101. エネミー・オブ・アメリカ
ハリウッドお得意の毎度のパターン。それをどう料理するかが監督の腕の見せ所だ。“オマージュ”と“パクリ”の違いの概念って難しいですよね。作品を見た人の個人の感性で判断されるモノかと思うのですが、私の感性ではこの作品はただのパクリです。 やっぱり、パクるのなら“パクり元”よりも演出や撮り方が向上してないとダメだと思う。パクッてんだから、それは絶対条件ですよ。しかもこの作品はハリウッドの伝統とも言うべきシナリオをなぞったものですから、見せ方で勝負しないと・・・。特に最後の見せ場(NSAとマフィアの撃ち合い)などは、もっと面白い見せ方を期待したのだが、パクり元(言わなくても分かるし、いっぱい有るよ)よりも数段劣っちゃってます。 4点(2004-10-11 09:47:00) |
102. バウンド(1996)
《ネタバレ》 低予算で作られた作品かと思われるのですが、シナリオが面白いからかなり楽しめます。隣り合わせの部屋を利用した設定が相乗効果を発揮して、絵的(カメラの視点)に見ても面白くなっている。緊迫感も感じるし、そこにエロティックなフェチズムを絡めることにより興味深くも(男性は特に)奇妙な雰囲気が出ている。 女2人は相当な悪党。しかし“そんなモンは関係なし”という潔さ。何も言い訳していない。最後はハッピーエンドというところも理不尽でトテモ良い。 7点(2004-10-11 09:27:37)(良:1票) |
103. 七年目の浮気
マリリン・モンローを撮らせたらワイルダーの右に出る者はいない。彼女に相応しい演出(セクシーながらもギスギスしてない)に、可愛げを誘う台詞。完璧と言っても過言ではない。 それにしてもこの作品、少ないセットでここまで見せるのは素晴らしい。トム・イーウエルの妄想癖(かなり小心で神経質)をしつこいぐらい見せている。それに対して対局の性質(感性)を持ったマリリンと調和させることにより、コミカルで面白い絵となっている。本当に“笑い”として成功している映画は、こういう作品のことを言うのではないか? 今時の作品は下品なシモネタでしか笑いがとれない作品が多い! それを過大評価して喜んでいる人達が沢山いるのが悲しくなってきます。もちろん、下品なネタも時には楽しいのですが、ソレしかないというのは余りにも芸がない。 7点(2004-10-11 09:15:25) |
104. HERO(2002)
ほとんどのシーンが回想録という設定。たまに有るタイプの映画です。ワイヤー吊りまくりの人間離れしたアクションは、回想(想像)ということで今回は許しましょう(グリーン・ディステニーでは完全に呆れたモノでしたが)。この“空飛ぶ表現”は中国人からして見れば、最上のファンタジーなのでしょう。これはDNAの問題なので私(日本人)には到底理解できない。 ただ、単調なアクションながらも、赤・青・黄・白という色味をそれぞれのエピソードで区分けしているので飽きずに見れる。映像に美しさも加味されるので、効果的な手法と言えるのではないでしょうか。 徐々に真相が明かされていく展開は興味をそそられるし、役者にしても締まった演技をする人が多く出ているので最後まで気持ちよく楽しめます。が、その役者陣のなかではジェット・リーが唯一薄っぺらかった(顔にも締まりがない)。あと、この作品に限らず、チャン・ツィイーに対して相当過大なものを望んでいる人が多いようだが(「初恋のきた道」の印象が強烈過ぎたのかな?)、今回の作品でもかなり頑張っていると思います。映りも十分良かったと思いますよ。 それと、矢が大量に飛んでくる演出(CGかな?)はとても胡散臭い。台無しにしている。 5点(2004-10-11 08:44:03) |
105. カンニング・モンキー/天中拳
