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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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1.  血煙高田の馬場(1937) 《ネタバレ》 
特に手紙を読む辺りから最後に至るまでが圧巻で、〝馳せ参じる〟ということが、いかにダイナミックでいかに感動的であるかを、この映画は教えてくれます。安兵衛が走るカットの連続(斬新だ!)の間に挿入される長屋の人々の「わっしょい!わっしょい!」が興奮を起こすミソで、間に合わぬと承知の上で「安さん、急げ急げ~」と思わされてしまいます。私の映画史上(極めて脆弱で未見の傑作も数多存在するが)、最高の〝走り〟はこれです。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2012-04-17 18:48:24)(良:2票)
2.  菊次郎の夏 《ネタバレ》 
北野作品の中で最高傑作は何かと問われれば本作を選びませんが、最も気に入っている作品は何かと問われれば躊躇なしに本作を挙げます。それはひとえに菊次郎と少年の二人旅が、特に帰る前の浜辺のキャンプが、そんなに楽しい遊びをしていないにもかかわらず、終わらないでほしいと思っていた子供の頃の夏休みのような、とてつもなく幸福な空間に見えるからです。 筋書きとしては母親に会いに行くということだけしかありませんが、それでいて母親と会うこと自体は問題ではなく旅をするために設けられた理由付けに過ぎず(つまり目的は何でも良い)、旅の過程こそが重要な物語になっているのが素晴らしいところです。  井手らっきょとグレート義太夫という映画史上最も美しくない?天使を登場させる妙(背中にはしっかり羽がある)、少年役に可愛らしい子を配役し泣き顔をアップで撮ったりしないあたりにも品性の高さがうかがえます。
[DVD(邦画)] 10点(2011-08-19 18:46:07)(良:2票)
3.  ウエスタン 《ネタバレ》 
ジャック・イーラムら三人組がロングコートをヒラヒラさせながら駅にヌッーと現れる最初の瞬間からもう面白さ最高潮でワクワクしてしまいます。やや尺が長い気もしますが(にもかかわらず物語は驚くほど単純だ!)、間の取り方は最高ですし、いずれのシーンも切るわけにはいかないほど素晴らしく、チャールズ・ブロンソンの顔のアップにしても刻まれたシワの一本一本が格好良く見えるほど決まっていますし、ヘンリー・フォンダの悪役ぶりは最高ですし、モートンがフォンダへの犯行を決意する場面などは感動的ですらあるとおもいます。 またこれは主人公の名前がハーモニカというだけあって音が重要であり無音状態の張り詰めた緊張感に到るまで耳をすませて見る映画です。  それにしても終盤にさしかかり男たちがそれぞれ去ってゆく様に、あんなに踊っていた胸がキュンとなってきてセンチメンタルな気分になってしまうのですから堪りません。
[DVD(字幕)] 10点(2010-10-26 18:06:50)
4.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
この完璧な映画の中でも一番ウナってしまったのは〝間〟の使い方です。  一つにはそのリズムの〝間〟で、例えば笑いをとるシーンにしても、そのテンポは数十年たった今でも決して時代遅れではなく、カット変わりには発言していた事と逆になってしまうというシーンを重ね重ねで見せるのですが、そこにはついつい「そらきたっ!」と言いたくなってしまう絶妙な可笑しさがあります。  もう一つには空間の〝間〟で、例えば壷を売りたい人が押し寄せているシーンで、カメラが横移動すると長蛇の列が映し出され、さらに豆粒のような左膳がちょび安を止めようと観客側に向かって必死に走ってやって来て、またもや「そらきたっ!」と思わず拍手したくなってしまうような楽しさは実にサスペンスフルです(ここは特にスクリーンで見たい)。さらに家の横通路や裏路地の長さ等々、奥行きのある距離感も素晴らしいです。  ちなみに私の最も好きな〝間〟は源三郎が自分の屋敷で金魚釣りをする、まるで眠った亀を観察しているような退屈極まりな~いあの天国の如き空間です。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2010-01-08 18:36:13)
