1021. ワルボロ
《ネタバレ》 これは、想像していたよりちゃんと観られる映画でした。ブルース・リーやアグネス・ラムのポスター世代ということは、80年代じゃなくて70年代後半まで遡るんじゃないかな。意地や根性を矜持にして不毛なことにエネルギーを費やす年頃のおバカさんたちがちゃんと描けていると思います。私はこの方面には縁がなかったけど、この方面にも友人はいました。本作と世代が被ることもあり、その友人たちの顔が浮かびましたね。しかも、最凶の敵が「二中」ってところも同じだ(笑)。近所の中学との縄張り争いなど一過性の他愛ない世界だけど、渦中にいるとそれが全てになる。なんだか、当時より今の方が奴らの心情が理解できる気がする。「不良」というクラブ活動をやっていたんですね。爽快に若気が至りまくっている映画でした。新垣結衣が出ている作品はこれで全て観たことになったけど、本作の役回りがいちばん良かったです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-08 10:16:18) |
1022. 私の中のあなた
《ネタバレ》 臓器提供を拒否して提訴した後も姉妹は仲が良く、見事に割り切って接していることが不思議でした。やはり異国の方々のメンタリティは理解できないなぁ、と思っていたらオチがありました。仕組まれた裁判だったとは言え、それが契機となって夫婦・兄妹・親戚・法廷関係者がタテヨコナナメに家族の繋がりを反芻する流れには無駄な描写や無理な押し付けが無く、じっくりしっとり描かれる。共感する部分はたくさんありましたが、テーマは母親のスタンスですね。本作は突き詰めるなら、母親の子離れの話でした。私は、人は究極的には自分の為に生きる存在であると思っているので、たとえ家族と言えどもドナーになることを当たり前のように考えていた母親の認識は認めたくありません。でも、否定もできない。理由は単純で、もし子供の頃の私が白血病に罹っていたら、私の母親もキャメロンみたいになったと思うから。いや、容姿の話じゃないですよ。子供の命を救うことを全てに優先させるって意味です。この命題には答えが出ない。病人である姉が最も冷静に事態を見つめていたことが、この作品の救いになっていました。本作のテーマは「母の愛情」の糾弾ではないので裁判の判決は控えめに表現されていましたが、実はガチンコの法廷ものに転んでも違った意味で考えさせられる良い映画になったと思ったのでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-12-08 02:17:21)(良:1票) |
1023. SPACE BATTLESHIP ヤマト
「宇宙戦艦ヤマト」が実写になる日が来るとは。残念ながら感動はなかったけど、感慨でいっぱいです。初めて深く入れ込んだ作品だった最初のシリーズからこの実写版まで、実に35年。自分の人生の中に長く居座り続けているタイトルとして、看取らせてもらいました。突っ込みどころはありましたが、突っ込む気が起こりません。スクリーンに対していることに幸福感がありました。観て良かったです。 [映画館(邦画)] 7点(2010-12-04 01:05:04)(良:2票) |
1024. デイブレイカー
《ネタバレ》 B級作品は単純に面白がれるタイプだけど、たまにそうは行かない作品がある。これは残念ながら後者でした。人間とヴァンパイアが立場を入れ替えた設定。国家が健在で経済も破綻していない。人間のヴァンパイア化は平和に進行したらしいが、人間とヴァンパイアがその比率を変えながら混在した世界を想像できないのが本作に乗れない理由。心臓が止まり、体温が15~6度まで下がって、太陽の下に出られないヴァンパイアの利点って、不死以外には見当たらないが、人間のほとんどが不死を求めてヴァンパイア化して行ったのか? そんなこと、あるはずない。また、血を求めたヴァンパイアが噛み付きまくってヴァンパイアが増えたとしたら、世界は荒廃していたはず。そのあたりを「1匹のコウモリから始まった」だけでは、あまりに説明不足だろう。人類の95%を占めるヴァンパイアの心情が見えない。確信犯として説明を放棄する立場を取るのなら、ヴァンパイアの人間化を「治療」と呼ぶような中途半端は止めて欲しい。けっこう大事なことを蔑ろにして、スプラッターの迫力でカモフラージュしたような割り切れなさが残りました。人類は元々が全てヴァンパイアで、その中に紫外線を浴びても燃えず、血を飲まなくても死なない革新的な種が現れた。そんな全く別世界の話なら、人とヴァンパイアの関係に新たな視点が投げられたと思うけどね。 [映画館(字幕)] 4点(2010-12-02 23:15:41)(良:1票) |
