されると思う。  旧シリーズの第一作目しか観ていなかったり、第二作目以降に対しては完全な酷評しか覚えなかった人たちにとっては、今作は往年のSF映画の傑作の「起源」を瑞々しく描いた快作として映るのだろう。  しかし、第一作目はもちろん大傑作として認めつつ、その後のシリーズ4作品も優れたSF映画シリーズとして愛着を持ってしまった者にとっては、今作はSF映画というよりも捻りの乏しいアニマル映画に映ってしまったと思う。 僕はもちろん後者のスタンスで、この映画を観終えてしまった。  冒頭に記したように、決して面白くない映画ではないと思う。 ただ、ストーリー展開自体に、オリジナル作品に垣間見えるシニカルさが無く真っ当過ぎた。 そのことが、結局のところ人間側に対しても猿側に対しても、感情移入も批判もし辛くしてしまっている。 結果、期待したラストシーンが酷く中途半端に見えて仕方がなかった。
[映画館(字幕)] 6点(2011-10-10 23:42:36)
993.  十三人の刺客(2010)
往年の日本の娯楽映画が好きなので、オリジナルの「十三人の刺客(1963)」も随分前に観ていた。 娯楽映画に限ったことではないが、昔の日本映画には昨今のものにはない圧倒的なエネルギーが満ちあふれていて、作品の善し悪し以前にしっかりとした“見応え”があるものが多い。 往年の日本映画のリメイクは多々あるが、どの作品も映画作りにおけるそもそもの力強さに欠け、オリジナル作品に匹敵する映画は殆どない。  そういうことを踏まえて言いたいことは、今現在において往年の日本の娯楽映画にひけをとらないエネルギーを映画に込められる作り手は、結局、三池崇史をおいて他にいないだろうということだ。  リメイク作品としては珍しく、オリジナルを超える“強さ”を持った娯楽映画だったと思う。 バイオレンス映画を数多く撮ってきた三池崇史監督と「時代劇」の相性は非常に良いとも思った。特に今作の残酷さと泥臭さが存分に溢れた"侍映画”としてのストーリー性に、この監督ならではの暴力性と娯楽性はとても良い塩梅で合致していた。  太平の世が続く時代の中で、徐々に取り残され始めてきた"侍”たちの生き様は悲哀に溢れ、単純ではない格好良さがあった。 そして、刺客たちの標的とされる残虐な暴君には、極悪非道な言動の中に主君ならではの哲学性も持ち合わせており、一筋縄ではない悪役としてのキャラクター性があった。 主役級から脇役に至るまで、一人一人のキャラクターに味があり、群像のドラマ性が高かったことが、クライマックスの大殺陣を盛り上げた最たる要因だったと思う。  「面白かった」と一言言い放ち満足感に浸れる素晴らしい娯楽映画だ。
[DVD(字幕)] 9点(2011-10-10 03:03:04)
994.  ブルーバレンタイン 《ネタバレ》 
結婚をして2年。今年の夏に愛娘が生まれ、ちょうど三ヶ月目の夜。一人、ウイスキーを飲みながら、この映画を観た。 「絶対にこのタイミングで観るべき映画ではなかった」とも思うし、「今だからこそまだ観られる映画だ」とも思った。  「他に誰もいらない」と結ばれた二人。永遠に変わらない愛を信じる過去と、永遠に変わらない愛なんてないと知った現在が、時間を超えて交錯する。 それは世界中で無数に繰り広げられる誰でもが知っている男女の営みの形であり、だからこそ哀しく、だからこそ精神的に堪えた。  僕はまさかこんなラストだとは想像してなかったので、あまりに美しくあまりに哀しいシーンが、エンドロールの始まりとともに"ラストシーン”となった瞬間に、「そりゃないぜ」と思ってしまった。 その瞬間は、「なんて酷い映画だ」と思わずにはいられなかった。 でも、切ないエンドロールを呆然と観ながら、自分の心が説明のつかない揺さぶられ方をしていることに気づいた。端的に言ってしまうと、“動揺”してしまっていた。  “動揺”の理由は、あまりに哀しいと感じたこのラストシーンが、絶対に自分に訪れないとは、必ずしも言い切れないということを、この映画のすべてが物語っていたからだ。 もちろん今は、自分はあんなことにはならないと信じて疑わないけれど、それはこの映画の中の二人とて同じことだったろう。  人間の気持ちなど変わりゆくものだとそもそも悟って、その都度対応できればそれにこしたことはないのだろうが、そういうわけにもいかないのが、人間の無様な美しさだと思う。  観終わった瞬間に「酷い映画だ」と感じたことに間違いはないけれど、観る者のその時々の感情や環境や価値観によって、様々な映り方をするであろう素晴らしい映画だとも思った。  とても哀しい結末だったけれど、それすらもこの映画の二人にとっては経ていくべきプロセスなのだろうとも思えた。 その後の二人がどういう人生を送っていくのかということもとても気になるので、時間を経て、同じキャストで続編が制作されれば、嬉しいなあと思う。   さてそろそろ気持ちが耐えきれないので、愛妻と愛娘が眠る寝室に参ろう。
[DVD(字幕)] 9点(2011-10-08 02:09:05)(良:3票)
