1. 疑惑の影(1943)
《ネタバレ》 殺人者と同じ屋根の下に生活をしなければならない恐怖のみで、リトル・チャーリーとアンクル・チャーリー、この名前によって何か間違いが起きる訳でもなく、最初から最後までドンデン返しがあるわけでもない。彼は自分が気付いた事に気付いているのか?居ないのか?この辺の攻防くらいしかないので、もう一つ物足らなさを感じてしまいます。 [DVD(字幕)] 4点(2006-02-02 22:22:39) |
2. 女優須磨子の恋
島村抱月と松井須磨子の恋、今より不倫に対してはるかに世間の風当たりの厳しいこの時代の物語であるのだが、抱月、須磨子ともに苦悩や心の闇のようなものがもう一つ見えてこない。そもそも田中絹代がミスキャストな気がしてしまう、東宝が山田五十鈴と聞けば、尚更山田五十鈴を見たくなる。 [ビデオ(字幕)] 3点(2006-01-21 20:09:39) |
3. 陸軍
オープニングでの藩士が語る「これからはアメリカやイギリスが鵜の目鷹の目でやってくる、藩の為に死ぬのはワシ等で最後にしなければならん」藩を国に置き換えれば思いっきり反戦思想な言葉で始まる。ラストではセリフに出して何かしゃべってしまえば切られてしまいかねないところを、子を想う母として見せるだけに留まらせる事で母の心の内はどのようのでも取れるというギリギリの部分で見せきってしまう。木下監督は「二十四の瞳」でもそうですが無駄なセリフや映像を見せない事で強いメッセージを残す事が抜群に上手いです。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-01-09 00:15:26) |
4. カサブランカ
名ゼリフが印象的な映画ですがヒット映画ではあると思うが名作かなあ?ボガードはキザなカッコつけしいの未練がましい女々しい男ですし、バーグマンは既婚者でありながら美貌をエサ男を弄ぶヒドイ女です。こういう人間にあまり魅力を感じないですよね。 [DVD(字幕)] 1点(2005-11-02 22:44:36)(良:1票) |
5. 白い恐怖(1945)
フロイト、夢判断、退行催眠といった心理学の要素を盛り込んだサスペンスに、さらに夢の世界をダリが作り上げる。サスペンスとしては物語に無理があるのは間違い無いが十分楽しめる。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-10 21:12:13) |
6. 大曾根家の朝
クリスマスを祝う平和な一家に突然災難が降りかかる。思想犯として捕らえられる長男、招集され戦死する次男、軍人に憧れる三男、愛する人が出征し叔父に無理矢理結婚を勧められる長女、焼き出され勝手に上がりこむ軍人の叔父、じっと全てを受け入れる母。やがて運命の一日が訪れ彼ら全ての価値観は覆される。平和であることは何よりも幸せであることに違いないが、彼らは当時の日本人の中ではかなり恵まれた一家である。 4点(2005-03-12 00:06:24) |
7. 無法松の一生(1943)
58年版を先に見ましたが、まんま一緒ですね。好みとしては全般的にこちらの方が好きです。太鼓シーンはこちらの方が細かく打ち方をしてくれますが、迫力では三船の方勝っていた。ラストの風に揺れるポスターなんか実に粋でよかった。 7点(2005-01-05 18:14:04) |
8. 断崖
アンタ、この男でホントにイイんかい!この手の女は離婚したところで、またこの手の男に引っかかっちゃうんだよな。どうしてもこういう男を好きになっちゃうんだよね。 5点(2004-12-13 18:29:01) |
9. レベッカ(1940)
《ネタバレ》 レベッカと言う女性を一度も映すこと無く、登場人物は皆レベッカを知り、知らないのは新妻と観客のみであることが、逆にすでにこの世に存在しないレベッカの存在を強烈に印象付け、そのレベッカに対して恐怖を感じる。そしてラストで登場人物の誰もが知らないレベッカの衝撃の事実を知ることとなる。レベッカの本心は夫を憎み、夫を殺人犯にしたかったのだろうか、それとももっと夫に愛して欲しかった女性であり、もっとも愛している夫に殺されたかったのか。真実を知るのはレベッカのみである。 9点(2004-12-06 18:43:01)(良:1票) |
10. 戸田家の兄妹
