1. グランド・ブダペスト・ホテル
《ネタバレ》 評価が大きく分かれそうな作品。好きな人は好き!嫌いな人は嫌い!といった感じが皆様のレビューにも明確に出ていますね。 私は大いに気に入りました。色彩、セット、衣装、登場人物の魅力、豪華な出演者、そして肩の凝らない演出とスピーディな展開。どれをとっても文句なしでした。 最近観たアンダーソン監督の作品と共通しているところですが、登場人物の飄々とした多弁ぶり、二次元的で平板とも言えそうなカメラワークから不思議と感じられる奥行きの深さ、随所に辛辣で過激ささえ感じられる悲喜劇が敢えて感情を抑えているかの如く勢いよく押し進められていく。惹かれます。 特に注文なしということで満点献上します。 [インターネット(字幕)] 10点(2025-01-03 15:37:40) |
2. FLY!/フライ!
《ネタバレ》 お約束感満載のファミリー向け感動アニメ。でも、そのお約束感=安心感。様々な危機を乗り越えて夢の旅を続ける姿には童心に還って理屈抜きに楽しむことが出来ました。CGアニメーションも適度に目に優しい色彩と動き。流石の出来映えです。 特に、トリ馬鹿を標榜する私としては主役がトリさんというだけでスタートから満足。出演するトリさんたちを擬人化して受け入れるまでもなく純粋にトリさんとして感情移入出来ました。作り手の鳥類への理解の深さも窺い知ることが出来て満足です。 そんな訳で、イイ歳した爺ぃがトリさんたちがシェフのヘリからの脱出あたりから後は、只管涙腺崩壊させつつ観終えた次第です。世間一般の評価は見ていませんが、思いっきりエコ贔屓の満点献上です。 [インターネット(字幕)] 10点(2024-12-28 17:40:20) |
3. ゴジラ(1954)
期せずしてBSで放映されたのを見つけ他の予定を切り上げて鑑賞。残念ながらリアタイでは観ておらず、前回鑑賞は恐らくNHKで初放映された時だったのではないかと。どういう形であれその後はキチンと全編通して鑑賞してはおらず、とすれば57年ぶりの鑑賞ということになります。 なので只管に懐かしい。されど懐古趣味に留まることなくグイグイと画面に惹き込まれる魅力。流石に台詞回しや役者さんの演技には時代を感じるものの、他は全て古さを感じることなくCGやVFX等々全開の近年のモンスターものやデザスターものにまるで引けを取らない素晴らしさ。70年の歳月を経た現代に至るまで絶賛され続けていることに異論なしです。 その後に続く様々な怪獣ものをリアタイで親しんだ身としては、それらの作品や怪獣を否定することは決してありませんが、矢張り本作は間違いなく金字塔。現代の視点等々に照らし合わせれば「?」な点も多々あるとは思います。しかし、70年前に製作されたことを鑑みれば全ての疑義は単なる野暮。満点を献上させていただきます。 ちなみに、宝田さんのとんでもないカッコよさ、河内さんの眩しいまでの可憐さ、それだけ観ていても本作は満足極まりない作品と思うところです。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2024-11-14 16:56:54)(良:1票) |
4. ビューティー・インサイド
《ネタバレ》 以前から気になっていた作品をやっと鑑賞。アマプラ、残り20時間切ってました。 いや~、ヤラレました。この奇想天外なファンタジーをファンタジーじゃないかの如く真正面から叩き込まれては、ホラーやサイコサスペンスやサメ映画が好物なくせにラブコメやお子ちゃま向けアニメで涙腺を崩壊させてしまう私はひとたまりもありませんでした。しかもヒロインがストライクゾーンにピンポイントでド真ん中。もう何も語らずして10点献上したいぐらいです。 とは言え少しは中身の感想を。ファンタジックなラブコメのスタイルで作られた本作品。けれども至極全うに大真面目に作られている作品。人間の本質、愛の本質に変化球と見せかけて大上段から切り込んでいる、ある意味硬派な作品とも言えそうです。 そもそも姿形は観る者が想起するもの。他者は勿論のこと鏡に映せば本人でさえ同じこと。例えば私が面と向かって見ている丸顔で浅黒い肌の男性がいたとして、同じ場にいる友人が同じように見ているかどうか。もしかしたら細面で色白な男性に見えているかも知れない。流石に性別や人種まで違って見えることはないとしても(否、あるかも知れないけれど)、同じに見えているかどうかは誰にも証明出来ないでしょう。もっと単純に、同じ赤い色のクルマを見ていたとして、私の見ている赤色が同時にそのクルマを見ている他人の見ている赤色と全く同じと誰が言えましょうか?極端な話、私が赤と思っている色は他人には私の定義するところの白に見えているのかも知れない訳で、色をコードで認識したところで結果は同じ。