995.  ブローン・アパート 《ネタバレ》 
心の隙間を埋めるために入り込んでしまった情事の最中に、息子と夫をテロ事件により亡くした女。 彼女の喪失感と罪悪感を軸に隠された謎が暴かれるというイントロダクションだったが、実際に映し出された映画世界は随分と毛色が違っていたように思う。  真相を追うサスペンスはお飾り程度なもので、ストーリーの本質には関わってこない。 一人の女性の絶望と後悔を礎にして、たとえ無様で必ずしも道徳的でなかったとしても、愚かなテロ行為とそれに伴う悲劇から人間はしぶとく力強く立ち上がるのだ。ということをこの映画は描きたかったのだろうと思う。  サスペンスを期待した分、違和感は覚えたが、その切り口自体は興味深かったとは思う。 ただし、明らかに実際に起こったテロ事件からインスパイアされた印象は強く、主人公が“オサマ・ビンラディンへの手紙”という体で語るモノローグは少々あざとく感じた。  主人公の女性を演じたミシェル・ウィリアムズは美しく存在感のある演技を披露していたが、相手役のユアン・マクレガーはストーリー的にキャラクター性が薄く、別に彼を配役する必要はなかったように思えた。   誰しも、誰にも恥ずべきことなく真っ当に生きたいと思っている。 でも、なかなかそういうわけにもいかないことが多いのが人生だ。 その度に激しく後悔もするのだろうけれど、それでもしぶとく生きていくしかない。  映画自体の完成度や善し悪しはともかくとして、そういうことを感じた作品だった。
[DVD(字幕)] 5点(2011-10-07 17:08:30)
996.  アジャストメント 《ネタバレ》 
自分は「運命」というものの存在を強く信じるタイプの人間だ。 それこそ、不注意で鍵を無くしてしまい余計なタイムロスを生じさせてしまうことも、友達と飲んでいる際にふいに出会った女性と結婚してしまうことも、それが幸か不幸かは別にして自分の運命だと思っている。 そんな風な価値観で人生を生きているので、「運命調整局」という組織が登場するこの映画のコンセプトは、とても興味深かった。  マット・デイモン演じる主人公は、世界中の人間の運命を司る絶対的存在を目の当たりにしながら、自分の運命に真っ向から歯向かっていく。 その様は人間描写において少々強引にも感じたが、自分の成功も愛する人の幸福も省みず、ただ盲目的に愛を追い求めていく姿には、やはり絶対的存在の感情をも揺さぶるものがあったと思う。  ただし、映画の顛末としてはあまりにも綺麗にまとめすぎているようにも思う。 超現実的な事象を前にして、主人公は馬鹿正直すぎてストーリー自体の情感が希薄なまま終わってしまった。 自分に巻き起こった全てのことを「運命」と認めて、複雑な心情をラストに表してくれたなら、もっと印象的な作品になったように思った。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-05 15:51:53)
997.  ワイルド・スピード/MAX
こういう映画を観て、是か否か自答し断然「是」だと感じてしまう自分は、結局のところハリウッドの大味なアクション映画が大好きなんだろうなと再確認してしまう。 映画作品として質が高いとは決して言えず、粗も突っ込みどころも満載だけれど、「面白い」と思ってしまうんだから仕方がない。  今作は、一応シリーズ第4作目という位置付けだけれど、ヴィン・ディーゼルをはじめとするオリジナルキャストが復活し、ストーリー的には第1作目の続編という色が強い。 PART2の「X2」も決して悪くは無かったけれど、全体的に薄っぺらな印象を覚えたことも否めなかった。 その最大の要因は、やはり“ヴィン・ディーゼルの不在”に他ならなかったと思う。 まともに彼の出演映画を観たことは無かったけれど、想定通りの大味な演技が、想定外に愛着を持たせる稀有な俳優だと思った。 ポール・ウォーカー演じるシャープな主人公と、ヴィン・ディーゼルの荒々しくも哀愁のあるキャラクター性が、絶妙な塩梅で混ざり合っていることこそが、この映画の魅力だろうと思う。  そして第1作、第2作が、ストリートレースに興じるヤンキーたちの延長線上の活躍に過ぎなかったのに対し、今作は良い意味で文字通り“暴走”し、アクションヒーロー映画として開き直ってしまっている点が素晴らしい。 これまでの軽妙さを捨て去り、ハードボイルドさえ感じる古き良きアクション映画の世界観が今作には溢れ出ている。  まあとにもかくにも、更なる続編を作る気満々で映し出されたラストシーンを観ながらニヤニヤが止まらなかった時点で、僕にこの映画を批判する余地は無い。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-10-04 14:51:44)(良:1票)
998.  ワイルド・スピードX2
