101. ザ・ファブル
《ネタバレ》 原作未読で視聴。だって木村文乃が出てるんだもの。 ファブル本人はさておき、佐藤浩市の強さが尋常ではない。ファブルがあれだけ手こずったフード野郎を一言も発せさせずに瞬殺。相変わらず別格の演技。 柳楽君の演技もぶっ飛んでいて、あれだけやられると主役もやりづらいだろうなあとちょっと心配になった。硬軟のバランスがよく、楽しんで観られる映画だった。 惜しむらくはもう少し文乃さんを出して欲しかったかな。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-11-12 18:45:15) |
102. ピアノ・レッスン
《ネタバレ》 砂浜に置かれたピアノ。 このアイデアだけでも映画として充分成立している気がする。 ホリー・ハンターはこういうけだもののような女性を演じさせると、他の追随を許さない怪しさが魅力だ。ハーヴェイ・カイテルの武骨さは今更説明の必要がなく、その個性と個性が惹かれあうのは、多分理屈を超えている。 私が一つ解せなかったのは、なぜ娘は母を売るような行為に及んだのか、ということ。 それまでの母娘の関係性からはちょっと予想できない行動だった。 それも、ピアニストの指を切り落とす、という画が先行して、無理やりこじつけた結果かもしれないが。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:18:32)(良:1票) |
103. SHE SAID/シー・セッド その名を暴け
《ネタバレ》 このレビューを書いているのは2023年の10月なのだが、日本の芸能界でも大きな問題となった、例のプロダクションの事件と比べながらの鑑賞となった。 配役の実権を握っている制作会社や大物プロデューサーの申し出を拒めば、その後干されることは目に見えている中で、仕方なく泣き寝入りした俳優たちはいったい何人いたんだろう。アシュレイ・ジャッドやグイネス・パルトロウの実名が出てくる部分はドキュメンタリーの迫力があり、それが事実であることを訴えるのに充分な演出。 吐き気を覚えるやり口が、映画業界で二度と繰り返されないことを願う。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-10-18 16:08:46) |
104. ジョン・ウィック:コンセクエンス
《ネタバレ》 そうか、もうこのシリーズは観られないのか。 終わった瞬間に萌したのはそういう感情。 もうほとんどストーリーなんてそっちのけで、ひたすらキアヌのアクションを楽しむ。 真田広之とドニー・イエンという現アジアの最高峰のキャストを迎えて、アクション任侠映画としては、もういうことない出来。 俯瞰でみる曳光弾的なライフルの演出も面白い。いや、そういう画が観たかったのよ。 パラベラム辺りから、ちょっとそれは虫が良すぎるんじゃないかと思い始めていたが、今回も旧友を死闘に巻き込む自己中な展開。 コンセクエンスを受けたのは、実は掟を破りまくったジョン・ウィックだったのかもしれない。 だから、この辺りがきっと潮時なんだろうね。 アクション映画の世界にその名を刻むであろうシリーズのラストを映画館で観られたことに感謝したい。 [映画館(字幕)] 8点(2023-10-18 15:53:55) |
105. 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。
《ネタバレ》 死霊館シリーズ、けっこう観てしまうのは、どの作品もそれなりに見応えがあるからかな。 本作も、呪いの連鎖がつながっていく様はなかなかスリリングな展開。 呪いを成就するまでのハードルがかなり高くて、こんなことするくらいなら、日本に来て丑三つ時に藁人形に五寸釘を打ち込んだ方が手っ取り早いな、なんて不謹慎なことを思いながら鑑賞。 魔女の居所を突き止めていくくだりもサスペンスタッチで面白かったし、映画として最後まで楽しめる良作じゃないかな。 主役二人が学生時代から強い気持ちでつながっている、というのも嫌味にならない程度に押さえられていて、好印象。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-09-13 16:05:46)(良:1票) |
106. ブギーマン(2023)