5.  晩春 《ネタバレ》 
この娘の父に対する強烈すぎる気持ちを理解しかねる私が言っても説得力に欠けますが、父と娘を題材とした映画の中で本作は最高傑作の一つだと思います。能を見物するシーンであるとか、旅館での娘の告白シーンであるとか、父親が再婚すると一世一代の嘘をついたと告白するシーンから寂しげなラストカットであるとか…父と娘の別れの寂寥が胸にジーンと響きます。 〝そうかね、そうかね〟等々、確認するかのように繰り返し繰り返し言う台詞が何とも奇妙でもあるのですが、そのリズムがどこか心地良く、さらに登場人物の簡単な説明さえしておけばサイレントでも十分に伝わってしまうであろうほど一場面一場面も完璧です。  しかし何と言っても圧巻なのは原節子さんの表情から笑顔が消える瞬間であり、それはそれは震えるほどに素晴らしいです。 
[ビデオ(邦画)] 10点(2009-03-09 18:30:19)
6.  東京物語 《ネタバレ》 
最初にこれを見た時は、正直に言いまして度肝ぬかれてしまいました。カメラは移動することなく固定され、話す人物をほぼ正面でとらえているのですが、こんなんで映画が成り立ってしまうのかと思っていましたら、成り立つどころか凄まじい出来栄えなのですから。例えば、バカみたいに細かい性格描写などしなくとも家族関係を明確に見せてしまったり、あるいは老夫婦が並んでウチワをあおいだりと度々シンクロするような姿を映し出す事によって、母親が亡くなってしまった瞬間から父親が一人になってしまったことが強調され、年老い、死に、孤独になってゆく寂寥感をより一層感じさせたりするのです。そして特筆すべきは原節子さんでしょう。杉村春子さん演じる長女などはキャラクターこそ強烈なれど、後々〝段々あんなふうになっていく〟と会話にあるようにあまり不自然には見えないのです。ところがどっこい原節子さんの演じる未亡人の義理の娘は優しい笑顔を常に浮かべているのですが、これがある種、亡霊のような怖さを感じさせるのです。しかしだからこそ最後の最後で〝ずるいんです〟と告白するシーンが圧巻なのであって、血の繋がりがない義理の親子が実に理想的な親子像だったりするあの場面に寂しくも温かい気持ちになるのです。
[ビデオ(邦画)] 10点(2008-10-17 18:25:39)(良:4票)
7.  らせん階段(1945)
オープニング、タンスに掛かった服が揺れ奥に潜む犯人の目が映り、その眼球に被害者となる女性が映り、殺害は被害者の手のみで表現されるのですが、この恐怖の演出は秀逸です。教科書のようですが何も派手な事はせずとも十分に怖さを出せるということを見事に証明していますし、さらに驚くべきはそれが全編に渡って持続しているということです。それぞれのキャラクターも簡潔である上に物語を豊かにしていますし、不安の煽り方もテンポも抜群であり、光と影が際立つ一つ一つの画面もよくよく練られています。雨に濡れ光り輝く外套、開け放たれた窓に、吹き込む風、口の利けない主人公の声にその代わりともいえる音楽、ベッドに沈む老夫人、そしてらせん階段と素晴らしいところを挙げればきりがないくらいで、あらゆるサスペンス・スリラーは〝斯くあるべき〟と思ってしまうような作品です。
[DVD(字幕)] 10点(2008-05-02 18:10:54)(良:2票)
8.  ワイルドバンチ
主人公たちは暴力的で破滅型の無頼漢どもだが、彼らとジョークを飛ばしながらボトルを回し飲みし、「 Let’s go 」の呼びかけに「 Why not? 」と答えてみたくなってしまう。そんな本作は官能的な女が出てくるわけではないのに、マタグラの辺りを意識せずにはいられなくなる〝漢〟の映画だ。
