1. ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳
《ネタバレ》 ツッコミどころが多すぎて、どこからツッコんで良いやら……。 前半は、如何にも当時の香港映画らしく、本筋に関係の無い無駄の多いユルユル展開。中盤を過ぎてから強引に話が進み、無理矢理終盤に雪崩れ込むのは、この頃の香港功夫映画のお約束みたいなモンで。w そして終盤に差し掛かると、それまでの大味で雑なゆる~い殺陣から一変して、見応えのあるシビアなアクションに。いや、そんなことはどうでも良い。途中、いきなり差し込まれる『酔拳』のトレーニングシーン! ジャッキーが芝生の上で酔八仙拳(この映画では韓湘子の部分を使用)の套路を練っている。えっ、この映画は74年、『酔拳』は78年。なのにあのシーンが撮影済とは……。「実は『酔拳』は完成までに6年近くを要している」という噂は本当だったのか! そして、相手の自爆によって棚ぼたで決着が付いてしまう、ある意味衝撃のラスト。w 後にジャッキー映画の常連となる役者さん達がたくさん出ているが、『蛇拳』(&『酔拳』)がどれほど出来の良かった奇跡の功夫映画だったのか、再確認させてくれます。 [地上波(吹替)] 5点(2016-09-21 17:54:05) |
2. レッド・ドラゴン(1976)
いや、もう……いろんな意味で凄すぎる。www ブルース・リー主演の『ドラゴン怒りの鉄拳』の正統的続編ということで、正編において武術指導、敵役のダブルなどなどアクションの裏方として大活躍だったジャッキー・チェンを主役に大抜擢した本作ですが……。 いや、ホントもう……いろんな意味で凄すぎ! 話は雑だしバランスも悪い。日本人に関する描写も正編以上に雑。w 挙句に武打モノとして肝心の殺陣も雑。 どこを見てよいのやら……。何を観るべきなのか……。 もう、精武館って道場名付けて敵が日本人なら何でもイイやっ! みたいな映画。ほんと酷い。w それでも何とか『精武門』というタイトルとしての辻褄を合わせようとでも思ったのか、若きジャッキーは迷蹤芸を練ります。「師父が作り、兄弟子(ブルース・リーですな)が完成させた拳よ」って……いやいや、そんな所で無理せんでも。w 正編でブルースは功夫らしい功夫など使ってなかったじゃないですか? って言うか、詠春拳しかできないし。www ちなみに、余談ではありますが、実際の「精武体育会」と日本の武術道場「武徳会上海支部」はとても友好的な関係でありました。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-04-11 00:22:02) |
3. ブルークリスマス
《ネタバレ》 岡本喜八らしい反体制、反ファシズムなんだが、どこかしら詰めが甘いというか、温いというか……。いやいや。それ以前に、この脚本、何か間違ってるよなぁ。 話の前半3分の2は、仲代達矢演ずるTVディレクターが政府の陰謀を探る話なんだが、当のディレクターが何かしらの見当や推理を持って動いているワケでは無いので、ただ行き当たりばったりに動いては、つかんだ事実に流されているだけ。しかも、この仲代の調査の件がもたもたと冗長に過ぎる。 そして残り3分の1、上映も1時間半を過ぎてから、ようやく勝野洋と竹下景子の話になる。このバランスの悪さ……。しかも、話の背景の説明に時間を割き過ぎてるから、人物描写が全くできておらず、登場人物がペラッペラに薄い。この映画の主人公は誰よ? 勝野&竹下ではないのか? 観る者は誰に感情移入すれば良いんだ? ラストも酷い。勝野は、然したる葛藤に悩むことなく竹下を射殺してしまう。女を殺した後、叫びながら本隊に向かって行って自分も殺されるんだが、描き方が下手過ぎるだろ! 殺す前にもっと苦悩しろよ。結婚しようとまで思った女だろ! 挙句になんと、あろうことか仲代の話と勝野&竹下の話は交わらない! 約1時間半を費やした仲代の物語は、ただ2人を取り巻く状況を説明するための話でしかないのだ。この映画は何を見せたかったんだ??? 何でもカンでもドタバタと馬鹿エンターテインメント化してしまうハリウッド流も軽薄でつまらないが、回りくどくヘンに重たければ何かを言ったような気になってるコノ手の日本流も相当ウザい。 映画ってのはバランスだねぇ、やっぱり。 竹下景子の美しさに免じて3点。倉本の脚本は0点だ! [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-02-28 00:03:20) |
4. エスパイ