《ネタバレ》 ブギーマンなるものの存在は前半非常に禍々しく、じわじわと恐怖が増していったのだが。 そもそもこのブギーマン、なんでこの父子に憑りついたのか。 カウンセリングに訪れた男が連れてきたことに間違いはなさそうだが、じゃあこのブギーマンって何ものなのか。精神的に参っている人を狙って憑りつくのか。それなら世の中に五万といると思うのだが、なぜあの一家に?というのが明らかになっていたら、後半の恐怖がさらに増したのではないかと思う。 銃やナイフで殺せるってことは実在してるんだよね。 ブギーマンとは?って続編とかあるのかな。 主役の娘が「そこにいるなら炎を揺らして」と母親に願うシーン。最後の最後で母親が守ってくれた、という流れはぐっと来た。 原作者に敬意を表して加点。 [映画館(字幕)] 7点(2023-08-22 13:47:08) |
107. 曲がれ!スプーン
《ネタバレ》 タイトルは知っていたのだけれど、ヨーロッパ企画製作って知らなくて、今更視聴。 ド派手なアクションとか、人生をひっくり返すような壮大なドラマとか、想像もつかないSFだとか、そういう映画もいいけど、この手の映画もやっぱりいいのだ。 エスパーって聞くと私なんかは「超人ロック」のような人智を超えた能力の持ち主をイメージしてしまうのだが、本作のエスパー陣はその能力もほぼ日常的で、だからどうなの?なレベル。 喫茶店で繰り広げられるドラマは、さながら大学生の会話のようでいつまで経っても進歩がない。そこで突如現れる長澤まさみ。 大学生乗りの彼らにとって、マドンナの登場はいつもドキドキで胸の高鳴りが止まらないものだ。ただ、彼らが大学生と違っていたのは、彼女の願いを叶えようと一致団結すること。サンタを飛ばすアイデアは私にはなかったが、そう来たかと。 ラスト辺りで「サマータイム~」の部室に電気が灯るのはちょっと嬉しかったね。 愛すべき映画じゃないかな。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-08-22 13:32:39) |
108. リバー、流れないでよ
この映画を観ながら思ったことは、映画ってほんとはこんな風に楽しむものなのじゃないかと。 最初から最後まで、終始劇場内の笑い声が絶えることはなく、その空気と時間を楽しむ心の余裕が心地よかった。 一人で家で観ても、きっと映画の面白さが損なわれることはない。 でも、劇場で見知らぬ人たちと、映画を楽しみ、心から笑う。 そんな稀有な経験を久しぶりに得ることができた。 もちろん映画としての面白さは、さすがヨーロッパ企画。 いや、いい映画だったな。劇場で観たい映画。 [映画館(邦画)] 9点(2023-08-18 10:22:44)(良:1票) |
109. パイラン
《ネタバレ》 チェ・ミンシク上手いなあ。 こういう役をやらせたら本当に上手い。 前半のチンピラでのくずっぷりのシーンが長い気がしたが、後半にかけてそれが見事な効果を上げている。 浅田次郎原作なんだから、そもそも泣かせにかかっている映画なんだけども、それがあざと過ぎないバランスの良さは、やはり役者の上手さにある気がする。 でもやっぱり韓国映画。 美しい涙で終わらせてくれるはずもなく。 最後のシーン、パイランの元に行けるなら、その方が彼にとっては幸せなのかもしれないが。 この辺が現実の容赦なさを突き付ける韓国映画の真骨頂かな。 パイランの純粋さに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-18 10:14:03) |
110. リボルバー・リリー
《ネタバレ》 これはね。 主演の綾瀬はるかが気の毒。 ハードボイルドを謳う宣伝に釣られた私が勝手にハードルを上げていたことにも責任の一端はあるが、あまりにもリアリティがなさ過ぎた。 いや、出だしは良かった。屋敷での容赦ない殺戮は、全員被ってるパナマ帽以外はなかなかの滑り出しだったのだが、敵役の軍人がちょっと演技が過剰な割にダメダメで敵役としては物足りなかったし、同業者の殺し屋も若過ぎて迫力が感じられなかった。 それと、この手の映画に山本五十六を実名で登場させるのはいただけない。 映画の救いはシシド・カフカと吹越満。いや、吹越さんは役者だね。彼の出演シーンは安心して映画に没入できた気がする。 [映画館(邦画)] 3点(2023-08-18 08:11:03) |
111. ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
