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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1081.  幸福(1981) 《ネタバレ》 
市川監督の得意技とは言え、殆どモノクロのように見えるレベルの銀残しがキツ過ぎでない? 事件シーンがあまりに凄惨過ぎてしまって(金田一耕助モノのノリなワケで)、映画の印象を歪めてしまってない? (ついでに併映だった『アモーレの鐘』の存在が意味不明過ぎない?) そういうひっかかりがありはしたのですが、社会の底辺に澱む人々の悲劇のドラマと、その中に仄かに輝く温かさが鮮烈な印象を残す一編でした。メインに据えられた水谷豊、中原理恵、永島敏行という、市川作品らしからぬ当時の若い人々の演技が、映画にサラリとした独特な空気を運んでいて、主題歌などに漂うフジテレビ製作という背景も手伝って、ドロドロと陰鬱になりがちな題材の物語が、見終って爽やかささえ残します。長らく幻の名画状態になっていた(私も公開時に見たっきり)のが勿体ない、市川監督の個性がいかんなく発揮されている映画、市川監督を代表する作品の一つに数えられていい映画だったと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2009-11-03 23:22:14)(良:1票)
1082.  母なる証明 《ネタバレ》 
ポン・ジュノ監督お得意の、社会の下層の人々が、ただ足掻き続ける物語。英雄願望という点でも見事なまでに従来作から一貫しております。母は正義を貫いているつもりだった、そしてその姿は冴えないオバさんながらカッコいいとすら言える状態だった、でも、真実が明らかになった時に、何もかもひっくり返ってしまい、映画を捉える視点すらも変わり・・・。いや、正直なところ、真実の線はワリと予測されてはいたのですが、そこが重要ではなくてね、『ほえる犬は噛まない』あたりにもあった、価値観がコロリと転じる突き放した感じ、容易な感動を与えてたまるかとばかりにひっくり返すシニカルな感じに苦笑しつつ、今回もまた妙に感心せざるを得ないワケで。毎度の事ながら、その容赦のなさ加減に「監督、またキッツイわぁ」と。「覆水盆に返らず」とばかりに劇中何度もこぼれ、流れ出す液体、そして繰り返される、それを無駄に隠そうとする母の姿が切なく憐れです。息子の心の真実までも見えなくなって孤立したラストの残酷さ、救いのなさ、それがああいう明るい動のカタチとして表現されるあたり、この監督のアクの強い才に魅了されないワケにはいきません。ポン・ジュノこそは今や世界にも数少ない「戦う映画監督」、そこがとても魅力的です。
[映画館(字幕)] 9点(2009-11-02 20:17:11)(良:1票)
1083.  ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 《ネタバレ》 
この監督の映画は80年代当時でも古臭く感じられてあまり好きでなかったりしたのですが、今、こうもきっちり普遍的な邦画の作りを見せられると、映画を取り巻く世界と自分の物の見方は随分と変容したのだなぁと感じます。安易に時代を追うよりも、真面目にきっちり作られた映画の方が安心して身を委ねられます。ここではカメラや美術、照明がガチッ!とプロの仕事を用意して、あとはもう役者の実力、役者同士の演技のぶつかり合い、戦い。結果は松たか子の一人勝ち。男に振り回されているようでありながら、実際に描かれるのは女の強さ、したたかさであって、当然彼女が優位に立つポジションであるにしても、他を圧倒する演技で存在感を示します。浅野と広末の二人だけのシーンのおぼつかなさ、拙さがあまりに残念に思えてしまう程に。広末がビジュアルだけで松に比肩する存在感を全く示せなかった、ゆえに松の内面の炎を強烈に光らせきれなかった恨みが残りますし、浅野や堤の毎度の延長線上の演技は、もっと他に適任者はいなかったのか?という疑問も残ります(一方、妻夫木の朴訥さは好感を抱きましたし、伊武と室井は見事にハマっております)。だけど、松の圧倒的勝利としてのバトルを見たという点では、これは痛快な映画と言えるでしょう。原作に上手く肉付けした脚本(私的にはもっとさちはカラリとドライであっていいとは思うのですが)を含め、スタッフが完璧な土俵を用意し、役者が勝負する映画として、その戦いを存分に堪能しました。
