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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2593
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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1281.  アース
2008年一発目の鑑賞作品は、“地球”そのものをストレートに映し出したネイチャー・ドキュメンタリー。 昨年末から公開された予告編の圧倒的な映像を見て、「これはスクリーンで見なければならない」と心に決めていた。  今、立っているこの地球の美しさと壮大さ。それは、地球上に生きる誰もが、知るべき、“知られざる世界”だと思った。 すべての人間が、この実態を知れば、きっとこの惑星はもっと豊かさに溢れるのではないか。  この惑星に生存する幾多の生物、その誰のためでもなく、人類自らのために、この惑星の豊かさを保っていかなければならないと思う。
[映画館(吹替)] 7点(2008-01-14 14:00:47)
1282.  アイ・アム・レジェンド
ウィル・スミスは一体何回地球を救えば気が済むのか。 と、もはや“はまり役”とも言える”救世主役”をウィル・スミスがいつものように陽気にこなすエンターテイメント大作だろうと気軽に構えていたのだけれど、想像以上に「恐怖」に溢れた作品だった。  この映画での最たる「恐怖」。それは、全世界を滅ぼす細菌の恐怖でも、闇の中から急襲してくるゾンビ化した感染者たちの恐怖でもなく、たった一人世界に残されたという「孤独」に対する恐怖だ。  愛する家族を皮切りに、周囲の人間が次々に失われていき、ただ一人世界に残された男に与えられたものは、果てしない絶望と、愛犬のサム、そして「残された世界を救う」という盲目的な使命……。  悲壮感に溢れつつも、決していつものノリも忘れないウィル・スミスは、主人公としてバランスがよく安定感があった。 映画の大半を一人で立ち回ることができるのも彼の俳優としての実力があればこそだろう。  エンターテイメント大作として申し分はない完成度は保っており、主人公が悪戦苦闘するアクション性と共に、孤独に対する悲哀にも溢れ、一辺倒ではない映画として仕上がっていると思う。 ただ、ゾンビ化した感染者についての伏線が中途半端に張られたままで解消されていなかったり、そもそもの原因となるウィルスについてやや説明不足な感も残ったのは、残念。  まあ、とにもかくにも、今後ともウィル・スミスには地球を救っていってもらいたいと思う次第。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-30 19:07:41)
1283.  オーシャンズ13
前2作の時にもそれぞれ結論付けたことだが、このシリーズについてはキャスティングの強引さだけで、もうすでにエンターテイメント映画として“勝っている”。 「キャスティングが豪華なだけ」だとか「キャスティングに対して深みがない」とかいう声もチラホラ聞こえがちだが、はっきり言ってそういう観点はナンセンスだ。 豪華過ぎるキャストが問答無用に“娯楽性”を繰り広げる。ただそれだけで、もう問題は無い。 演出力、脚本力、撮影力……そういう映画製作において欠かせない要素の一つとして“キャスティング力”というものは確実に存在し、それが秀でているということは充分に評価に値する。  とまあこうやって“ごたく”を並べることこそまさに無意味。 スティーブン・ソダバーグ監督独特の映像感覚と、このシリーズならではの“オサレ感”を存分に感じながら、エンターテイメントをただ楽しめばそれでいいというもの。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-29 18:42:37)
1284.  ボルベール/帰郷
スペイン独特の「熱情」を礎に、ひたすらに密度の濃い人間模様を映画世界に吹き込んでいくペドロ・アルモドバル監督の最新作。 スペインの宝石であり、アルモドバル監督の秘蔵っ子でもあるペネロペ・クルスが、何をおいてもスゴイ。 円熟味を増した美貌と女優としての存在感が、強烈なまでに溢れ出し、ただ画面に映し出されるだけで、映画の世界と観客を支配してみせる。 彼女は、間違いなく今女優としての最盛期を迎えている。そのタイミングで主演した今作が彼女の代表作の一つになることも、間違いないだろう。  母親として、妻として、そして娘として、「女性」であるが故の本質的な苦悩と本能を、辛辣で際どいテーマをもってぐいぐいと物語っていく。 女としての弱さと強さ。生きることに対する強かさと儚さ。 そういう激動する感情を、ひとりの「女性」そのものの存在で伝えてくる。  ただ、ストーリーの展開に対してあまりにテーマ重々し過ぎるというか、バランスが悪い印象も受けた。 主人公らが背負う運命にあまり説得力がなく、重い十字架を無理矢理背負わされているという違和感が残る。 そういう部分が、もうひとつドラマとして入り込めなかった要因だろう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-29 16:10:25)
1285.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
内戦渦のスペイン、残酷で悲痛な運命の中に放り込まれた一人の少女、彼女が迷い込んだ幻想的な「迷宮」は、現実か妄想か。  まず自分の想像以上に、痛々しく悲劇的展開が衝撃的だった。 悲劇的な運命の中で主人公の少女がファンタジーの世界に入り込み光を見出していくという展開を想像していただが、決してそんな生易しいものではなかった。 どこまでも暗い闇の中で、少女が自分に対する唯一の救いどころとして見出していくもの、それが「幻想」だった。  物語が始まった時点で、少女の精神は崩壊していたのかもしれない。 少女が迷い込んだのは、光に溢れたファンタジー世界ではなく、闇の中の限界の淵で辿り着いた、幻想世界だったのだろう。  戦渦の薄暗い山村とその中で見え隠れする妖しい幻想世界を、独特のビジュアルで描き出した映像美が素晴らしい。 時に痛々し過ぎるほどの描写も、確固たるビジュアルセンスによって作品の中で違和感なく溶け込んでいる。  基本的に「悲劇」は苦手で、出来ることなら見たくない。 だが、残酷な運命に対する少女の人間としてのひたむきさ、そして魅惑的な少女の幻想世界にどんどん引き込まれていった。
[映画館(字幕)] 7点(2007-12-02 21:55:21)
1286.  恋愛睡眠のすすめ
これ以上ないほどのクオリティーによる“手作りの映画”。 紙や布や木で作り込まれた“夢”と“現実”の狭間で、生き方に不器用な主人公がハッピーを目指して奔走する。  考えてみれば、「夢」ほど己の存在のみで作り上げられた世界は無いのだと思う。 自分が作り上げた“世界”である以上、そこへ逃げ込むことも、そこから抜け出すことも、本人の自由であり、他人からの否定を受けるものではないのかもしれない。  現実世界での行き詰まりを夢の世界で解消していく主人公の姿は、滑稽で少し哀しいけれど、人間として実にありのままの姿なのではないかと思う。  夢想の中でもがく主人公をガエル・ガルシア・ベルナルが愛嬌たっぷりに好演し、こういうファンタジックで特異な世界観を描き出すことに秀でたミシェル・ゴンドリーの映画世界に違和感無く息づいて見せたと思う。  「夢」という浮遊感溢れるテーマであるから、ストーリーとしての結論の出し方は、これで間違いはないと思う。しかし、同監督の前作「エターナル・サンシャイン」と比較すると、映画のストーリーの「力」には大きな差があるように感じる。 一概に言えることではないだろうが、「脚本にチャーリー・カウフマンが入っていれば……」という無責任な思いは残った。  手作りの可愛らしくて、ファンタジックな映像で彩られた夢の世界。ただ、現実はそれと表裏一体で存在する。そのことをしっかりと描いているからこそ、この映画は短絡的にハッピーには辿り着かない。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-08 03:24:32)
1287.  スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
今の日本映画を代表する蒼々たる豪華キャストを配し、さらにはハリウッドの鬼才クエンティン・タランティーノまで呼び込んで、そもそもの設定から無理がある「日本版西部劇」を押し通してしまえるのは、やはり三池崇史をおいては他にいない。というよりも、この監督が存在しなければ、“スキヤキ・ウエスタン”なんて企画はそもそも生まれ得なかったろう。  そういうわけで、この映画は、こうして「映画」として成立している時点で、“勝ち”だと思う。  相変わらずの毒々しさや、ナンセンスなユーモアには思わず眉をひそめてしまう部分もあるにはあるが、そこは「三池崇史の映画」である以上仕方がない。ストレートなエンターテイメントとしてまとめろというのは無理な話である。  「スキヤキ・ウエスタン」という根本的に破綻している環境設定の中で、曲者ぞろいながら実力派のキャストが揃ったことで、異色の娯楽映画としてまかり通していると思う。 佐藤浩市が横暴な悪役ぶり、安藤政信のキモ男ぶり、香川照之のキレっぷりなどなど、それぞれの俳優に見所は多い。  オープニングでタランティーノが、スキヤキをほおばって恍惚となる映画などこの先もう生まれまい(当たり前だが)。
[映画館(字幕)] 7点(2007-09-24 22:16:42)
1288.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
ジョニー・デップは昔から大好きだし、なんだかんだ言ってもエンターテイメント大作は嫌いではない。加えて、ディズニーランドで一番好きなアトラクションは「カリブの海賊」だし、パート1も凄く面白かったと思う。 なのに、このパート2はなんだかなかなか観る気になれなくて、結局パート3を観る直前にやっと観ることになった。  まあ結局のところ“面白かった”とは思う。 特にストーリー性は無いし、前作にも増した映画全体の“ドタバタ感”(特にジョニデのそれ)は、やややり過ぎな印象を受けなくもなく、長い尺も手伝って間延びする感覚は否めない。が、それでも娯楽映画としてまとめ上げているところは、映画として一定の“質”を保っているからだと思う。  個人的には、娯楽映画シリーズ特有の「次作への余韻」に弱いので、ラストシーンでジェフリー・ラッシュが登場した時点で一気にパート3への期待は高まってしまった。  「スター・ウォーズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」などに代表されることだが、もうこういう映画の場合、その世界自体が好きな人は問答無用に「OK」だろうし、別に何の愛着もない人にとっては圧倒的に「NG」になり得ると思う。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-26 11:58:07)(良:1票)
1289.  ブラック・ダリア
ブライアン・デ・パルマ監督らしい作り込まれたフィルム・ノワールの映像世界に引き込まれる。  一人の女性の惨殺死体にまつわる数奇な運命たちが複雑に絡み合い、謎が謎を増幅させる展開力は、この監督ならではだろう。 が、同時に、「結局何だったのだろう?」という払拭されない“モヤモヤ感”が残るのも、デ・パルマ監督作品ならではで、ストーリー自体は理解できるが、映画として一抹の「消化不良」が残ってしまったことも事実ではある。 まあ、もはやそれすらも“味”としてしまえば、問題ではないと思ったりもする。  出演俳優がそれぞれしっかりしているので、彼らのやり取りだけでも結構見せる。 個人的に最近「良い」と思わされることが続いているのは、ジョシュ・ハートネットだ。甘い風貌に反した、こもった声とどこか屈折した感じが漂う存在感が、良い味を出し始めていると思う。そういった彼の特徴に合った役柄が続いていることも、彼の俳優としての存在価値を高めていると思う。  本当は昨夜(土曜の深夜)に観たかったのだが、眠たくて叶わず、結局日曜の寝起きに観てしまった。もちろん日曜の朝っぱらから観るような映画ではない。 晴れ渡る青空がイヤに眩しい。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-20 12:44:32)
1290.  スパイダーマン3
サム・ライミという映画監督が描き出したこのスパイダーマンシリーズは、「ヒーロー」が必ずしも“完全無欠”ではなく、主人公のピーター・パーカーをはじめ登場人物たちがそれぞれ“未完成”であるということが、何よりも映画としての価値を高め、量産されるアメコミヒーロー映画の中で頭一つ抜け出した存在位置を確保し得た要因だと思う。  「スパイダーマン」というどこからどう捉えてもヒーロー映画的なタイトルを掲げながら、実のところは、ピーター・パーカーを中心とした成長映画であり、青春映画だったのだ。 そして、サム・ライミのシリーズとしては「完結編」であろう今作は、そういったこれまでの要素にふさわしいキャラクターたちの“葛藤”をとくとくと描いた作品に結した。 “ヒーローであることに対する慢心”、“ヒーローが恋人であることによる嫉妬”、“ヒーローに傷つけられたことに対する憎悪”、それぞれの人物たちが未完成だからこそ起こり得る心の乱れと苦悩。それらはまさに「スパイダーマン」で監督が描きたかった本質だと思う。  とまあ、概ね満足感は高い映画だったが、完結編の性なのかどうにも“詰め込み過ぎ”な印象もあった。 “ハリーとの対決”、“サンドマンとの対決”、“ベノムとの対決”、“MJとの確執”、そして“自分自身との対決”と、何せ今作のスパイダーマンは忙しすぎた。そのせいか、前作までと比べると明らかにテンポの悪さを感じてしまったことは否めない。ピーターが壊れていく様など、もちろん必要な描写ではあるけれど、少々くどかったのではないかと思う。  が、しかし、ヒーロー映画に不可欠な“テンポの良さ”やそれに伴う単純な“爽快感”に負荷を与えてでも、キャラクターたちの描写に力を入れたことこそ、このシリーズがただのヒーロー映画に留まらなかったことの「証拠」であろう。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-13 13:43:27)(良:1票)
1291.  サンシャイン 2057 《ネタバレ》 
いわゆる「SF超大作」という娯楽大作にここのところ“当たり”が少なく、もはやネタ切れ状態なのか、“よくあるパターン”の作品が多い。 この「サンシャイン2057」にも、そういう不安はあった。真田広之が宇宙船の船長役で出演していることはとても興味深かったが。観ようか観まいかウロウロと悩みつつ、ふとポスターを見ると重要な要素を見落としていた。 「監督 ダニー・ボイル」。 さすがに一筋縄ではいかない作品に仕上がっていると思う。  脆弱化した太陽を再活性化するための決死のミッションに臨む多国籍編成の8人のクルー。ストーリーとしては何となくよくある感じもするが、出演陣の誰もが“主人公面”していないことが、この映画に用意されている“混沌”を暗示していた。 日本人としてはどうしても船長役の真田広之に注視してしまう。が、存在感と責任感のある日系船長に用意されるプロットはわりと容易に想像できるだろう。  「アルマゲドン」系の地球セービング映画でないことは、冒頭から地球でのシーンを廃し、密室の宇宙船内のみで展開されることからも明らか。映画はふとすればミッションの内容すら忘れてしまうほどに、クルーたちの“精神的”なサバイバルへと突入する。「使命」と「希望」、「生」と「死」の間で混乱していく人間模様に、主題である「太陽」に対する観念的な要素も入り混じり、殊更に映画は混沌としていく。  SF娯楽超大作を期待して観に行くと面食らってしまうことは間違いないが、宇宙での極限状態における人間たちのインサイドをさらけ出そうとした試みは面白かったと思う。 タイトルが示すとおり、ひたすらに太陽の熱に“焼かれる”映画である。
[映画館(字幕)] 7点(2007-04-15 17:33:51)(良:4票)
1292.  となり町戦争
ある日突然、一枚の通知書で“となり町”との開戦が知らされる。流れのままに、実態の見えてこない「戦争」に巻き込まれていく主人公。 映画のテイストとしては実に斬新なブラックジョークに包まれていて、良い意味でとても滑稽に仕上がっている。 が、それは同時にこの映画が物語るテーマの深さを表していると思う。  町単位の戦争という設定だから、その取り仕切りは当然、町議会であり最高責任者は町長、執行も普通の町役場の職員が担当する。だからストーリーとして“可笑しさ”が生まれる。 が、そこに、今この瞬間も世界各地で行われている現実の戦争と、違いがあるのだろうか。 国単位、世界規模で繰り広げられている戦争と、その本質に変わりはないのではないか。 むしろ、現実の戦争こそ、本当に笑えない滑稽さと愚かさに侵食されつくしていると思えてならない。 そしてそのことこそ、この原作が伝え描くことなのだろう。  映画の演出としては、少々チープだったり、過剰だったりする部分もあったが、問題作と言われた原作小説を巧く映像化したのではないかと思う。 透明感と無機質感を併せた表現力を見せた原田知世は、女優としてとても魅力的だった。  余談だが、この映画はほとんどのシーンが地元ロケ(愛媛県)で、随所に身近な場所でのシーンがあらわれて楽しかった。 あんなに近所のバッティングセンターでロケをしていたとは、観に行けば良かった……。
[映画館(邦画)] 7点(2007-02-18 18:42:49)(良:1票)
1293.  ローズ・イン・タイドランド
鬼才テリー・ギリアムが新たに描き出した“超”リアルでダークな「不思議の国のアリス」。 どこまでも幻想的で空想的でありながら、決して“ファンタジー”には踏み込まないという「異様」な映画世界が、観る者をあざ笑うかのように、どもまでも広がっていく。 正直なところ、「ついていけないよ」という印象も所々で生まれるが、やはりもうここまで突っ切っちゃうと、安直には否定も肯定もできない。 良い映画とも悪い映画とも断言できず、強いて言うなら「変な映画だ」。これが精一杯。  それにしても、この映画で絶対的に“スゴイ”のは、弱冠10歳の“主演女優”ジョデル・フェルランドの「天才」ぶりである。 この果てしなくディープな映画世界において、すべてを掌握して支配している存在感と表現力は、圧倒的である。 目線の動き、発声の振動にまで「魅力」を感じさせ、引き込んでいく。 これはまた、とんでもない「宝石」が誕生したものだと思う。今後の活躍に注目である。  このいたいけな少女をこれほどまでにディープフルな世界に引き込むとは、さすがテリー・ギリアム、その精神は尋常ではない。
[DVD(字幕)] 7点(2007-02-18 01:31:25)(良:1票)
1294.  ディパーテッド 《ネタバレ》 
香港ノワールの大傑作「インファナル・アフェア」を、ハリウッドを代表する映画人たちがそのプライドをかけてどうリメイクしてみせるのか。やはり、この話題作の焦点はそこだったと思う。  スコセッシ監督のドライな映画世界も、ディカプリオの苦悩に溢れた表現力も、ニコルソンの流石の存在感も、この「ディパーテッド」という映画がまったくのオリジナルであれば、もう手放しで評価しても良いクオリティーは随所で見られたと思う。 しかし、これが香港映画のリメイクである以上、オリジナル作品と比べないわけにはいかず、結果として「ディパーテッド」の惨敗、「インファナル・アフェア」がどれだけスバラシイ映画であったかということを改めて知らしめるための作品となってしまったかもしれない。  映画として、ストーリーとしての「美意識」という観念において、今作はオリジナルに対し大きく引けをとってしまっているように感じた。 やはり主にはラストの顛末についてのことになるだろう。アンディ・ラウ(警察に潜入したマフィア)が結局最後まで生き残り、複雑な感情が入り混じる苦渋の表情で締める「インファナル・アフェア」に対し、今作の顛末にはあまりに節操が無く、余韻が残らない。 クライマックスの流れまでほぼオリジナルに沿っているわけだから、最後まで通した方が良かったのではないかと思う。  前述しているように、映画としてクオリティの高い箇所はいくつもあるし、面白くない映画では決してない。 ただあらゆる面において、オリジナルである「インファナル・アフェア」の圧勝であることは、否定できない。  
[映画館(字幕)] 7点(2007-01-28 23:10:59)
1295.  犬神家の一族(2006)
映画監督・市川崑、91歳。 はっきり言って、ただそれだけで、日本の映画界における至宝であり、伝説である。 その大々巨匠が、再びメガフォンをとる(この言い方ももはや年季を感じる)。しかも撮るのは「犬神家の一族」、主演は30年前と同じ石坂浩二、否が応にも驚きと期待が膨らむというもの。  実際、映画の内容がどうであれ、齢90を越える“生ける伝説”が撮る映画である。それがすべてだと思わざるを得ない。 そうして生み出された稀代のリメイクは、30年前のそれと同じく、衰えを全く感じさせない日本のミステリーの礎とも言える物語の見事な“再現”だったと思う。  ストーリー構成、キャラクター造形、シーン設定などそのほとんどが30年前のそれと、ほぼ狂いなく描き出されていることは、新しさには欠け、物語としての驚きはあまりない。  が、それでも観客を引き付けるのが、この物語の魅力であり、描き出した市川崑という映画人の絶対的な“力量”だと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2006-12-24 02:28:53)(良:1票)
1296.  雪に願うこと
「勝負は勝たなければ意味が無い」 「勝負は勝つことだけがすべてではない」  本当はどちらが正しいのか、僕には分からない。 でも、この映画と、「ばんえい競馬」は、その両方を物語る。  人生の中で挫折し、傷ついた心を、凍てつく北の大地と「ばんえい競馬」という厳しい世界で生きる人のあたたかさが包み込む。 「勝負」に敗れれば、人は立ち止まるしかない。でも、再び歩き出すことは出来る。 そういうことを、主人公は、重いそりを引き一歩一歩を踏みしめながら「勝利」を目指す輓馬(ばんば)の馬に対して感じ入ったのだと思う。  現実問題としては、赤字負債によりその存続が限りなく危ぶまれている「ばんえい競馬」。 なんとか北海道の文化遺産として存続させてほしいものである。 これまで知りもしなかったくせに、にわかじこみの情報のみでこういうことを言うのはあまり好きではないが、凍てつく空気の中、蒸気のような鼻息を大地に吹きつけながら馬場をいく巨大な馬の姿は、他にない高揚感と感動に溢れている。  スピードだけが重視されがちな現代社会において、この競馬の持つ付加価値というものは、尚更に大きくなっていくように思う。   主演の伊勢谷友介という俳優は、最初に出演映画を見た時(確か「ワンダフルライフ」)は、「なんだこの舌足らずなモデル上がりは」という印象だったが、今やすっかり日本の映画界に欠かせない俳優になったと思う。 舌足らずなのは変わらないが、それすらも彼の俳優としての味になってきた。 
[DVD(邦画)] 7点(2006-12-09 16:25:18)
1297.  ただ、君を愛してる 《ネタバレ》 
どんな形であれ、やはり“別れ”というものは、哀しくて、切ない。 奇しくも二週連続で、たまらなく切なくなる“別れ”を描いた映画を観た。  互いに心の中に悩みやコンプレックスを持つ二人が、出会い、惹かれ合い、寄り添う。  ただひとつの恋、ただひとつのキスに、自らの人生のすべてを、そして、“少女”から“女性”へ駆け抜けるように「成長」するヒロインを演じる宮崎あおいは、文字通り可憐で美しい。 対して、主人公を演じる玉木宏は、自らの美貌ももちろんだが、とても良い意味で相手役の女優の魅力を際立たせることができる俳優だと思う。今作でも、宮崎あおいの魅力を最大限に引き立てると共に、コンプレックスを抱えるナイーブで心優しい青年を好演していた。  同原作者(市川拓司)の秀作「いま、会いにゆきます」ほどストーリーにインパクトはないが、二人の姿を描く何気ないワンシーンに心が和み、微笑が生まれる。次第に心から二人の幸せを願いたくなる。 それ故に、殊更に物語の顛末の切なさは膨らむ。  主人公たちの悲しみは、深く果てしないだろう。でも、彼らは決して不幸ではない。 “別れ”とそれによる“哀しみ”がどうやったって避けられないものなら、せめて哀しみの後に微笑むことができる人生を送りたい。
[映画館(邦画)] 7点(2006-11-11 18:13:43)(良:1票)
1298.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
アニメ映画というものは、ふいにとても大きな感動を生むものである。 意外な秀作として評判の高いこの「クレヨンしんちゃん」の映画も、その類だろう。  大人たちの中に大切に残る“懐古感”と、子供たちが生きるべき“未来”との間で奮闘する野原一家の姿に、予想以上に心が揺さぶられる。 古き良き時代を懐かしむことは、決して悪いことではない。その時間へ戻りたいという“願望”は拭い去れるものではないだろう。でも、同時に今生きている時間の大切さも、捨て切れるものではない。 詰まるところ、今の“希薄”な時代が忘れているものは、良き時代の素晴らしさではなく、今この瞬間の素晴らしさなのだろう。  どの時代にも、良い所もあれば悪い所もある。要は、その両方を見極めることだ。 そういう普遍的で深いテーマを、いつものノリとギャグの羅列の中に描きつける巧い映画だと思う。
[地上波(邦画)] 7点(2006-10-15 23:01:24)(良:1票)
1299.  時をかける少女(2006)
原田知世が主演したノスタルジックかつ破天荒な“アイドル映画”から二十年余り、新たに生まれたこのアニメ映画はその“リメイク”というよりも、「時代」を越え、それを踏まえた“続編”である。  「タイムリーブ」を会得した主人公の少女は、当惑や困惑をする間を持たず、ひたすらに走り続ける。その姿と言動が実に現代的で、瑞々しい。 まさにタイトル通りに、時間の波間を“駆け”続ける少女の姿は、「時間を退行する」という行為にも関わらず常に“前向き”である。 そのどこまでも“前を見続ける”少女のスタイルこそ、この映画が物語る「確実に過ぎ去っていく時間を大切に生きる」ということだと思う。  クライマックス、明確な「意志」を持って最後のタイムリーブに踏み切っていく少女の“一歩一歩”には、言葉にならない感情の揺れを覚えた。  ただしかし、少しストーリーに説得力というか完璧に引き付ける“力”が足りないようにも思う。 各所のタイムパラドックス的な描写にもう一つ工夫がなかったり、終盤の核心部分がどこか曖昧だったりということを感じてしまった。 ストーリーの根底的な部分に、あと少しオリジナリティーを持った“軽妙さ”があればもっと良かったと思う。  もちろん悪い映画ではなく、良い映画である。完成度も高いと言える。 が、映画としてのインパクトだけをとれば、23年前のアイドル映画の方が力強い。
[映画館(邦画)] 7点(2006-10-09 01:31:31)(良:2票)
1300.  古畑任三郎ファイナル 今、甦る死<TVM> 《ネタバレ》 
このスペシャルシリーズ3作品の中では、結局一番完成度が高かったと思う。 藤原竜也はやはり中々の芸達者で、演じたキャラクターの絶妙な“浅はかさ”を巧く表現できていた。ダブル犯人という核心も、巧みだった。 ラストが少々強引だった気もするが、ストーリーの整合性と完成度はやはり高い。
[地上波(邦画)] 7点(2006-10-02 23:49:00)
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