突き詰めれば自分自身にしか判らないわけで(否、自分だって解ってないかも)、見た目に普遍性などないに等しい、と常々思ってたりします。 と、少々勝手に屁理屈を捏ねさせていただきましたが、毎日変わる姿形に囚われている限りは混乱し疲弊し愛など育めないでしょうけれど、本質をもって受け入れればそこには純粋な愛しかないのだ、といったテーマ性を感じた訳です。 現実的に考えてしまうとあちらこちらに無理があるのは止む無し。そもそもの設定に超無理があるのだからこの際細かなことには目を瞑るべきですね。エンドロールでのダブルハッピーエンドは、同時に二人の未来も示唆しているトリプルハッピーエンド。繰り返しになりますが、これはヤラレました。満点献上です。 [インターネット(字幕)] 10点(2024-09-30 00:05:09) |
5. オットーという男
《ネタバレ》 これは泣けてしまう。全編通じてコメディベースで作り込まれているところが良いですね。コメディ演出の要所要所に挿し込まれているトムさん演じる主人公の深い悲しみと彼を取り巻く人々の人間味や優しさが、見事なメリハリをもって迫って来るのに涙腺が耐えられません。原作小説も元ネタ作品も未読・未見だったので尚更に心に沁みたのかも知れません。何の先入観もなかったので。 脚本の妙も然ることながら、役者さんたちの微に入り細に入りの演技も素晴らしかったです。トムさんひとりがグイグイ引っ張るようなことはなく、主な登場人物一人ひとりのキャラクターがキッチリ立っている感じ。野良猫役の猫さんまでもが単なる添え物ではない存在感を放っていました。 元ネタも観たいと思いますが、現時点で特に異議なしの10点献上します。 [インターネット(字幕)] 10点(2024-09-17 10:31:24) |
6. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 とある事情でBS放送のインターナショナル版を録画していたものを再見。レビューしていなかったので遅ればせながら書かせていただきます。 感動の名作としてあまりにも有名な本作。イタリア映画らしいコミカルな演出(下ネタ含む)が苦手な方には、決して感動の名作とは映らないかも知れません。かく言う私も、本作を観て無条件に涙を堪えられないほどの感動を得たことはないような気がします。 ただ、それでも涙ぐまずにはいられない本作。それは何よりも、モリコーネという偉大な作曲家の織り成す音楽がもたらす感動であると信じて疑わない私です。 勿論、映像あってこそ、脚本あってこそ、名演あってこそ生きる映画音楽であることは間違いありませんが、本作に限っては全編に自然に染み渡るモリコーネの作品あってこその感動作なのだと思っています。 その上で、コミカルな演出を楽しむも良し、切ない友情や恋愛に感情移入するも良し、登場する古の名作・名優を楽しむも良し、映画鑑賞に伴う様々な楽しさを満喫することが出来るのかなと思って止みません。 不世出の名作として、名作と呼ばれるべき作品のひとつの在り方を魅せてくれた貴重な一本に満点献上します。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2024-04-22 20:46:54)(良:1票) |
7. ファーザー
《ネタバレ》 認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。 確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。 しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。 また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。 自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。 [インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票) |
8. ルーム
《ネタバレ》 理不尽な犯罪によって7年もの間自由を奪われ性暴力に晒され絶望の淵に立たされながらも、望まない妊娠だったとは言え健やかに育っていく我が子に一筋の光を見出し生きる力を取り戻した若い母親。 生まれてから5年間、日々暮らす小さな部屋こそが全世界であり自分以外の現実の存在は母親と定期的に訪れる男性だけという異常な状況にありながら一歩ずつ成長を重ねている息子。 実話をモチーフにした原作の映画化と考えると、尚更にこの悲惨で恐ろしい事件は重く心にのしかかって来ます。 作品の前半は監禁された母子の異常な日常が描かれます。敢えて事件の経緯や実態は具体的に描かず、妊娠し自力で出産し赤ん坊を育てた状況も全く描かれていません。このシンプルな表現が事件の異常性や悲惨さを逆に強く訴えて来ます。 強いて野暮なことを言わせていただけば、脱出劇が少しばかり上手く行き過ぎたこと。とは言え、そこを描き込み過ぎても作品全体を壊してしまいかねないですね。あの流れで良かったのかも知れません。 そして救出後の後半。恐ろしい犯罪の被害者である母子がそれぞれに異なる視点や立場から異なる変化を見せて行きます。 母親はかつての生活を取り戻そうと実家への帰宅を急ぎ、結果として自らの現状を真正面から見つめることになってしまい心を病んでしまいます。息子は見たことのない世界に怯え、生まれてから母親とずっと過ごして来たあの部屋に戻りたいとさえ思ってしまう。 共に運命共同体の如く暮らして来た二人が、部屋で暮らす以前の日常の有無により部屋の外の世界の受け止め方が大きく異なってしまう。脱出したことでかえって希望を失ってしまう母親と、見るもの全てから日々学び続ける息子。部屋では母親が息子の絶対的な守護者でしたが、外の世界では部屋との繋がりを断ち切ることの出来た息子が母親を救います。 二人を取り巻く人々。母親の両親は既に離別しています。7年ぶりに帰って来た愛娘と5歳の孫。それぞれに複雑な心境をもって迎えますが、7年の間に二人の間に何があったかは、会話や表情から浮かび上がって来ます。 そして祖母の新たなパートナー。実の娘や孫ではないからこその冷静で暖かな眼差し。母子の再出発になくてはならない存在だと思います。 限定的に捉えればハッピーエンド。後半のドラマに救われました。非常に丁寧に描かれたドラマ。子役は勿論のことオスカーに輝いた母親役を始め出演者の演技が素晴らしかったです。ひさびさに10点献上します。 [インターネット(字幕)] 10点(2022-12-28 11:35:05)(良:1票) |
9. 禁断の惑星
《ネタバレ》 幼い頃からSF好きだった私。リアルタイムで映画館では鑑賞できなかったものの、テレビで放送された時に夢中になって観た記憶があります。全編を彩る電子音楽のBGMと電磁波に浮かび上がるイドの怪物は幼心に怖さを植え付け、その後現在に至るまで断片的ながら強い印象が残っていました。 いつかまた観たいと思っていた作品。先日リマスター版がBSで放送され、ついに再会出来ました。 素晴らしい。これぞスペースオペラ。娯楽一辺倒の壮大な宇宙活劇でもなく、哲学一辺倒の難解な作品でもない優れたストーリー。当時としては先の先を行く特殊撮影技術。セットから小物に至るまで後の作品たちに強烈な影響を与えているであろう独創的なデザイン。どれを取っても当時の水準からすればトップクラスであったことは間違いないでしょう。 ロビーっぽいブリキのおもちゃを持ってました。長きに渡ってロボットの標準タイプでしたね。「宇宙家族ロビンソン」のフライデーは走行メカ以外ソックリです。勿論フライデーも大好きでした。 地下に拡がる巨大構造物は、様々な作品で既視感を抱かせてくれました。 宇宙船に空飛ぶ円盤タイプを採用したのは、まだまだ宇宙開発が進まない時代においては極めて順当な選択だったと思います。光の速度を超えるには、ロケット噴射じゃダメだろうというところですね。 ヒロインのミニスカ姿や全裸水泳は少なからずサービスカット的な側面はあるかもしれませんが、何せ父親とロボットと動物たちとしか会ったことのない純粋無垢な乙女。リンゴを齧る前の状況なのですから仕方なし。それを騙そうとする男たちの欲望は、まさに発展途上の文明における未熟さゆえの愚行。作品世界から浮いたエピソードとは言えないでしょう。 自らの潜在意識を消し去れなかった博士が、短絡的に超古代文明の遺産を消し去ってしまったのも、いくら知能を倍増させても所詮は地球人。付け焼刃は付け焼刃ということなのでしょうね。 60年以上昔にこの作品が制作されたことは将に脅威的。「2001年」が製作されるまで、私にとってのベストSF作品でした。10点献上し、1000件目のレビューとして投稿させていただきます。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2022-04-25 00:15:04)(良:1票) |
10. コーダ あいのうた
《ネタバレ》 (かなりネタバレです) この作品の中心となるのは聴覚障がいのある家族の在り方。父も母も兄も障がいがある中で唯一健聴者の長女ルビーは、幼い頃から一家の通訳として重要な役割を果たして来た。家族は仲睦まじく、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、高校生となった彼女は、漁業の手伝いで昼夜逆転のような生活をしながら学業や恋をすることの困難さを知ってしまう。障がいがあることで少なからず社会生活に困難を抱えているルビーの家族は、明るく前向きに生きる強い力を持っているが、彼女の存在なしではここぞという時に無力さを感じてしまう。歌う喜びを知り新しい人生の夢を胸に抱いたルビーは、進学への強い意欲を見せる。しかし、両親は彼女なしでは家業の維持が出来ず生活基盤を失ってしまうことを恐れる。妹思いの兄は何とかなると彼女を擁護しようとするものの、心の中は不安で満ち溢れている。誰も正解を得られないような状況。どうすれば誰もが幸せになれるのか?物語には客観的な判断をもって家族を導くような存在は登場しない。誰に導かれることもなく、家族が自らの力で正解を求めて行く姿が印象的です。 序盤の下ネタ満載のコメディ風味から、中盤から後半に描かれる障がい者が社会生活を送っていく上での深刻な問題、CODAの悩みと苦しみ、そして終盤の爽やかで希望に溢れた結末と続き、安心して観ていられる感動作です。彼女が学校のステージで歌う場面で訪れる突然の静寂によって現実に引き戻され、進学に一番反対していた母親が彼女に告白する出生時の感情に驚き、そして振動でリズムを感じることの出来る父親が彼女に触れながら歌声を感じる場面で感涙し、気付いた時にはすっかり作品世界に没入していました。 上手く行きすぎでしょ?といった見方もあるかも知れません。予定調和が過ぎるみたいな。でも、生きる力、家族を愛する力が明るい未来を約束してくれるという、希望が前面に押し出された作品があってもいいじゃないですか、との思いからひさびさに10点献上します。 [試写会(字幕)] 10点(2022-01-31 22:17:56)(良:2票) |
11. インセプション
《ネタバレ》 ちょっとばかり遅れを取ってしまいましたようで、皆さんの膨大なレビューは全部読めてません。ゴメンなさい。 これは傑作だと思いますよ、素直に。夢や死生観や時間を扱った作品は、最早数え切れないぐらいにあると思います。映画だけでもそんな状況なんだから、小説やら絵画やら、ありとあらゆるジャンルの作品を並べてしまえば途方もない数になりますよね。勿論、だからと言って何でもありというわけじゃありませんが、この作品、断片的にはどこかで観たようなカットやら台詞やらが気にならないわけでもないのだけれど、トータル的には素晴らしい纏まりを見せていると思います。よくぞ破綻することなく纏め上げた。間違いなく賞賛に値します。 ストーリーとしては単純。ライバル会社を潰すために若社長を洗脳する、ってだけですからね。でも、その単純さこそが、この作品の複雑な展開を理解可能にするのに寧ろ必要な訳で、このテーマで複雑なストーリー展開を盛り込んだら、観客は置いてかれてしまって訳が解らず、それこそ「設計者」の「迷路」に入り込んでしまうというものです。だから、このくらい解りやすくてシンプルな物語でOK。それでこそ複雑な作品世界が生きるというものです。 重層化した夢の世界。そこの住人たちは、夢を見ている本人の深層心理を具現化したもの。夢だから何でもありのようでいて、夢の作者の観念世界はある意味良識の世界。だから意図しない限り、とんでもない状況になることもなく(サイコな人の夢だったら大変でしょうけれど…)、極めて現実的に事は運ぶわけですね。そして、その幾重にも折り重なった世界を自由自在に策を巡らしつつ闊歩する主人公たちのカッコ良さ。ひさびさに満足しました。 ちなみに、香港のパン兄弟の作品に「リサイクル」というホラーがあるのですが、そこに描かれている世界観、と言うか「向こうの世界」の表現の仕方と、ある意味共通しているテイストを感じました。テーマは相当違いますけどね。 [DVD(字幕)] 10点(2011-05-05 12:20:43) |
12. ビッグ・フィッシュ
封切り以来、てか情報を得てからずっと観たかったのに、なかなか観る機会がなかった作品。なんでもっと早く観なかったんだろうと後悔させられた作品。素晴らしいですね。 人の生き方、生き様、存在感… その人が生きた僅か数十年。それは歴史の中にちりばめてしまえば、あまりに短くほんの一瞬の出来事でしかないかもしれないけれど、語り継ぐことでそれを聞いた者の心の中にずっと生き続け、いつしか永遠の存在となり得る。的外れかも知れないけれど、私には、この作品のテーマは「存在」なのだと感じました。そして、「永遠」のものとなるためには、類まれな熱情と他者に対する徹底した人間愛が必要なのでしょう。どれだけ一人の人を愛せたか。どれだけ大勢の人を幸せにしたか。残念ながら、相手の求める本当の幸せをすべての人に与えることは不可能。けれど、例え一片の幸せでも、それを他者に与えることはどれだけ困難なことなのか。 いかにも「あめりか~!」って感じの作りだけれど、いかにも「来るぞ来るぞ~!」って感じの演出だけれど、泣けたなぁ。。。 [DVD(字幕)] 10点(2007-09-09 08:13:10)(良:1票) |
13. カンフーハッスル
楽しいっ!いいじゃないですか、楽しいんだから。ま、見方によっては駄作、B級。だから余計に楽しい。この手の作品、100人見て100人が楽しめたら変ですよ。「私は楽しい♪」、それでいいんです。全編に亘りテンションを保ち続けたことに敬意を表し、10点献上! [DVD(字幕)] 10点(2005-09-25 15:17:52)(良:1票) |
14. 初恋のきた道
チャン・ツイィーの出世作というだけではなく、代表作と言ってもいいでしょうね。眩しいぐらいの可愛らしさ、健気さ。何度見てもいい。彼女の演技も素晴らしい。このシンプルなストーリー、この素朴な雰囲気、これだけの題材でよくぞココまで仕上げました。チャン・イーモウの代表作とも言えますね。機を織る年老いた彼女。機を織る若き日の彼女。織る布の意味は違えども、背中で語る姿に変わりはありません。ただただ賞賛。 [地上波(字幕)] 10点(2005-04-19 23:21:46) |
15. 激突!<TVM>
ひさびさに観た。ホントに久しぶり、20数年ぶりだろうか。今観ても全く色褪せない作品。主人公の「台詞」が少しウルサイ気もするが、かと言ってそれに変わる表現も思い付かない。あの説明口調の「台詞」がまた雰囲気を出している。 この作品、いったいその後の何本の作品に影響を与えただろうか?計り知れない影響力は、まさに完成度を示している。 シンプル・イズ・ベスト。CGも効果音も不要。映画の楽しさとは何たるかを教えてくれる作品だ。 10点(2005-01-08 00:33:17) |
16. インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
何回も何回も繰り返し観た作品です。また、地上波で観てしまいました。でも、何回観ても飽きない。ハラハラドキドキできる。笑える要素もキッチリ備わってる。娯楽作品のお手本のひとつですね。ターミネーターシリーズ同様、見事に「1」を越えた「2」です。やっぱり続編を作る以上は、こういう風に結果を出して欲しいですね。世の中に星の数ほどある「2」たち。見習いなさいっ! 10点(2004-11-21 13:52:31) |
17. ターミネーター2
一体何回観たことだろう。数え切れないぐらい観たけれど、今もって全く色褪せない作品。完璧な娯楽作品だと思います。 シリーズ化されると大抵の作品が二作目でコケルものなのに、この作品は「1」を越え最高の出来栄えになっています。もちろん「1」あってこその「2」ですけれどね。(ちなみに「1」も最高傑作と思いますが) この作品ともうひとつ「2」が最高傑作となった例を思い浮かべると、インディージョーンズがあります。同じ週に立て続けに地上波で観られるとは! 10点(2004-11-21 13:47:08) |
18. となりのトトロ
ジブリ作品の中では、私は最高の作品だと思います。何度観ても泣ける、笑える、わくわくする!アニメならではの極上の感動を味わえる作品です。 トトロというキャラクターも、日本映画史上、いや世界映画史上最高のものと言って、決して過言ではありません。 全ての人の心の中に住んでいるトトロ。今は居なくとも、かつては必ず住んでいたトトロ。今は見えなくても、いつかきっと目の前に現れてくれる。そう信じ続けていきたいものです。 10点(2004-09-27 22:15:45) |
19. マスク(1994)
何回観ても笑える作品って、やっぱり「名作」ですよね。この作品、一体何回観たことでしょう。そして、一体どれほど笑い転げたでしょう。一分一秒たりとも無駄にしていない演出には、ただただ脱帽あるのみです。CGの使い方も最高!コミックスをまんま映像化した感じです。続編がないのもイイですね。これだけの作品なら、続編を作れば「当たる!」という欲が出ないはずはないのですけれど、いまだ噂も聞きません。その潔さがまたヨロシ。私としてはジム・キャリーの最高傑作と言いたいです。 ちなみに、マイロの可愛さも最高ですね。私は、マイロとの出逢いでジャックラッセルテリアという種類を知りました。マイロのためにも10点献上です。 10点(2004-09-27 22:08:53) |
20. マルホランド・ドライブ
デヴィッド・リンチの最高傑作。彼の作品には「傑作」は数多かれど、やはり「最高」なのはコレなのではないかと。 この作品、人間の心の奥深くを映像化することに見事に成功しています。時間軸を巧みに操りながら、主人公の心を探っていく演出には脱帽です。一度ではなく、二度三度と繰り返し観ていくうちに次から次へと新事実が理解できてくる。観れば観るほど味わいが増します。やっぱり、そういう作品こそが名作なのではないでしょうか。 ちなみにナオミ・ワッツ。素晴らしい。 10点(2004-09-25 07:47:48) |