161. マイ・ブラザー(2009)
《ネタバレ》 兄の死後、弟がその代わりとなって家族を支えるシークエンスは、自然でとても良い。 役者も皆、良い芝居をしているし(特に子役がスゴイ)、全体的には大変良作だと思うのだけれど、テーマが家族愛なのか、兄弟愛なのか戦場の罪なのか、ややわかりにくいため散漫な印象が残る。 ラストでナタリー・ポートマンが夫の秘密を聞き出すのは、夫と共に向き合おうと決意した、という希望への暗示なのだと思いたい。 この想像を超えた過酷な運命に家族が立ち向かうことができるのか…、その先の物語の方が興味深い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-18 20:01:10) |
162. 裏窓(1954)
セットの箱庭を眺めているだけでも楽しい。 カメラは身動きできない主人公の視点に固定されているため、私たち観客も一緒に覗き見しているような気にさせられ、それだけに終盤になって窓の向こう側の男と視線が交わるシーンは衝撃的。 今さら言う事でもないけれど、演出の巧みさはやっぱりさすがだ。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-17 21:23:35) |
163. シャッター アイランド
配給会社の「だまされるな」という宣伝にだまされると痛い目を見る。 トリックが事前に予想できても十分に楽しめるだけの、演技と演出のクオリティだった。 ゾンビになってしまってでも忘れてしまいたいくらいの哀しみの深さを示したラストシーンが印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-16 20:39:31) |
164. パニック・ルーム
フィンチャーの直球ストレートなサスペンスムービー。 凝った伏線なんかは全然ないんだけれど設定はピカイチだし、オープニング・ロールや家中を這いまわるカメラワークも面白い。 娘の病気やら、犯人の仲間割れやら、次から次へと起こる出来事が一切退屈させる暇を与えないけど、実は一番緊張したのはジョディ・フォスターのオシッコのシーンだったりもする。 ひねりやオチは一切ないけど、娯楽映画としては及第点の楽しさだと思う。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 09:41:12) |
165. 処刑人II
前作を観た時、自分的にはそんなに高評価じゃなかったってのに、Ⅱも観ちゃうってことは、意外とハマってたのかもしれない(笑) 今作もマクナマス兄弟のバカっぷりは健在で、性懲りもなく映画ネタやロープを必要以上に使いたがったり、大事な場面で兄弟喧嘩もしちゃう。 銃撃戦は相変わらずカッコよくて痛快だし、前作のファンは十分楽しめたと思う。 しかし、いかんせん10年は長すぎて、さすがの兄弟もちょっと美貌に翳りがでたこと、それに何と言っても前作では主役を食う勢いだったウィレム・デフォーの穴は埋めがたく、その点がやや残念。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-11 00:17:33) |
166. インセプション
朝目覚めて「もっと続きが見たい」と思ったり、「目覚めて良かった~」とホッとしたり、そんな経験は誰にでもあるだろう。 そんな身近なモノを主軸に、これだけのビジュアルクオリティーとしっかりした構成の物語で魅せてくれれば、娯楽作品としては拍手ものでしょう。非常に独創的。 ただ、夢の世界(層によって時間の経過が違うとか、夢と自覚すると周囲(投影)の態度が変わる)とか、目覚める時のルールとか、どうしてもこの“新世界”を理解するための説明と、SFとして成立させるための理屈っぽい台詞が多くなってしまうのがこの手の映画のネックかもしれない。 私的にはミッションの遂行よりも、夢の世界で生きたいと願うコブの妻の、これが現実だと誰が言い切れるのか?という問いかけが心に響いてしまった。 物議を醸しているラストシーンも含め、想像力をかき立てられる刺激的な作品だったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-09 23:17:25) |
167. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