ジャッキー映画の中では一番お笑いの要素が高い作品。“アッチ向いてホイ”“ハッスル”“愛情一本”とか変な名前の技を名前を物乞いから教わったり(全て空回り)、カツラをヌンチャク代わりにしてブルース・リーのマネをしてみたり、間抜けな悪党が総登場して3つ巴の争いになったり・・・。その悪党達との闘いもコミカルな動きが中心で、娯楽カンフーとしてのテーストを徹底して貫いています。 それにしてもジャッキーの髪型がマッシュルームみたいで面白い。 5点(2004-10-11 08:29:04) |
106. タキシード(2002)
《ネタバレ》 ジャッキーも思い切った作品を作ったものですね。WOWOWの吹き替えで見たのですが、これは吹き替えで正解ですね。ジャッキーの声はいつもテレビでやってる人なので違和感無しですし、マドンナ役の娘の吹き替えはおそらく「フレンズ」のレイチェル役の人だと思う。この人はこういうキャラの台詞が上手いんですよね(違ってたら恥ずかしいな)。 ともかく、設定を考えると“トンデモ”+“馬鹿映画”のジャンルに入りそうなのですが、今作はよく出来ていると思います。“笑い”の面ではハズシちゃってますが、相変わらずアクションには工夫がほどされているので面白い。スピーディーだしね。 「マトリックス」のスミス(エージェント)もこのタキシードを着ていたのでしょうか? ああ!あれはスーツかな? マトリックスをパロッたシーンがラストで炸裂します。 5点(2004-10-10 16:48:31) |
107. ドラゴン怒りの鉄拳
中国映画でも有るまいが、日本人はケダモノ扱いですね・・・、とは言っても香港は中国系の人が多いのでこういう印象なのでしょう。ブルース・リーの作品にはよく日本人が出てくるのですが、大抵は酷い扱いです。まぁ、日本人が中国に対して過去に行ってきた愚行を考えると仕方のないことですけど。 兎に角この作品は“復讐劇”ということで、徹底的に殺っちゃってます。これはブルース・リー作品の特徴でも有るのですが、容赦なく殺すんですよね。血もドバドバ出ます。その逆がジャッキー・チェン作品ですが、ホント対照的ですよね。時代のせいかも知れません。 ブルース・リーの顔で見せる演技は(チョット笑えるんですけど)今作が一番良いですよ。 5点(2004-10-10 16:39:35) |
108. キル・ビル Vol.2
オマージュの塊のような「キル・ビル」シリーズもコレで見納め? かも知れないが、さっそく続編の噂(エル・ドライバー+ゴーゴー夕張の妹の復讐劇orヴァニータ・グリーンの娘の復讐劇)も飛び出しています。これは恐らくタランティーノのいつもの悪ノリかも知れないが、ホント予断を許さない人物である。 今回も多彩なB級映画の要素をパクリまくっているのですが、今度の続編ではショウブラザーズの映画に頻繁に顔を見せていた伝説のキャラクターであるパイ・メイを登場させている。中国映画お得意のカンフー修行のシーンを見事に再現しています。思ったよりも短いエピソードでしたが、後にエル・ドライバーが何故に独眼であるのかが分かるようになっています。 オマージュと言えば、前回は“日本を舞台とした時代劇”や“ブルース・リーを思わせるカンフー映画”が主なものでしたが、今回は“マカロニウエスタン”中心の構成となっている。話題になっているバイオレンスシーンの少なさは、確かにそういう描写が好きな人には者足りないかも知れないが、その分タランティーノお得意の台詞による遊びがタップリと楽しめます。 彼自身、この作品への思い入れは相当強いようで、エンドロールでは丁寧に出演者を紹介しているし、最後を飾るための音楽も最高。相変わらず良いセンスしてます。 「キル・ビル」は久々にメガホンをとった作品でしたが、過激なバイオレンス・台詞の面白さ・構成の上手さ・曲選び・・・と、完全復活といきそうな予感がします。 9点(2004-10-08 14:34:03) |
109. 刑事グラハム/凍りついた欲望