[映画館(邦画)] 9点(2009-11-01 21:30:18)(良:2票)
1084.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
映画用に撮られた映像ではないのですが、ちゃんと見られるものになっていたのは、頭から足元まできっちりフレームの中に収める映像をいっぱい撮ってあったからですね(一部ギリギリで切れてたりしたのはHDビデオとビスタサイズの比率差ゆえでしょう)。下手な映画よりよっぽどマトモな画が撮れてます。SD撮りなものはさすがに見づらい事になってますが。まだ出来たての頃の東京ドームでマイケルのステージを見ました。曲のイントロでいちいちドームが空気ごとドーン!って揺れるの。数万の人々が歓声と共に飛び上がるから。この映画のマイケルは、あの時の感覚を甦らせてくれますし、それよりももっと高いところに行っているようでもありますし。マイケルはこのステージの創造を通して無類の才能をどんどんどんどん広げていって、人を超えた何かになろうとしているような、そんな感じに映りました。彼自身が作品で、アートで、そして、神ではないけれど、それに似た何かになりたいと願って、そして届かなかった・・・。覚悟してましたが、やっぱり映画を見て感じたのは、切なさ淋しさ。死んで伝説になったとは思いたくないです。生きていれば、もっと大きな伝説になれたんじゃないかな。もちろん、永遠に神にはなれなかったでしょうけれど、それに挑んでみせた男の気概を感じたのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-10-29 17:28:54)
1085.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
カメラがもうね、うっとりするくらいキレイなんですよ。年に1~2本あるかないかってレベルの美しく撮られたシネスコ。で、内容の方は、発想は面白いけれど、映画としては面白くなりきれなかったかな。ワリと早期に物語の構造が明確になっていって、全体の流れが見えて、そして当たり前のようにそれをなぞって終わりになっちゃう。設定がSFなんだからもう少しヒネってくれよ、意外なオチを見せてくれよ、って思ってしまうんですよね。時間の流れを細切れに、ランダムに生きてゆく男の姿を通して、人生という時の流れを語る、にしてはあまりにこれってSFなんですよ。観客にSF的なカラクリを意識させ過ぎてしまって、本来見せたかったのであろう、肝心な人生のドラマ部分が弱くなっちゃってます。映画が始まってしばらくは、どれだけイイお話を見せてくれるんだろう?って期待させてくれたのですが、この設定世界では時は円環構造であり、パラドックスは生じない!って大々的に主張しちゃっちゃあねぇ・・・。娘が起こす奇跡を期待したんだけどな。ところでイヴの時、部屋に貼ってあった日本語の「クリスマス商戦」、なんなんだろ? ポスター? タペストリー? 何故に「クリスマス商戦」?
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-27 17:26:38)
1086.  ファイナル・デッドサーキット 3D 《ネタバレ》 
最初に。話題作りのために下手くそな芸人に吹替えさせるの、最低です。宣伝のために観客を冒涜するようで本末転倒もいいところ。今回、この下手くそヴァージョンしか選択肢がないワケで最悪です。さて、実はこのシリーズが大好き?みたいに勘違いされる私ですが、違いますって。わざわざ初日に予約して見に行ったりしてますけど、こういうの嫌いなんですってば。人がスプラッターホラーを見たがってしまうのは、色んな死に方を見て自分が死ぬ時の心構えをしておくため、って誰かが言ってましたが、だとすればこれほどに相応しいシリーズはなかったりするワケで、ならば今回のデキは、もう少し頑張りましょうってカンジですわぁ。前の死に方と同じモノを持ってきちゃいかんでしょ。全体的にはもう毎度のパターンを繰り返すだけ。あとはどういう死のバリエーションがあるか、っていう。今回、物語も見せ場も死に方も3Dの飛び出し効果も最初がピークでどんどん息切れ、尻すぼみ状態になってしまっています。