[ビデオ(字幕)] 10点(2008-04-02 18:09:52)
9.  ヒート 《ネタバレ》 
骨太のドラマや街中での銃撃戦と見所に事欠かきませんが、やはり二大名優パチーノとデ・ニーロの激突に尽きるでしょう。確かに共演シーンは少ないですし正面向いて一緒の画面に納まっているシーンは皆無に等しいので物足りなさを覚えなくもないです。しかし、これはこれで凄いのです。「庭でバーベキュー、テレビで野球か」と対峙するカフェでの会話シーンなどとても良いです。この場面でも二人は決して共に映りません。あくまでパチーノは刑事であり、デ・ニーロは強盗。追う者と追われる者にしか過ぎず、互いに一目を置き共鳴し合っても相容れない両者だからこそ壁があり交錯しないのだと思います。  また、プロフェッショナルでストイックな彼らは、互いに仕留めずにはいられない獲物を求め、デ・ニーロは逃げずにハンドルを切り、パチーノは一刻も早くと病院の階段を駆け下りる。これは両者の対決の時が迫っていることを暗示させます。そして最後の決闘後、過酷な現実世界を闘った者同士、互いの存在を確認するかのように手を握り合い両者が一つの画面に納まります。誰もいない暗闇の中で死に瀕した最期の時だけ、刑事と強盗という枠を飛び超え人間レベルで互いの心を通わせる。初めてパチーノとデ・ニーロが交錯する。こういうのが男の映画なんだと思いますし、こんなにカッコイイ映画はそうないと思います。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-08-28 18:22:18)(良:2票)
10.  ケス 《ネタバレ》 
本作は私にとって初のローチ作品であり一遍にローチの虜になってしまった記念すべき作品・・・  逃げ場無し八方塞がりの閉塞感がじめじめとした画面から漂っています。ケスはそんな中で少年の唯一の生きる希望や自由、もしくは避難所として気高く描かれているように思えますが、厳しいローチはそのケスをボロ雑巾のようにしてしまうのだから泣けてくる。それでも少年が一心にケスを語るシーンに成長を思い、しっかりとケスを埋葬するシーンで締めくくったことに死の受容という強さを思いローチの温かさを感じます。舞台である60年代頃の英国ではイレブン・プラス(11歳で試験を受け進学コースと職業コースに振り分けられる)があったりと子どもの可能性など蹂躙され早々と将来を決られてしまう辛さがあります。ビリー少年のような境遇の子も何も格別に珍しいわけではないのでしょう。その悲劇的な状況を訴えるように描きながらも時にサッカーシーンのようなユーモアを交え、さらにはケスを失っても少年に前進させたところにローチの強いヒューマニズムが息衝いています。それも決してビリーに同情を誘うような作りになっていない甘さのない真のヒューマニズム。校長室に別の用件で来た子どもが、巻き添えで罰を受けるところなど震えるほどの辛辣さなのですから。  また、本作はヴィットリオ・デ・シーカ監督の「靴みがき」という作品を想起させます。あの作品でも選択肢のない過酷な状況にある少年にケスと同じような存在として〝馬〟が出てくる。またケスは同じくデ・シーカ作の「自転車泥棒」の自転車であり、あるいは「ウンベルトD」の愛犬フライクにも似ています(それぞれの対象を見失った時のあの不安さと言ったらない!)。戦後イタリアの惨状を描いたこれらの作品と同じように厳しい社会背景に生きる弱者を鋭く冷静に見つめ、支えを存在させている共通点。素人俳優の起用といいローチは一連のイタリア・ネオレアリズモに少なからず影響を受けているのでしょうね。 
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-06-18 18:18:10)(良:1票)
11.  マイ・ネーム・イズ・ジョー