「レッド・ドラゴン」は、先に放映されたもの(「羊たちの沈黙」「ハンニバル」)が大ヒットして、アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターのキャラクターが人気を博した後の作品です。ですから、原作に比べてレクターの登場シーンが大幅に増加されています。人気キャラクターですから、露出時間を長くしたかったのでしょう。 その点この作品は「羊たち~」がアカデミー作品賞を獲る前に放映されています。よって、原作通りにレクターの出番は少なく、有る意味原作に忠実に描かれています。 ただ、映像や出演者自体がチープなので(制作費の問題もあると思う)、「レッド・ドラゴン」と比べるのはチョット酷かも知れません。有る程度の作りは保っているようにも思えるのですが・・・。 5点(2004-10-08 09:01:08) |
110. JM
斬新なアイデアだけではダメなのだということが実証された作品。この手の作品だからツッコミは御法度だけど、あんな面倒なデータのやり取りを未来でやりますかね? それに、演出方法やCGなどにしても、平凡なSFアクション(地下組織なんて特にダサイ。確かロボコップでも有ったな)。当時に見たとしても古くささが有る。 俳優陣を見てもイマイチだったかな。“やる気なし”を演じたキアヌ・リーブスの演技は奇しくも本当にやる気が無かったし、その他の出演者もパッとしなかった(存在感なし)。 それにしても武は浮きまくってましたね。演技がダメなのではなくて、こんな作品に出るのがダメ。明らかに日本人をターゲットにした話題づくりに使われている。北野武の過去の映画作品はとても好きなのですが、この映画に出演以降どうもおかしな方向に行っているように感じる。「HANA-BI」以降、芸術ぶった作品ばかり撮るようになったし(中途半端にバイオレンス)、「BROTHER」なんてハリウッドでお遊びで作ったように感じる。 5点(2004-10-08 08:48:04) |
111. デッド・カーム/戦慄の航海
《ネタバレ》 「ケープ。フィアー」や「激流」にあるアイデアがベースに有る作品です。ヨットの上で殺人鬼と二人きり。想像しただけでもゾッとするのですが、こういうスチュエーションの映画って、ハリウッドでは頻繁に作られますね。 けっこう緊迫感もあって面白いのですが、ラストのチョン切れた腕はチョットした“笑い”を期待した演出なのだろうか・・・。何か最後の最後でズッコケちゃいました。 5点(2004-10-08 08:24:27) |
112. 太陽の帝国(1987)
《ネタバレ》 クリスチャン・ベールだったんですね。ジョン・マルコヴィッチも出てるし。 一人の少年が、厳しい戦火の中を必死に生き残る様が克明に描かれていて、特に日本人の少年との交流には、人種を越えた温かい温もりを感じます。満州~南島と旅を続け、強い大人へと成長していくジム少年は健気だが力強い。 ラストで両親と再会しますが、顔を忘れるぐらいであった。この瞬間、彼の少年としての日々は終わり、大人として歩んで行くのだろう。 6点(2004-10-08 08:12:05) |
113. 乱気流/タービュランス
どこかで見たことが有るなぁと思っていたら、悪役の男(レイ・リオッタ)ってハンニバルで頭カッポリ開けられていた人ですね。映像自体はB級の雰囲気を醸し出していますが意外とシッカリした作りになっていて、この手の映画にしては模型+特撮の出来も良かったように思います。 確かに“お決まりのストーリー+結末”のように感じますが、スチュワーデスと殺人鬼の格闘は一見の価値が有ると判断した。 6点(2004-10-08 07:56:55) |
114. 新選組(1969)