いやぁ、薄い。w ぺらっぺらに薄っぺらい。www 40年近く前の作品であることを差っ引いてもスカスカなストーリー。他のレヴュワーの皆さん書いてらっしゃるが、見所と言えば由美かおるの美事なロケット型オッパイのポロリシーンのみ! 何と悲しい映画でしょう。www それにしても、いつも思うことがある。この手のSFやファンタジーは、監督のイマジネーション能力に尽きると。スター・ウォーズシリーズが、なぜあのチャチで陳腐なストーリーにも拘らずウケるのか? それは、常に時代の最先端の画を見せてくれるからであり、観客の期待以上の宇宙に連れて行ってくれるからだ。 それに比べて、この映画やハリ・ポタシリーズを観ると福田監督やクリス・コロンバスの凡庸なイマジネーションが如何に映画をつまらなくしているか痛切に感じてしまう。せっかくの超能力合戦や魔法というおいしい素材が、予想の範囲内、どこかで見たことのあるチンケな表現でしか描かれない。 まあ、今現在ならば、CGでハリウッドに敵わないのは仕方がない(まあ、それにしても日本らしいアイデアと工夫で勝負してほしいものだが)。しかし70年代と言えば、特撮=日本だった時代である。特撮日本がこんな映画を『日本沈没』に続くSF大作と称して、恥ずかしげもなくリリースした事が恥ずかしい。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-02-27 15:25:16) |
5. 竜馬暗殺
何でこんなに評価が高いんだ???w 映画マニアの友人が言っていた。「ATGの映画は、面白い映画じゃない。面白がる映画だ」と。言い得て妙である。 黒澤映画のパロディのようなオープニングから、さも古そうに加工したモノクロ映像。実験的といえば実験的だが、そこに何の意味があるのか理解できない。 ストーリーも有って無いような物で、ただ竜馬と刺客たちの追いかけっこ。幕末の切迫した世間の動きの緊張感は無く、無駄に多い濡れ場がさらに話のピントをぼかしてしまっている。 原田芳雄の荒々しい男臭さだけは充分に伝わってくるが、だからと言って映画の評価を上げるには至らないなぁ。 この映画を見て思ったが、今や松田優作と原田芳雄は一流扱いされて、石橋蓮司は未だに脇役俳優。なんでだろう? 結局は顔の作りの問題なんかねぇ? 少なくともこの映画では、最も観るべき芝居をしているのは石橋蓮司だと思うんだが……。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-08-24 13:54:25) |
6. 水滸伝(1972)
原作なんぞは大昔に読んだため、盧俊義と燕青が仲間になる件といわれても「ああ、そんな所もあったよね~」程度でストーリーの記憶などは全く無い。だから、これが原作に忠実なのかどうかはよく分からないけれど、恐らくはだいぶん整理して切り詰めてあるのだと思う。 水滸伝の原作は、確かに面白いけれど無駄も多くて、登場人物も多いし入り乱れていて分かり難いからね。そういった意味ではよく出来たホンだとは思うが、それでも話の展開はかったるい。 お前ら盧俊義で遊びすぎだろ?! くらい、何度も助けかけては失敗し、最後は梁山泊総出の救出劇となる。その割には助けてからの展開は結構雑で、駆け足と言うより猛ダッシュで話が進む。そして最後はお約束の両軍入り乱れての大乱闘。 70年代前半と言えば、香港映画は日本映画に追い付けとばかりに、積極的に日本映画界から技術を吸収していた頃。この映画では、ショウブラザーズの看板スター総出演の中に丹波哲郎と黒沢年男がゲスト出演しているのだが、これが単なるお飾りではなく、重要な役どころを占めているのが日本のファンとしては嬉しいところ。ラストは丹波と黒沢の対決だしね。 特に丹波哲郎は、正直言って大味な芝居の大根役者だと思っていたのだが、その大味さがこの作品では大陸的と言っても良い“味”になっている。そうか、やはり彼は世界の丹波だったんだ!?w そしてさらに驚くことに、丹波と黒沢が元気に功夫的な闘いを披露している。日本人のクンフースターは倉田先生だけではなかったのだ!w 何はともあれ、今現在の観点からすると、映画として面白いかどうかはさて置き、観ておいて損の無い作品ではあります。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-28 16:56:43) |
7. デス・レース2000年