多少の不自然は強引に押し切って、何回も「あの時ああしていたら…」を見せてくれるサービス精神あふれる作品。 なので、速い展開にぐいぐい引き込まれてあっという間の2時間だけれど、物語には決定的に重みがない。 だって、そもそも主人公は最初の人生でもう既にケイリーのことは忘れて大学生活を謳歌しちゃってるわけだし、現在に戻るたびに二人はくっついたり離れたりを繰り返している。 ここで、何回やり直してもどうしても恋に落ちちゃうくらいの、深い結びつきがあればラストがコピー通り「映画史上最も切ない」となったと思うんだけどなぁ。 もちろん、カオス理論なんて難しいハナシを持ち出すまでもなく、人の一生ってのは、家族や友人や恋人との繋がりと影響に大きく左右されるものであるということに異論はありませんし、そういう意味では大変楽しめました。 ところで、同じ境遇に置かれているお父さんを助けることはムリだったんだろうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-08 23:02:18)(笑:1票) (良:1票) |
168. ボーン・アイデンティティー
マット・デイモンが知的なアクションヒーローを好演。 暗殺計画失敗の理由も、あの好青年のマット・デイモンならあるかも?と思わせる。 記憶を無くしたスパイという、なさそうでありがちなこのお話し、やたらド派手にしなかったことで、そこはかとなくリアリティさえ滲んでくるような気もする。 [DVD(字幕)] 7点(2011-09-08 20:16:53) |
169. デンジャラス・ビューティー
サンドラ・ブロックの魅力炸裂。 ブタ鼻笑いがこんなにキュートな女優って他にいるかしら?ってくらいハマってました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-04 12:59:38) |
170. レクイエム(2009)
被害者家族と加害者の33年に及ぶ苦悩と葛藤の人生を、派手なアクションもなく、淡々と振りかえる。 当時のアイルランド情勢には詳しくないのだけれど、ジョーズのポスターが貼ってあったりして、ああ、あの頃なのか…と身近に思わせたりする演出があったりする。 忌わしい過去と決別することで、生きている人の魂もまた慰撫されるという深いテーマの物語だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-03 13:19:51) |
171. エレクション
徹底的に善人がでてこない、香港ノワール。 組織の内戦を派手な銃撃戦やアクションもなく、あくまでも泥臭くマフィアの恐ろしさを描いている。 陰惨な物語ではあるが、テンポの良い演出でさらりと見せているところが好印象。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-31 21:19:47) |
172. サブウェイ123 激突
「あ~~~、面白かった♪」 ポップな映像処理とスピード感でぐいぐい引き込まれるド派手映画。 ネズミのせいで誤射とか、現金輸送途中にまさかの大事故(人質以上に死傷者でるんじゃ??)とか、んもうばっかじゃないの?みたいなシーンはいっぱいあるんだけど、たたみこむ様に「これでもか」と繰り出されるパンチのおかげでまったく退屈はしない。 ただ、あの斬新なカメラワークはちょっと目が回る。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2011-08-19 14:12:16)(良:1票) |
173. ソルト
アンジェリーナ・ジョリーの超人的かつ優美なアクションがこれでもか!というくらい堪能できる映画。 脚本はやや凡庸で粗もあるけれど、アンジーの魅力一本で最後まで失速せずに魅せきってしまう。 二転三転する彼女の素性や、それによるコスチュームの変化なんかも見逃せない。 娯楽作品としては十分楽しめる豪華な作品。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2011-08-15 16:32:03) |
174. ザ・グリード
ノリノリでスピーディなモンスターパニックムービー。 最初から最後までノンストップでパニクリますので、体力のない私は観終えてため息をつきました=3 暑苦しいまでに高いテンションと、B級テイストたっぷりのラストもGOOD! [CS・衛星(吹替)] 7点(2011-08-15 13:22:50) |
175. ゾンビランド
