101. メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮
《ネタバレ》 本作で分かった一作目の謎。主人公を始めとした周囲の仲間たちには、この作品世界に蔓延しているゾンビもどき病への免疫があるようだ。その免疫力を治療に役立てる研究をしているのがWKED(だっけ?)という組織らしい。だた、その研究は成果をあげておらず、免疫者の命を犠牲にしているのが現状。主人公は研究側にいたけど、人体実験的な作業に嫌気して対立組織に情報を流し、その謀反がバレて迷路に放り込まれた。つまり一作目はお仕置きでした。 では、なぜ迷路が必要だったのか? 迷路は免疫の有無の判定に役立つみたいだけど、その理屈は本作を観てもよく分かりません。設定的にはそれなりのロジックがあるのでしょうが、ストーリー的にはどうでもいいみたい。鑑賞側をバカにしてますな。 本作の感想ですが、さして複雑でもない上記の状況を語るために既視感満載の追いかけっこを延々と繰り返します。実際のところ、かな~り退屈でした。 思わせぶりな謎への興味で続編以降へ引っ張る手法は海外ドラマの専売と思ってましたが、近頃はこんなシリーズ映画が増えてますね。初作を観たと云う理由で続編を観ている自分などが優良なカモです。2時間前後でテーマを語り切るのが「映画」だと思うのですけどね。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-06-02 01:13:49)(良:1票) |
102. アウェイクニング
《ネタバレ》 タイトル通りに主人公に「気付かせる」ためのストーリーでした。そして、主人公が忘れていたことを思い出して終わり。思わせぶりな割に大したことない結末感。でも、ちょっと怖かったので鑑賞目的は達成です。本作と同じ英国の全寮制学校でも、ホグワーツってところなら幽霊がフツーに飛びまわっていますw [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-31 04:03:56) |
103. ラッシュ/プライドと友情
《ネタバレ》 1970年代後半。スーパーカーがブームとなりました。「サーキットの狼」が起爆剤でした。当時のスーパーカーとはイタリアメーカーの12気筒マシンとポルシェターボでした。私もカウンタックやBBのプラモではしゃいだガキの一人でした。スーパーカーブームはモータースポーツの興味へ拡がり、その潮流に乗って日本のサーキットを初めてF1マシンが駆けることになったと理解しています。その時のトップドライバーがニキ・ラウダとジェームズ・ハント。当時から私でも名を知る二人でした。つまり本作はサーキットの狼世代の記憶とシンクロしている作品です。ニキ・ラウダの復活劇にはマジで驚きました。多方面から賞賛の声が聞かれるなかで、火傷跡がシンプルなヒーロー扱いを拒否する厳しさを帯びていました。 長い前置きでしたが、ここからが映画の感想です。まず第一に、当時の記憶の中味を映像で解明&解説してもらったことに感謝です。特にラウダ復活の舞台裏。映画なので多少の脚色もあるのでしょうが、とてもスッキリしました。 競うのはスピードとタイムです。それを決めるのはマシン性能とドライバーのテクニック。しかし本作はもう一つの要素としてドライバーの人間力を掲げています。正反対の性格の片側に軍配を上げず、高レベルで拮抗させることでヒトの可能性を謳っています。能天気にもクソ真面目にも長所はある。そして、互いが部分的に認め合っているところがとても良かったです。「好敵手」と書いて「友」と読む。そんな感じw [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-31 03:49:52)(良:1票) |
104. サウンド・オブ・ミュージック
《ネタバレ》 先日、久しぶりに再見しました。やっぱり10点を付けます。 他愛無いストーリーなのです。嫌な奴だった大佐は急に頼れるイイ奴になるし、そんな奴にコロっと惚れる主人公はチョロい乙女の典型だし、問題児っぽく登場した子供たちもいきなりイイ子たちに変身するし…。でも、ミュージカルに深いストーリーは不要。その見本のような見応えなのです。歌唱シーンへの移行に不自然を覚えないと云う意味で、ミュージカルが大の苦手な私がすんなりと観られるだけでやっぱり凄い作品だと思います。 今回、伯爵夫人の潔さに感心しました。人物像として最もしっかり描かれているのは、実はこの人かと。彼女がひねくれた人だったらこのストーリーは成立していないですよね。 それと、映画で見せられた風景でいつか訪れてみたい場所のナンバーワンが未だにここです。森と湖と草原。本作以降にも美しい風景はたくさん見ていますが、やはり若い頃に覚えたインパクトは色褪せないようです。 [ビデオ(字幕)] 10点(2017-05-16 02:18:56) |
105. ギャラクシー・クエスト