「東京物語」の無常感は些か難しくもあり、少々年を重ね、人生経験を積んでから出ないと十分理解しがたいと思いますが、「戸田家の兄妹」は分かり易く、各々の立場への共感、ラストの爽快感など楽しみやすいです。若い笠智衆や佐分利信、高峰三枝子など必見、ただ音声が非常に悪いのが難点。 7点(2004-11-15 17:55:49) |
11. 父ありき
映像はかなり悪いし、音声はまともに聞ける状態ではない、これが非常に痛い。物語は父子物であり「一人息子」より面白く、ラストもあっけなく終わってしまうが、それが却って無常感を醸し出しておりとてもよい。 7点(2004-08-25 22:51:48) |
12. ロープ
私の好きなワンシュチエーション物の代表的傑作。これノーカットかな?6回くらいカットしてる気がするのだが・・・それにしてもスゴイ、お見事。監督、役者、カメラマン、照明、美術等全員が気を抜けない状況ですばらしい仕事をしていると感心してしまう。 8点(2004-05-27 19:07:12) |
13. 救命艇
ドイツ人かなり悪者にされてますが、小舟の密室パニックサバイバルサスペンスとして充分中身が濃く楽しめる映画。私的には味方軍の砲撃で沈む不条理なオチにして欲しかった。 7点(2004-05-14 22:51:10) |
14. 長屋紳士録
後年の小津監督の映画はハイソな家庭が多いが、この映画は長屋の庶民がよく描かれている。子供がついて来たんで拾ってきたという今では信じられないようなことが、戦後間もない頃は当たり前で、上野の山に戦争孤児が溢れかえっている。当時はこういった子供が食うために犯罪を犯す事も多いんで、少年犯罪が最も多かった時期でもある。警察もまともに取り合ってくれないからか、自分たちの問題として解決しようという長屋の人々、世知辛い世の中と言いながらとても暖かい人々上手くが描かれている。 8点(2004-05-09 13:40:11) |
15. 風の中の牝雞
今では死滅に近づいている倫理観、理由はともあれ姦通を働いた妻を許せない夫。絶対言っちゃダメですよ、奥さん!男は弱いしちっちゃいんだから。この男も相当酷いです。封建的亭主で階段から突き落としても、上から大丈夫か?と声をかけ、大きな心、深い愛と言いつつ、まだ全然こだわりながら、腰にしがみ付く妻を上から見下ろし偉そうに語り、怪我はないかってビッコ引いてるのを見てもいない。奥さん、こんな男とは別れなさい! 4点(2004-05-07 11:22:55) |
16. チャップリンの殺人狂時代
チャップリンはなんでストレートに勝負したがるんでしょう。私みたいな人間には気味が悪いです。もっとスマートに味付けして欲しい。それまでのストーリーも前半がかなりだるく感じた。 0点(2004-03-13 00:15:16)(笑:2票) |
17. 一番美しく
黒澤映画で見るべきなのか迷った作品。プロパガンダでありながら黒澤監督のせめてもの抵抗も感じられる。この映画なくして黒澤の反戦思想や社会や体制などへの痛烈なる風刺も無いのかな。 5点(2004-02-23 21:16:11) |
18. わが青春に悔なし
見所は原節子のヨゴレ役ですね、白痴でも悪女に仕立て上げる黒澤監督、原節子って眼力あるしハキハキ喋るから意思の強い女性が似合います。思想の左右ってのは時代によって判断分かれますから、どちらが正しいというのは一概には言えないでしょう。ただ一点の悔いも残すことなく信念を貫くというのはなかなか出来る事ではない。そして戦争よりなにより一番恐ろしいのは思想もなにもない普通に生活している市民です。 7点(2004-02-14 01:21:51) |
19. 素晴らしき日曜日
戦後まもなく金も何も無いカップル、日曜日のデートでのささやかな幸せ。女の子ってのは健気で前向きで未来が見えるものだが、男ってのは今も昔もどうしてダメなんだろう、ダメさ加減がなんともいい感じです。 6点(2004-02-12 21:56:02) |
20. 續・姿三四郎
前作は柔道対柔術でしたが、今作ではより総合格闘技化しています。日本人対米国人というのは外せなかったんでしょう。武道かエンターテイメントか、現在も問われる問題ですね。柔術家がリングに上がる様は曙がリングに上がるのを思い出させる。ただラストがあまりに尻切れトンボな気がします。 6点(2004-02-08 14:58:56) |