《ネタバレ》 前作辺りから感じてはいたのだが、話がややこしい。 このご時世、国際情勢とかいろいろ複雑だし、イーサンが与えられる任務もその辺を反映してるんだろうけど、もう人物とか組織とか入り組んでて、私の楽しめる理解を越えていた。 ただ、鍵を合体させるというところはインディジョーンズみたいで、昭和感があって良かったけどね。アクションは、もう列車の上もバイクも車もやりつくした感があって、目新しさはなかったかな。列車が次々落下していくシーンもジュラシックパークで観たような。 個人的には、イルサが消えてしまったのが非常に残念。新加入のスリの女性は、秘密組織に入るのに手続きそんなんでいいのかよって心配になるくらい適当な感じで加入。いや、これはパート2で新たな謎が明らかになるのかな。 でももう観に行かないかも。 もうちょっと話が簡単にならないもんかなあ。 子どもにそもそもおすすめしない映画だけど、子どもが観ても理解できないね。 まあその辺は観てる私の理解力に問題があるので、評価が難しいのだけれど、とりあえずこの点数で。 [映画館(字幕)] 6点(2023-08-18 07:59:49) |
112. アンホーリー 忌まわしき聖地
《ネタバレ》 キリスト教のいわゆる「奇蹟」としての筋立てとしては非常に面白いと思ったのだが、謎解きに説得力がないとは言わないまでも、驚きとか悲しみという要素が欠けているために、少し中途半端な印象で終わってしまった。 しかし特筆すべきはジェフリー・ディーン・モーガン。 海外で「ウォーキング・デッド」の浸透度がっどれくらいあるのかわからないが、見事に極悪非道な敵役からの脱却に成功していると思う。連続ドラマって売れる上では大きなチャンスなんだろうけど、一旦それで知名度が上がると、ずっとその役のイメージがついて回って、結局役者として悲しい結末を迎える、という例は多いが、彼にはその心配は不要のようだ。そもそも声も顔も声も渋い男だから、こういうちょっとやさぐれた感じの役は見事にはまる。彼の今後に期待。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-08 12:43:07) |
113. テリファー
《ネタバレ》 登場するピエロが強いんだか弱いんだか人間なんだかそうじゃないんだかよくわからない不気味さでぐいぐい押す映画。 中途で挟まれる殺人シーンがかなりきついので、免疫のない人はまず鑑賞には向いていない。失礼ながらほとんど知られていないこの映画を観ようという人は、それなりにこういう映像に強い御仁であるだろうから心配は無用か。 13日の金曜日のジェイソンや、テキサスチェーンソーのマスクマンのように、言葉を発しない殺人鬼は恐怖心を増幅させるものだが、本作のピエロは恐怖心よりも不快感の方が先に立ち、そういう意味では成功している。 続編も公開されるようだが、さらにパワーアップしているのか、それとも万人向けに大人しくなっているのか。それを見届けるために劇場に足を運びたいと思う私は、まんまと術中にはまっているのかもしれない。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-08 12:27:58) |
114. サマリタン
スタローンはちょっと陰のある役をやらせたらやっぱりいいんだよなあ。 70歳を越えてあの肉体を維持し続ける精神力は、やはり元祖肉体派俳優のプライドの成せる業かな。 話があんまり複雑にならず、単純に善と悪の戦いになっているのがいい。 最近は政府の秘密組織とかシンジケートとかなんだかいろんなものが絡み合って結局誰が悪党なのかわからない、下手したら誰も悪くない、みたいな映画が増えてきたので、観るのに疲れちゃうんだよね、そういうの。 いつまでできるかわからないけど、スタローンには肉体派でいて欲しい。 そんな人たちには心のオアシスになる一本。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-08 08:16:15) |
115. ライダーズ・オブ・ジャスティス
《ネタバレ》 マッツ・ミセルセンの武骨さとお笑いトリオ三人のバランスが絶妙な一本。 のっけから緊張感のある電車の爆破シーン。 テロかと思いきや、街のチンピラ同士のいざこざが発端らしい。 ハードボイルドに攻めるのかと思いきやコメディタッチになり、敵方に殺されそうになっている気の毒な青年を救うシリアスな展開もあり、とにかく目まぐるしく進む映画で観ている方は泣けばいいのか笑えばいいのかちょっと戸惑いつつ鑑賞。 まあ予備知識なしで観たらいいんじゃないかな。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-08 08:06:11) |
116. シャドウ・イン・クラウド