《ネタバレ》 「好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧」で常に上位にランクされていた作品ですが、やっと観る機会を得ました。でも、面白くなかったです。笑いを狙っているシーンなどは、面白いと云うより不愉快な気分で観ておりました。なぜこんなに不愉快なのかと考えさせられました。 TVシリーズの「スタートレック」は私の映像SFのルーツみたいな作品で、今でもリスペクトしています。その作品をバカにされたような気分になったのだと思います。「スタートレック」の世界を現実に引き込み、トレッキーを客観視し、「スタートレック」的なストーリーに仕上げたのは確かに巧みです。でもねぇ、「スタートレック」の役者さんたちが「スタートレック」以外ではパッとしない方々なのは厳然とした事実なのです。知ってるよ、そんなことは。それをネタにしている時点でとても悪趣味だと思うし、必要以上に貧乏臭く設定されているのが気の毒でした。 「面白く作り替える」のがパロディだと思いますが、そこにはオリジナルへの愛が必須です。気難しいこと言いますけど、私は本作に愛じゃなくて悪意を感じてしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-05-16 01:46:08)(良:1票) |
106. ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション
《ネタバレ》 反体制派のミューズ。私は「ジャンヌ・ダルク」を思い出しながら観ておりました。 反体制派もひとつの「体制」であることに変わりは無く、そこに与する以上は本人の想いがそのまま実現されることは難しい。果たした役割は大きくとも、革命と云う流れの歯車のひとつ以上では無かった。そんな虚脱感の漂う決着でしたけど、そういうものだと思います。三角関係は面倒くさかったけど、安らぎのある生活に落ち着いたようで、本シリーズなりのハッピーエンドでしょう。 それにしても、大統領の処刑に併せてハンガーゲームを復活させようとしてグレーが真っ黒になった首相さん。ラスボスとしてはレベル低過ぎですよ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-16 01:09:03) |
107. ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス
《ネタバレ》 2作目まで観たので仕方なく続きを。仕方なくと云うのは2作目が酷かったからだけど、本作はそれほど悪くなかったです。 ハンガーゲームへの出場自体が象徴的な意味合いを持つけど、本作もそれを踏襲していて、その象徴を負わされた者の物語と捉えるとシリーズに筋が通る気がしました。 反体制派がしっかりした基地を作っていてびっくり。せいぜいゲリラ的な組織だと思っていました。搾取されていた人たちの状況を思うと設備が整い過ぎている感アリですけどね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-16 01:02:20)(良:1票) |
108. ゴーストバスターズ(2016)
散漫な映画でした。 と書いて送信ボタンを押したら「コメントが短かすぎます」とのアラートが出ました。以前は「満点!」だけで投稿したこともあったのですけどねw [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-05-15 22:46:35)(笑:1票) |
109. 残穢 -住んではいけない部屋-
《ネタバレ》 面白かったです。ギャーとかヒェエ~てな具合に怖がらせる演出に凝る映画とは違った趣きがあります。知的な興味で呪いや祟りの根源を探究して行く作業が楽しく映りました。クライマックスはお化け屋敷探検。なにも夜に懐中電灯を照らしながら入らなくてもいいのにね。音は聞こえるけど、視界に入らないように配慮している幽霊の奥ゆかしさが良かったです。 なので、最後の最後でありきたりのホラー文法に落としたのがとても残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-15 17:29:09)(良:1票) |
110. その夜の侍
《ネタバレ》 殺してやりたいほどに憎い奴がいるって人はそれなりにいると思います。でも、本当に殺す人は滅多にいません。鑑賞後に最初に思ったことは、主人公に奴を本気で殺す気はあったのだろうか、と云う事でした。 劇中に居酒屋や牛丼屋の身近な固有名詞が出てきます。それらはおそらく日常性の象徴。そんな日常の連続性の中で奥さんが轢死する。轢き殺した奴は絵にかいたような人間のクズで、こちらは非日常の象徴です。主人公が殺意を持つのは当たり前でしょう。でも、殺しを想像することは「日常」の範囲内でも、本当に殺すとなったらそれは「非日常」です。主人公は準備を進めて非日常に踏み込んでいましたが、最終的に一線を越えることは出来なかった。彼は日常に踏みとどまりました。 本作は日常に隣接する非日常を描いた作品です。人は非日常な事象に纏われて初めて日常の有難さに気付く。気付いた時にはかなり浸食されている。怖い映画だと思います。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-15 16:49:54)(良:2票) |
