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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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101.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
実話をベースにしたこういう映画を見る度に、宗教とは何だろうと思ってしまう。 苦しむ人の心に安らぎを与えるものでありながら、逆にそれで苦しむ人もいる。 信じる神が違っても、神を信じない人にとっても、親が子を思う気持ちや、子が親を思う気持ちは不変。 今はもうこの世にはいない息子の思いがしっかり伝わるように描かれていたのが嬉しかった。 ジュディ・デンチの静かな、素晴らしい演技が感動的です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-15 14:18:28)(良:1票)
102.  フルートベール駅で 《ネタバレ》 
アメリカに今も根深く存在する人種差別。そのやりきれない事件を怒りを抑えるかのように静かに淡々と告発する。 かつては罪を犯し、刑務所に服役した過去を持つ。 しかし子煩悩で、母親や祖母思いの一面。 勤め先を解雇されそうになっても、安易に悪の道に戻ろうとせず、何とかもう一度働けないかと店長に談判する。 買い物に来た白人女性に見せる陽気で人懐っこい一面。 1人の妻子ある黒人の若者オスカーの、事件に至る大晦日から新年を迎える1日を淡々と実に丁寧に描いています。 作品の大半を占める、黒人青年の何気無い1日の描写が効いている。 そんな1日の終わり、新しい年が明けた矢先に起こった事件。何ともやるせない思いが残る。 病院で彼の無事を家族や友人が祈っている。本作を見る者も同じ思いで祈る。しかし・・・。 撃った白人警官は11ヶ月で刑務所を出所したという。 撃った側と撃たれた側、これが逆だったならどうなっていたのでしょうか・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2014-09-10 21:43:20)(良:1票)
103.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 
彼が意を決してヘリに飛び乗る。その時の表情。 人生、困難にぶつかり迷える時は必ずやってくる。人生、新たな一歩を踏み出すには勇気がいるものです。 しかしその勇気の一歩が人生を変える。笑いとシリアスのバランスもいい映画でした。 油断していると突然彼の空想の世界が挿入されますが、苦しい時こそ心の中で様々な葛藤が入り乱れる。 もし自分がスーパーマンだったら・・・。なんて思ったこともある。 そんな心の内をとてもうまく表現していたと思います。 ベン・スティラー演じる主人公がごく普通の勤め人であったのがいい。 でなかったら、少なくとも僕は主人公の男にこれ程感情移入しなかったのかもしれません。 同じ感想の方もおられますが、スティーブ・カレルでも良かったかも・・・と僕も思いました。 意を決してグリーンランドに旅立ち、ヘリに飛び乗り、全力でヘリから飛び降り、 全力で自転車を漕ぎ、全力で走る。これこそLIFE!。 ラストの1枚はそうきましたか!シェリルとのロマンスの結末も含めとても素敵なラストでした。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-08-27 19:22:59)
104.  ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 《ネタバレ》 
9.11後のアメリカ、そしてアメリカ市民を描いた映画は何本か見ましたが、その中でも本作は好きな映画です。 序盤からずっと見ていて気が滅入りそうになる。ですが、鍵の登場以降、状況が少しずつ動き出します。 オスカー少年と、彼の周りいる祖父、祖母、母親、NYの色んなブラックさん。 大げさに感動をあおる演出や音楽は控えられていますが、静かで優しさにあふれた人間描写がいい。 9.11を忘れることなんて永遠に出来ないだろうし、悲しみが消えることも無い。 しかし少しずつでもいい。少しずつ前を向いていこう。 最後は9.11以降、心に負った傷がそう簡単に癒されるはずもない、アメリカに暮らすごく普通の人々に贈る、優しいエールのようなものを感じました。 一見意味不明なこのタイトルもいい。 たしかに、時にものすごくうるさくもあるけど、ありえないほど近い。 更にもう1つ付け加えさせてもらえればありえないほど優しい存在でもあるのです。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-06-30 21:43:33)(良:2票)