人間は完璧じゃなくて弱くて、その上、状況が悪い時もあって様々な問題を抱えていることもしょっちゅうある。でもそんな弱さと同時に愛する人のためなら力強くもあって、皆で肩寄せ合って、小さくても幸せだとか楽しみだとかを見つけて懸命に生きている。そんな人間が瑞々しくパワフルに、時にユーモアを交えながら温かくも鋭い目線で描かれている。「第三の男」のようにすれ違わなかった二人に一筋の光を感じホッとする。・・・それにしてもローチの作品はどうしてこういつも胸に響くのだろう。観ていて心臓の鼓動が早くなるのが分かるぐらいだ。特に本作は心臓を鷲掴みされたみたいで寿命が縮まった思いすらする(もちろんパワーももらっている)。だからローチには私のような人々から奪ったその生気を得て、これからも精力的に映画を撮り続けて欲しい。
[ビデオ(字幕)] 10点(2007-05-28 18:29:05)(良:1票)
12.  橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督) 《ネタバレ》 
戦争におけるヒロイズムの崩壊を描いていますが反戦を意識したというより、ありのままの戦争を写し出しているように思えます。もちろん主人公たちが子供であるからこそ悲劇性が増しているのでしょうが、それが重要なポイントではなく純粋な視点を借り正面から対峙することで戦争の残酷さを浮き彫りにしているのだと思います。逃げまわる大人の姿、瀕死の負傷兵、戦闘の恐怖、あっけない死、さらに生き残った者に与えられる虚無。順を追うごとに厳しくなるシーンの連続は悲惨なんて言葉じゃ物足りません。さらに、おそらく〝子どもたちだけで戦車を撃破した〟という出来事が噂となり伝われば人々は子どもたちを英雄と呼ぶのでしょう。でも実際はそんな言葉は相応しくない過酷な戦闘をリアルに描出することで英雄を葬り去っています。敵味方問わず多くの尊い命が犠牲となり記録にすら残らず消えていく戦争はあらゆる概念を破壊し、そこには英雄も臆病者もなければ大人も子どももないのかもしれないと考えさせられます。木の上から敵兵を狙う少年が射殺した後に見せる笑顔が何とも不気味で印象深いです。
[DVD(字幕)] 10点(2007-01-15 18:22:06)(良:1票)
13.  フォレスト・ガンプ/一期一会 《ネタバレ》 
公開当時、話題になっていたので劇場まで足を運んだのだが、はっきり言って気に入らなかった。合成ばかりが目に付いたしアメリカ的だと思ったし、何よりフォレストの対比として悲惨な人生を歩まされるジェニーの描き方が嫌だった。だが月日を経て何度か見返すうちに気に入るようになり現在ではDVDも持っている。・・・と、前置きはこれぐらいにして・・・・・・人生哲学をファンタジックに描いた本作はシンボリックな描写が非常に印象深い。〝走ること〟もその一つで〝生〟の象徴として捉える事ができ、フォレストの人生の転機が〝走り〟によって持たされるところなど微笑ましい。さらに興味深いのがダン中尉の描き方で、死を願う彼の両足を奪い、落ちぶれた姿で凍った坂道を転げ落とす。人生の歩みを止めた彼に課せられた試練を表しているようである。だが神様と仲直りのシーンで彼は一人で泳ぎ、最後の登場シーンでは小奇麗な姿で自らの足で立つ。赤信号から青信号へと変わり人生を再び歩み始めたことを体現させるあたりが寓話的で面白い。ダン中尉を演ずるゲイリー・シニーズは悪役を得意とするが「二十日鼠と人間」でもそうだったように聖なる愚者の守役が実によく似合う。
[映画館(字幕)] 10点(2006-12-13 18:21:45)
14.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