ばぁか~っ!www いやぁ、素晴らしい。思いっきりアホな設定。有るような無いようなストーリー。これ見よがしに無駄なエロ! さすがB級低予算速撮り映画の巨匠ロジャー・コーマン。分かってらっしゃる!! これぞB級低予算SFアクションの鏡です!w でたらめではあるが話もそれなりに纏まって(?)るし、車載カメラを使いローアングルから撮った映像は、あろうことか予想以上の迫力でビックリ!www それにしても1975年には25年先の2000年はSF的近未来だったんだなぁ。レースが始まる前のスタジアムの背景に、マットペインティングで描かれた都市には未来世界らしき街並みが……。ま、それはともかく、マシンガンをぶっ放すときに、口を歪めて「うあぁぁぁっ!」と吠えるスタローン! まったくランボーなのが面白い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-05 00:31:50) |
8. 伊豆の踊子(1974)
《ネタバレ》 もう30年ぶりぐらいで観ましたが、「え?! この映画ってこんな終わり方したっけ?」と、ちょっと驚きました。伊豆下田で船に乗って東京へと帰る友和。必死で手ぬぐいを振って見送る百恵。なぜかずっと、このシーンで終わった印象があったのに……。実際は、船上で百恵ちゃんにもらった櫛をみる友和に、浦部粂子扮する峠茶屋のばあさんの声が被さる。「あんな連中と関わりを持っちゃいけませんよ」と。そしてシーン変わって、酒席で踊る百恵ちゃんに酔ったヤクザ者が抱きついていく。そしてストップモーションで『終』。やっぱりこんな恋はひと時だけの物なんだ、と。かおるはいつまでも初心で可愛い女の子ではいられないのだ、と暗示するラスト。確かに、本編中にもかおるに客を取らせる事を暗示するようなシーンは2度ほど出てくる(まあ、その度にお母さんは断りますが)。これって百和コンビの1本目だった記憶があるんだけど、ベタベタのラブストーリーで終わらせず、当時人気絶頂の2大青春アイドルスター映画のラストシーンとしては、かなり頑張ったラストシーンでしょう。見直しました。w [地上波(邦画)] 6点(2007-08-07 04:22:21)(良:1票) |
9. さらば愛しき女よ
何度観ても「うん、うん」と頷いてしまうような映画です。原作ファンとして、文句の付け所が一番少ないマーロウ物と言って良いでしょう。まあ、本来ゲーリー・クーパーをイメージして作られたフィリップ・マーロウというキャラに、ミッチャムは少々どん臭い感じが否めない、という泣き所はあります。しかし、この後もう一本『大いなる眠り』をミッチャムで撮ったわけですから、本国でも概ね好評を持って迎えられたんでしょう。原作は元々短編を長編に引き伸ばした話なので、途中で少々無駄な部分も感じるのですが、この脚本は大筋を変えずに綺麗にまとまっていて破綻を感じません。鮮やかな色を出すためにわざわざフジカラーフィルムを使って撮影した夜のネオン街も、退廃的な雰囲気を醸し出すのに一役買っていて良い感じ。原作の乾いたセンチメンタルを、もう少しだけウェットにしたような、すばらしいハードボイルド映画だと思います。また、若き日の端役の頃のスタローンが見られるのは、嬉しいオマケと言ったところでしょうか。www [ビデオ(吹替)] 8点(2007-06-18 07:25:38)(良:1票) |
10. ロッキー2
う~ん…、何故かこの作品だけ何度観ても印象が薄い。1の焼き直し的な雰囲気と、前半の展開のかったるさのせいだろうと思う。また、エイドリアンが昏睡しているときのシークエンスも少々長すぎる。後半3分の1でやっと「ロッキー」らしくなるんだが、おお~、来た来た!」と喜んだのも束の間、クライマックスの試合が1とさして変わらない。まあ、基本的にこのシリーズが大好きなんで、コレも良い映画だとは思うけれど……。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-04-23 01:53:12) |
11. 天国から来たチャンピオン
《ネタバレ》 昔観た時は、もうちょっと面白かったと感じた気がしたんだけど…。まあ、今見て全体的に古臭く感じるのは、実際に古いんだからしょうがない。でも、もう少し見せ方に工夫が欲しいよね。結局、誰になろうが姿がビーティだから、そこに差が出来ないのが辛い。大富豪の年恰好に関する描写(説明ゼリフででも良いから)があれば、まだそこに可笑しみもあったろうに。あの大富豪ってそんなに若かったんだろうか? ちょっと鍛え直してアメフトのプロ選手になれるほど? あと、誰かも書いていたが、あちこちで好き勝手に事態を引っ掻き回しといて、全部やりっぱなしってのは無いだろう。女のために会社の計画をぶち壊し、チームを買収し、富豪が殺されたら「じゃ、次行こ!」って、お前…。 4点(2004-06-01 19:49:04) |
12. スティング
