1. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 この監督さんの撮る「日本」は、本当に情緒があって心が癒されることを改めて実感しました。 素朴で美しい!その一言です。 ラストはコテコテのハッピーエンドですが、いくらひねくれ者の私でも、これをみて涙を流さずにはいられません。 黄色いハンカチが見えることは誰もが想像できたのではないでしょうか? しかし分かっていながらも、実際に何枚もの黄色いハンカチを目のあたりにしたとき、どうしてここまで感動できるのか、不思議に思うのでした。 最近は意外な結末を作ることで、感動させようとしたり、びっくりさせる映画が多いですが、この映画のように、想像できる結末をここまで感動させることができることはひとえに監督の手腕と言わざる得ません。 それと殺人犯でありながら、離婚までした男を待ち続ける女性など、現実的にはいないという意見もありますが、そのとおりだと思います。しかし「ありえないこと」を実現させることも映画の役割の1つではないでしょうか?映画は「夢」であり、「希望」の象徴だということをもう一度、確認させられた秀逸な作品です。 CGで人を感動させたりするのではなく、「人間」を魅せて感動させることこそ、真の映画ではないでしょうか。 それに苦い思い出を背負った健さんの周りには、あの警察官(寅さん)も含めて、いい人が次々と彼の周りに吸い寄せられるように集まってきます。そして、すべての人が健さんの幸せを後押ししているように思えました。私は健さんが喜ぶ姿よりも、健さんが幸せになったことで、喜ぶ周りの人の姿を想像してさらに嬉しくなりました。 [地上波(吹替)] 9点(2005-04-15 23:46:36)(良:4票) |
2. クレイマー、クレイマー
悪評の高い母親役を演じたのがメリルストリープ。メリルはいつも「完璧ではない駄目な母親」を演じることが多い。 それにしても「社会は極端に母親にモラルを求めすぎている」そんな気がする。 メリルが演じる母親は、「神聖化された母親」ではなくて、もっとそこらじゅうにいるような、いろんな悩みや欲求を持った等身大の母親なんだと思う。 母親だけが家族の守護神のように、いつも完璧なわけじゃないはずです。 いろんな間違いをおかしても、それに気がつき、最後に真実にたどり着けば、それでいいのでは? 失ってはじめて見えるものだってあります。 それとこの映画で素晴らしい演技をみせた子役。だけど私は「物分りが良すぎる子」だと思う。 私も父親に育てられたけど、感謝する気持ちなど、あまりなかった。それどころか父親を軽蔑していた。愛されていると分かっていても、「これからは母親がいないのだから自分のできることは自分でしろ」と言われて、食器洗いなどをさせられると、「ふざけるな」という気分になる。母親がいないのは、父親のせいではないと分かっていても、そばにいる父親に不満をぶつけるしかできなかった。 この映画の子役のように「パパ愛しているよ!」「パパ、さっきはごめんね!」なんて口が裂けても言えなかった。 言いたくなかった。 たしかに子役は名演技です、しかしあれじゃまるで天使。家族崩壊前の子供の様子には見えなかった。 世の中にはクレイマーな父親は大勢いると思うけど、不和を抱える両親の愛情をあれほど素直に受けられるクレイマーな子供は、そんなにいないのでは? ラストは、「家族の再生か?」と思わせる場面もあるけど、母親のほうは現在恋人がいるわけだし、そもそもこの映画の冒頭で「もうあなたを愛していないのよ」と言い切っているのだから、再びやり直すのは難しいはずです。 ただし男と女の絆は切れても、親と子供の縁は永遠に切れないと思うのでした。 最後に母親の無償の愛情をみられて良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2005-03-07 21:22:44) |
3. チャイナタウン
《ネタバレ》 至上まれにみる最悪のラストを作り出してくれた。 謎の女性の正体は、「父親が実の娘をレイプして生ませた子供」であった。この父親は自分の娘を孕まして産ませたもう1人の娘を欲しくて執念深く探し出そうとする。 主人公のニコルソンは、この父親にレイプされた娘の方と恋仲に落ちて、なんとかこの獣のような父親からメキシコに、2人の女性を逃そうとするが失敗してしまう。 なぜかというと「ここはチャイナタウンだからさ!」というわけだ。 監督としてはこれで「チャイナタウンの真実の姿を見せ付けたぞ、ふふふ・・」と1人で酔っているのだろうが、まったく見当違いだ。あきれ返る。 最後はチャイナタウンから脱出しようとした娘は銃殺され、レイプによって生まれた娘はレイプをした当人の父親にいやらしく抱かれながら去っていく。この男は娘をレイプして生まれた娘をまたレイプして3人の娘を持つことになるのだろう。それを案じさせるように物語は幕を閉じる─。 これがチャイナタウン?いやこれはもうそういう次元じゃない。嫌がらせだ。 何でもかんでも町のせいにするなといいたい。 0点(2005-02-17 22:55:24) |