物語に少しはヒネリが欲しいところですが、もう新しいコトをするのは諦めちゃったみたい。はいはい、どうせ次はこういう展開で、そして最後はこうなりますね、って定型パターン。いちばんの見どころは冒頭のレース事故シーンからこれまでのシリーズの死に方をCGと3Dで再現してみせたメインタイトル部分までで、後ろの方に行くに従って殺し方もテキトーになっていっちゃうカンジ。結局何作でも作れるお手軽シリーズとして定着しちゃいましたかね。ところでこの映画のシネコンの予約番号が「1542」だったワケですが、「行こう死に」とか「以後死に」とか暗示したりしてるワケはありません。そんな事、俺は信じないぜ! そんな運命なんぞに俺がふ
[映画館(吹替)] 5点(2009-10-17 18:52:22)(笑:1票) (良:1票)
1087.  あなたは私の婿になる 《ネタバレ》 
この映画の唯一にして最大の欠点は、周囲から魔女扱いされてるイヤな女って設定のサンドラ・ブロックが、最初から最後までずーっと「イイ女」だったって事。物語はもう予測される通りのハリウッド式ラブコメディの定型フォーマットをキッチリ踏んでゆくだけのシロモノなのですが、サンドラねえさんがいればこその幸せ溢れる映画に仕上がっております。あのトシで全裸にまでなって笑いを取ってまでみせるんだから(あ、カンジンなところはモチロン隠してます)、そしてそれがきっちりちゃんと魅力的だったりするんだから、ねえさん、スゴイっす。クレイグ・T・ネルソンとか、メアリー・スティンバーゲンとか、ちょいと懐かしい人々が脇を固めておりますが、それよりなにより、サンドラねえさんの堂々たるコメディエンヌっぷりによって描かれる、ちょっとイイ雰囲気のラブコメ、王道のハリウッドエンターテイメントを存分に楽しませて頂きました・・・・・・ああ、しかし見終った後でよーく考えてみると、あれこれ投げっぱなしだ。家を継ぐとか編集の仕事とか作家のテレビ出演とか有望な作品の出版とかどうなったんだろ? まあハッピーエンドならどうでもいっか。
[映画館(字幕)] 8点(2009-10-16 13:06:56)(良:2票)
1088.  クヒオ大佐 《ネタバレ》 
結婚詐欺師を題材にした軽妙なコメディ映画を期待したら、これがまあ重い重い。淋しくて哀しくて弱い人々ばかりが出てくる映画で、それがもうそのまま直球で淋しくて哀しくて弱いです、って描かれ方をしているワケで見ていてツラくて仕方ねーです。みんな人間的に何らかの変化をしてゆくのかと思えば、ずっとそのままだし(事態の変化はありますけど)。松雪泰子はこの映画のカナメを最後の方でセリフにして喋っちゃうし。あのセリフにあった事、ただ目の前のあなたが好きだってところを核に、人間に惚れてっちゃう女達を面白哀しく描けていれば良かったと思うのですが、クヒオが掴みどころがなさ過ぎなキャラであったがゆえに、魅力の本質にまるで迫れなかった恨みが残ります。キャッチフレーズの「女達よ、なぜ騙される?」の答えに到達できてなかったじゃん、と。「なぜ」のまんまを映画化しただけみたいな。クヒオのキャラは創造できた、でも終盤の回想を持ってしても人間クヒオの創造には至らなかったように感じました。
[映画館(邦画)] 5点(2009-10-15 20:34:31)
1089.  ココ・アヴァン・シャネル 《ネタバレ》 
世界的ブランドであるシャネルを確立させた人物の個性、その特異性っていうものを期待したワケですが、スカーっとスカされたような映画で。彼女の非凡さは、この映画の中では単なる出自によって形成された頑固でねじくれた性格みたいなもので、そんなモンでいいのか?と。そこ(トゲだらけだ)に惚れる男の心理も掴みかねますし。つーか、『ミス・ポター』と物語が一緒(ついでに主役をウソでもいいからもう少し若い女優さんにして欲しかったねぇ、って点も一緒)。「成功の影にあった悲恋物語」ならば元になる人物って誰でもいいんじゃん、みたいな。映画にだってキッチリとシャネルのブランドが輝いているくらいの個性、パワーが欲しかったですよ。シャネルの非凡さに比べて、この映画を創造した人々はごくごく平凡だったとしか言い様がありません。
[映画館(字幕)] 5点(2009-10-15 20:13:30)(良:2票)
1090.  幸せはシャンソニア劇場から 《ネタバレ》 
