Menu
 > レビュワー
 > キリコ さんの口コミ一覧。6ページ目
キリコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 982
性別 女性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950
>> カレンダー表示
>> 通常表示
101.  リトル・ヴォイス
ジェインとユアンの若い二人のカップルより、強烈なキャラクターの母ブレンダ・ブレッシンとマイケル・ケイン、ジム・ブロードベントなど脇がうますぎて目立ってしまい主役がかすんでしまう。 ろくに口も利けない引きこもりの女の子が父の幻を見たとたん、人が変わったようにはつらつと歌いだすのがいくらなんでも不自然、、、と思ったけど、【ダイ】さんの「LVイタコ説」で納得。このささやかなハッピーエンドも現実的で悪くはないけど、 「チャンスに歌えないLVをユアンが励ます→LVは父の幻の替わりに現実の支えを見つけて自己を開放→舞台に立って熱唱、めでたしめでたし、、」っていうハッピーエンドも密かに期待してた私。でもこの単純でない落とし方がまた味わい深いのかも、、俳優の演技にプラス1点。
7点(2004-09-14 17:13:36)
102.  白い恐怖(1945)
記憶を失った男は誰なのか、どんな過去を持っているのかとミステリアスな謎を解いていくスリリングな展開が面白い。ハンサムな正体不明の男に惹かれ彼を信じて救おうとする美人の精神科医、ペックとバーグマンのツーショットを見てるだけでもうれしいので、何故ああまで信じ切れるのかなどチラッと浮かぶ疑念はこの際無視。 やたらめまいをおこしフラフラする軟弱なペック(意外に可笑しい)を力強く助けるバーグマン、というのがなかなか良いです。まさに愛は強し。 精神分析や夢判断をキーにしたところは新鮮で、映像的にも見所のある上質のサスペンスだと思います。 8点か迷いつつ、、
7点(2004-09-13 19:10:40)(良:1票)
103.  白と黒のナイフ
ジャックが果たして本当の犯人なのかどうか、次々登場する証人達の法廷でのやり取りはあきさせないし、 犯人を匂わすような人物まで登場させたりでつい騙されてしまうような話は結構面白い。 弁護士のグレン・クローズは魅力的だが、有能な弁護士が依頼人とあっさり関係するなんて安っぽい手を使ったのがマイナス。  
6点(2004-09-13 19:05:55)
104.  拝啓天皇陛下様
軍隊なんか誰だって嫌なものだろうに、そこが天国のように思えるというのはよほど生活が苦しかったということで、1年目は2年兵に苛められても我慢、2年目には立場が逆転する。2年兵の西村晃がうまい。 彼を哀れんだのか軍の中隊長は新兵の教師(藤山寛美)を教育係りにつけてくれたり除隊の時に着物をくれたりする。愛情に恵まれなかった正助は初めて暖かい情を受けて彼を父のように思う。ちょっとコミカルな中隊長の加藤嘉が絶品で思わずホロリとさせられる。 この作品には大勢の人が出入りしてそれも楽しめる所だが、最初から最後まで登場する中心人物は正助の渥美清と、彼と軍隊で知り合い長い付き合いをすることになる長門裕之の二人。ボケとツッコミでもないけどなかなかいいコンビで楽しい。渥美清が演じるので正助は一見気のいい人に見えるが、新兵に威張ってみたり卵や鶏をかっぱらってきたりする。一目見た天皇に感激し軍隊に疑念のない彼が戦場ではどうであったのかと思うと、そうそう好人物とばかり言えないかもしれない。コメディとしては十分楽しく面白い作品だが、正助や軍の描き方などにもう少し毒(パンチ)があればもっと面白くなったかもしれない。 
8点(2004-09-13 18:58:19)
105.  醜聞(1950)