105.  かぞくモメはじめました 《ネタバレ》 
しかし何というひどい邦題を付けるのだろう・・・。いい映画が台無しの邦題ですよ。 日本未公開だから、どこかで聞いたことがある(「かぞくはじめました」)タイトル付けてちょっとでも注目してもらおうとしましたか? ビリー・クリスタルとベット・ミドラーという濃い2人が主演。 娘夫妻が仕事で留守にする間に3人の孫を預かる騒動を描いた作品で、 ドタバタコメディでもあるのですが、実に心温まる家族愛の物語でもある。 最後はまさか感動させてもらえるとは思ってもみませんでした。 フェイスブック?ツイッター?アプリ?何それ?というビリー・クリスタル演じるおじいちゃん。 ベット・ミドラー演じる妻と、孫の面倒を見るためにやって来た娘夫妻自慢のハイテクハウス。 ハイテクには疎いですが、人間にとって大切な心の触れ合いで孫と接していく。 時代は凄いスピードで進歩していくけど、大切なのは心なんだよ。そんなことを訴えかけているようです。 雨でびしょ濡れになりながら孫たちと缶蹴りのシーンや、 3人の孫たちがそれぞれに抱えている問題を自分の力で乗り越えていこうとする終盤の展開は感動的です。 そして本作はエンドロールがいいんです。どれもいい写真ですよ。ぜひエンドロールまでご覧ください。 大して期待していた訳ではないのですが、このエンドロールまで含めて、 久々に楽しくて温かみのあるいいアメリカン・ホームドラマを見させてもらいました。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-29 21:50:32)
106.  コン・ティキ 《ネタバレ》 
海洋アドベンチャーとしてはそれほど派手さは無く、 CGも効果的に使われているけど、最近のこの手の映画にしてはCGの挿入は控え目です。 しかし本作はそれが良かったのだと思います。 大昔の人々がたどったであろう道のりを、出来るだけ当時の仕様で1947年の彼らは挑んだ。 だからこそ、そんな彼らのフロンティアスピリットを再現する本作には、 ギラギラとした直射日光や、潮の匂いや男たちの汗の匂いがスクリーン越しに感じ取れるかのような描写がよく似合うと思います。 サメとの攻防戦を描いた緊張感。確実に筏の木が水を吸って重くなっていく不安感。 しかし、それでも南赤道海流に筏が乗ったことがわかった時の高揚感。 次第に仲間達を強く結びつけていく連帯感。 終盤の陸地に向けていくつもの大波を超えていく、彼らの最後の海との格闘は迫力満点です。 エンドロールで無謀とも思える挑戦を成し遂げた彼らのその後が紹介されています。 仲間達それぞれに、その後も冒険心にあふれた生涯を全うしていました。 同じ男として、彼らがとても羨ましく、眩しく映りました。 これは映画館で見たかったですね。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-05-21 22:35:39)
107.  ウォルト・ディズニーの約束 《ネタバレ》 
「メリー・ポピンズ」を初めて見たのは子供の頃。以降、何度か見ている僕の好きな映画の1つです。その制作秘話である本作、すごく楽しみにしていたのですがようやく見ることができました。  映画は何度か見ているのですが、原作に触れたことは無く裏話的なことも何も知らない上での鑑賞でした。原作者のP.L.トラヴァースさんとお父さんとの少し悲しい思い出を含んだお話でしたが、それを抜きに「メリー・ポピンズ」は語れない作品だったのですね。  その一方で、シャーマン兄弟の作曲シーンの楽しさ!脚本家やウォルト氏の秘書も絡んでの「メリー・ポピンズ」で歌われる歌が誕生していくシーンの数々は楽しさと共に感動的でもありました。  彼らとトラヴァースさんとの時にシリアスでもありますが、コミカルな絡みも楽しかった。トラヴァースさんが「歌に造語なんて入れてはいけません!」と一喝。すると究極の造語の歌である“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス“の楽譜を慌てて隠すシャーマン兄弟。なんてシーンもたまらなく楽しかったです。また、運転手役を演じたジアマッティもいい味を出していました。  そして本作、エンドロールが始まっても席を立たないでください。当時、実際に録音されていた打ち合わせでのトラヴァースさんの肉声を聞かせてくれます。当時の写真もふんだんに挿入されていて、何とも素敵なエンドロールとなっています。   「メリー・ポピンズ」が好きな方、ぜひご覧になってください。