1025. 父ちゃんのポーが聞える
《ネタバレ》 小学生時代、体育館で観せられた記憶があります。板張りの床に膝を抱えて体育座りしてましたね。ネット上にはいくつかそんな書き込みがありましたので、私の小学校だけじゃなかったとすると、実はかなり多くの同世代人が観ている映画なのでしょう。典型的な不治の病もので、吉沢京子が演じる少女が遺した詩集がモチーフになっているらしい。当時、吉沢京子は「柔道一直線」のヒロイン役で誰もが知っていたと思います。小林桂樹さんの追悼番組で数十年ぶりに観ました。確かに学校が教育の一環として見せる映画としては、突っ込みを受けにくい内容なのでしょう。娯楽的な色彩は一切ありません。青春が最も輝く時間を前に、動けずに死んで行った少女の無念とそれを見守った父親の愛情が淡々と描かれます。今となっては、この種の作品でお涙頂戴的な過剰演出が無いことが新鮮でした。吉沢京子が中学3年で初潮を迎えて感激し「子供が産めるんだ!」って大声で独白してましたが、当時それをどのように理解していたかは記憶が無い。彼女が息を引き取る直接の原因は、枕元の緊急用の呼び出しボタンを掴めなかった為です。いずれは亡くなる運命とは言え、四肢の麻痺が進行する病気に対して明らかに療養所側の不注意じゃないかと、小学生ながらに疑問符が付いたことを明確に思い出しました。父親役の小林桂樹さんがSLの機関士を演じ、SLが走るシーンも豊富です。タイトルの「ポー」は仕事が忙しく満足に付き添えない父親が、少女を励ます意味で鳴らした汽笛のことです。少女が罹病したハンチントン病は現在でも治療法が見つかっていません。 [試写会(邦画)] 5点(2010-12-02 01:02:14) |
1026. ベロニカは死ぬことにした(2005)
《ネタバレ》 自殺未遂の巨乳女性が、ほぼ初対面の異性の前でいきなり自慰にふけり、絶頂を迎えることで生きる希望を取り戻すお話。言葉にすると凄いですな。特に不自由しない生活に対して感じる絶望とは、日々の生活の緩慢な永続感と希望を持てない未来の狭間から生まれてくる。「死ぬことにした」という無造作なタイトルはその気分を表現しているけれど、本作の導入はそれが表現できているとは思えず、出発点があやふやな為にその後の描写が迷走気味。都市生活を送っていた自殺未遂者がいきなり人里離れた精神病のサナトリウムで目を覚ますのはファンタジーの手法だけど、作品全体がファンタジーとしてまとめられている訳でもない。主人公以外の登場人物が抱える心の闇を積み重ねた上で、主人公がブレイクスルーする方法がオナニーって云うのはどうなんでしょう? すべては真木よう子を脱がせることから始まった企画のような印象で、それに執着してコケた感じです。その肝心のシーンの見応えも微妙でしたし…。原作は読んでませんが、そちらは相当に深いことが想像できる。だけど、睡眠薬で心臓心室の細胞が壊死するってホラを主人公が信じた時点で、映画の方はIQがガタ落ちした音が聞えました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-12-01 23:08:23) |
1027. でっかい太陽
夏木陽介が高校教師を演じるシリーズで「これが青春だ!」に続く第2弾。これと言って特筆するところは無いのですが、予定調和的ストーリーが心地良い。舗装されていない道が多い街並(茨城か千葉の利根川の下流あたりのようでした)は、自分の幼少時の原風景に通じるものがあるのか、とても心が安らぐ。夏木陽介の教師像は、知的で陽気でスポーツマンで公正で偏見から自由で因習に囚われず思い切った行動が出来る青年。大人の理屈を扱える子供たちの味方って感じで、まぁ、カッコいい奴です。携帯の無い時代の高校生のコミュニケーションは顔を会わせた会話に限られ、それが喧嘩をしていても可愛く健全なものに見える。初代黄門様の東野英治郎が毒気のある校長役で出演していて味わいがありました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-12-01 02:46:23) |
1028. シティ・オブ・エンジェル
《ネタバレ》 筆おろしの1回だけじゃ元が取れないだろう。ソープに飛び込んだんじゃなくて、ビルから飛び降りたんだから。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-27 23:39:28) |