三船敏郎に小林桂樹・・・、近藤勇や土方歳三は30歳ぐらいだったと思うのでチョット歳を食い過ぎています。しかし、北大路欣也や三国連太郎は若いですね~。特に当時の三国連太郎は佐藤浩市にソックリ。親子だから当たり前なのですが、役も同じ芹沢鴨ですからビックリですね。 現在NHKの大河ドラマで「新選組!」がやってますが、連続ドラマと比べたら、2時間チョットしか時間が無いのでテンポが速い速い。史実は別にして、新選組がどんな連中だったかが直ぐに分かります。 69年の映画なので、ロケ地なども豊富で(現在は都市化が進んでロケ地も不足している)、リアリティーのある映像を楽しめます。カメラワークも今やってる時代劇と違って上手いし、役者の演技なんて比べ者になりません(かつ舌が良く、モゾモゾ話さないので聞き取りやすいし、頭のわるそうなアイドルが出ていない)。 7点(2004-10-08 07:47:20) |
115. ザ・シークレット・サービス
かの有名なジョン・マルコビッチが出ています。不気味な人物を演じさせると右に出る者はいません。本当に素晴らしい役者ですね。「マルコビッチの穴」で変なイメージが付いてしまっていますが、とても良い俳優ですよ。 クリント・インースト・ウッドも変わらず頑張っています。ケネディーの護衛に失敗し、意固地になってしまう男を上手く演じていたと思います。 ラストはハリウッドお得意の演出(悪役は高所から落ちる)でしたが、結構楽しめました。 5点(2004-10-05 16:41:38) |
116. デアデビル
悪役キャラが格好悪いんだもん。しかもダブル禿げ(ブルズアイ、キングピン)。 アメコミ物なので長閑に話が進むのかと思えば、主役(デアデビル)は盲目だし、リアルに弱いし、ヒロイン(エレクトラ)は死ぬし・・・と、結構ダークな世界観を醸し出していた。 ただ、デアデビルのコスチュームはどうかと思う。正直言ってダサイ。 5点(2004-10-05 16:28:30) |
117. ケープ・フィアー
しかし、人の恨みって本格的に怖いね。こういうストーカーっぽい作品は沢山有りますが、この作品が一番ヤラシイ。デニーロの少女を見る目つきなんか、正に精神異常者のソレである。 ただ、ちょっとやり過ぎちゃった感じもいなめない。あそこまでいくと、デニーロが化け物(人間とはかけ離れてる)のように見えてきます。 5点(2004-10-05 16:19:29) |
118. 激流(1994)
ケビン・ベーコン、「ケープ・フィアー」のデニーロなみのしつこさですね。そう言えばチョット「ケープ~」と似た雰囲気が有ります。 好きなジャンルでなくとも、役者がしっかりしているので最後までキッチリ見れます。 川下りを舞台とする辺りに工夫が垣間見られるが、ストーリー的には凡作です。 5点(2004-10-05 16:12:39) |
119. チェーン・リアクション(1996)
ハリウッドではよく有るパターンの映画です。爆発シーンで誤魔化されがちになるが、相当制作費をケチッている。 ヒロインは「ハムナプトラ」に出ていた人かな? 結構魅力がありました。 しかし、終始一貫してマンネリ化されたネタや、何の工夫もない詰まらない台詞には苦虫を噛みつぶす思いをさせられた。 ハッキリ言えば『凡作』。 5点(2004-10-05 16:03:11) |
120. コクーン
真の映画のテーマを探り当てることほど難しいものは無いし、それを見出すことの嬉しさというものは映画好きにとって一入ではないだろうか。それを考えると【STING大好き】さんのレビューには頭が下がる思いだ。 私などは、死がそこに迫った老人の哀愁・良い時期(青春時代)ばかりを切望する身勝手さと悲しさ・人間の欲望(プールに殺到する浅ましい心)等といったものがテーマと解釈していたので、【STING大好き】さんのレビューをみて目から鱗が落ちる思いがした。映画というのは奥深いモノであり、知れば知るほど楽しめるものですね。私も本当の映画の良さを感じることができるよう観賞に励みたい。 7点(2004-10-04 14:45:25)(良:1票) |