[映画館(字幕)] 8点(2014-04-10 22:40:53)
108.  ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 《ネタバレ》 
アレクサンダー・ペインの前作「ファミリー・ツリー」は未見ですが、ペインが過去に手掛けた作品「サイドウェイ」や「アバウト・シュミット」といった作品を随所に感じる作品でした。人生まだまだ先がある男の、父を連れたちょっとした人生の脇道の数日でもあり、老いた男のドラマでもある。  映画なんだから、実は宝くじにホントに当選していた!なんてオチも良かったかもしれませんが、随所に笑いドコロを挿入しながらも人生、そうは上手くはいかないものです。そんなコメディタッチの中に描かれる人生のほろ苦さには実にペインらしさを感じます。そしてその後に見せてくれる優しさが嬉しい。最後の息子から父へのプレゼント。その優しさにジ~ンと心が温まる。  ロードムービーとしては前半までで、中盤以降は両親の故郷の田舎町にとどまる時間の方が長いですが、ロードムービーとモノクロって相性がいいと思います。埃っぽいアメリカの片田舎の風景描写にカントリー調の音楽が良く似合う。僕の好きな作品の世界観でもあるのですが、それ以上に自分と両親のことをずっと考えながら見ていました。本作の息子は僕と同年代と思われる。そして僕にも離れて暮らす年をとった両親がいる。過去のことや最近の出来事を思い出したり、これからのことを考えながら・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-28 19:55:46)(良:1票)
109.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
CGを駆使した美しく躍動感のある映像に見入ってしまいました。前半(遭難する前)と、時折挿入される現在のパイが回想するパート以外、登場人物は大部分の時間はパイとリチャードの2人のみ。しかも大海原を漂流する救命ボートの上で極めて行動範囲の少ない作品。ですが鯨やトビウオ、海に飛び込むリチャード、嵐が作品に動きを与え、幻想的な映像の美しさと相まって壮大さすら感じさせられました。そして残酷なほどに生きていくことの厳しさを感じざるを得ない、衝撃的なもう1つの物語。ここまできて、前半の大きな謎であった「なぜあんな役にドパルデューが?」にも納得、キャスティングの妙にも唸らされました。本作はできれば映画館で3Dで見たかったと思わされる作品でした。もしそうであったなら本作の美しさにもっと感動していたことだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-25 21:39:22)
110.  小さいおうち 《ネタバレ》 
序盤から展開される、丘の上に建つ赤い屋根が印象的な“小さなおうち”の小さな幸せの時。そんな空気が家の主人の会社の部下である吉岡が演じる板倉の登場から少しずつ変化が生じていきます。  2人の主役である松たか子と黒木華。貫録すら感じさせる松たか子。彼女が様々なシーンで醸し出す色気。黒木華が醸し出す透明感。2人とも見事にそれぞれの昭和初期の女性を演じています。  板倉への想いを抑えきれない時子。その一方で、出征を控えた板倉のもとへ時子を行かせず、時子から託された板倉への手紙を渡さなかったタキの想いは果たしてどうだったのでしょうか。その手紙を捨てることが出来ず、後悔の念を抱え戦後ずっと独身を通してきた、倍賞さんが演じる平成の今を生きるタキが泣き崩れるシーンが印象的です。  暮らす人々の様々な思いが詰まった家も、そこで暮らす人の命も一瞬で奪っていく戦争。声高に反戦を前面に出さないものの、山田監督の思いはここにあったのではないでしょうか。それはラストのある老人の、戦時下を生きた人々の思いを代弁するかのような台詞からも感じられました。
[映画館(邦画)] 8点(2014-02-14 17:43:23)
111.  永遠の0 《ネタバレ》 
