1621. 逆転裁判
《ネタバレ》 もとになったゲームのことを私は知らないので、着ぐるみキャラのやつとかイマイチよくわからない点もあり、これはゲームを知っている人ならもっと楽しめた作品なのだろうなという気が致しました。裁判ものとして見てもそれほど巧みな脚本とは言えず、犯人達もわりと簡単に正体を明かしてしまうし。個人的にはそういう本筋よりも、周りの色々なギミックを楽しんで鑑賞しました。例えば、裁判を傍聴している人たち。一人一人がへんてこな服や髪型で、リアクションも若干妙だったりして何とも言えない味わいを出してる。それから、天井からやたらメカニックな仕組みが降りてきてモニター画面を映し出すあのシステム。「無駄に派手」で、無駄にCG使ってる感が凄く良い(笑)。そのモニター画面を、「食らえ~!」てな風に相手に攻撃するような感じで出してくるシーンもなかなか良い。オウムのサユリさんのシーンはまさにコメディなのに、そのサユリさんの過去話のシーンはホラーテイストだったりして、そのへんの雑多さ加減が三池監督らしいなと思いました。 [DVD(邦画)] 5点(2012-11-30 00:11:00) |
1622. セルビアン・フィルム
《ネタバレ》 一見するとただのエログロムービーなんですが、タイトルや劇中の台詞にもある通り、これはセルビアという国の隠喩なのでしょう。生々しい戦争を経験してきたからこその「狂気」と「暴力」なのでしょうが、まぁいずれにせよ後味の悪い映画であることは事実です。グロシーンに関してはそれほどでもないのですが、「倫理的に」どうなのっていうシーンが度々ありまして、これがまたそのへんのグロ映画よりもよほど嫌らしい映像に仕上がっております。ただ、私はDVDで観たのですが、陰部には全てモザイクがかかっているわけですよ。たぶんモザイクのあるなしでは衝撃もまた全然違うんだろうと思うんですが、全てのシーンにモザイクがかかっているので映像的な衝撃が全く伝わってこないんですよね。これじゃあ高得点はつけられない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-11-28 23:37:11) |
1623. テルマエ・ロマエ
《ネタバレ》 皆さんおっしゃるように、前半と後半でだいぶ違ってきますよね。原作は、ローマ人が日本の風呂にタイムスリップするという内容なので、たぶんこの作品の前半がそのコミックに忠実で、後半は映画用の創作ということなんじゃないかな。というわけで、この前半は文句なしに楽しいです。日本の風呂にタイムスリップして、日本独自のアイテムに逐一驚く様は見ていて楽しい。特に、自動で動く仕組みを「何人もの奴隷がやっているんだ」と思うアイデアが良い。そして、浴場でのおじいちゃんたちのキャラが、いかにもおじいちゃん的で良い。また、ローマ帝国の広場やテルマエなど、これまでの邦画ではなかったような規模のセットを見せてくれ、これまた目に楽しい。ただ、これだけ忠実に映像世界を作り上げているのに、たとえば洗濯機に入った人形でタイムスリップを表現するとか、そういう意図的なチープさが個人的に不満だった。後半は笑いもなくなり、やたらとメロドラマ的な感じになるのだが、失速感は否めないもののワンアイデアだけで一本作る難しさもまたあったのだろう。星空の下で語り合う中、体がだんだん透けていって、ふと消えてしまう、そのへんの切なさも良かった。もう少しラブ要素が強くても良かったかもしれない。 あ、そしてなにより主役を務めた阿部ちゃん。阿部ちゃんがいなければ、この作品は成り立たなかったであろう。彼の筋肉美と熱演に拍手を送りたい。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2012-11-22 22:50:09)(良:1票) |
1624. アメイジング・スパイダーマン
《ネタバレ》 どうしてもサム・ライミ版のスパイダーマンと比較してしまうのだけれど、サム・ライミのは、良い意味でのB級っぽさといいましょうか、もの凄いお金かけてるはずなのに、どこか手作り感とバタツキ感がある、そういう作家性を感じた次第ですが、本作はそういう要素がなくて、実に無味無臭な感じでしたね。特に前半なんて、ストーリーは陳腐だし、アクションはぱっとしないしでどうなっちゃうんだろうと心配になったぐらいなんですが、終盤のトカゲ男との一騎打ちからようやく本領発揮という感じでスパイダーマンらしいアクションを見せてくれました。おばさんに卵を手渡してあげたり、恋人との展開も含め、ラスト間際にようやくティーン映画らしい良さが出ましたね。ただまぁ、個人的にはライミ版のほうが楽しめたかなぁ。前三部作はコミック的なノリが強かったけど、本作はどうもより現実的に、近未来を舞台にしたというテイストで描いてる。それまでコミック的な描き方だった「バットマン」をより現実的に描いたダークナイトのテイストを意識しているんじゃないか。でも、それが成功しているのかどうかはなんとも言えません。 [ブルーレイ(吹替)] 5点(2012-11-22 20:20:54) |