1029. パイレーツ・ロック
《ネタバレ》 音楽のジャンルを差別する風潮は日本にも70年代まではあった気がします。身内の話で恥ずかしいが、ちょっとボリュームを上げて聴いていると母親からはビートルズでさえ「こんな音楽、なにが良いの…」的に言われてました。法律は基本的には何かを「取締る」ためのものだけど、海賊局を取り締まった政策が事実なら、趣味や嗜好を取締る法律はいつの時代もクソみたいなものばかりだ。劇中の言葉を借りれば、FUCKである。「取締り」の対極にある概念が「自由」だけど、ロック&ポップスをオンエアし続けた局が「海賊」と呼ばれていたのは、自由の旗を掲げたキャプテン・ハーロックみたいで啓示的だ。本作はストーリー性は希薄だが、全編が当局の取締りに対する抗議精神でまとめられているところが爽快でした。それはマクロな視点に立つと、検閲に対する抵抗であり、言論の自由の主張でもある。DJたちは自由を体現している海賊船の乗組員でした。そのあたりもアルカディア号っぽいですな(笑)。60年代のブリティッシュ・ロックはビートルズとストーンズくらいしか知らないが、劇中にかかる曲は体に馴染んでいる印象でとても心地よく観られました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-27 22:48:49) |
1030. アンドロメダ・・・
《ネタバレ》 自分にとっては「ミクロの決死圏」と本作がSF映画の原典です(「2001年」を観たのは大学生になってからなので…)。住民が死に絶えた街の捜索から、研究施設での病原の抽出、感染経路の特定、アンドロメダ細胞の性質の分析と、ストーリーは極めてストイックに進行する。現在なら過剰と思える研究施設に入るための殺菌の過程も、当時はSFマインドを盛り上げるために寄与したのだと思います。一般ウケするかどうかは別にして、地球外の存在でもUFOや宇宙人のような類いの正体不明より、こちらの方が現実味を持った脅威として実感できます。エンタテイメントとして弱点を挙げるなら視覚的ワンダーが少ないところかな。アンドロメダ細胞の胎動に一瞬ドキッとしたくらいで、全体的にたいへん大人しい。お色気という意味でも「ミクロ…」は科学者スタッフにラクエル・ウェルチがいましたが、こちらは中年の嫌味なおばちゃんですもんね。まぁ、サービス精神が希薄というより、作品全体をストイックにまとめることを優先させたようで、その志は分かります。こういう科学的な「探求」がストーリーの本流になっている作品が現代にも欲しいところです。そうそう、実験動物として赤毛ザルが病原体の餌食になりますが、その断末魔は必見です。アカデミー助演賞もの。(本当に殺したのかな…?) [地上波(吹替)] 6点(2010-11-27 21:59:25)(良:1票) |
1031. ゴー!ゴー!若大将
《ネタバレ》 シリーズ11作目ですが、定番から外れる流れが3つありました。まず星由里子が演じる澄子との仲。親に紹介です。それは結婚を前提にしたお付き合いということ。これまでのシリーズを観ている目には、もの凄い進歩に映ります(笑)。田中邦衛が演じる青大将の「澄子との仲を取り持ってくれ」という懇願をキッパリ断ります。これが二つ目。同じシチュエーションは何度もあったけど、主人公はホイホイと願いを聞いていたんですね。アホですね。澄子に恋心を抱きながらも、彼女の気持ちが確認できない状態だったからということもあるけど、鷹揚すぎでした。これも、もの凄い進歩(笑)。3つ目はモチーフになるスポーツが2つあったことです。ラリーと駅伝。モータースポーツはこれまで有りそうで無かったところに、日産がスポンサーに付きました。カーアクションがかわいい。これもワンパターンからの解脱ではありました。このとき加山雄三は30歳。さすがに学生がきつくなってきました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-11-27 21:02:30) |
1032. ほぼ300 <スリーハンドレッド>
最初のうちは何回か声を出して笑いましたが途中から退屈でした。下ネタはスパイスとして使うには効果的だけど、連発されると居心地が悪くなる。この映画が製作された国は我国より下ネタの許容度が高いみたいです。ちなみに、ほぼ10人くらいでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-27 20:44:12) |
