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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1361.  レッド・ブレイド(2018) 《ネタバレ》 
改めて、坂口拓という人は自分で演るのも演出するのも、そして素人に仕込むのも出来ちゃう極めて総合力の高いアクション俳優ですね。暇なアイドル・グラドルを鍛えてこーいうアクション映画を撮らせるのが嫌いでなければ、それだけでも相当食ってけるのではないでしょーか。  正直言って本作は(特に女の子3人の)アクションのみが見所な訳ですが(あと一応パンチラもあったか)、オープニングの坂口氏本人の素晴らしい殺陣アクションをタップリ観た後にも関わらず、どのアクションシーンもそこそこ観れる出来になっているのは率直にスゴいと思います。ただ、くの一のヒロ・ユウ役の2人(搗宮姫奈と花影香音)は、2019年公開の『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』でも坂口氏と共演しており(公開は前後してるが撮影は『マシンガール』の方が先だった様で)、そこで数か月みっちり鍛えられて今回も坂口氏に呼ばれている、ということのようですね。とは言え、小倉優香だって蹴ったり蹴られたり跳んだり転がったり、かなり頑張っていると思います。彼女のファンなら観る価値は確実にあるでしょう。  しかし本作、問題はアクション以外です。いくら何でも酷すぎます。これならいっそ監督・脚本も坂口氏にやらせた方がマシなくらい(同じ無内容なら何も考えずにシンプルにつくった方が幾らか良い、という意味で)。結果的に非常に価値判断の難しい作品になってしまっていますが、オマケでこの点数とさせてください。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-05-26 00:33:27)
1362.  シンプル・シモン 《ネタバレ》 
思ったよりずっと厳しい映画であった。安易なゴールなど用意されず、問題は殆ど解決することもなく、それは疎か、少なくとも「前進」しているのかというのもほんの、ほんの少し、といった程だ。ただ、こういう切実で(ある意味)深刻な問題を題材にとる以上、一番重要なのはその部分のバランス感覚だと思うし、その意味ではある点ではシリアスに、またある点では十分にコミカルにハートフルに仕上げられた本作は、率直に非常に適切な仕事であると感じている。  中でも一番に感じられたのはやはり、周囲の人々の優しさというか。障害を「障害」にしてしまうのは世界であり、人々の意識だというのは本作でもひとつの大きなメッセージになっていると思う(自分で自分を「変えられる」くらいならそもそも問題にはならないのだから)。しかし、シモンの(方向性は間違っているとは言え)彼なりの「愛」のまっすぐさを本作から感じ取ることこそ、我々が正しくその「意識」を変える第一歩に確実に繋がってゆくものだと思っている。重ねて、安易なラストを用意しない本作には、志の高さ・問題認識の適切さを感じた。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-24 22:28:12)
1363.  ファイティング・ダディ 怒りの除雪車 《ネタバレ》 
おっちゃらけた題名からややコメディ寄りの作風を想像していたが、基本的な部分は意外にもかなりハードな復讐ヴァイオレンスである。ただ、随所に挿入される一風変わった演出は間違い無くコメディの香りを微かにも漂わせているのと、他にも描き込まれるノルウェーの社会状況の端的な物珍しさもあり、ただシリアスなだけの物語にはなっていない。中々にユニークな作品だと思う。  とは言え本作の一番の良さは、凍てつくノルウェーの大地が醸し出す寂寥感と、その中に孤独な父の復讐が貫徹される哀しきカタルシスの深い趣にある。一般市民なジジイのはずのステラン・スカルスガルドが喧嘩の強いこと!(ガテン系の底力、としか言い様が無いが…)
[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-24 22:00:57)
1364.  蜜蜂と遠雷 《ネタバレ》 
