1161. 踊る騎士(ナイト)
アステアがジンジャー・ロジャース以外と組みたいということでのジョーン・フォンテイン。どうして抜擢されたのか。一度だけあるデュエットは私にも分かるでくの坊加減で「帽子掛け以下」との酷評に激しく同意。彼女の大穴を埋めてくれたのが、実際に夫婦であるグレイシー・アレン&ジョージ・バーンズ夫婦漫才コンビ。宮川大助・花子そのままのやり取りが可笑しい。遊園地での三人のダンス(+7点)はアステアについて行こうとする懸命さと、グルグル回り続けるアレンの笑いが止まらない姿と、芯から楽しそうなアステアの姿に、本作ハイライトと呼べる名シーンでありました。興行的にも振るわなかったそうで、ロジャースは「やっぱり、私じゃなきゃダメなのよ」と思ったのかどうか。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-26 14:41:44)(良:1票) |
1162. 地獄のアパッチ
《ネタバレ》 当たりはずれの落差が大きいフィリップ・ヨーダン脚本で大ハズレ(泣)な本作。「バラのつぼみ」もとい「四月の朝」の謎に迫る物語ですが、筋が追えない(疲)、結末は口アングリ(呆) お目当てリー・ヴァン・クリーフは髭無し、髪有り(カツラ)、パンツ一丁の裸体(結構ムキムキ)、オープニング&エンディングにおけるラップのような歌唱(微妙)、ベッドシーン(ぎこちない)と激レアなお姿で、先住民で北軍大尉という役柄にも哀愁が微塵も感じられなくガックリ(憔) 本サイトの基準にピタリと当てはまる作品でした。 [DVD(字幕)] 3点(2021-01-25 02:38:18) |
1163. リメンバー・ミー(2010)
《ネタバレ》 登場人物の心模様が丁寧に綴られている見応えある展開。ピアース・ブロスナンらしいスタイリッシュな職場があのビルにあったとは。仰天と共に別の形で悲劇を描けなかったのかの想いが強いです。遺された者たちがこの先どう生きてゆくのか余韻の残る作品。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-24 02:13:59) |
1164. ジーグフェルド・フォリーズ
アステア出演以外の知識無く鑑賞。ミュージカルとコントのオムニバスというのに面食らいました。MGMスター勢揃いといったところですが、いまいち盛り上がれず。MIPは宝くじコントのファニー・プライスで、バカ殿アイ~ンなお顔にクスクス笑いが止まりませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2021-01-21 16:08:51) |
1165. フライド・グリーン・トマト
80歳過ぎて一本筋が通ってカラリとしたジェシカ・タンディに接して自己嫌悪でヘナヘナするキャシー・ベイツが覚醒してゆく。演技を超えた素の二人(特にキャシー・ベイツ)に、同じくヘタレの自分は魅入ってしまいました。(+7点) 回想シーンは逆に淡々と眺めており、フランクに同情は皆無にせよゲスいやり口に吐き気がしました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-19 02:37:05) |
1166. 街の野獣(1950)
《ネタバレ》 ジュールス・ダッシン監督が赤狩り糞ブラックリストに載る直前で、撮影中止の憂き目に遭わぬようにとロンドンで撮ったという本作。 感動させられたダリル・F・ザナックの男気ある尽力に+1点。 見下げ果てた卑劣漢小悪党を演じたら右に出る者無しのリチャード・ウィドマークですが、小悪党ながら思い立った途端に後先考えずに突っ走る金に餓えた姿は哀れみも誘います。95分間に詰め込まれた彼と共に登場人物全員が破綻する起承転結に片時も目が離せません。別格ウィドマーク以外でMIPはロンドンプロレス興行を一手に牛耳るヤクザ演じるハーバート・ロム。敬愛していた生涯シュートマッチを愛した父親との別れのシーン(リプレイタイム)に鼻の奥がツーンとなり、彼の殺気に同意です「殺ってしまえ」 そこからラストまでの悪あがきぶりがウィドマークテイスト全開で演じ切る役者魂に喝采。 鑑賞理由が思い出せない掘り出し物の逸品はフィルムノワール屈指の傑作でした。 [DVD(字幕)] 10点(2021-01-17 01:27:22)(良:1票) |
1167. カンザス・シティ