111. 64/ロクヨン 後編
《ネタバレ》 あれ、原作はこんな終わり方だったかな? と思って文庫下巻を持ち出してパラパラと流すとやはり全く違いました。確かに原作の最後は主人公が頭の中で色々と反芻する描写が多くて映像化は難しいのですけど、この解決はあまりに安直。あれだけ大量の捜査員を投入しているのに、広報員が犯人を捕まえたらダメですよ。前編は仕事上の板挟みがテーマでしたが、そこは半端に放り投げたままで焦点がブレていると思います。なんとなく口当たり良くまとめた印象。TV局が製作に入ってる映画ってこういうのが多い気がしますね。 緒方直人の犯人役、烏丸せつこの老け役に時の流れを感じました。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-05-15 14:05:22) |
112. 64/ロクヨン 前編
《ネタバレ》 最近流行りの前後編に分かれた映画です。その作り方には甚だ疑問を覚えておりますが、本作はかなりマシな部類だと思いました。結末には至りませんが、見応えがありました。 仕事に於ける「板挟み」がテーマでした。上司、部下、遺族、記者、捜査現場、etc。そられの順列組み合わせを網羅する勢いで板挟みを重複設定して主人公を追い込みます。そのストレスと主人公の対応が見どころでした。中間管理的な立場にいるサラリーマンなら共感する部分は多々あると思います。 主人公は被害者では無く、自身の都合や思い込みが昂じて立場を悪くしている部分もある。つまり自業自得的な側面です。それが分かりやすくストーリーに重みを付与しています。「クライマーズハイ」でも思ったことですが、この原作者は仕事上の立場と「我」のアンバランスを描くのが上手ですね。 瑛太が格別に憎ったらしい。憎ったらしい奴がいる映画は最低限の質が保証されます。 それにしても、娘がグレている理由が主人公にとって救いようが無いほどに辛かった。素直に同情。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-14 02:55:44) |
113. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 フツーに面白い映画でした。褒めているつもりです。テーマ性などは特に無いのですが、全く退屈せずに楽しめました。そういう映画って実は稀少です。オープニングで飛行機から飛び去る際の切れ味と、バイクシーンのスピード感とハングオンが特に印象に残っています。 余談ですが、よく走る主人公に感心します。私、この方と同年の生まれ。私の方が少しだけ年上。今年は四捨五入で還暦になる歳ですよ。でも、若手のアクション系俳優と較べて遜色ないほどに走り回ります。だから最前線のハリウッドスターな訳ですけど、同世代の活躍からは励ましを貰います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-14 01:48:46) |
114. バクマン。
《ネタバレ》 原作は大好きで何度も読んでいます。そして、読むたびに少し涙腺が緩むほどに揺らされています。いい歳したオッサンがジャンプのマンガに、です。平成の原作ですが、昭和のスポ根的なストレート描写に惹かれている自分が意識されます。 そんな原作ファンから見ても、本作は上手に映画化されていると思いました。省略はあるけれど、それが気にならないくらいにエッセンスの抽出が秀逸でした。エイジとの漫画対決の映画的解決には感心しました。キャストも良かったと思います。特に川口たろう役のクドカンと福田真太役の桐谷健太。敢えて云うなら蒼樹紅が丸ごとカットされたことは残念でしたケド。 映画の評価じゃないのですけど、原作が「漫画の編集者」の仕事内容に光を当てたことをもの凄く評価しています。コンテンツ産業を支える裏方的な仕事でありながら、しっかり作品の内容にコミットして作者たちと共に歩む。あの原作を読んで漫画の編集を志す人が増えたと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2017-05-14 01:23:07) |
115. 千年女優
《ネタバレ》 ある女優が演じた映画的視覚記号の永続性を映画愛に絡めているようです。それは分かります。私にも永遠のヒロインはいます。「千年」は女優が演じた舞台の時代の変遷。普通の人生はいいところ100年ですけど、大昔から未来まで、様々な役柄を演じることでそれぞれの時代の空気と人生を疑似体験できる職業の素晴らしさにも触れています。経済社会の流れに乗らずに「役者」を続けている方はそんな魅力から離れられないのだと思います。 で、本作の評価ですがさほど面白くなかったです。女優が演じた時代によって目先の見え方は変わりますけど、やっていることはどの時代でもさほど変わらず。それに単調を覚えて少し眠くなりました。映画のテーマがメッセージとして強く響いて来なかった。映画人が映画愛を語る映画としては、私はイケてない方に分類しました。 「追いかけている自分が好き」は印象に残る台詞でした。ストーカーの話じゃないことは容易に想像がつきます。女優業に限らずですが、生涯を通して追いかけるものがある人生って憧れます。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-05-14 00:35:48) |