1625. 愛と誠(2012)
《ネタバレ》 なかなか面白かったですね~。三池崇史らしい娯楽作品に仕上がってました。突然始まるミュージカル。それぞれがそれぞれのキャラの持ち味を生かした選曲で、唄の上手さにばらつきがあるんだけどその下手っぷりすらもエンターテイメントになっている。ただまぁ、ミュージカルシーンが少し長いかなっていう気もしはしましたが。全体的に、人も環境も凄くデフォルメされていて、たとえば青葉台学園の雰囲気の良さと花園実業のありえないほど荒んだ校舎の対比とか、そして絵に描いたような不良達の不良っぷりとか、そういう漫画的な面白さがまずあって、それでいてたとえばガムコの乙女な恋心とか、そういう「ギャップ」を面白く見せてくれる。そしてまたあちこちに見られる、どぎついエロ要素なんかはいかにも三池さんらしいなと思うし、格闘シーンは安定した迫力を見せてくれる。この作品は、そういう漫画的なデフォルメとギャップ、三池さんのエロとアクションという娯楽要素の塊で出来てる。ただ、前半こそユーモアたっぷりで良かったんだけど後半は話が重く暗くなる感じなので、前半の感じでずっと突っ走ってほしかったかなという気持ちはある。まぁいずれにせよ、人によって好き嫌いはあるだろうが個人的には楽しく鑑賞出来ました。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-11-21 21:24:04) |
1626. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 ほっこりするような温かみのあるユーモアで、ウディ・アレンらしい素敵なラブコメになっていたと思います。まぁ、全盛期ほどつきぬけたものはないし、メッセージ的にも乏しいとは思うけれども、唯一のテーマとも言える「誰しもが過去に憧れる。そして現代を不満に思う」というのはとても共感が持てます。「隣の家の芝生は青く見える」ということわざもあるように、人間というのはないものねだりするわけですよね。でも、今の素晴らしさに気づこうよ。そして嘆くより人生を楽しもうよって、そう言ってらっしゃるんだと受け止めました。パリの街並みを、暖かい色合いで撮影していて、本当に美しい。ピカソの愛人と意見の相違でさらっと別れて、婚約までしてた恋人ともさらっと別れて、新しい出会いでそれらしい人と巡り会って終幕というこのさっぱりした感じもウディ・アレンらしいですね。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-20 20:11:45)(良:1票) |
1627. ヴァルハラ・ライジング
《ネタバレ》 「ドライヴ」を見て、なんとも言えないアートなセンスを感じたので、その監督の前の作品ということで観てみました。なるほど、やはり非凡なセンスを感じますな。極力説明を排した台詞と、北欧神話をベースにした内容なので、予備知識がないと飲み込むのに難しいシーンもあるのですが、少なくとも、映像の凄みはしっかりと伝わってきました。たぶん予算はそんなにかかってないんだろうけど、だからといって安っぽいわけでなく、画面いっぱいに神話的世界が広がっています。そして「ドライヴ」でも感じましたが、映像だけでなく付随音楽の使い方もうまい。この雰囲気を出すために、音楽がきっちりと仕事している。この監督さん、これから要注目です。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-19 00:00:19) |
1628. ソード・ロワイヤル
《ネタバレ》 序盤から「なんだかガチャガチャした映画だな~」 なんて思っていたのですが、辛抱して最後まで見ても 結局入り込む事は出来なかった。 何が言いたいのかよくわからないストーリーだし、 たとえばアクションのシーンを突然CG画で説明したり、 闘いのシーンが突然ゲーム画面になったりするんですけど、 それは作り手の人たちは面白いと思ってやってるのかなぁ。 なんだか、もの凄く上滑りしてるんですよね。 かっこわるい人が、カッコいい人のまねをしてみた時の 上滑りに似ている。 安藤政信はイケメンなので、彼のファンだけに オススメ出来る作品です。 [DVD(字幕)] 3点(2012-11-18 22:29:56) |