《ネタバレ》 終末を生き残る主人公の掟が「二度撃ち」という具体的なものから「ささやかなことを楽しめ」なんていう人生訓的なものまで様々で、ゾンビの襲来に備えてけっこう勉強になる(笑) 冒頭で知人がゾンビに…という通常のゾンビ映画のパターンだが、その後はどこの誰ともわからない「モンスター」であるゾンビを倒しまくる。 基本的にゾンビ映画というのは「死者への冒涜」という決定的なタブーを冒して、相手が女性や子供、ましてや友人や家族であったことに動揺したり、懊悩するものであるが、そういう哀しく恐ろしいシーンは、この映画にはまったくない。 なので、後味爽やかに見られる反面、戦う相手がゾンビである必要もないという気もする。 しかし、日頃の鬱憤をはらしてスッキリするためのおバカムービーとしては、実によくできている。 きらびやかな遊園地とゾンビという画的な対比も楽しいし、ゾンビのおかげで、失った日常の代わりに友人と信頼を手に入れてハッピーになっちゃうなんてお定まりを逆手に取る展開も楽しい。 ああ、あと、これだけは言っておかなければ。 エンドロールは最後まで必ずみること! [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-15 09:48:24)(良:1票) |
176. 人のセックスを笑うな
ちょうど公開直前くらいだったと思うけど、主演二人の対談を見ました。 我らが松ケンは完全に永作さんに恋していて、それは演技上の疑似的なものだったのか、それともプロモーション的なリップサービスだったのかもしれないけれど、非常にドキドキしたのを覚えています。 実際この映画は、アドリブとしか思えない自然な会話としつこいくらいの長回しで、なんだか、覗き見しているような照れくささを感じます。 デートで観に行ったカップルはちょっと気まずい思いをしたんじゃないでしょうか。 あれから数年、今やすっかり大人になった松ケンだけど、この映画の中のカワイイ彼は本当に瑞々しく、「だって触ってみたかったんだもん」という永作博美には大いに共感します。(原作既読・DVD) [DVD(邦画)] 7点(2011-08-12 20:02:34) |
177. ソラニン
ストーリーにはなんの捻りもないし、取り立てて褒めるようなものすごい演出があるわけじゃない。 ないんだけど、もう少し幼かった頃は「世界を変えられる」とさえ信じてた夢が、現実には雲を掴むような話であることを知り、自分の着地点をそろそろ決めなくてはならない年頃の彼らの姿が、優しい視点で丁寧に描かれている。 ものすごく大人な私だけれど、それでもこれを観て胸苦しくなる気持が自分の心の奥の底の底の方にまだ残っていたということが何よりの収穫。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-09 11:13:27)(良:1票) |
178. ドロップ
漫画のコマがそのまま実写に移っていく始まり方からして楽しい。 初監督作品だが、決して自己満足になっておらず、何よりもまず観客を楽しませようという姿勢が見て取れることに好感が持てる。 アクションシーンのキレも良いし、お笑いの要素もふんだんに散りばめられていて、気楽に楽しめる娯楽作品になっている。 何の期待もしないで観たせいか「やるじゃん!おしゃべりクソ野郎!!」と、自分的に絶賛(笑) [地上波(邦画)] 7点(2011-08-02 13:57:12) |
179. 幸せのちから
今夜の寝床を確保するためにひたすら走る父子。 落してしまう息子の大事なおもちゃ。 決して拾われることがないそのおもちゃこそが、「子どものほんのささやかな喜びや希望を守ってやることもできない父の悲しみを端的に現わしている気がして、あのシーンはホントに切なかった。 山のようにあるうまく行かないことを押しのけて、成功に向かってひた走る父親の苦労を、ちゃんと理解している健気な息子を演じるジェイデン君が、とにかく愛らしい。 佳作。 [地上波(字幕)] 7点(2011-08-02 13:20:03) |
180. アバター(2009)
ジェームズ・キャメロンがこだわりにこだわった、3Dは文句なしに素晴らしい。 これまでの、単に奥行きだけが強調されたものとは一線を画した、臨場感あふれる映像には度肝を抜かれた。 特に飛行シーンの迫力は凄まじい。 ストーリーは、もう手垢のついたというか、どのシークエンスも既視感を拭えないありきたりのものだが、パンドラという未知の星をわたしたちの(まさに眼前に)存在させたという映像の説得力はそんな理屈をねじ伏せるだけのパワーがあったように思う。 CG技術のひとつの到達点と、映画の可能性の広がりを考えると、革新的な作品ではあるでしょう。 ただ、色がね~。メガネのせいで明度が落ちるんですよね。仕方ないけど。 飛び出す字幕(笑)は読みにくいので、映像を堪能するためには吹き替えの方がよかったかもしれません。 [映画館(字幕)] 7点(2009-12-29 12:43:58) |