キーワードは「星」。星=人間の美しい心、良心といったようなもの。 これはスキャンダルそのものがテーマではなく【水島寒月】さんが言われたように人間はこうあってほしいという理想像を描いたもので、青臭いほどの直球です。でも私は単純なのでストレート大好き。 ゴシップ記事を書いた雑誌の編集長はその対極にあるような人物として描かれる。 餌食にされた画家の青江はまっすぐで爽やかな好青年で、これを若い三船が肩の力を抜いたように自然に演じている。 特に根はいい人なのに心の弱い貧乏弁護士の志村喬が素晴らしく、この作品が好きというのもイコールこの作品の志村さんが味わい深くて好きだから。 クリスマスの夜山口淑子が歌う「きよしこの夜」、その後年越しのバーで蛭田弁護士が酔っ払いながら「今年はウジ虫だったが来年は娘に恥かしくない人間になるぞ」とクダを巻きつつ泣くのに感動し、皆で歌う「蛍の光」に胸が一杯になり思わず涙が出た。意外だったけどクリスマスにふさわしいような美しい作品だった。 登場人物もそれぞれが懐かしいやら珍しいやらだが、北林谷栄が老けてないのを始めて見たのでびっくり(蛭田の妻ね)。  
8点(2004-09-12 00:06:30)(良:2票)
106.  サン・ピエールの生命
印象に残る味わい深い作品だった。【木戸萬】さんが言われるように「情けが仇」状態なのが切ない。死刑囚に肩入れすることは夫にとっては不利な状況なのにJ・ビノシュは彼をかばい続ける。妻を愛する夫はそんな妻の全てを許し結果的にわが身を犠牲にすることになる。ここまで深い男の情愛を静かなトーン、雪原が印象的で美しい ロケーションで見せる。何本か見た印象で思ったのは、この監督は一貫して男の女性への深い愛(無私の)をテーマに描いてるということ。夫婦を演じた二人がとてもよかった。 
7点(2004-09-11 23:33:06)
107.  LOVERS
ワダエミの衣装やロケーションなどの色彩がとても美しい。何よりチャン・ツィーイが素晴らしくて彼女の一挙一動に終始うっとりさせられる。最初の遊郭での長い袖をたなびかせながらアクロバティックに舞う美しさは最高の見せ場だし、竹林の緑と衣装のマッチも素敵。 アクションをいろんな場面で趣向を凝らして見せるのはいいとしても、ストーリーは薄っぺらくて肝心の切ない恋物語がちっとも心に響いてこない。前述のいいところ8点、ストーリー5点といったところですが、感激度重視なので辛めの6点。
6点(2004-09-10 20:05:43)(良:1票)
108.  酔っぱらった馬の時間
母はお産で死亡、その上父が地雷で亡くなって孤児になった子供達。まだ12歳の次男が兄弟姉妹の生活を支えるため懸命に働く。 食べるだけでも精一杯なのに長男は難病で手術代も欲しいし妹は学校に通わせてやりたいと、危険で過酷な国境越えの密輸仕事をするアヨブはすでに一人前で父親代わり。 恵まれた暮らしの子供とは比べものにならないほどしっかりしてて大人っぽい。  こうした貧しい境遇にもかかわらず病気の兄をみんなが大切にし助け合って暮す優しさに心を打たれる。 【きのすけ】さんも言われてた「人生は苦労ばかり、、」という歌には、過酷な環境に 生まれ合わせた子供達の苦難の運命が見事に唄いこまれている。  これはドキュメンタリーではないけれど、緊張が続くイラン・イラクの国境地帯に暮すクルディスタンの人たちの生活は現実がこのとおりなんだろうと思う。至る所に地雷があって作物も作れず生活を脅かされ、ひいては子供達がこんな厳しい人生を強いられるのだと思うと、争いばかりしている大人ががつくづく愚かしい。 
8点(2004-09-10 19:56:44)(良:1票)
109.  ロボコン
「理系の熱い青春」って思ってたら終始ぎこちない雰囲気で盛り上がらないまま終わってしまった。 気まずいような湿った雰囲気は演じる役者がまずいのか、はたまた演出のせいなのか作りや脚本自体がまずいのかなんとも乗りが悪い。結構期待して見たのでよけいガックリ。ロボコンもアナウンサーのしゃべり方は不自然で気になるしこれならNHKの本物の試合のほうが面白い。 たまたま今日見たTVのロボコン国際交流試合は負けたチームの涙に感動したというくらいで本来熱いものなんだけど、、 ロボットはすでに出来ていてほとんど苦労も感じられずこれでは感情移入もできない。 むしろロボットを作り上げるまでの大変さや懸命さなど晴れ舞台までのエピソードを描いたほうが、たとえ負けても面白いドラマになったと思う。