116. 寄生獣 完結編
《ネタバレ》 田宮(深津絵里)の台詞「私たちをいじめるな」は原作を読んだ時にも響きました。地球にはヒト以外に言葉を喋れる生物はいません。寄生生物の言葉は、ヒトの所業を客観視しながら、ヒトを除く地球の全生物の想いを代弁しているようにも聞こえました。主人公の味方であるミギーもヒトの特殊性に言及していましたが、それが伏線として生きるテーマ的な台詞だったと思います。原作には文明批評の風格がありました。 で、本作ですけど、その田宮の台詞が比較的あっさり流れて行った印象でちょいと残念でした。もうちょっとやり方なかったかなぁ。この監督さんの演出は、悪い意味での邦画的な湿気が時おり顔を覗かせます。それと最強パラサイト後藤の凄みが原作ほどには伝わってこなかったことも残念でしたね。指摘している方もいらっしゃいますが、後藤がなぜ暴れているのかもよく分からない。後藤を倒した放射性廃棄物は映画用のアレンジですが、時勢を見合わせても安直に感じました。 最後に、人口が減り始めた現在に映画化したのは、やはり機を逸したという意見です。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-04 15:19:40) |
117. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
《ネタバレ》 アベンジャーたちの会話はそれぞれの個性を引き出していて、ここに至る作品を観ていると随所でニヤッとします。でもねぇ、壊しすぎですよ。本作ほど一般人の避難を気に掛けている映画も珍しいのですけど、私はやっぱり避難させられる方々が気の毒で、鑑賞中は楽しい気分じゃなかったです。こんな感想を持つのは、自分が歳を取った証かなとも思うこの頃ですけど。 アベンジャーズが強すぎるのでストーリーを成立させるためには強い敵役が必要です。しかし、本作ではその相手を身内が作っていました。スタークは最後に「少し休養する」と言ってましたが、今回の災害の責任を問われることは無いのでしょうか? 街がまるごとひとつ無くなっています。 スタークの考え方は前作で受けた地球外からの侵略に対する防衛意識が伏線になっています。でも、代償が大きすぎると云う意見です。人工知能が自意識を持つ危険性を考えることは真っ当なテーマだと思いますが、その手前で躓いている感しきりです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-04 14:23:06) |
118. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 復讐のために生に執着したはずなのに、その意思を土壇場で神に委ねたのが何とも残念でした。復讐を肯定したくなかったのでしょうけど、あの結び方は頂けない。主演の役の作り込みだけが特筆される内容になりましたが、受賞は正当な評価だと思います。アメリカ先住民が登場する映画の舞台はジョン・ウェイン的な乾いた荒野の認識しか無かったのですけど、こういう場所でも先住民は生活していたのですね。新鮮でした。 [映画館(字幕)] 5点(2017-05-03 14:54:28) |
119. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 理屈抜きに面白い映画、と云う評価です。 破壊や暴力の理由を世界観だけで補完しながらガンガンと進む。主人公が台詞を発する必要も無い。30年を経て復活したマッドマックス。リメイクでは無く「2」で提示した世界観を引き継いだ新作でした。そして、その設定が初めて十全に活かされた作品だと思いました。「サンダードーム」なんぞとは骨の太さが格段に違う。 荒廃した世界の絶望と希望がテーマで、そこはとてもシンプル。このシンプルさが分かりやすく見応えに繋がっていて、それを言葉で説明する必要を感じません。アクション映画のアクションに久しぶりに圧倒されて幸せでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-03 14:22:05)(良:2票) |
120. マッドマックス サンダードーム
《ネタバレ》 主人公が荒野の交易砦の覇権争いに巻き込まれたようなお話ですけど、そもそも何のために覇権を争っているのかが分かりません。そこに子供たちを絡ませてファンタジーにしてしまったので、ますます分からん。主人公をちょっと捻くれたヒーローにしたかったみたいです。思いっきり滑ってます。 [ビデオ(字幕)] 3点(2017-05-03 13:58:40) |