シャンソンに彩られた古き良きパリ、古き良きフランス映画の世界。ヌーベルバーグ以降のグチャグチャした作家性の強いおフランス映画ワールドではありません。街に夢を甦らせてゆこうとする人々の姿が美しく楽しく、人情話が感動的で、ああ、これこそ映画の夢、フランス映画に求めてるのって、こういう感覚だよねぇ、って。だけど、クライマックスで感動を作り出そうとするあまりか、無理に波乱に富んだドラマティックな展開にしてしまった事で逆に夢を醒ましてしまった感があります。そして、その展開はフランスを襲ったであろう大戦の傷をも回避してしまうという都合のいいものでもあって。終戦後まで描いてしまったら、当然そこを気にしてしまいますって。巴里祭で終わらせれば十分だったハズなのに、なぜあの蛇足感たっぷりな暴力と贖罪の物語にしてしまったのやら。そこまでは今年のベスト?くらいに映画を楽しんでいただけに、腑に落ちず残念。役者は皆、愛すべきキャラにまで昇華されていただけに惜しいです。
[映画館(字幕)] 8点(2009-10-15 19:48:22)(良:1票)
1091.  くもりときどきミートボール 《ネタバレ》 
意外な面白さでした。水を食べ物に変える発明をした科学者のドタバタ話、荒唐無稽な、かなりムリな設定の上に立っている物語ではあるのですが、空から食べ物が降ってきたらいいな、っていう子供心をくすぐるような夢のある映像と、飽食の先にある恐怖とがきっちりと表現されていて。ゼリーでできたお城や、アイスクリームが降り積もった街のワクワクする感じのビジュアルの一方で、パスタの竜巻、空から次々に襲いかかる巨大食物、クズとして積み上げられた残飯の山の決壊シーン等、後半は凄まじいディザスターワールドとなっていて、パニック映画ファンの私も大満足の逸品。3Dの立体感も、他の3Dアニメよりも飛び出し方向が強調されている感じで3Dを楽しめる作りになっています。父親との確執がいまひとつキレイに流れていない(ジミな釣具屋とダメな発明と、それぞれを最終的にちゃんとケリを付けて肯定しきってません)のと、最終的に北半球全域、『デイ・アフター・トゥモロー』クラスの大災害をもたらした事に対する反省がゼロ、っていうのがひっかかってしまいましたが(あと、食物アレルギーに対する無神経な描写も)、夢があってスケールの大きなファンタジーとして存分に楽しませて頂きました。
[映画館(吹替)] 8点(2009-10-15 19:29:34)(良:1票)
1092.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 
荒唐無稽過ぎてついてゆけません。あり得ないハナシ。社会を象徴的に描いているにしても、その立脚点があまりにネガティブ過ぎてしまって。登場人物の誰にも一切の共感も生まれないままに過ぎてゆきますから、もうラストまで見続けるのが苦痛で。せめて勝負ネタが面白ければいいのですが、2時間超の尺の中に3回あるだけの、その勝負自体が大して面白くないという。マンガを映像化するときは、その原作に頼りきるんではなくって、実写にした時にどんだけ説得力を生み出せるかってところに腐心して頂きたいところですが、そこをちっとも努力してないように思えます。みんなキャラ的にあり得ないんですよ。つーか、この原作が映画化に相応しいだけの価値があったのかどうか、きちんと吟味したのかなぁ? 自分で道を切り開くしかないんだ!っていうのはいいとして、世の中、敵ばっかりだから、弱者は資本主義に飼い殺しにされている状態だから、っていうのが大前提として存在している、かなり歪んだところから始まってるようなモノなので、個人的にはそこからしてダメ。逆にそんな物語が日テレ資本で出てきてるって、どんだけバカよ?と。日本映画界もマンガに頼ってその人気をアテに創造力を丸投げするんでなくてさ、マンガを上手く咀嚼しないとダメだと思います。点数は、こんな陳腐な物語にきっちり演技をぶつけてみせた俳優陣の頑張りに。
[映画館(邦画)] 3点(2009-10-14 20:07:06)(良:2票)
1093.  ATOM 《ネタバレ》 