映画史上に燦然と輝く名画中の名画。初めて見たのは20年以上前、まだ中学生の頃だったけれど、初見でもう完全にKO。それ以来何十回観たことか。寸分の無駄も無い脚本、スマートな演出…。ストーリーもラストも全て判っているのに、何度見ても引き込まれてしまう。役者陣は、主演の二人は言うに及ばず、敵役のロバート・ショウ、さらには脇役の一人一人に至るまでカッコイイ。ハリウッドでは、この映画のリメイクが何度も話に上るが、この作品を超えられるのか? と言う点で誰もが尻込みをして、結局着手されないんだとか。分かる! この映画を超えるのは並大抵のことじゃ無いね。それくらい素晴らしい! この映画を観たこと無い人がいるなんて信じられないっ、アタシにダマされなさいっ! 10点(2004-04-22 00:02:14)(良:1票) |
13. ロッキー
この映画一本で、俺はシュワルツェネガーよりもスタローンを支持する! 10点(2004-03-14 04:11:05) |
14. レガシー
この映画、大好きです。遺産を受け継ぐ候補者が次々と死んでいき、最初は恐ろしい魔力の遺産に恐怖し、戸惑っていたロスが、次第にそれを当たり前として受け入れていってしまう辺りがじわ~っと怖い。 8点(2004-03-14 03:44:42) |
15. エクソシスト2
原作から1が切り捨てた残り滓に、なんじゃそりゃっ?! というオリジナルストーリーをくっつけた…。そんな映画。ストーリーは【つちのこ】さんが解説されてますが、如何せん見せ方が下手。観念的過ぎる。はっきり言って観てるのがツラく、時間が勿体無い。 2点(2003-11-19 06:55:13) |
16. エクソシスト
オカルトホラーの金字塔! 原作の雰囲気を壊すことなく、面白い部分だけを抜き出してある。これを超える恐怖映画はそうそう無い! で、その残ったつまらない部分が全部2に行ったワケだけどね。まーそれはさておき、この物語は、単なる恐怖映画ではなく愛の物語なんです。母が娘を思いやる愛、息子が母を思いやる愛。それがままならなかった所につけこむ邪悪なモノ。 クリスチャンであろうが無かろうが、そういった普遍的なテーマを持った作品だからこそ、世界中で受け入れられたんだろうな。 [映画館(字幕)] 10点(2003-11-19 06:49:44) |
17. 惑星ソラリス
何と評して良いか分からないが、とにかくスゴイ映画だと思う。昨今のこけおどし的SFXや小手先の技術に頼ってクソつまらない映画がゴミの山に見える。親子の愛、夫婦の愛といった人間的な深いテーマを独特の雰囲気で描いており、3時間弱の長さも気にならない。まあ、最新技術を否定するわけではないが、イイ話があれば奇抜な特撮なんて必要ないんだねぇ…。 10点(2003-11-12 19:55:24)(良:1票) |
18. ウイラード(1971)
かなり子供の頃に見て、ネズミって恐いもんだなぁ…などと思った覚えがある(笑。 気弱で根暗な青年ウィラードがネズミだけを友とし、ネズミを裏切り、ネズミに復讐されると…。ま、悲しいお話だわな。どうでもイイけど、この原作は、もともと「ネズミ男の手記」っつータイトルで、映画の公開に合わせて「ウィラード」に改題されたんだとか。「ネズミ男の手記」じゃ、誰も観ないだろーなぁ…。(笑 ともあれ続編の「ベン」よりは良く出来てると思う。「ベン」のウリはマイケル・ジャクソンが主題曲を歌ってることくらいだからねー。 6点(2003-11-12 19:32:37) |
19. アルタード・ステーツ/未知への挑戦
《ネタバレ》 クセのあるアーティスティックな映像美はさすがケン・ラッセル。面白いかどうかはともかく、傑作である事は間違いないでしょう。話については、好みの別れるこれまたクセのあるもので、ツッコミどころ満載。如何にも70年代ニューエイジ思想の影響下にある精神世界モノであり、SFである。自分的にはこのぶっ飛び方は嫌いじゃないなぁ。まあ、自分の深層意識に潜り込んで行くと猿になるのか…、と思うと笑ってしまいますが。何があっても逆行催眠治療だけは受けたくないな…(笑。 また、最後に愛が勝つってのも今観ると非常に陳腐かも。これ、確かウィリアム・ハートのデビュー作なんだよね。昔はカッコ良かったのね、今ハゲてるけど。(^^; 8点(2003-11-11 02:48:32) |
20. アラン・ドロンのゾロ
古い作品ですが、スマートにまとまってよく出来た映画だと思う。ギャング映画づいてたドロンが、アクションあり笑いありで新展開を見せた作品。ただやっぱり、今観直すと全体的にのんびりしてるけどねー。 5点(2003-11-11 02:39:33) |