こういう映画の場合、「感想」なんて本当に不必要だと思う。 目まぐるしいカーアクションを頭を空っぽにして見始めて、見終わるそれが正しい“観方”だろう。  話の流れで目も向けていなかった第一作目を観てしまったので、勢いに乗ってシリーズ全作を観てみようと思い至ったシリーズ第2作目。 「X2」って何だ?と思い、もしかしたら「X」があるのかと不安になったが、原題はまったく別物の「2 FAST 2 FURIOUS」なので、お決まりの意味をなさない邦題なのだろう。  なぜかヴィン・ディーゼルが出演しておらず、舞台はマイアミということで、映画全体がよりライトな雰囲気に包まれている。 ノリに乗ったまま、運転技術を武器にした主人公らが地元のマフィアと対決するという話。 はっきり言ってストーリーなんてあってないようなもので、良い意味でどうでもいいと思わせる。  ほとんど前作の二番煎じという範疇を出ないが、おとり捜査官役のエヴァ・メンデスがセクシー過ぎるので、「もうこの映画はそれだけでいいや」と思いたくなる。  クルマ好きと女好きだけが観れば良い映画であることは間違いない。僕は必ずしもそうではないけれど……。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2011-10-03 17:47:46)
999.  女の中にいる他人
不倫中の情事の中、殺人を犯してしまった男。気弱な男は徐々に自責の念に耐えきれなくなり、自分が犯した罪の真相を妻に告白する……。  何と言っても印象的だったのは、新珠三千代演じる"妻”の存在感と見栄えそのものが、物語が深まっていくにつれまったく様変わりしていくところ。 冒頭は亭主関白の夫を健気に支える平凡な日本女性そのものの姿であり、はっきり言って「地味」の一言に尽きる。それが、夫の「告白」を受け自分自身を含めた家族の運命が転じる局面を迎え、一転して存在感が放たれる。  「気弱」というよりも、一人の人間として精神が薄弱過ぎる様が露呈してくる夫の愚かしさを受け、妻の心理は益々追い詰められていく。 しかし、インサイドの混沌に反発するかのように、妻は気丈な存在感を見せ、女性としての美しさに溢れてくる。  局面に立たされた女性の強さと美しさが際立ってくる一方で、小林桂樹演じる夫は、精神も見た目もすべてが「愚鈍」そのものに思えてきて、ただただ腹立たしくなってくる。映画の主人公にこれほど嫌悪感を感じたのは初めてかもしれない。  そういう観客の思いを払拭するかのように、最終局面を迎えた妻は、或る決意を持ち速やかに“実行”する。  平凡で幸福な家庭環境のまさに水面下で静かに流れるサスペンスが秀逸。 夫婦を軸にした人間ドラマの中で、男と女それぞれの弱さと強さを巧みに描き出し、人間の根本的な愚かさと恐ろしさを印象的に映し出していると思った。   夏の山道を歩く夫婦。何も知らない妻は、夫の三歩後ろをしなやかについていく。 暗いトンネルで「告白」を受けた後、それが即座に転じる。 努めて冷静に足早に先行する妻を、夫は無様にうろたえながら必死についていく。  このシーンが、男の女、その関係性のすべてを物語っているようだった。
[DVD(邦画)] 8点(2011-10-03 00:08:47)
1000.  ワイルド・スピード
或る知り合いの女性と話をしていると、普段の大人し気な印象に反して「クルマが好きだ」ということを初めて知った。 なんとF1観戦に国内のサーキットまで行ったこともあるという。 まさかと思い聞いた。「じゃあ『ワイルド・スピード』っていう映画も好きなんじゃない?」 彼女は「大好きだ」と即答し、シリーズ全作観ていると言った。  僕自身が自身の趣向を人生における最優先事項に考えているので、他人が何かしらを「好きだ」とテンションを上げて表現する様を見ると、自分がそのこと自体に対してそれ程興味の無いことであっても、涙が出る程嬉しくなる。  ちょうどシリーズ最終作が公開されており、ことのほか評価が高いようで気になっていたこともあったが、ふと触れた他人の「趣向」に大いに影響されて、その帰り道に寄ったTSUTAYAで即座にシリーズ第一作目の今作をレンタルした。  充分すぎる程に想定していたことで、「大好きだ」と言った女性も断言していたことだが、観終わった後には見事に“何も”残らない。 本当に何か映画を観たのかと疑心を覚える程に、頭の中がすっきりと空っぽになっていることに気づいた。  賢明な映画ファンなら即座に納得するだろうが、それはこの映画の存在性に対する「正解」である。 観賞後に何か思いを巡らせる必要など微塵も持ち合わせていない。映画を観ているその瞬間だけ楽しんでいられれば良い。それ以上もそれ以下も、この映画は求めていない。  こりゃあもうシリーズ全作観て、公開中の最新作まで突っ走ってみるしか無い。  ただ一つ注意すべきは、観賞後の「安全運転」、ただそれだけ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-10-02 01:20:10)(良:1票)
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