4点(2004-09-04 21:23:47)
110.  ウォーターワールド
評判が良くないので期待しないで見たら意外に楽しかった。 ディズニーが作った宮崎アニメの冒険世界実写版という感じで派手なアクションシーンは結構面白い。 水上バイクのアクロバットや多量の火薬を使ったアクションシーン、セットの壮大さなどずいぶんお金をかけてるのが分かるし、コスナーは終始頑張ってることだし(USJのアトラクションてそのまんまなのね)。 陸地が水没し土や真水や植物がとても貴重品という描写は何気に自然の大切さを訴えてくる。 ただストーリーに結構突っ込みどころはあって、イージーだったり半端にコメディタッチだったりするのでちょっとお子様向けの軽い感じにも見えてしまう。 まぁ娯楽作なんだし深く考えなければ楽しめるんじゃないでしょうか。 エノーラってどこかで見た子だと思ったら「コリーナ・コリーナ」で達者な演技をしたティナ・マジョリーノだったのね。ついでにこれもおすすめ。 
6点(2004-09-04 20:56:31)
111.  華氏911
いまや「ペンは剣よりも強し」以上に「映像はペンよりも強し」。 彼の書いた本もヒットしましたが映像で見るとそれ以上のインパクトがあります。 与えられた情報や映像による大衆操作の危うさや胡散臭さについてはテレビ映りを気にする議員や、イラクで死亡した兵士の棺を放映しないなどにも描かれてます。力のある者は自分に都合の悪い映像は隠し、プラスになる映像だけを流して都合のいい流れを作ることも出来る。 真実が何かを知るためにいろんな情報を得て総合的に考えることは大切なことで、この作品で見る映像も貴重な判断材料の一つだろうと思います。 恐怖が銃社会をなくさないようにテロの恐怖を煽って戦争を正当化しようとする。 これは真実なのか意図的に作られたものなのか、壮大な破壊で利を得るのは誰なのかなど多くのことを考えさせられます。 どうであれ戦争は合法的な殺人で、一部アメリカ兵がイラクでゲームをするように高揚してる姿はおぞましい。 チャップリンの殺人狂時代のヴェルドゥ氏の最後の言葉は今一層重く響きます。 愛する母国が誤った方向へ進んでいることへの大きな危機感が監督を突き動かしているのでしょう。 愛国者法をスピーカーで読み上げ、議員にはイラクに子供を志願させたらとパンフレットを配るなど、監督の行動力と堂々と発言する勇気は相当なものです。    
8点(2004-09-02 21:02:53)(良:3票)
112.  大地震(1974)
公開当時この映画を「体験」しましたがストーリーはすっかり薄くなって消えてました。30年ぶりにテレビで見ましたが地震のシーンは今見ても迫力満点です。センサラウンドで空気がビリビリするというのは恐怖を煽るのにどれほど効果があったか定かでないのですが、とにかくこれが物珍しかった。 地震でダムが決壊するという二次災害のパニックもあって、かなりサービス一杯の映像ですが、この頃はやったパニックものの「タワーリング・インフェルノ」や「ポセイドン・アドベンチャー」と似たようなシーンもある。懐かしいジュヌビエーブ・ビジョルドとのラブストーリーがらみの話はやはり印象が薄い感じで終わり方も今ひとつ・・ 
6点(2004-09-01 23:55:55)
113.  オーシャンと十一人の仲間