1629. ディヴァイド
《ネタバレ》 これはなかなか良かったと思います。 とは言っても、 人にオススメできるような作品ではありません。 右を向いても左を向いても、どこにも希望が転がってない。 すべてが絶望に満たされた世界を描いているので、 観ていて気分も暗くなります。 でも、ちゃんとエンターテイメントしてるんです。 救助が来た!と思ったら、謎の防護服に身を包んだ集団に 少女が連行され、皆殺しされそうになる意外性。 あるいはまた、防護服連中は外で一体何をしているのか? という推理性。 そしてまた、どんどん壊れ行く仲間たちで起きる 恐ろしいイザコザのサスペンス性。 なにより特筆すべきは、登場人物たちが少しずつ病んでいく、 そのリアルで迫真な演技ですよ。 皆さん本当に見事。丸坊主2人組なんて、 演技の後に「はいカットです~」てかけ声かかってちゃんと 素面に戻るのかしら?て思うぐらいいい演技してる(笑)。 主役の女の子も熱演でしたし。そしてやっとのこと、 あの閉鎖空間から出たと思ったら、 人っ子一人いない一面死の世界。 あの描写にはやられましたね。この後、エヴァはどうやって 生き延びていくのだろう?ていう風に、 物語の先を想像させるラストでしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-18 21:11:50)(良:1票) |
1630. 恋と愛の測り方
《ネタバレ》 いや~、観る前は軽いラブコメだと思っていたので、 実は互いの浮気めいた話だとは予想外だったのですが、 でも悪くはない出来だったと思いますよ。 ほんとにささやかなストーリーで、原題にあるように わずか一番の出来事。 浮気めいたとは言っても、なにもこの夫婦は 上手くいってないわけではなく、むしろ順風なわけですが、 ちょっとしたすれ違いとか、疑念とかそういうのは 夫婦生活においてありますよね。 そこにまぁ、たまたま互いにそういう場が生まれちゃって、、 というわけで、観ていてハラハラ、この二人どうなると やきもきするのですが、結果からいえば、 二人の仲を再確認することになったわけで。まぁ、 こういうのも一つのラブストーリーなのかもしれませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-18 17:08:08)(良:1票) |
1631. ミッシング ID
《ネタバレ》 「トワイライト」シリーズで人気になった テイラー・ロートナー主演という事で、 内容的には「ボーンアイデンティティ」を ティーン向けにアレンジしたみたいな感じ。 つまりはターゲットとしてティーンオンリーで、 大人目線で見るとちょっと物足りないんですよね。 アクションだってたいしたことないし、 設定うんぬんを考えると、あまりにまわりくどい。 大人たちが大騒ぎしていてネイサンはそれに翻弄され、 それでもとりあえずガールフレンドはちゃっかり ゲット~っていう、それだけの話。 見どころは、シガーニー・ウィーバーと ガールフレンドの眉毛ぐらいかな、、、。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2012-11-18 15:14:29) |
1632. ビッグフット・ハンター
《ネタバレ》 UMAとかオカルト系は割と好みなので、 すこしおまけで6点をつけておこうと思います。 最近流行のフェイクドキュメンタリーというやつですが、 それを「ビッグフット」というある種古典的な 題材でやってみた作品。 序盤から中盤にかけて、これからなにが 起こるんだろうというワクワクも相まって なかなか楽しませてくれます。 山小屋を何者かが襲撃し、真っ暗な森の中で 突如なにかに襲われる。そのあたりが 本作のピークではなかったかと思います。 そればビッグフットの仕業なのか、それとも ドライベックの仕業なのかという2つの可能性が あり、その点が興味深く鑑賞出来た要因でもある わけだけど、後半になると途端に駄目になっちゃいます。 録音を担当してた彼が襲われるシーンは かなりのショボさを感じるし、なにより「白い光」 とやらが出現して斜め上の展開になってしまうことが残念。 確かにドライベックも言っていたように、 本当にビッグフットがいるのなら死体の一つも 見つからないのはおかしなことなので、「霊的」な 存在にすればそういう突っ込みも必要なくなるのかも しれませんが、あれじゃあ結局、ビッグフットの 正体って何だったん?と疑問だけが残ります。 UFOに乗った宇宙人?異次元からやってきた怪物? 全体的な流れがあまりに定番だったので、 もう少し変化球も欲しかったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-18 11:07:34) |