原作を読んでいないので、戦争末期の上官と部下、2人の祖父の関係とそれぞれの思いが見えてきた時はやはり感動しました。  原作から省略されている部分もあるのだろうけど、家族のために生きて帰ることにこだわっていた宮部がなぜ特攻に志願することになったのか。その心の軌跡も十分感じることができたし、敵艦に辿り着くこと無く特攻機が次々に撃ち落とされていくシーンは、戦争の虚しさを感じざるを得ないと共にその迫力は映画ならではものであり、映画館で見て良かったと思えました。  2人の孫がもう1人の祖父の実像に迫ろうとする中で出会う、かつて宮部の戦友や部下であった老人達を演じるベテラン俳優陣、特にヤクザの親分役の田中泯の凄味のある存在感。別れ際にかつての戦友の孫と抱き合うシーンは、彼が宮部をどう思っていたのかが伝わってくる感動的なシーンでした。本作の最終番で語られる、終戦間もなくの時期に宮部の妻が襲われた際に、日本刀を持って助けてくれたという男。これが誰だったのか明確な答えは出されませんが、それで十分ないいエピソードの挿入でした。  2人の孫に全てを告白する、今年お亡くなりになった夏八木勲さんの姿にも感動しました。もう1人の祖父の実像に迫ろうとするミステリーでもあり、戦時中と今、時を越えて繋がる男の友情や家族愛のドラマでもある。2時間半近い長尺ですが、長さが気にならない中身の濃い映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-26 20:23:05)
112.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 
まずは名優ジェフリー・ラッシュの時に凄味を見せる、時に弱味を見せる名演を堪能しました。ラッシュが演じる男は確かな目を持つ美術品の鑑定士として富を築いた男。その一方でずっと女性と縁が無く1人で生きてきた孤独な男でもある。彼の恋愛の相手は秘密の隠し部屋の壁一面に飾られた女性の肖像画。  そんな男が受けた、電話のみで決して顔を見せない女性からの鑑定の依頼。ここから静かにドラマが動き出します。どこにいるかも分らない依頼人。しかし、ついに依頼人の居所を突き止めるが、彼女がいる部屋の扉は開かない。次第に顔の無い依頼人に恋をしてしまう男。しかし鑑定士だけでなく、見る者にも声だけでその姿を見せない。  彼女は何者か?その容姿は?謎の依頼人の女性に興味が尽きないミステリアスな前半。鑑定士と見る者に少しずつ彼女の姿を見せ始める緊張感のある中盤から、後半の孤独な鑑定士に幸せが訪れるロマンス、といった展開の組み立ても見事。  しかし、トルナトーレがただ幸せなロマンスを撮るとも思えなかった。最後には思わぬ落とし穴が待ち受けています。彼が初めて恋した1人の女性。更にはビリーにロバートといった登場人物と鑑定士との関係。どんな贋作にも騙されなかった彼の、生身の人間の真贋の見極めの結末は・・・。最初はたった1つの部品。そこから少しずつ輪郭を現していく機械じかけの人形、屋敷の向かいのカフェの小人・・・鑑定士と依頼人の周囲にあるものや登場人物も印象に残る哀しき男の人間ドラマ。
[映画館(字幕)] 8点(2013-12-20 21:05:15)(良:1票)
113.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 
イギリスのベテラン俳優が顔を揃えた、人生の終盤をどう生きるかを描いた人間ドラマ。それぞれに過去をひきずり、現状に問題を抱える7人の男女。そんな彼らが豪華なホテルでのセカンドライフを求めてインドにやってきた姿を描く群像劇。  中盤まではこの7人の個々の行動をとらえる時間が長く、7人のドラマとしては物足りなさも感じたのですが、終盤に向けて彼らが懸命にこれからの人生の幸せを求めて歩き出していく姿に勇気をもらったような気がしました。  本作は彼らのドラマの中にもう1人、ホテルのオーナーの若者が入っているのがいい。パンフレットの豪華なホテルとはあまりにもかけ離れたオンボロホテルに7人から抗議の声が上がっても「それはこのホテルの将来の姿なんです」と全く悪びれる様子も無いが、憎めない、屈託のない明るさがある若者。インドにみなぎる熱いパワーを彼が体現しているようで、作品に活力をもたらせています。  この若者と7人。これからの人生をどう生きるかを考えるのに年齢など関係無い。ラストシーン、この若者はフィアンセを後ろに乗せバイクで街を行く。それとすれ違うビル・ナイ。彼もまた恐らくはフィアンセを後ろに乗せバイクで街を行く。何と希望に満ちたラストシーンだろう。また、ジュディ・デンチが書き綴るインド滞在記。ここには沢山の人生の素敵な金言が含まれていました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-05 23:59:54)