今まで評判のいいのがリメイクされるのかと思っていたのでオリジナルの本作は出来がいいのだろうと思ってたら、、、 「リメイク作はオリジナル作品を越えられない」という先入観をみごとに覆された。 大体リメイクでさえイマイチという印象だったのに、あの傑作「西部戦線異状なし」と同じ監督なのだからなおびっくり。だる~い展開で見るのに2日もかかってしまった。 シャーリー・マクレーンがどうでもいいようなちょい役で出てますが、彼女はシナトラやD・マーティンとお友達だったから友情出演ってことで顔出したんでしょうかねぇ。メインキャストでなくて良かった・・ 
3点(2004-08-30 22:31:33)
114.  灰とダイヤモンド
平気で人殺しをしてきた若者が一人の女性に出会い「愛がどんなものか知らずにきた。人生を変えたい、やり直したい」と、それまでテロリストとして生きてきた人生に初めて迷う。生き方を変えることもできたのに彼は暗殺を実行し、結局ゴミだめの中でのたうって死んでいく。 この頃のポーランドの歴史的背景についてよく知っていればもっと深く作品を理解でき思いも深くなるのかもしれない。しかし通り一遍の知識でもこんな生き方しかできなかった若者の青春悲劇として切なく心に響くものがあるし、廃墟の教会の逆さキリストなど印象的な映像シーンもたくさんある。 時代や国も状況も違うとはいえ、マチェクのような若者が今もイラクやチェチェンなど各地にいるのかもしれないと思うと彼の悲しい生き方もちょっと現実味を帯びてくる気もする。   
8点(2004-08-30 22:09:47)(良:1票)
115.  酔いどれ天使
強がっているが実は結核で重病のヤクザの松永、それが気になり親身になって説教し手を差し伸べる眞田は酔いどれ(アル中)ではあるが人情味ある医者、というのは後の赤ひげの原型か。彼が言う言葉は正論だがあえて難を言えばセリフが語りすぎてやや説教くさい気もする。 三船も志村さんもいいのでそれは当然見所なのだが、松永の見る棺おけの夢がシュールだったり、松永と岡田のペンキまみれの死闘、松永の死に様など映像的に印象的なシーンも多い。 その他にも小暮美千代ってこんなにバタくさい美人だったのかとか、千石規子が三船を口説いてるってのもすごいねぇとか、久我美子がなんてはつらつとしてて若いんでしょとか古い作品にはいろんな驚きや楽しみがあって面白い。
8点(2004-08-29 14:26:58)
116.  誰も知らない(2004)
柳楽くんだけじゃなく子供達みんながセリフをしゃべっている、演技しているという感じがしない。母親のYOUと子供達のやり取りでもそう。回しっぱなしの隠しカメラで日常を撮ったように自然な感じがする。 それくらい普通っぽくリアルな映像で淡々と描かれるのでとても不思議な感じのする作品になっている。  長男の明は無責任な母親にあとをまかされるとなんとか兄弟の世話をして期待にこたえようとする。この世でたった一人の頼りになる大人がいなくなったのに、子供なりに知恵を絞って生きていく様子がけなげで逞しい。 映画は母親や父親、接点のあった近所の大人たちなどをことさら非難するでもなく、子供達を哀れむようでもなく、ただ淡々と子供だけが放り出された生活を描写するが、子供達の表情や生活状況からは少ないセリフ以上のものが伝わってくるので様々な思いがわいてくる。それこそがこの映画の狙いかもしれない。  題材がそもそもインパクトが強いこともあって、面白かったとか感動したとかじゃない、一言ではいえないような複雑な、たくさんの感慨がのちのちまで尾を引いて残る。 子供達が演技してるんだか素のままなのか判断がつきかねる、、というのでは「ポネット」のビクトワールちゃんが一番近い感じかもしれないと思い出したが、こういう作品(作りも感想も)はとても珍しかった。 明以外の子供達もみんな素晴らしくてびっくりだったが、それを引き出しカメラに収めた監督が一番うまかったのかもしれないと思う。柳楽くんは子供を代表して賞をもらったという気もする。 点数は悩んで・・7.5点といったところだけど未だにインパクトが強いのでやはり8点に。 
8点(2004-08-26 21:11:57)(良:1票)
117.  マッハ!!!!!!!!