ヨン様に興味ない私は韓流ブームには乗りませんよとばかりに韓国の作品を十把一絡げにしていましたが、本作を観て完全に食わず嫌いであったことが発覚しました。当時の韓国の背景もよく知らず、予告編を先に見て犯人は捕まらないという結末を承知していたにもかかわらず、グイグイ作品に惹き込まれてしまいました。あまりに異常な殺人事件に追い込まれていく刑事たちの描写が実に素晴らしい。粗野なパク刑事は大人しくなっていき、冷静沈着なソ刑事は野獣的な面を見せ始め、それぞれの人間の本質に迫って行く。〝目を見れば分る〟が物語りに随所に利いていて効果的。手堅い演出で上映時間の長さも感じさせません。それにしても驚かされたのはソン・ガンホ!最後のドアップで見せる表情が何とも凄い。このシーンだけでも一見の価値ありです。韓国にはこんな俳優さんもいたのですね。ヨン様の微笑みも他の二枚目俳優たちもそれは素晴らしいだろうけれど、たまにはいかつい笑顔が素敵なソン様にもスポットを当ててもらいたいものです。
[DVD(字幕)] 10点(2006-08-22 18:56:25)(良:2票)
15.  駅馬車(1939)
これは凄いっ!凄過ぎる。馬車内での人間模様もさることながら時代を全く感じさせない駅馬車の襲撃シーンに手に汗握ってしまいます。もう何度観たことか。おそらくシーンだけで言ったら駅馬車襲撃シーンを映画の中で最も数多く観返しております。あの疾走感に躍動感!ド迫力で興奮しっぱなしですよ。ダイナミズムを体現させてくれるカメラワークが実に素晴らしい!この興奮は現在の映像技術をもってしてもなかなか味わえません。そして襲ってくるアパッチの怖さと、それに立ち向かうリンゴー・キッドのかっこ良さ。屋根に登って射撃するわ、操縦のきかなくなった馬をピョンピョン飛び移るわとまさに獅子奮迅の働き!男でも惚れ惚れしてしまいます。ただの悪役として記号化されたネイティブ・アメリカンと、縄かなんかで引っ張って無理矢理に転倒させられた馬には大変申し訳ないけれど、何も分らぬ子供の時分より大好きな作品なれば満点をつけたいと思います。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-07-07 18:05:54)
16.  廿日鼠と人間(1939) 《ネタバレ》 
リメイク作を先に鑑賞してなかなか良かったので興味を持ちオリジナル版も観た訳ですが、オリジナルという事を考慮すると本作に軍配が上がりますかね。(ただジョージに関しては個人的にはシニーズの解釈が好みです。)厳密に言えば、リメイク作は小説版を、オリジナルは戯曲版を映画化したものですね。もう冒頭から良いです。空をモクモクと覆う雲が忍び寄る影の予兆のようです。リメイク版ではジョージとレニーに焦点を絞っていたのに対して、本作ではカーリー一家やスリム、キャンディといった脇役たちに奥行きを持たせています。カーリーの妻の生活を窺うと単なる悪女ではなく悲劇性も垣間見られますね。キャンディ老人の辛さも伝わってきます。知恵の足りないレニー、檻に閉じ込められたようなカーリーの妻、手を無くした老人のキャンディや黒人のクルックスら社会的弱者が虐げられてしまう現実世界と、そこに宿った一つの友情を描いています。リメイク版にはなかった(確か原作にもない)、怪力のレニーが重い荷車を持ち上げジョージが宙に浮いた車輪にぶらさがるシーンが素晴らしいです。あのシーン一発でジョージが完全にレニーのことを信じきっているのが分ります。夢が叶わないのは悲しいですが、無二の親友を失うのはもっと悲しいですね。
[DVD(字幕)] 10点(2006-03-03 18:44:35)(良:1票)
17.  レオン(1994) 《ネタバレ》 
殺し屋なのに子供のように純粋なレオン。12歳の少女なのに大人のようなマチルダ。警官なのに悪人のスタンフィールド。この本来あるべき姿とは対照的な人物設定が面白いです。そして、レオンとマチルダの男女とも親子とも言えないような危うい愛が斬新です。出会う前のレオンとマチルダの生気の欠けた姿と、霧吹きを掛合う生き生きとした姿のコントラストに愛の力を感じ、スタンフィールドがトイレに隠れている場面で死の恐怖を覚えゾクゾクします。クライマックスの銃撃戦は驚くほどスタイリッシュであり、別れの場面は目頭が熱くなります。ラストのマチルダの強そうな姿と、レオンの分身とも言える鉢植えを大地に植えかえるシーンも、悲しいながら一筋の光が差すようで良いですね。絵的に素晴らしい場面もいくつもあります。