民主党大物政治家のお陰で禁酒法が治外法権だったというカンザスシティ。大っぴらに飲み食い出来るのだからジャズが栄える土壌となったのでしょう。ジャズ愛好家の方には大いに楽しめるシーンが満載。ムチャクチャな不正投票はタイムリーなエピソードで、ご立派な民主主義が笑えます。落ち着くところに落ち着いた結末に何の感慨も無く。「ショート・カッツ」は20分でリタイアでしたが、本作は監督らしからぬ作りが幸いしたのか完走出来たので良しとします。 [DVD(字幕)] 6点(2021-01-17 00:10:48) |
1168. シナラ
《ネタバレ》 石部金吉なロナルド・コールマンが友人のお節介な行動で愛妻の不在中に若い女の子との火遊びに走る。掃いて捨てるような物語も当時としては新鮮味があったのでしょうか。女の子がどうしようもない幼稚さで、別れたいけど情けをかけるコールマンに、イライラで身悶えします。裁判沙汰になるのが意味不明で結末も「何でですか?」 ロナルド・コールマン以外だったら1点作品。チャップリンの「犬の生活」を観て大笑いする彼のお姿はお宝映像であります。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-16 03:09:00) |
1169. デッドエンド(1937)
《ネタバレ》 お目当てジョエル・マクリーはいまいちインパクトに欠ける役柄で物足りません。特筆すべきは悪役ハンフリー・ボガートで、荒んで哀れな人物像が場面をさらっておりました。悪ガキ達に貧者だからといって彼のような最期を迎えないでもらいたいと思わされるもので、過保護なシルヴィア・シドニーに「違うだろ」イライラさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-16 02:52:13) |
1170. サリヴァンの旅
大金持ち苦労知らずのコメディ大家映画監督がシリアス作品を撮る為に貧乏暮らしを経験する。メル・ブルックス作品で観たような物語ですが、ジョエル・マクリー主演もあってか大爆笑シーンも品の良さがありました。彼の腹の底から笑う姿にウットリすると共に、人を笑顔にさせるコメディ作品の値打ちを感じる秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-01-16 02:39:32) |
1171. この庭に死す
《ネタバレ》 ダイヤモンド鉱山をめぐる軍と鉱夫たちの衝突とジャングルでの逃避行という2部構成のような物語。脱獄山師、娼婦、娼婦に片思いの爺さんとその娘(口がきけない)、神父の人間模様がなかなかの見応え。監督らしさが出ている大蛇と蟻の描写(ギャー、嫌~)を筆頭とする苛烈なサバイバル。シモーヌ・シニョレはどこまでズタボロになるのだろう、よくこんなの引き受けたなぁと思っていたら、綺麗なお姿になる展開に呆気にとられました。神父が「私が責任を持つから」と意思を通してことごとく事態を悪化させているのに監督の視線を感じるところです。衝撃の結末に「何で?」キョトンとなりました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-15 14:26:02) |
1172. おかしなドラマ
マルセル・カルネ監督長編作品デビュー2作目。フランソワーズ・ロゼーが自分の体裁を保つためについた大した事のない嘘が大騒動に発展してゆくドタバタぶりが半端ない。「よくこんなの引き受けたなぁ」目がテンになったルイ・ジューヴェのコスプレを筆頭に大女優・大スターが織りなす大爆笑スクリューボールコメディは希少価値の高い快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-01-14 01:35:20) |
1173. ブルー・スカイ(1946)
「スイング・ホテル」の焼き直し感がある作品。Puttin' on the Ritz(5週間かけてのリハーサルで9人全て自分で踊ったそうです。)圧巻のパフォーマンスは凄いの一言。ビング・クロスビーは聞かせる歌声ながらもつまらないキャラで物語を盛り下げています。二匹目のドジョウを狙ってこけちゃった感が強い作品。 [DVD(字幕)] 6点(2021-01-12 02:30:53) |
1174. ギルダ
《ネタバレ》 妖艶なリタ・ヘイワースには見惚れるものの、吐かれる台詞が何とも薄っぺらく、同じようなグレン・フォードとのやり取りに興に乗れません。マンスン再登場にのみ期待を残して観続けた果ての結末に「何じゃこりゃ」ベン・ヘクトらしからぬ駄脚本に残念さを噛みしめております。 [DVD(字幕)] 5点(2021-01-10 13:43:02) |
1175. 西部の王者
邦題に西部劇に於ける身のこなしがピカイチのジョエル・マクリーに期待膨らませての鑑賞。豪華俳優陣、カラー映像、超超超絶迫力戦闘模様、人間扱いされていた上に誇り高き姿(アンソニー・クインを筆頭に)の先住民、幸せだと感じた瞬間が不幸の始まり、不幸だと思ったところが幸せの始まりな人生模様。至福の90分間を過ごさせてもらった傑作です。 [DVD(字幕)] 10点(2021-01-09 15:17:23) |
1176. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 ジェシカ・タンディ目当ての鑑賞。ロンメル夫人役での気品、気骨ある姿が39年後80歳での本作でも見受けられ、オスカー受賞が眩し過ぎます。戦後ディープサウスを舞台に職質警官「ユダヤ婆さんと黒人爺さんって(嘲笑)いい取り合わせだな」が示す生き辛かったであろう世の中で片や遮二無二片やしなやかに生きて来た二人が主従関係を超えた間柄になってゆく物語。しみじみさせられている時に不意打ちを食らいました。手が震えるデイジーに代わってパイを口に運んであげるホーク「もう一口」 アカン・・ 堪える間も無くボロ泣きとあいなりました。ハンス・ジマーもいい仕事をしており作品賞文句なしの傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-01-07 01:59:40)(良:1票) |
1177. ゼイリブ
ロディ・パイパーは贔屓選手の一人です。利かん気で駄々っ子のようなイキのいいラフファイト&やられっぷり(半ケツ姿も多々あり)は見ていてスカッとするもので、中でもブルーノ・サンマルチノとの抗争には毎回興奮させられました。マイクパフォーマンスにも秀でた彼の主演作という事で興味津々での鑑賞。う~ん・・・リング上程には輝いていなかったですねぇ。風刺の籠ったアイデアは良かったのですが、脚本と演出が彼を活かせていなかったという事でしょうか。 [DVD(字幕)] 4点(2021-01-03 01:54:47) |
1178. ゴスフォード・パーク
高貴なのは生まれた家柄で中身はゲスな貴族達と人の悪口しか話題の無いゲスな使用人達のくだらないハナシを延々と聞かされて、グッタリ。「いつまでやっとんじゃい!」降ってわいたような殺人事件も何のインパクトも感じず。豪華俳優陣でありながらの体たらくの責任は誰にあるのだろうか。再見してみたいとは露ほども思えない愚作。 [DVD(字幕)] 3点(2021-01-02 02:25:24) |
1179. 評決
《ネタバレ》 本作は公開時劇場鑑賞しているのですが、生卵入りビールを飲むポール・ニューマンらしからぬグダグダ飲んだくれ模様以外記憶に残っていません。 お目当てジェームズ・メイソンはベルベットボイスでの見た目上品性根下品なコンキャノンを貫禄たっぷりに好演。ただ、彼にとっては通常運転の演技でオスカー受賞ならずも渋々ながら納得でした。 ポール・ニューマンはオスカー受賞すべきでした。 人々の手助けを成す「師」「士」の付く職業での正義感。それの為に落ちぶれてそれに目覚めての一念発起も依頼人を置き去りにした独り善がりでとどのつまりに陪審員の情に訴える有り様。そしてラストの電話越しの無言会話。それぞれの内面が滲み出る絶品演技に魅入りました。また、随所に見られた見事なカメラワークでの演出も素晴らしい。 ナチスものの判事のような度が過ぎる描写に怒りよりも現実味を感じない点が残念でした。 来年元日鑑賞作も決まっており、それまでの新たな作品・人物・レビューと出会いたいと願うところです。 [DVD(字幕)] 8点(2021-01-01 02:46:27)(良:2票) |
1180. ヘンリー八世の私生活
《ネタバレ》 チャールズ・ロートン演ずるヘンリー8世はハンス・ホルバインの肖像画から抜け出てきたかのようなソックリぶりでビックリ。国政に関しては1%程で他は6度の結婚遍歴が綴られています。「わが命つきるとも」での極悪野郎が本作では歩く傍若無人ではあるものの、おべっか家来使用人たちに囲まれての私生活は心許せる者が出来そうもない淋しさがチラリと覗くのは名優の名演によるところでしょう。ただ、オスカー受賞に相応しいかと問われると疑問なところです。夢の競演(大歓喜)ロバート・ドーナット若かりしお姿はやはり独特の品のある美しさでウットリ。不貞が発覚した後のチャールズ・ロートンとの直接対決が観たかったところです。4番目の妻とのノリノリやりとりはロートン夫人のエルザ・ランチェスターとの夫婦漫才に笑わせてもらいました。97分の尺に凝縮された見応えたっぷりで後味も悪くない秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2020-12-29 23:10:44) |