架空のピアノコンクールを舞台にしつつも、一重に、演奏場面における厳密なリアリティとその臨場感を映像の中に最大限に引き出しつつ、それを「損なわない」ことに最重点を置いた作風だと言える。言ってしまえば本作はドキュメンタリにより近く、更に言えば「物語」ですらない。それを紡ぐのはギリギリ松坂桃李ぐらいなもんで、あとは森崎ウィンのフルートがどーたらのくだりを除けば、松岡茉優すらも演奏者でなければ殆ど傍観者でしかないという徹底ぶりである。確かに今作、映像は(演奏場面以外も含めて)文句無しに色々と実に素晴らしい出来であった(て褒めてみたら、これ撮影日本人じゃないのですね…)。  しかし、映像に引き出されたそのクオリティの大部分は、もともと音楽演奏が持つ素晴らしさそのものだと言って過言ではない。とどのつまり、本作の感動はコンサートを直に鑑賞したときのそれと全く変わらないのだ。もちろん、音源だけを聴取する場合よりは遥かにリアルな感覚を得られるだろう。しかしそもそも本作には、描くべき物語と表現すべき深遠な音楽観が存在した筈だ。映像作品としての映画に本来求められるのは、映像と音楽、そして物語の調和による世界観・価値観の表出であるべきだと、私は信じて止まない。  映像にせよ音楽にせよ、それぞれの素晴らしさは確実に備えている作品である。特にいちクラシック音楽ファンとして、それを感じ取れることの価値は大いに認めよう。いま一歩、表現者としてその先を見据えて欲しいのだ。
[DVD(邦画)] 7点(2020-05-24 08:17:12)
1365.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 
ジャンルとしてはかなりミステリーに寄せたホラーという所で、その含む「謎」が本作の怖さの源泉である。特に、屋敷に潜むことが中盤から明白なこどもたちの霊が、一体どういう存在なのか(味方なのか敵なのか)が分からない、という点に怖さが在る(敵なら敵で警戒すればいいので、どっちか分からないとゆーよりは怖くない。それが際立っていたのが、件の「だるまさんが転んだ」のシーンかと思う)。  そして実際、この哀しいお話の出発点は、そのこどもたちのどうしようもない無垢な「残忍さ」にあった、とも言える。一度狂った運命の歯車は永遠に元には戻らないかの如く、ストーリーは再び悲劇的な結末を迎えてゆく。しかし、一方でこどもたちには何らの邪心も無かったことが明らかになるラストは、悲劇であると同時に、我々にとってもラウラにとっても、そしてこどもたちにとっても、一種の救いなのだと思う。ミステリーとして真相を解明することのカタルシスを、痛い程に哀しくありながらも心洗われる美しく幻想的なラストシーンに昇華させた本作は、私からすると単なるホラーorミステリーと言うよりは、それらをどこか超えた類いの作品であった様に思われる。だから実はジャンルは何だとも言えないが、個人的にはまあ傑作かと。
[DVD(字幕)] 8点(2020-05-23 00:52:17)
1366.  テオレマ 《ネタバレ》 
随分昔に某動画サイトで観て、全く歯が立たなかったという作品。今回、DVDを調達してのいわば再挑戦なのだが、前回よりは少しだけ得るものが有った様に思われる。  第一に感じ取れるのは、やはりキリスト教的な価値観。「訪問者」のイメージに重なるのは、何と言ってもイエス・キリストである。ただ、一家がブルジョアとして描かれること(言葉としても「ブルジョア」という台詞も複数回登場するし)、そしてパゾリーニが共産主義に傾倒していたことから鑑みるに、彼には「革命者」としての姿もまた重なってくる様に思う。  重要なのは、その彼の運び来る「変革」の結末である。要は、それは明らかに「ブルジョア」たる一家にとって望ましい結果を齎していない。それを非常に単純に解釈すれば、本作は単なる資本主義批判映画だと言えるのかも知れない。  しかし本作、決してそんなに単純な作品でもない様にも思われる。ブルジョアを単に「敵」と看做さず、そもそもこの世界は資本主義者に満ち溢れているのだから、これをそのまま「世界」だと捉えたならば、また話は違ってくる様に思う。救世主たるキリストや、真の革命家を以てしても善き方向に進まない「世界」。この重苦しい作品には、そんな世界(或いは逆に、そんな世界における共産主義の在り方それ自体を含むものか)に対するパゾリーニの絶望的な苦悩が感じ取れる様にも思う。  ひとつ確からしいのは、一家でただひとり「プロレタリアート」を代表するエミリアを通して描かれる「癒し」と、それに伴って来たる「希望」である。パゾリーニは、真に人々を癒し、そして導ける存在は、労働者階級の中から現れるということには確信を持っていたのではないだろうか。年代的にも思想間の二項対立とそしてその「善と悪」が揺らぐ歴史の中で、そこだけには(=映画中のそこの表現には)ある種の普遍性が感じ取れる様にも思われる。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-23 00:18:02)
1367.  ザ・ウォード/感染病棟 《ネタバレ》 
うーん…これは久しぶりにヒッドいホラー…まずとにかく内容が無い。約90分の作品ですが、1時間経っても特に何も発生してません(なんか男がスキンヘッドにする様子を延々映してたりします)。その後、次第に皆が狂気に呑まれていくサマが描写されますが(さっきのハゲ野郎もその先駆けだったという)、それだって平凡・安物・迫力不足の三重苦で全く観るに堪えません。  今作の敗因の一つとして、ロケーションの悪さ。廃墟の精神病院が舞台ということになっていますが、実際のロケ地は全然そういう場所じゃなくて、ごくごく普通の室内で撮ってることもしばしば(監督の自宅かなんかじゃねーの?)。それっぽい場所を用意できなかったため、展開・演出のとり得る選択肢が極めて限られている、ということではないかと(なら別の脚本にせいよ)。
[DVD(字幕)] 3点(2020-05-21 01:16:17)
1368.  マッド・ナース 《ネタバレ》 
ナースがエロエロで、かつ超残虐、というのをやりたかっただけな映画。展開運びは全編通して非常に手抜き(ごくありふれた話だからそれでも全然ついてけるケド)、そしてラストは全部放り投げてやりたい放題の滅茶苦茶だし、(エロはともかく)肝心の残虐描写もどれも超チープな質感で、総じて映画としての質はお世辞にも高いとは言えない。  だから本作、そのエロくて残虐なナースからどのくらい魅力を感じ取れるかに全てが掛かっている。これがまた、極めて個性的な顔立ちのお姉さんで、見ようによってはハッキリ「ブス」だと言えるかも知れない。しかし、何と言うか色気に全ステータスを振り捨てているというか、とにかく何ともエロい(イヤらしい)のですね。その意味では、無修正版を観ないと正確には評価できない作品なのかも知れない(ブラはあんまり外さないがパンツは脱ぎたがるという変態だったりするので)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-05-20 22:46:35)
1369.  死霊のしたたり2 《ネタバレ》 
色々な点で前作の結末部分がグダグダと無視されているのは一旦置き、続編として、各ポイントでは前作のアイデアを発展させた決して悪くない(オリジナリティのある)描写が見られるのだが、一方で全編通して非常にモタモタとテンポが悪く、あまり面白く感じない。思うに、新しいアイデアは無くもないがストーリーの方で大してやれる様なことが無く、そこをグロ描写の量でカバーすべきところ、それが技術的・予算的に難しかった、ということのよーに思える(死体を組み立てたクリーチャーを序盤からもっとドカスカ出していくだけでも、だいぶボリュームは補えると思うのだよね)。B級映画ならではのやや歯痒い続編。
[DVD(字幕)] 5点(2020-05-17 20:52:01)
1370.  パペット・マスター(2018) 《ネタバレ》 
30周年記念のリブートということらしいが、旧シリーズは全て未見。しかし、旧作に出演してた(らしい)バーバラ・クランプトンが、結構しっかり時間をかけて旧作の設定をなんとなーく説明してくれるシーンがあり、未見でもどーいう話だかはそこはかとなく分かる様になっている。ところが、肝心のその後の展開運びは「誰が、何の為に」の部分がまずかなり適当、そして、各ショックシーンが「はい、1シーン終わりっ!」てな風にブツ切れな感じで進んでゆくので、イマイチ緊迫感や恐怖が段々と盛り上がっていくということが無い。  ただし、今どき全くCGを使わないことによるリアルな質感と、それによるグロ描写の生々しさにはそこそこ見応えが有る(加えて、血みどろ具合もそこそこ過激)。他に全く期待せず、怖さよりグロ描写に期待して観るなら、ある程度の観る価値は見出せるかと(しかし、そんな奴そんなに居るかねえ…)。
[DVD(字幕)] 4点(2020-05-17 19:20:31)
1371.  ブラックブック 《ネタバレ》 
最初の方はシリアス全開のヴァーホーヴェンとしては際立ってマジメな内容で、これはこれで全く全然悪くないと思った。それが、終盤は一転してサスペンス方面の面白さ・意外性を重視した極めてスピーディかつ濃密な目まぐるしい展開で、少ーしリアリティを欠くものの、個人的にはこっちも超面白かった(が、ここは完全に娯楽映画なんですよねえ…)。非常に穿った見方をすれば、序盤・中盤と終盤で雰囲気がだいぶ変わっている点に疑問を差し挿むことも出来ようが(マジメに撮るんだったら最後まで貫けよ、という)、個人的にはそこまで深刻に気になっている訳でもない(とは言え、全く引っかからないという訳でもない)。  監督の個性であるエロやら汚物やらも非常に効果的に使用されており、映画としても見応えが高まっているし、ファンならニンマリ出来るだろう。しかし、いくらゲテモノ好きの私でも、件の糞尿ぶちまけのシーンは流石に少しやり過ぎにも感じた(前述の、リアリティを損なっている、という意味でも)。ただ、そこも含めて脱ぎまくりの汚されまくりな主人公を演じ切ったファン・ハウテンの演技には、最大級の賛辞を贈りたい(こういう気が強すぎる女性って正直ニガテなんだけど、「ムンツェに惚れたな?」「そうよ、悪い?」のシーンの凛とした目付きにはビリビリ痺れました)。地味に、ヴァーホーヴェンでは一番素直に他人にオススメできるかも知れませんね。
[DVD(字幕)] 8点(2020-05-17 13:02:35)
1372.  グレート・ウォリアーズ/欲望の剣 《ネタバレ》 
憎しみの連鎖が彼我双方の残虐な行為と悲劇を生む、なかなか誰にも感情移入できない物語だが、ポールドゥリスの中世チックで勇壮な素晴らしい音楽と、ヤン・デ・ボンの臨場感・迫力最高の優れた撮影によって野卑ながらも非常に力強く語られる本作には、どこかに確実に爽快さと痛快さを感じ取ることが出来るだろう。そもそも個人的には、倫理観溢れる優等生な歴史物語などに殆ど観る価値は無いと思っている。そこに現れる愚かさ・醜さこそが人類が進歩した証、そして我々が歴史を省みることの真価であり、それを通して現代の我々が尊重すべき美徳を表現することが歴史映画の本分なのだから。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-17 02:10:44)
1373.  ホテル・ムンバイ 《ネタバレ》 
同じ題材の別の映画(そっちも何故かオーストラリア産だったよーな)がタルくてあまり出来が良くなかったのだが、こっちの出来は正に雲泥。映画技術としては、実話ベースながら非常に巧みな展開運びで実に見事な緊迫感が終始持続する。というか、この緊張感・切実な恐怖は通常のその系統の映画のそれを完全に超えている。こういう言い方は相応しくないかも知れないが、超一級品のスリラーだと思う(私はネットで何回か止めながら観たが、これが映画館だったら、人によっては耐えられないということもあるかも知れない)。  そういった本作の「表面的な」価値ももちろん出色であるが、一方で「中身」の方の出来も文句無しに優れている作品だと思う。テロに立ち向かい身を挺して宿泊客を守った従業員の気高さだとか、家族の愛・自己犠牲だとか、人の人たる素晴らしさもまた多く描き込まれている作品である。覚悟を決めて是非観て頂きたい。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-05-15 23:42:58)
1374.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 
こーいうのも何だが、床屋で流れる時間って単調で退屈で、それでいて理髪師との距離感は近いから、それが男と女ならある意味凄くフェティッシュな空間だし、そこからこういう物語を捻り出したってのが、実に面白い着眼点だと思うのですね。  何ごとも無い毎日、何ごとも無い店、何も無い人生。そこに在るのはただ、唐突にもたらされた愛だけ。手に入れた喜びよりも、失う恐怖が心を覆い尽くす。シンプルな内容だからこそ、前述の状況設定の絶妙さが際立っていたかと。  フランスの恋愛映画なら不可欠と言える性愛描写も、フェティッシュな側面を活かして程良く艶やかに、かつコミカルさも兼ね備えて中々に観ていて楽しかった。仄かに、しかし確実に、残された者の悲哀と絶望を醸しつつも、どこかこれも温かみを感じる様なラストも、私にはとても心地良かった。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-13 01:37:48)
1375.  ザ・ウォード/監禁病棟 《ネタバレ》 
交代人格が主人格を「封じ込め」ており、治療としてその交代人格を「殺して」いく、というのを映像として具現化しているという点は、(ホラー・サスペンスの演出としてこれがどこまで効果的かは置いといて)この題材の作品としてある意味面白いアイデアなのかも、とも思える。しかし、じゃあなんでアリスの主人格はあんなゾンビになってるの?等の疑問は尽きないし、結局「全て」が現実ではなかった(=「現実」のシーンと「妄想」のシーンが綯交ぜになっているという構造ではない)という内容のとおりに、このテーマの作品として不可欠な筈の映像上&シナリオ上の「トリック」も皆無という、かなり残念なつくり込みに終わっている。  ただ、怖さも緊迫感も(良い意味でも悪い意味でも)非常に分かり易いし、下手に複雑につくり込んでいないために(この手の題材の映画としては少し異例なまでに)非常に明解に仕上がっている。運良く、初めてこの類いのホラーを本作で経験しました、という状況であれば、多少は楽しめるかも知れない。
[DVD(字幕)] 4点(2020-05-11 21:40:57)
1376.  バーニング・ムーン 《ネタバレ》 
いわゆるドイツ三大鬼畜監督の中でオラフ・イッテンバッハは、映画製作者としての技量がシュナース程にポンコツではなく、頭の中身もブットゲライト程に逝っちゃってるという訳でもないため、その作品は他2人に比べれば幾分鑑賞し易いかと思う。後にはハリウッドでも数作を監督することになる彼の作品は、あくまで娯楽として楽しめる範疇にはちゃんと入っているグロなのだ(もちろん色々な意味で、本当に娯楽として楽しめるかどうかは別の問題ではあるのだが)。  彼のデビュー作とされる今作(ビデオ作品だが)、内容としては、妹の寝物語としてボンクラ兄が恐怖ばなしを語るというダサいオムニバス形式といい(そもそも言葉で伝わる内容じゃねーじゃんか)、話自体の内容の無さといい、全体的な演出の陳腐さといい(特にアクションシーンが、相手に怪我をさせない様に&備品を壊さない様に慎重に慎重にやっているのが丸分かりで、非常にヌルい)、基本、血糊過多のみが見所なスプラッタを含めて、観るべきモノは殆ど無い。  しかし今作、本国ドイツでは当然の如く発禁処分を喰らっている。理由は明確で、残り15分を切った所から、そこまでヌルーく撮って余らせた予算を全てツギ込んだかの様な惨たらしさMAXの大残虐絵巻が繰り広げられるのだ(そして案の定、このシーンはそこまでの話とは碌に繋がってもいない、という)。この10分間だけには、グロ映画マニア的にある程度の観る価値が(いま現在においても)あるかなあ、と思う。  まずは1シーンだけでもなにか「突き抜けた」ものを、はB級ホラー映画の鉄則である。今作にはその成功例としても、ある種の観る価値があるのかも知れない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-05-11 01:59:34)
1377.  ショーガール 《ネタバレ》 
ハダカというのは、それを隠して恥ずかしがるからエロいのだ。誰も彼もが脱ぎまくりな本作、全員揃ってハダカ如きを恥ずかしいなんて思っちゃいない(それは羞恥心が無いサマを「演じて」いるのではなく、本当に馴れっこになってしまっていることを意味する)。ので在るからして、実のトコロはこれが全然エロく感じなかった…というのが正直な感想(ある意味残念)。しかし、だからこそ本作のダンスシーンからは、性欲と切り離されることを強制されてきた「ハダカの美の歴史」を、逆の側から超越した真に純粋な「肉体の美しさ」を感じ取ることが出来るのだと言える。俗悪なモノの中だからこそ、本当の美しさが際立つ、この単純な方法論こそがヴァーホーヴェンの真骨頂である。  それはストーリーの面でも同様で、ただ自分の最悪な状況を打開したい、自分を証明したいと願うだけの前半の持たざるノエミは実に美しく、翻って、一たび手に入れた「虚栄」を守ることに固執し、「もっと多く」を望むために手段を選ばない後半の勝ち誇ったノエミは実に醜い。しかし彼女は、敗北と引き換えにひとつの真理を得て虚ろの都を去ってゆく。それこそが人間の成長であり、これは何とも痛快なグッドエンドじゃないか!と思うのだ。  非常に単純な物語ではあるが、重ねて、これこそがヴァーホーヴェンの真骨頂であり、彼の最高傑作であると私は確信している。
[DVD(字幕)] 9点(2020-05-11 00:03:05)(良:1票)
1378.  ポール・ヴァーホーヴェン/トリック 《ネタバレ》 
ドキュメンタリ部分は、監督がとにかくよく喋ること!まあ映画監督ってのはノンビリした人じゃ務まらないかなとは思うが。  で、本編。肝心カナメの脚本の方は、全然普通に悪くない出来に仕上がっている。が、あまりに小綺麗に整い過ぎており、奇抜な製作方法をとったことの妙味は少ない。あと、少しギュギュっと纏まりが良過ぎるのもやや微妙(元々このサイズにすることに決まってたのかも知れないが、普通に90分映画にしてもう少し遊びを入れても良かったかと)。そもそも、ヴァーホーヴェンらしさというものもそこまでハッキリとは見当たらない(百歩譲ってメレルの開幕オッパイくらいか)。無茶な残虐展開は検討から外したとは言ってたけど、オランダ人、本気出してくれ。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-06 15:32:19)(良:1票)
1379.  インビジブル(2000) 《ネタバレ》 
透明人間なんて荒唐無稽じゃね?まあ映画だし、そこは許しちゃる。  透明になったからってなんで凶暴になるの?ちょっと説明回り諄いし強引だけど、そうせーへんかったら始まらないやん、許す。  暴れ始めるの遅くない?うーん…CGの出来が良かったから序盤そっちに頼っちゃったのが…もう15分早くアクション展開に入ってればとは思うけど…でも暴れ始めて以降は十分オモロかったし、いんじゃね?  ヴァーホーヴェンが空気読んじゃってます!コレよ。俺の知ってるヴァーホーヴェンは、こんなもんじゃないって。トイレ覗き見のシーンなんて、ヒリ出すトコロを5cmの距離で見つめてるのがヴァーホーヴェンだって。前言撤回、さっきの15分は、エログロに使うべきだったよね。  あとエリザベス・シューは、頭は良いわ機転は効くわ容赦は無いわ美人だわで、後半かなり良かったですね。あとはこっちもエロシーンがチャンとしてればもう完璧なんだけど。
[DVD(字幕)] 6点(2020-05-06 12:16:31)
1380.  氷の微笑 《ネタバレ》 
世紀のクールビューティ、シャロン・ストーンが稀代の毒婦を演じている、ただそれだけの映画。そして、ただそれだけで十分な映画だとも言える。色々とモヤっとしたまま終わらせるというサスペンスとしては禁じ手を犯していることもあり、正直、内容面には観るべきモノはさほど無い。しかし、グレース・ケリーをも彷彿とさせる抜けば玉散る氷の美貌なシャロン姐さんが、ヴァーホーヴェン流の超イヤらしいセックスシーンをこれでもかと熱演することによって醸される品格のある妖艶さは、もはや一つの奇跡である。これは、エレガントさと色っぽさを史上最高レベルで兼備するシャロン姐さんだからこそ成立する映画なのだし、姐さんの年齢的にもこの三十凸凹より上でも下でも恐らくダメで、人類史上このタイミングでしか撮れなかった映画なのではないかと思っている(ヴァーホーヴェンは流石の目の付け所ですね)。  今(2020)であれば、誰なら務まるか?例えば、マーゴット・ロビー(→×色気が安っぽい)、レベッカ・ファーガソン(→×色気が圧倒的に足りない)、ガル・ガドット(→×ちょっとヴァイタリティ過ぎてクールさが足りない)、スカヨハ(→×ちょっと機を逸した感が…)、シャーリーズ・セロン(→×姐さんも10年前なら…)、ジェニファー・ローレンス(→×…ビューティ?)、あとは…  個人的には、アンバー・ハード、レア・セドゥとかなら少しはピンと来るかと……か、無茶を承知でナタリー・ポートマンとか……
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-05 02:40:17)
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