世代的にはどストライクなのに手塚作品に特に思い入れなぞない私ですが(小さい頃は、東映動画モノの方がずっと好きだったワケで)、これは『鉄腕アトム』の中に流れる精神を汲みつつ、しっかりと楽しめるエンターテイメント作品になってるなぁ、と。正直なところ、手塚作品の中に流れる精神には受け入れがたい部分というのが結構あったりして、この映画にしても冒頭から中盤にかけての観客置いてけぼり、暴走気味な展開は悪い意味で手塚的作風を踏襲してないか?ってカンジがしました。ですが、後半はクセとアクの強い素材を上手く料理したなぁ、と。天馬博士の息子になれなかった哀しみ、デジタル生命体の悲劇をきっちりと描出して。そして、初期アニメ版の「それはないだろう」って最後(あのオチは嫌いです)を踏襲するかのように思わせつつ、ちゃんとイヤな気持ちにはさせないカタチでケリを付けて。終わってみれば、手塚治虫の原作を元に、いい映画ができたねぇ、って。少なくとも幾つも遺されている手塚自身の手による映像作品よりずっとキレイにまとまってます(難を言えば、いちいち出てくるヒョウタンツギがウザいですが、あれ、日本側から無理に要求して出させてません?)。キャラクターはアメリカンなデザインになってますが、元々がディズニーコンプレックス全開状態だったワケですから、マンガの神様もこのデキには天国で満足してるんじゃないですかねぇ。日本語吹替版は富田耕生、内海賢二といったお馴染みの方々が嬉しく、上戸彩が好演している一方、役所広司はうーん・・・と。
[映画館(吹替)] 8点(2009-10-13 21:20:31)
1094.  ワイルド・スピード/MAX 《ネタバレ》 
前から話が繋がってんのね。1、2作目はテレビで見たハズですが、すっかり忘れちまったい(映画館で見ないとなかなか記憶に残らないという困ったクセが)。都合良く「レースで勝負だ」ってノリは麻雀ゲームみたいな無理矢理さ加減で毎回笑わせてくれますが、ヴィン・ディーゼルに主役を張るだけの華がないのがツラいですわぁ。つーか、レティとの関係がちゃんと見えてこなかったんでディーゼルのテンション低い演技と相まって、復讐の物語としてもどうも盛り上がらず。しかし、それより何より、なんつっても、これまでのシリーズにあった、ドレスアップされたチューンドカーをフェティッシュに見せるってのが殆どなくなってしまったのが非常に残念。あれがあってこその『ワイルド・スピード』なんでないの? あれがないとフツーのカーチェイス映画だわさ。つーか、昨今のインフレカーチェイス映像と比較してもジミ。唯一、クライマックスの坑道内チェイスは『スター・ウォーズ』みたいでちょっと面白かったですが。自動車映画としてのワクワクは番外バカ映画な前作未満でした。そういうのは今度出るXBOX360の『Forza3』で存分に楽しむとしますか。え?『GT5』?プッ、冗談でしょ。って、私ゃマイクロソフトの回し者か?
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-12 18:23:44)(良:1票)
1095.  私の中のあなた 《ネタバレ》 
現在入院している父と半分ケンカ状態(毎度の事です)で病院を飛び出してこの映画を見ました。判る、とっても判るけどつらいよ、って。母がガンで入院した時に家族の中に存在した違和感、自分達はおかしな状況の中に居るのに世の中は普通に動いているという不思議な感覚、死によって家族のカタチが壊れ、そこからの再生は決して起こらず、壊れたなりの現実が続いてゆく感じ、これまでの体験をまざまざと思い出させるキツい映画でした。一人頑なに現実に立ち向かいながら現実を見ようとしなかった、家族の変化を受け入れる事ができなかったキャメロン・ディアスの心情が痛いくらいに伝わってきました。90年代の娯楽映画を彩ったスター達が大人側に配され(ジェイソン・パトリック、とっくにツルツルになってるかと思ったけれどあんまり変わってませんね。一方でジョーン・キューザックはちょっとショックなくらいに時の残酷さを感じさせ・・・)、キツい現実を生きなければならない役柄を与えられているあたり、その配役はかなり意図的かもしれません。それは、がっちり心を掴んでくる子役達との世代間の戦いのようでもありました。新宿のボロい劇場、クライマックスからラストにかけての静かなシーンに隣りで上映している『ワイルドスピードMAX』の爆音が轟きまくるという有様でしたが、スクリーン上の出来事にお構いなしな感じが、妙にこの甘くない映画にマッチしている感じもしました。
[映画館(字幕)] 8点(2009-10-11 12:56:38)(良:1票)