アクションものにはさほど興味がないのだが予告編は面白そうで気になってた作品、でようやく見たら、、、予想以上に面白かった! 生身のアクションだけの映画かと思ってたらさにあらず、笑いあり涙ありに加え田舎の敬虔な仏教徒たち、都会では麻薬や売春などに蝕まれている姿と新旧のタイが織り込まれて、この国ならではの独自性のある作品になっている。アクションのすご技の数々はもう皆さんの絶賛されるとおりでお見事! 彼ならオリンピック(体操、ハードルなど)でも活躍できそう。体を張ったのはトニーだけじゃなく相手役たちも同じで、こちらも大丈夫かって心配になってしまうほど危険で痛そうだった。 三輪タクシーのカーチェイスや爆発シーンなどムエタイアクション以外の派手系アクションもあってサービス一杯、大金かけても安っぽかったりするハリウッド製よりずっと楽しめた。蛇足:ムエ役女優(演技はヘタ)は藤圭子に見えた。(古いか、、)     
8点(2004-08-21 17:26:37)
118.  南太平洋(1958)
甘いメロディの「バリ・ハイ」や「魅惑の宵」などの名曲や、美しいロケーション(ポリネシアあたり?)などはロマンティックで、俳優やストーリー云々よりとにかく歌がウリといったミュージカル。にもかかわらずロッサノ・ブラッツィーは吹き替えだし、もう一組のカップルのジョン・カーも吹き替え。しかもしばしば歌ってる顔を映してるだけ、といったようなところは躍動感に欠け面白みがない。ラブストーリーの中でちょっとシビアなのが二組のアメリカ人が持つ人種へのこだわりで、「理屈じゃない、教育がそうさせた、、」と歌っている。 でも若い中尉と現地人の娘の恋愛は女性の扱いが軽くてなんだかなぁ、、、という感じ。公開当時評判だったという70ミリ大作らしいからリアルタイムの劇場ならまた印象が違ったかも。
6点(2004-08-18 22:17:27)
119.  泥の河
昭和31年の大阪。戦後10年以上たっても戦争の記憶はまだ生々しく暮らしも貧しい。 学校にも通えず廓船で暮らす姉弟の悲しさは胸に迫るし、うどん屋のノブちゃんとの友情、のぶちゃんの父母のやさしさなどしみじみとした情感を感じる。 愛情に恵まれ貧しいながら幸せだったノブちゃん以外は皆それぞれ胸の奥に悲しみを持っている。そのノブちゃんにもいろんな出来事が起こって小さな悲しみを知ることになるが、作品にはそんなみんなを包み込むような暖かさがある。 自転車の車軸回しの遊びや着ている服、赤銅鈴ノ介のラジオ番組、出回り始めたばかりのテレビの相撲などなど、そこかしこに当時の様子が描かれていてノスタルジック。これがまたモノクロゆえに一層効果的。 子供たち(特にきっちゃんの面構えがいい)はじめ田村、藤田の夫婦などの出演者もとてもよかった。
8点(2004-08-18 21:14:41)
120.  夫婦善哉
船場のぼんぼんのダメ男は仕事もろくにせず遊んでる放蕩息子のくせに、自分が跡継ぎだとプライドだけは高く権利を主張。どこがいいのかこんな男に惚れて「私が一人前の男にして見せます!」、と尽くすしっかり者の芸者蝶子は一見献身的でけ なげな女に見えるが、彼女もまた男に愛想尽かしをしながらも別れられないダメ女。かくしてくされ縁とも依存関係にあるとも見える二人は、どんなにすったもんだしても元のさやに戻っていく。 これは女が男に尽くす人情話かと思うと実は「人間て弱くて愚かなものなのね」「男女の仲は摩訶不思議」というあたりの人間くさい話で、これを森繁久弥と淡島千景が素晴らしくうまく見せてくれる。 淡島さんはどの作品でも魅力的で大好きな女優さんだが、ここでも表情豊かにはつらつとしてて森繁さん共々惚れ惚れする。 これは演出なのか時折挿入されるクローズアップの顔が白っぽく、男の顔が卑屈で小心っぽく見えたり、美しい淡島さんでさえちょっと汚く小ずるそうに見えたりするのが意味ありげで面白い。 
8点(2004-08-18 21:07:13)
000.00%
100.00%
270.71%
3171.73%
4343.46%
510911.10%
614414.66%
727427.90%
824625.05%
9888.96%
10636.42%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS