1. ホーム・アローン
勧善懲悪、バタバタしたコメディが好きな人なら気に入るであろう。しかし王道的なものを見飽きていたり、趣味でない場合はいささか物足りなさを感じるだろう。内容はあるのかどうかでいえば、はっきり言って薄い。ただ楽しく鑑賞できればいいのだ、と割りきって観るのなら問題はない。マコーレー・カルキンは可愛らしいが、都合よく話が進んでいってしまうので、彼の愛嬌が無ければおそらくここまでの評価は得られなかったであろう。 5点(2004-06-15 22:08:23) |
2. シザーハンズ
《ネタバレ》 観る前はホラーだと思っていた。他の方のコメントにもそう書いてあるあたり、これは本作の宣伝を失敗したと思ったほうが良いかもしれない。内容的には非常にファンタジックなラブストーリーである。手がハサミだという人物設定の発想も良かった。ヒロインのBFのせいで二人は引き裂かれてしまうのだが、彼女はエドワードの為に自ら別れを選択する。このあたりは賛美両論かもしれないが、複雑な女心をよく表していると私には思えた。ラブストーリー物としてはなかなか良作。 9点(2004-06-13 20:50:41) |
3. ロビン・フッド(1991・ケビン・レイノルズ監督作品)
娯楽として楽しむのなら悪くない。ケビンコスナーのヒーロー然とした存在感も、こういった内容の映画なら適しているのだろう。脇役陣の豪華さに惹かれて観たのだが、武器を駆使したり、ひたすら勧善懲悪に徹している点もファンタジーヒーローには欠かせない要素である。感動はないものの鑑賞後素直に「面白かった」と思える作品。 6点(2004-06-13 20:34:10) |
4. バッドボーイズ(1995)
内容的にはパッとしないので、主演の二人に思い入れが無ければ退屈に感じられる作品。(私はウィルスミスのファンだったので、当時劇場に二度とも足を運んでしまったのだが)サントラが話題になったので、私のように音楽先行で興味を持った者が多かったのは事実であろう。ストーリー展開も先が読めてしまうが、ポリスヒーロー物として気軽に楽しむのであれば問題ないと思う。過剰な期待は危険だが。 4点(2004-06-13 19:55:37) |
5. シュリ
日本やハリウッドでは作れない映画という点をまず評価したい。アクションシーンはハリウッドには及ばないが、なかなか健闘しているほうだと思えた。女の正体は序盤で気付かされるし、オチは読めてしまうものの、最後まで惹き付けるパワーが確かに本作には存在している。魚をネタに使った点もよかったし、ラストも綺麗に締めていたので好印象。しかし俳優陣にどうも魅力が感じられない。女のほうは非常に人間臭さが出ているのだが、肝心の主人公の内面があまり見えてこないのである。主人公の友人も同様。そのあたりをもっと丁寧に描いていれば、さらに涙を誘う作品となっただろう。そう思うとやや惜しい感が残る。 7点(2004-06-13 19:47:22)(良:1票) |
6. ボルケーノ
劇場で鑑賞したが、パニック映画にしては迫力に欠け、世界観が小さすぎる。おかげで都合の良い展開ばかりが鼻につき、ストーリーに入り込めない。とってつけたようなエピソードにも興醒めである。DVDで観ていたらさらに点数は低かったかもしれない。観たのは何年も前だが鑑賞後に「観て損したかも」と感じたことだけは強く覚えている。 3点(2004-06-13 19:18:12) |
7. 不夜城 SLEEPLESS TOWN
原作と比べてどうこう言うのは嫌いだが、この映画を観て原作を知らない人は完全に理解できるのだろうか?もし理解できたとしてもわかりやすかったと言えるだろうか? 映画では複雑に絡んでいる人物設定の説明が圧倒的に足りず、キャスト陣に迫力が足りない。主役二人は日本語がヘタな設定という事で多少目を瞑るとしても台詞の言い回しが酷すぎる。映像は無国籍な雰囲気が出ていたと思うが、アクションが安っぽくてがっかりしてしまった。原作にある腹のさぐりあいといったやり取りも映画では省かれていた。温泉旅行が実現してしまった点も私は残念だった。あれは原作のまま、実現させずに最後の場面で健一に「二人で温泉に行きたかった」というセリフを言わせたほうが良かっただろう。 2点(2004-06-02 02:16:10) |
8. 耳をすませば(1995)
青春真っ盛り。青臭くて切ない。このような純粋さをいつまでも失いたくないものだ、と思わずにはいられない映画。内容的には質の高い少女漫画のようでありながらも、絵の綺麗さはさすがジブリである。色彩豊かな映像にしばし目を奪われた。 9点(2004-03-17 01:41:35) |
9. シックス・センス
一度目はオチに気付かず「そうきたか」という驚きがあり、二度目はオチを知っているから数々の計算された伏線に頷きながら楽しめる。謎が気になってひきつけられることは間違いないし、サイコホラー的なゾクゾク感もある。そういったミステリーホラーでありながら感動の要素も忘れておらず、様々な層に受け入れられる作品である。 8点(2004-02-24 23:16:05) |
10. PiCNiC(1994)
映像美の中に痛いほど詰め込まれた儚さ。美意識と毒々しさをバランスよくお洒落に演出する岩井監督の才能には感心するばかりだ。配役も素晴らしく音楽も良い。好き嫌いが分かれる映画だとは思うが、非常に岩井氏らしい世界観が溢れている。世間から隔離された主人公たちのピュアさにどこまで入り込めるかが、今作を楽しむためのポイントであるように思う。 6点(2004-02-24 22:36:31) |
11. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
これほどまでに小学生の視点で世界観が描かれていることに素直に驚く。そして時代の空気を切り取るのが非常に上手い。「スタンド・バイミー」に近い秀逸なノスタルジームービーと言えるだろう。誰もが自分の小学生時代を思い起こすに違いない。時間的にも一時間未満と手ごろなので、もう一本借りたいけど長いのはちょっと・・・という時にもお薦めである。岩井氏の感性が合う人にはたまらない作品。 8点(2004-02-17 23:27:55)(良:1票) |
12. スワロウテイル
わかりやすいLoveLetterも良いが私はどちらかというとスワロウテイル派。今作は殺伐とした退廃的な雰囲気の中で懸命に生き抜く不屈のタフネスが描かれている。言葉、人種、国籍について考えさせられる。CHARA、三上、伊藤歩、渡部が役にマッチしており素晴らしく好演している。何度観ても深い感動がある。題材が題材なだけに評価がわかれるのもわかる気がするが、エンターテイメント、アーチスティックという両面を満足させてくれる良作であると私は思う。 10点(2004-02-10 22:01:50) |
13. トゥルー・ロマンス
豪華な出演陣、脚本はタランティーノ、音楽に定評のあるハンスジマー。これらを抜きにしても楽しめる痛快なアクションは何度観ても楽しめる。盛り上がっていくワクワク感、それをきちんと消化してくれるラスト。観た後にとても満足できる映画だ。 9点(2004-02-02 21:33:21) |
14. ゆりかごを揺らす手
おおまかに見るとサスペンスなのだが、じわじわ迫り来る恐怖はサイコホラーに近いものがある。男性よりも女性のほうがより共感し、恐怖感を味わえるだろう。女の執念深さ、妬み深さがリアルに描かれている。 6点(2004-02-02 20:21:19) |
15. 愛の選択
ラブストーリーとしてではなく、闘病生活や関わる周囲の人間たちが織り成すシリアスな人間ドラマとしての記憶が鮮明に残っている。気楽な気持ちで観始めると一気にどん底に落とされるような作品。悲劇的な話が好きな人にはお薦めではあるが、個人的にはいまいち男が身勝手に思えて仕方が無かった。ジュリアの苦悩は伝わってくるのだが。 5点(2004-02-02 19:48:59) |
16. Love Letter(1995)
《ネタバレ》 ロマンチックなストーリーと岩井監督らしい映像美、切ないピアノ曲が見事に融合した傑作。ノスタルジーを撮らせたら右に出る者はいない、と個人的には思っているのだが中でもこの作品は別格である。全体的にゆったりと流れていくのだがハラハラさせられる場面も盛り込んであり飽きずに観ることができる。酒井、柏原の両者が中学時代のリアルな初々しさを好演している。ひとつ残念なのは、中山美穂が一人二役の為、冒頭の部分がわかりづらい点。もう少しわかりやすく差別化したほうが良かったと思う。しかしラストのオチは何度観ても心を揺さぶられるほど素晴らしい。本のタイトルが「失われた時をもとめて」だったのは今作のテーマを隠喩しているのだろう。 9点(2004-02-02 19:14:04) |
17. アルマゲドン(1998)
《ネタバレ》 わかりやすいパニック感動映画で、泣かせようと意図しているであろうブルースウィルスがベンに別れを告げる場面でやはり泣いてしまう。泣くまいと思っているだけに悔しく、また最後戻ってきたベンとリブタイラーが抱擁しあう場面も出来すぎだと思いつつも泣かされてしまう。よくよく考えるとストーリーは無謀だし突っ込みたいところもたくさんあるのだが、娯楽という面ではさすが大作というだけのことはあって演出方法は一級である。主題歌の楽曲の良さに救われている部分もなきにしもあらず。 6点(2004-01-27 18:42:57) |
18. ディープ・インパクト(1998)
劇場で観たが見ているうちに白けてしまった。空々しい家族ドラマがどんどん出てきて泣いてくれといわんばかりの演出には辟易してしまった。根本的にそういう映画は好きなはずなのだが自分でも不思議である。何故か受け付けなかったのはいまいち危機感が伝わってこなかったからだろう。世界の終わりがきているというのに綺麗事ばかり並べる人間なんて実際には少ないのだから…。と、ヒネくれてしまう自分がいることを新たに発見したという意味では貴重な作品だった。 4点(2004-01-27 18:33:24) |
19. リング2
中谷美紀が頑張っているものの空回りしている印象を受ける。そもそも慌てて無理やり2を作った時点で間違い。1での風格や雰囲気が消えている。恐怖感も全くなく続編というより1のオマケといった感じ。今思うと「呪怨」をひどく出来損ないにしたような映画だった。 3点(2004-01-27 18:09:17) |
20. グリーンマイル
《ネタバレ》 ショーシャンクの監督が手がける刑務所物ということで過剰に期待してしまったせいか、肩すかしをくらった。電気椅子のシーンなどはグロテスクで強烈だがそれはまあ良しとして、突然ファンタジー(口から虫が飛び出してきたりとか)ムードになってしまったりする展開に必死でついていこうとするこちらのほうが疲れてしまう。ねずみのエピソードなど確かにじーんとくるものもあったのだが、強引な展開に振り回されてしまった感が残る。冤罪とは?と考えさせられる問題提起という意味では良い映画なのだが。 5点(2004-01-27 17:36:44) |