1633. ザ・マーダー
《ネタバレ》 まぁ、佳作かなと。 ありそうでなかった内容のサスペンスで、 最後まで集中してみる事は出来ましたが、 振り返ってみると、いやはや、犯人の男そして 主人公のジャック双方ともに凄いな、と(笑)。 犯人の男は、その生まれた境遇故に父親に 恨みを持ったんだろうけど、にしても どんだけ凄い執念やねん。父親が一夜限りを 共にした女をみんな把握してるだなんて。 そしてジャック。今までの経験人数100人て、 どんだけモテモテなのかと。 レイ・リオッタはいつも抑え気味の演技を するので、女性たちが次々と殺されていても そこまで感情をあらわにする様相は見せないので 個人的にはもう少しオーバー気味の演技でも 良かったかなとは思うのですが、でも「100人」と いうことを考えると、この役はレイ・リオッタぐらいしか やれる人はいないんじゃないか(笑)。 彼なら、それぐらい絶倫でもおかしくなさそうだな、と。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-18 10:35:57) |
1634. 幸せへのキセキ
《ネタバレ》 とっても素敵な作品ですね~。素直に感動しちゃいました。ジーンとくるシーンはたくさんあります。ベンジャミンが、他界した妻のフォトを見ながら過去を懐かしみ涙するシーン、「20秒の勇気」で、ディランが女の子に告白するシーン、誰もこないなと思っていたら、入り口を倒木が塞いでいて、その向こうにはたくさんのお客さん達が待っているシーン、そしてラストの、妻と初めて出会ったときのことを、子供達に話すシーン。人生の素晴らしさを教えてくれる、とても爽やかな映画でした。「20秒の勇気」の話もそうだし、どうして動物園を買ったりなんかしたの?という質問や一目惚れした見ず知らずの女性に声をかけていいのかという自問に「いけないの?(Why not ?)」ていうシンプルな答えで返す。これがもうたまらないですね。見る人に、勇気を与えてくれるというか。人生色々と困難や辛いことがあるけれど、立ち止まってても仕方がないよって、背中を優しく押してくれるような、そんな作品。動物園の開園前日は雨で当日どうなるか心配だったけど、オープン日は快晴で、多くの人がやってきて、子供達のあげる凧が快晴の空に舞っている。それは言って見れば、ベンジャミンの人生そのものの比喩でもある。人生には雨のときもあるけれど、ちょっとだけの勇気や冒険が、空模様を大きく変える。そこに理屈なんて必要ないさ。 [DVD(吹替)] 8点(2012-11-18 01:37:28)(良:1票) |
1635. ポテチ
《ネタバレ》 う~ん、困った。あちこちのサイトで賞賛されている作品を悪く言うのは気がひけるのだが、自分にはいまいち入り込めなかったです。空き巣犯なのに人助けしようとしたり、それぞれのユーモアある会話に時たま笑えたりもするのだが、これだけ現実離れした人たちを見せられても、それで感動出来る気持ちが湧いてこない。なんだかんだいっても物取りで生活してる連中だし、さすがにおせっかいすぎる。「いい人」の面だけを見せていて、汚い面は一切見せてない切り取り方に違和感を感じる。 [DVD(邦画)] 5点(2012-11-17 21:29:46)(良:1票) |
1636. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 とても独創性のあるアクション映画でしたね。緩急のつけ方が上手いというか。派手さは無いけど、凄みのあるアクション&バイオレンスでしたね~。一目で恋に落ち、そして二人初々しい会話を楽しむシーンなんかは、とても甘くて緩やかな時間が流れてるんだけど、カーアクションやバイオレンスは、とってもピリピリしてて凄みのある映像。双方が喧嘩しているというわけでなく、それぞれが、それぞれの魅力を増幅させ合っていると思う。甘いキスシーンの後に、おぞましい殺しをするところなんて、笑っちゃうぐらいのメリハリでしたね。そしてまたファンタジック系なロックが作品全体をよりアート化させている。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-17 01:36:01)(良:1票) |