1096.  空気人形 《ネタバレ》 
映画の価値って、見た時の状況やタイミングにも大きく左右されますね。私は東京に生まれ暮らして。この夏、自分的なキーとなったスポットはお台場と東京タワー、ついでに水上バス。これを見たのが豊洲で。そして今の半分ボケた父親との孤独な介護生活。どれだけこの映画にシンパシーを抱く事になったやら。不完全な器としての体に心が宿ることで、お互いに足りないものを補い、新たな創造に繋がってゆく、それが生命。そして、都市の、人の中に暮らしながら自分の存在をハッキリと確認できない、足りないものを抱えたままに過ぎてゆく人々の孤独が空気人形ペ・ドゥナに集約されてゆきます。心を持つ事の切なさ、つらさ、そして素晴らしさが、彼女の「透明な存在感」によって心に染み入るほどに繊細に織り成されてゆきます。象徴的に描かれてゆくフェイクたち。だけど、フェイクと本物は何を以ってそこに価値の差が存在しているのかを問いかけてきます。美も醜も生も死も自分のものとして演じられる唯一無二なペ・ドゥナという存在があればこそ成立した映画。また、彼女自身が作品として成立している映画でもありました。これまでのどの出演作よりもペ・ドゥナの映画で、そしてペ・ドゥナが映画で。
[映画館(邦画)] 9点(2009-10-04 09:21:48)(良:1票)
1097.  カムイ外伝 《ネタバレ》 
クライマックスでどうして松ケンはそれまでさんざん使ってた「忍法ワイヤーワーク」とか「忍法CG」とか使わなかったんでしょうねぇ。いきなりもっさりした殺陣でレスポンス落ちまくっとるやないの。それはさておき、最初の経過説明のナレーションの終了直後、物語がそれより前の時代に戻るっていう大変にマヌケな事をやらかしてる時点でイヤな予感はしたのですが(一体何年プロやってんの)、なんでここまで点で描いてるの?って。カット、シーン、舞台、物語、全部点。飛ぶ飛ぶ。流れてないの。繋がり緩いの。いきなり森、いきなり川、いきなり海上、いきなり村、って。色々なものがワープしまくるんで、気持ちが映画に乗ってゆかないんですよ。せわしないワリに映画に乗れないので退屈しちゃって。『カムイ外伝』のダークなイメージをあえて青い空、青い海って明るい色彩に持って行ったのはいいとして(無理に着色してありますが)、マンガが原作だからマンガチックでいいだろう、みたいな映像が多いのはいかがなものかと。70~80年代のプログラムピクチャーじゃないんだから。村人達のそんなのアリか?な全滅具合も含めて(小雪や大後寿々花があれで退場ってのが・・・)、あちこちムチャ。これでは邦画はマンガに勝てません。マンガを前提にすると、原作よりよっぽど荒唐無稽になってしまうのって邦画の悪いクセ。あと、男達の裸が、どう見ても普段服を着て生きてる人達の裸で(お尻つるつる)、無理してフンドシしてるのが痛々しく感じられてしまいました。なんだか人工甘味料添加しまくり、ハリボテな映画ね。
[映画館(邦画)] 4点(2009-10-01 15:27:03)(良:1票)
1098.  キラー・ヴァージンロード 《ネタバレ》 
冒頭からしばらく、やっちまったか!これはマズいか!って作為的な映像(ミュージカルで、60年代風なキッチュさで、そしてわざとらしい)が羅列されるのですが、段々と落ち着いてきて。非現実的なギャグと現実的なコメディとの境目が曖昧なカオスな状態で、クライマックスで泣かせにまで走るのは、さすがにバランスに欠け、映画的にツラいわ、と思いましたが、あと樹里っぺがあんまり魅力的に撮れていないのが気になりましたが、岸谷五朗監督、ここはヘンにゲージツ家気取りな俺様映画に走らず、バカ娯楽映画とした点で好印象。受動的キャラゆえか樹里っぺが意外に面白くないのが欠点なのですが、女ターミネーターの如き木村佳乃のバカっぷりは突き抜けていて良いなぁ。彼女が樹里っぺと一緒なシーンでは俄然映画が弾んで面白くなるという。この二人のかけあいの割合がもっともっと大きければ良かったんですけどねぇ。クライマックス、おじいちゃんを引っ張りすぎで不自然になっていますし(あの状態で延々放置って・・・)、泣きも前記のように映画の色に合ってないので長過ぎって感じで。それから樹里っぺが関わった人々が幸せになってゆくというラストの展開が、どう関わったためにどう幸せになったのかがちっとも明快な流れになっていないのが残念。樹里っぺの行動が結果的にきっちり幸せを運んだのでした、っていうんじゃなくて、強引過ぎて納得できない風が吹けば桶屋が儲かる状態で。バカげたギャグ部分は、あれはあれでいいと思うので、脚本がもう少しきっちりと組み立てられていたらもっと楽しめたと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2009-09-28 11:57:06)