1033. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 怪獣映画とブルース・リー以外で劇場で観た最初の映画がこれでした。展望エレベーターをヘリで吊って降ろすシーンで、消防隊員がエアマットに落ちた瞬間、拍手が沸き起こりました。スクリーンに向かって拍手するんだ~、と大人の映画観賞の仲間入りをしたような気分でしたが、劇場が拍手で沸いたのはそれが最初で最後。かなり特別な映画だったようです。先日久しぶりに観直しましたが、長い尺を感じさせないスペクタクルに感心。ディザスター系作品で、解決後に重たい余韻が残るという意味で現代の作品と比べても全く見劣りしない。エンタテイメントとメッセージが見事に調和しています。主演のおふたりは故人となりましたが、双方の良いところが上手く噛み合っていたと思います。エンディングでマックィーンが「いつか1万人が死ぬ」と予告したことが9/11と重なります。ビル火災とテロを同列にはできないけど、高層建築が人命を詰め込んだ凶器になるという意味では同義でしょう。最初に倉庫が燃え始めたとき背筋に禍々しい戦慄が走りました。火災に対して初見の頃より過敏になっている自分に月日の流れを感じた次第です。 [映画館(字幕)] 8点(2010-11-25 19:16:28)(良:2票) |
1034. マチェーテ
《ネタバレ》 テンポの良いエロバカは好き。そもそも「グラインドハウス」にあったフェイク予告編を実際に製作すること自体がフツーじゃない。ナタの一振りで首がコロコロと3つくらい転がるオープニングから大笑いでした。完全に昇天したはずの姐さんがアイパッチで復活したり、セガールが切腹したり、デ・ニーロが「タクシードライバー」をやったり。笑いをひねる方向が、バカ・エロ・グロ・バイオレンスのどれかに振り切れているのがとても楽しめる。極度に表情が読みにくいが、実は女好きなマチェーテに共感(笑)。ラストでジェシカ・アルバとデキちゃうんだもんなぁ。ダニー・トレホもインタビューで彼女とのキスがいちばん楽しかったと言ってましたよ。彼の役者人生で最初で最後か? その作風の相変わらずぶりにちょっと飽きも入るが、この監督以外には出せない味だし、観ている間は退屈しないのでとても貴重。とどめは次回予告篇でした! [映画館(字幕)] 6点(2010-11-25 11:17:11)(良:2票) |
1035. 3時10分、決断のとき
《ネタバレ》 本作中のラッセル・クロウを形容するいい言葉が思いつかないのだけれど、あえて言うなら人格者だろうか。決して品行方正で道徳心に溢れた人物ということではない。他者の気持ちを汲み、時にはそれに応えることができる度量のある人物という意味です。私の中では、モンキー・D・ルフィなんかもこのタイプに入ります。父親は息子や家族に対して、一家の主としてのスタンスを築きたかった。今回の護送も正義感の申し入れではない。家族に尊敬されたいが8、借金の足しが2、くらいの割合だろう。妻や息子が悪人に対して憧れに似た興味を持っていることは感じており、その悪人と対等に渡り合う仕事が失地回復に繋がると思料した。悪人は取り引きを持ちかける。400ドルも積めばなびくと思われた父親は1000ドルでも首肯しない。父親が欲しかったのは「誇り」。それは札束では買えない価値で、父親は命を賭してもそれが欲しかった。父親の心情は悪人を刺激する。その背景には、恐らく悪人の両親との辛い過去が関係する。悪事を重ねることで自分の「誇り」を築いてきたことも関係する。金銭価値とは無縁の「誇り」だからこそ、悪人を揺り動かしたのだと思う。ラストシーンで悪人が仲間を撃ち殺したのは、父親の敵討ちではなく列車に乗るためだ。父親の仕事を完遂させ、息子に贈りたかったのだ。その為に自分を助けに来た仲間を皆殺しに出来るのも、この悪人の特殊な人格ゆえだろう。本作は父親が「誇り」を獲得する物語。その価値を評価し尊重する役割を、奇しくも護送される悪人が担う。対照的に思えた二人の男の価値観に接点が生まれた時、テーマが浮上しました。他者の奥底の想いを汲み取る行為は尊いです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-11-25 00:57:13)(良:2票) |
1036. トランスポーター3 アンリミテッド
《ネタバレ》 「そばかす、なんて、気にしないわ~♪」という歌詞で始まる主題歌で30年以上前に流行った「キャンディ・キャンディ」。テリュース君が「君はそばかすの中に顔があるんだね」と言って主人公をからかいます。その台詞を初めて実感してショックを受けました。そう、あれはナマのキャンディス・ホワイト嬢です。顔面だけですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-24 22:58:25) |