1637. ロボット
《ネタバレ》 インド映画を見たのは、ひょっとするとこれが初めてかもしれない。世界一の映画大国だというのに、今まで縁がなかったことに驚きと恥じらいの念を感じる。「インド映画って、めっちゃオモロいやん!」これが正直な感想である。パッケージには、「ワケわからんが面白い」と書いてある。でも、ストーリーはびっくりするほどわかりやすい。ワケわからんというのは、おそらく展開の意外性のことを言っているのだろう。蚊としゃべりだしたり、ロボット達が突如合体して蛇になったり球になったりして戦う展開は、確かに一般的な流れとは違う、インド映画独自のものかと思う。でもそれが新鮮で凄く良いのだ。いやほんと、エンターテイメントの塊である。あらゆるシーンが脳裏に焼き付く。「な、なんじゃこりゃ。すげぇ!」そのアバンギャルドさに、思わず目を奪われるのである。CGや特撮のレベルはハリウッドに比べれば劣るのだが、そんなことはおかまいなしに突っ走る、この勢いに惚れてしまう。秀逸なシーンは数多いが、一番はやはり、チッティに初めて恋心が芽生え、回路に花が咲き乱れ、ノリノリのダンスが披露されるシーンだろう。これほどまでに楽しいダンスシーンを、私は他に知らない。 [DVD(字幕)] 8点(2012-11-16 20:03:35) |
1638. わが母の記
《ネタバレ》 画作りがとても気合入っているのがわかって、その映像の綺麗さを堪能するだけでも良かったです。もの凄くブルジョアな一族の物語。正直に言えば感情移入しにくい面もあったのですが、自分の祖母も認知症だったので、八重さんが夜な夜な、ふら~っとどこかに出て行っちゃうのはこちらも経験あり、みんなして捜す光景に共感出来ました。役所広司も熟練の演技を見せてくれていましたが、なんといっても樹木希林ですよ。最初の頃と、物忘れが酷くなっていってからとで顔が全然違う。いやほんと、すごい女優さんだなと驚嘆致しました。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2012-11-15 22:59:51) |
1639. 私が、生きる肌
《ネタバレ》 人工皮膚によって、全くの別人に作り替えることが出来る、それは性別の変更さえも可能ということで、主人公ロベルはいわば神に勝るとも劣らぬ力を得たといってもいい。しかし神の力を持ったとしても、一人の人間であるから、復讐心や所有欲、そして愛に溺れてしまい、その力を誤った方向に使ってしまう。こういうテーマはSFにはよくありがちですが、ゴルチエが衣装を担当していたりと、見た目にエロティックで印象深い。ただ、復讐のために男を去勢したとして、はたしてそいつを亡き妻の代わりにするだろうか、という点に疑問を感じる。服を引きちぎって、速攻で掃除機に吸わせるシーンが印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-13 01:14:54) |
1640. friends もののけ島のナキ
《ネタバレ》 不覚にも感動してしまいました、、、。山崎貴氏は、監督としての才能もさることながら、脚本家としても見事だな~と毎度感心させられます。たしかに、ある意味では型にはまったストーリーテリングで、意外性みたいなものは全然ないんですけど、ファミリー映画ですからこれでいいと思います。設定としては「モンスターズ・インク」にそっくりなんですけど、あちらに負けないぐらい、よく出来たキャラクターたちですよ。コナキの可愛らしさや、グンジョーとナキの友情には心動かされますね~。森の中を跳ねるうにジャンプするとスーパーボウルみたいなのもたくさん出てくるその映像の躍動感の素晴らしさ、テングダケを食べたときの美味しさの表現、何度投げ返しても戻ってくるコナキのユーモラスさ、強がっていたのにすかさず逃げる用心棒たちなど、いいなと思えるシーンはたくさんあるのですが、なんと言っても、最後の最後に大泣きしてしまうナキのシーンですかね。いや~切ないけど、ほろっときちゃいましたよ。全てのこども達に安心してお勧め出来る良作です。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2012-11-11 22:58:36) |