114.  人生はノー・リターン~僕とオカン、涙の3000マイル~ 《ネタバレ》 
何とも味のある?イケてない邦題が付いた作品ですが、 あたたかくてとても素敵な母と一人息子のお話でした。 冒頭、息子が仕事の旅に出る前に実家に立ち寄り、そこで仕事の旅に母を誘う。 その理由が「久々に母さんと過ごせて楽しかった。もっと母さんと一緒にいたいんだ。」 これでもう、本作はいいお話だと確信しましたね。 登場人物はほとんどバーブラとセスの2人だけと言ってもいい作品ですが、この2人が全く飽きさせない。 ひたすらしゃべり続けるバーブラ(とても70歳には見えないチャーミングなバーブラは必見!)に対し、ちょっと抑え気味のセス。 時に楽しく、時には切なくなりますが、 楽しさと切なさの配分もいいし2人が見事な掛け合いを見せてくれます。 そして最後の“ジョイス”には思わぬ感動があります。 その後の空港での別れ際にもホロリとさせられます。 「なんでこういういい映画が日本未公開なんだろうなあ…。」 こういう感想が出てくる未公開作品に出会うと得した気分になりますね。 でも、嬉しくもあるのですがちょっと残念な複雑な気持ちにもなるのです。
[DVD(字幕)] 8点(2013-12-04 22:39:58)
115.  人生はビギナーズ 《ネタバレ》 
妻に先立たれた75歳の父親がゲイをカミングアウト。人生の終盤を迎えても新たに“恋”をして人生を謳歌している。そしてそれは余命わずかであることが分かっても。  重さのある展開ですが、それを感じさせない、かと言って軽くなっている訳でもないクリストファー・プラマーがあまりにも素晴らしい。重さを感じさせないということでは、愛犬も見事に重要な役割を果たしています。  一方の息子は、人生に対しあと一歩をなかなか踏み出せず消極的。こういうナイーヴな人物像はユアン・マクレガーの得意とするところであり、抜群の安定感を見せてくれます。お相手のメラニー・ロランも抑えた好演を見せています。  新たな人生のスタートをきるのに年齢なんて関係ない。父の死を機に新たな人生のスタートラインに立とうとしている、晩年の父の姿を傍で見てきた息子の姿で終わるラスト。その横には彼女がいる。切なくほろ苦くも、優しさのある人生賛歌でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-18 22:10:05)
116.  星の旅人たち 《ネタバレ》 
監督はエミリオ・エステヴェス。監督しての前作「ボビー」もいい映画でしたが、本作も素晴らしい映画でした。  本作では自らも出演し主演に父を起用。フランス映画「サンジャックへの道」と同じく、主人公が今は亡き家族の遺志に導かれるように巡礼の旅に出る、ひたすら徒歩で行くロードムービー。  そりが合わず疎遠になっていた息子の死をきっかけに、父が息子の遺灰と遺品のバックパックを背中に、息子が果たせなかった巡礼の旅に出る。その父を演じるマーティン・シーンの寡黙だが味わいのある演技が胸を打ちます。  ダイエットが目的のオランダ人の男、禁煙が目標のカナダ人の女、売れない作家のアイルランド人の男。何となく共に旅をすることになる彼らとマーティン演じるアメリカ人トムとのギクシャクした、それでいてコメディタッチでのんびりと可笑しな旅の風景が実にいい。  大きな山場も無く、旅の仲間と溶け込もうとしないトムと彼らが次第に心を通わす過程もあっさりとしているけど、旅の風景をとらえる台詞の無いシーンで挿入される曲の歌詞が彼らの心の声を表しているかのようです。  淡々と抑揚も少なく2時間を超える作品ですが、全く飽きがこない。それどころかいつまでも彼らの旅を見ていたい、いや、彼らと共に旅をしているような気分にさせられる心地良さがある。旅の目的地である聖地サンティアゴの寺院の厳かな雰囲気も素晴らしかった。そんな雰囲気を見事に創り上げた、自らが脚本も手がけた監督エミリオの力量を感じる作品です。
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-21 18:32:57)(良:1票)
117.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 
それぞれに結婚歴がある、心に傷を抱える男と女。人生の辛い一時期を生きるこの2が人生を再生すべく奮闘する様を描くラブストーリー。  人間の強さもちょっぴりダメなところも含めて両親や兄といった彼らの周りにいる登場人物が気持ちをぶつけ合う人間模様は、ラッセル監督の前作「ザ・ファイター」と共通する部分を感じますが、この監督さんのこういう人間の描き方、好きです。  危うさを感じさせながらも今を懸命に生きる2人を演じるローレンスとクーパーの好演は勿論のこと、「ザ・ファイター」でも本作でも主要キャストにオスカーをもたらしたラッセル監督の確かな手腕を感じます。  ラストのダンス大会は、居並ぶプロのダンサーのような出演者たちと比較するとちょっと不安げな2人と、2人を見つめる家族。その姿は同じく問題を抱える家族の奮闘記である「リトル・ミス・サンシャイン」のコンテストにも似てちょっと心配な気持ちにもなりましたが、「5点で何であんなに喜ぶんだ?」というユーモアも交え、その後の展開もベタですが気持ちのいいハッピーエンドでした。
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-06 17:22:28)
118.  ラブ・アゲイン 《ネタバレ》 
DVDのパッケージからはゲイリー・マーシャルなどが得意とするようなラブコメ群像劇をイメージしていたのですが・・・。実際そうなんですけど、1つの家族を軸にした相関図が実に面白いし良く出来ています。  軽くサラリとした作風の中にいい人間臭さがあって、主要登場人物のつながりと利害関係の組み合わせ方が巧いですよ。笑いドコロも十分に挿入されています。  もつれにもつれた人間関係の糸がほどけていくような、息子の卒業式の校庭に点在する、主人公一家の幸せの風景の見せ方も良かった。いささかうまく行きすぎではありますが、雨降って地固まる。皆が笑顔になって、ラストは素敵な家族の姿がありました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-12 17:23:15)
119.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
雨や曇天の多い荒涼とした島の風景、ダークな色合いの映像、カーナビ以降急展開を見せますが、それまでは実に静かな中に常に漂う不安感のある空気、そして音楽。スロースタートながら、それでいて巨匠ポランスキーの作り出す不安げで重厚感のある作品の空気に気が付けば引き込まれている。  キャストの方も何かに気付き始め、いつ消されてもおかしくない不安定な立ち位置にいる名も無き“2人目のゴースト”を演じる主演ユアンがこんな作品の空気にピタリとはまっています。  事故で片付けられ、何事も無かったかのように真相は再び闇に葬り去られるかの如く原稿が風に舞うラストもまた、一人で立ち向かえるはずもない陰謀渦巻く得体の知れない敵の大きさを感じさせる不気味さがありました。
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-21 12:03:32)
120.  ロック・オブ・エイジズ
LAに向かうバスの車中、ナイト・レンジャーの“シスター・クリスチャン”を車中の皆で歌う冒頭からラストまで全編にわたりロック愛がみなぎる。バスの車中のヒロインの女の子の名前はシェリー・クリスチャン。となると締めか一番の盛り上がりドコロは当然スティーブ・ペリーの”Ohシェリー”を期待してしまうのですが、なんであんな扱いになったんだろ・・・。ここだけが謎であり不満ではあるのですが、(欲を言えばきりがありませんしね。ナイト・レンジャー出すならノリノリのシーンで“ロック・イン・アメリカ”もやってくれよ!とか)そこ以外は大満足でした。  近年では「パイレーツ・ロック」も同じでしたが、権力vsロックの構図ってやっぱりしっくりきますね。ミュージカルシーンも序盤のタワーレコードに、意表を突いた教会でのゼタさんを先頭に反ロックのご婦人方が歌い踊るシーンなど、見どころも満載です。  ボン・ジョヴィにガンズにフォリナーに(フォリナー率が高かったですが、監督さん、フォリナーがお好きなのかな?)REOにスターシップなどなど。何度も一緒に歌い出しそうになりましたよ。そしてエンドロールはクワイエット・ライオットに始まりスコーピオンズで締める!  このバンド名で「おっ!」と思われた方、80‘Sロックを聞きまくった方なら、まず楽しんでいただけるロック・ミュージカルです。
[映画館(字幕)] 8点(2012-10-04 18:39:07)
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