1099.  プール(2009) 《ネタバレ》 
『かもめ食堂』『めがね』に続く第三弾的な売り方をしておりますが、似て非なるというか、意図してか天然か判りませんが、下手をしたらその二作のアンチ映画として位置しているようなシロモノに仕上がっております。何故なら、この映画には終始不安感が漂い、ざわざわと心が落ち着かない要素が散りばめてあり、癒しなどとは逆の、サスペンスかの如き様相を呈しているからで。更に、最初に美味しそうな料理(しかし何故かタイまで行ってちらし寿司)を見せ、これまでのパターンを踏襲するのかと思えば、料理映像には寄らず、それどころか静かなクライマックス、母娘の対話シーンでは美味しいと言いつつも鍋の中身は判らず、その上、何匹も蝿がたかっている始末。前二作の美味しそうな料理映画からは完全に外れています。そして、そこで語られるのは『かもめ食堂』的、『めがね』的生活を選んだ母親に対する娘の非難。なんとした事か、その問題を始めとして、心が落ち着かない要素全てを、この映画は全く解決しようとはしません。放置です。この映画、多くのシーンで人が物陰に隠れかかっている、物陰から出てきて、しかし人と交わらずにただ様子を窺っているという映像を繰り返します。それは登場人物同士の埋まらない絶望的な距離感を描いているようであり、設定や物語と共にその居心地の悪い関係性を観客席にまでじわじわと染み出させているようであり。プールに入った人間はおらず、足をつけただけの人間はむしろ現実的な生き方を求められた二人。タイトルにまでなりながらその役割を成していないプール。「あちら側の世界の人間」にとってプールとは現実へ至る畏怖すべきイコンなのでしょうか。まるでこのままその世界はジワジワと腐ってゆくようにさえ思えます。現実的な二人こそがその世界を浄化しようとしているようで、だけど他の三人は・・・。あまり美しいとは言えないリアルな色彩の世界も含めて、前二作で荻上監督が創造した世界に対して、リアルサイドから見た負の感情がうねってしまったような、異形の映画ではありました。
[映画館(邦画)] 4点(2009-09-28 11:54:25)(良:1票)
1100.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
ううー、酷い。この映画、予告編だけの知識しかなかったのですが、近未来を舞台にしたアクションヒロインものだと思ってました。最初に乗り込んでゆく段階でモロに『エイリアン2』、ただし敵はエイリアンでなくてスコットランド人、って状態でイヤな予感。そしてこのスコットランド人達が『食人族』で『指輪物語』のブラックライダーやウルクで『マッドマックス2』で、って。殺人ウィルスが題材になっているのですが、それは単なるマクガフィンで、要は隔離されて悪の要塞と化したスコットランドに乗り込んで大殺戮、前記の映画群を再現したいだけっていう。グロなシーン続出、特に食人シーンなんて最悪な趣味の悪さ(もう映画館から逃げ出そうかと思いました)。首や腕をぶった切ったり、車がクラッシュしたりっていうのがメインで、物語なんてメチャクチャ。たった25年で何故文化があそこまで退行すんの・・・。ヒロインが魅力的でもなければ強くもなく、いちいち捕まるわ、仲間のピンチを救えないわで、アクションヒロインものとしてもフラストレーション溜まりまくり。オチまでそれでいいんかい、って状態で、私にとってはひたすらストレスだけで構成された映画でした。せめて、この映画独自のセンスってのがあればなぁ。全部借り物。それにしてもこの映画を作った人々はスコットランド人になんの恨みがあるのやら。
[映画館(字幕)] 1点(2009-09-23 10:55:05)(良:1票)
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