4. カッコーの巣の上で
《ネタバレ》 組織に身をおくものなら、あの病院の患者に共感できる部分はあると思います。会社にはあの婦長の役割を果たす重役が必ずいます。多くのサラリーマンはそんな絶対的な管理者の前に自分の意見を言えずに自分の心を殺しながら働いている。 そこには人間の尊厳などなく組織の歯車に過ぎないという事実がありますが、それを反発する手立てもなければ気力もない。 マクマーフィは精神病の患者の無気力と怠情に驚いていましたが、これは人を管理することが本能となっている組織が抱えている病根なのだと思う。異常と正常の違いなど紙一重。 恐るべきはロボトミー手術。この映画をみてはじめて知ったけど、昔は暴れるものを鎮めるために脳に傷をつけて大人しくさせるという手法が本当に用いられていた。 異常者だから仕方ないという理由によって。 最後は安楽死を肯定しているようであまり好きではありません。 医者が意識不明患者を「苦しかろう」と解釈して勝手に殺すのと同じようなものです。人間の尊厳がなければ生きていても仕方ないと言うけど、いったいその尊厳は誰が決定するのか?他人が勝手に決めて殺していいはずがないはずです。 [DVD(字幕)] 9点(2005-01-10 23:45:59)(良:1票) |
5. スティング
「STING大好きさん」のNHを見たのをきっかけに、この映画を観た。 クラシック映画なので、現代映画を見慣れてきた私にとっては、多少、違和感を感じたりしたが、最後は見事に詐欺師の天才たちに騙されてしまった。 たぶん、私以外の観客の大勢も、あの愛すべき詐欺師たちに騙されたであろう。 8点(2003-11-03 21:16:24) |
6. ひまわり(1970)
男は最後に女に会いに、わざわざロシアからイタリアに出向いたなら、母親に顔ぐらい見せてから帰れ!と言いたくなった。 長い間、息子を想っていた母親に対する配慮がない。 それにしても、スキーを履いて敵兵を迎え撃つロシア兵には、びっくりした!あれじゃ、無敵のナポレオンだって勝てないよなぁ、恐るべしロシア! 7点(2003-11-01 14:11:23) |
7. 時計じかけのオレンジ
キューブリックが創り出したアレックスは、言い尽くされてきたように、暴力、欲望、性欲の化身と仕立て上げることで、人間が抑圧されている本能を炙り出そうとした。しかし人は殊更本能を忌み嫌い、低俗なものだと考え、潜在化という押入れの中に「人間の本質」である動物を隠そうとする。心苦しい言い方ですが、人間の動物性をキューブリックは、我々に炙り出して見せたのです。このキューブリックの試みは「芸術」と対極をなす人間不信に根付いていることは周知の事実です。しかし自殺する動物の特殊性について、もはや人間が動物としての本能を喪失しているのだということを認めずにはいられるでしょうか?マズローの法則という人間の欲望を端的に表したピラミッドから私たちが理解できることは、満たされる度に我々は人間の本能を失っていくということに他なりません。従ってキューブリックの創造した「暴力」は決して人間の本質ではなく、むしろ本能を喪失させるための役割の大部分を担った「自意識」だと考えるのです。つまりアレックスに対して、あれこれと語るという愚かさは、「わたしは何者か?」と考えることと同じ位に無意味だということです。本来「わたし」というものに中身はありません。もっと咀嚼して説明すると「わたし」とは他人との関係性においてのみ存在するものであり、人間の中身は本来空洞なのです。従ってアレックスに自己を投影させ、嫌悪させたり、共感させる試みは単に勘違い人間を増殖させるだけなのですね。分かるでしょうか? また牧師がいった「道徳を持っているから人間だ」という台詞には、その高い精神性こそが人間の本能を失わせることをキューブリックは暗示させているのが彼らしい。もっと深読みすると、この映画に装飾されている「芸術」という精神の象徴を高度な動物である人間に魅せて喜ばせようとする皮肉なこの監督独特の嗜好が伺えます。 [映画館(字幕)] 0点(2003-10-15 15:28:23)(良:1票) |
8. JAWS/ジョーズ
激突のように、シンプルで恐怖を見事に描き出している、さすがだ。 7点(2003-10-15 02:57:54) |
9. ゴッドファーザー PART Ⅱ
あんまりマフィアものは好きじゃないが、アルパチーノは好きだし、実際にこの映画でも存在感があった。 7点(2003-10-15 00:19:33) |
10. ロッキー
どろくさい [映画館(字幕)] 4点(2003-10-14 20:07:29) |
11. エイリアン
エイリアンなどの映画は、普通は見ないのだが、あまりにも人気があったので見てみた。やっぱり気持ち悪いね、ホラー映画みたいだ、 3点(2003-10-14 16:36:01)(笑:1票) |
12. アニー・ホール
ウディ・アレンのギャグがよくわかりませんでした。 [DVD(字幕)] 6点(2003-10-14 14:41:15) |