《ネタバレ》 冒頭からスパイ臭さ全開で登場するギャレット。 彼女が極秘任務として抱えるケースにはいったい何が入っているのか。よく見ると空気穴のようなものが見えるが…。 暖機運転もあまりせず、早々にグレムリンが登場するテンポの良さがいい。グレムリンが機体を破壊するシーンは、多くの人がトワイライトゾーンを想起したんじゃないかな。しかしここからがこの映画の真骨頂。 ギャレットがイーサン・ハント並みのアクションをド派手に演じ、極秘任務のケースに入っているのはまさかの赤ん坊。想定外のことが次々起こるし、初っ端から出し惜しみせずにグレムリンの姿も露出。まあこの辺り、映画の主眼が怪物じゃなく、女性の強さを描くことにあるからなんだろうな。日本軍のゼロ戦が変に悪役にされてないところも好印象。 子どもだとばかり思っていたクロエ・グレース・モレッツも、いまやすっかり大人の女性になって、若い男から憧れの対象として見られる歳になったんだなあと少々感慨深い。 ラストでグレムリン相手に生身で格闘するシーンもスカッとして最高。 ただ、赤ん坊の父親は出てこない方が良かったかな。なんだかパッとしない男だったし、ヒロインの相手役としては完全に力不足。ギャレットが一人で奮闘!の方がしっくり来たかも。 まあそれを差し引いても映画としての面白さは損なわれることはない。 クロエ、やっぱりいい女だなあ。そこに加点。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-08-07 08:12:15) |
117. ファーストラヴ(2021)
謎を解く、というよりも、二人の女性の気持ちに寄り添っていく、という感じが強い。 とにかく光るのは役者の演技かな。 凄みと怯えを演じ分ける芳根京子の演技は素晴らしいと思ったし、中村君と窪塚君の演技も自然で良かった。特に窪塚君はこんなにいい役者だと思ってなかったので、他の出演作も観てみたいと思った。 そして北川景子。彼女については、演技よりもまずその凛とした美しさに惹かれてしまう。美貌という点では、映画界でも屈指じゃないかな。 かつての岩下志麻に比肩する美しさ。そこに加点。 ただ、中村君の髪型はちょっとね。もう少し普通にしてて欲しかったな。 [インターネット(邦画)] 7点(2023-08-04 08:14:43) |
118. トランスフォーマー/最後の騎士王
《ネタバレ》 悪いロボットから地球を守る、という極めて単純な勧善懲悪でありながら、ロボットの人間関係ならぬロボット関係が複雑で、ちょっと私の理解を越えていた。 敵方のクイーンはなんだかスピーシーズっぽくて、もっとロボット感が欲しかったなという印象。ただ、バトルシーンの出来はやはり素晴らしく、ラストでプライムが勝負を賭けるシーンでは胸が騒ぐし、主役の人間二人が地球のために命を懸けるシーンも、それだけで胸が熱くなってしまう。そういう見せ所を押さえた造りはさすが。 惜しむらくは、プライムの裏切りが中途半端で危機感に乏しいことかな。どうせ裏切るならもっと盛大に裏切って欲しかった。 主役の男女二人の軽妙なやり取りも魅力の一つで、少女との絆もラストでぐっと来た。 日本のアニメが原作なんだから、たいしたもんだぜ、日本のアニメ界。 そこに敬意を表して加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-04 07:57:14) |
119. らせん
《ネタバレ》 これ封切り当時に観たときはかなり怖かった気がするんだけども、今観ると、その当時の「リング」怖いぜ!の風潮がすでにないせいか、なかなか気分が乗らなかった。 自分自身が怖かったという記憶でハードルを上げてしまったせいかもしれない。 観ても死なないために、死なない方法を探る、というアプローチは間違っていないと思うし、それを科学的・医学的にやろうというのも嫌いじゃない。 得体の知れなさが結局遺伝子レベルにまで影響する、というのは、もはや我々は抗えない感じがあって、すげーな貞子!と素直に思ってしまう。 真田裕之はホラー向きだけど、佐藤浩市はホラー向きじゃないな、とぼんやり思いながら鑑賞。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-08-03 07:48:32) |
120. ウィッチ
まあ結論から言いますと。 よくわからない、が先に立つ映画。 最近御ひいきのアニャ・テイラー・ジョイが出てなかったら多分観てないかも。 黒羊が言葉を発するシーンで、キリスト教徒は恐怖のあまり慄くのか、それとも笑ってしまうのか。ぞっとすることができなかった私は、おそらく一番の衝撃シーンであるこの場面を楽しむことができなかったのが残念。 そして、子どもが熱演するホラー映画を観ていて思うのは、果たしてこの子たちは試写会に呼んでもらえるのかなと。 官能的な要素も強いし、映画出来上がってから見せてもらえんのかなあ。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-02 16:22:01) |