1037. フレフレ少女
《ネタバレ》 彼女は「かわいい」だけで許される数少ない女優の一人でしょう。メークによってはかなり大人にも見えるので「見映え」の対応力も広い。本人にとってそれは悔しい評価だろうが、なかなか中身のある作品にめぐり会わない。事務所、頑張れよ! 本作は彼女に応援団の学ランを着せるための映画でした。応援の意義や団のまとまりなどは映画としての体裁を整えるための要素でしかないので、それに突っ込むのは不粋でしょう。最後はお約束のようにセーラー服に戻って青春の一幕が終わる。学ランを着ていただけでセーラー服があんなに映えるんだから、やはり稀有な才能(?)ですよね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-11-23 23:14:05)(良:3票) |
1038. イントゥ ザ ブルー
水着以外でも終始薄着のジェシカ・アルバを堪能できる映画ですが、美しい海も見どころです。本作の海中映像は近年のドキュメンタリー系を除けば、過去のどの映画よりも美しいと思います。光に溢れたブルーの楽園です。スキューバやスキンダイビングをやってる人には憧れのロケーションでしょう。リアル「ジョーズ」世代の自分にとって、海中でサメと戯れるのはカルチャーショックでしたね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-23 22:07:47)(良:1票) |
1039. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 現代人はその本質以外の記号にまみれて生活している。ファッション、ブランドアイテム、化粧行為、云々。替えが効かないのが容姿なんだけど、それを着脱可能にしたシミュレーション映画。自分を如何に見せるかと云うことは、演出の意義も含めて深い問題を孕んでいるはずだけど、お決まりの流れに乗せただけでした。結局、大したことは言ってない。「中身が大切」という本質論には賛成だから、本質を無きものにしかねないハンサムスーツはどうかと思う。しかし、本質だけで勝負するというブスーツはもっといただけない。いや、ブスーツじゃなくそれを使った北川景子の理屈かな。好きだと言ってる男に「自分の内面を見て欲しい」という返事はもの凄く傲慢で、容姿に過剰な自信がない限り言えない台詞です。ちょっと脱線するが、そもそも男はDNA的に奇麗な女性に惹かれるように出来ているんだから、もっと中身を見ろなんて大きなお世話だ。美人を愛でることを否定すんじゃねぇ。北川景子も「美人を鼻にかけない気立ての良い子」くらいにしとけよ。あんなのは自意識過剰ってんだ。ということで、私の本質は矮小だということは分かりました。青山にはいつもお世話になってます! あれ、AOKIだったかな? [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-11-22 20:54:19)(良:1票) |
1040. ブリット
《ネタバレ》 1960年代の刑事ものは「夜の大走査線」くらいしか思い浮かばず、アクション要素が加わると本作だけになります。たぶん他にもあるのだろうが、数は多くないはず。だからなのか、本作には後の多くの刑事ものに見られるお約束事が少ない印象で、40年以上を経た現在では却って新鮮でした。体制から逸脱することをカタルシスにするようなエンタテイメントは無く、拳銃を撃つのはラストシーンだけ。同僚の怪我の手術シーンが長かったり、自分が撃ち殺した男にすかさず上着を掛けて血を隠したりと、細かい描写に拘りがあります。極めつけは「暴力と死に囲まれた仕事」と彼女から責められるシーン。刑事ものはそれが無いと成立しないのだけど、確かに荒んだ仕事だと感じてしまうのは、マックイーンの無造作な所作に日常性が担保されているからだろう。その無造作が絵になるところがこの俳優の味わいだと思います。渋くて身近な刑事映画でした。例のカーアクションは年代を考えると素直に凄いと思います。「マッドマックス」の1作目などは、きっと本作を参考にしたんだと思いました。ジャクリーン・ビセットのオーソドックスな美形には説得力がありましたが、もう少し出番が欲しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-22 01:31:58) |