そして帽子や眼鏡などの小道具、雰囲気、エリック・セラの曲、スティングのエンディングテーマも全部素敵です。私の中では現時点(投稿時)で、ベッソン監督、ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン、「エッ~ブリワ~ン!」(byゲイリー)のベストワークです。特にゲイリー・オールドマン。スタンフィールドの狂気の演技に魅了され、その後出演作を片っ端から観ましたがこれ以上の彼にまだ出会えていません。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-02-05 17:30:13)(良:1票)
18.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
この作品を初めて観たのは中学生の頃、今思えばその時の私は人生だの郷愁だの愛だの夢だのとは無縁で、内容は理解していなかったはずです(今も怪しいものだが;)。ですがラストのキスシーンのフィルムに涙した覚えがあります。きっと意味なんかわかっていなくても何かを強く感じたのです。この映画、完全版の方が評判が落ちますね。私も完全版も好きですが、短い方がより良いと思います。完全版の方が落ちる理由は、説明が入り答えが出され、想像の範囲が狭まってしまうからというのが大部分だと思います。私は逆に完全版の方がある意味、色々と考えさせられます。でもそれは想像とは違う何か別の余計な事です。上手く説明できませんが、つまり本作は考えるのではなく、感じる映画なのではないでしょうか(ブルース・リーとは関係ありません;)。だから説明はいらず、知らず知らずのうちに心に触れられて、感動するのだと思います。ちなみに私の好きなシーンはラストはもちろんですが、トトとアルフレードの別れのシーン。「お前とはもう話さない。お前の噂を耳にしたい。」と言うアルフレードに、愛の強さ、深さを感じました。  それから忘れてはならぬのが音楽。抜群に良いです。本作とは何の関係も無いTV番組でも使われていたりしますが、その度にこの映画を思い出します。それぐらい印象深いです。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-27 17:31:34)
19.  ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 
素晴らしい作品です。エドワードはとても勇気のある人です。故郷を旅立ち、異形の者を恐れず、スペクターのような魅力的な町にも留まらず、人生を最大限に楽しんでいます。そして世界でたった一人の愛する女性サンドラと結ばれました。私もそんなふうに思える女性と巡り会いたいです。でもそれにはエドワードのようにしっかり生きなければなりませんね。私はきっとスペクターから出る事は出来ないでしょう;。   話の主題は父と息子についてですが、息子は大きくなるにつれていつの間にか父親を一人の人間と考えるようになり、両者に微妙な感情が芽生えてしまうものです。私も父親の事を知っているか?と聞かれたら、けっこうドキッとしてしまいますね。そんな関係を〝ホラ話〟を交えて上手く描いていたと思います。エドワードは沢山の話をしましたが話すという事は伝達です。エドワードはウィルにホラ話をすることにより、彼の中で生き続けたかったし人生の素晴らしさを伝えたかったんだと思います。そしてそのホラ話の全てが嘘ではない事がこの話のミソですね。エドワードのは極端でしたが、ほんの少し見方を変えれば世界は変わり人生を楽しめるのだと思います。久しぶりに目頭が熱くなってしまった作品でした。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-03 15:02:49)(良:1票)
20.  キング・コング(1933) 《ネタバレ》 
キングコング、凄いです。恐いです。他を寄せ付けない圧倒的な強さ。倒したティラノサウルスの口をパクパクさせて死を確認するなど、行動の端々に表われる用心深さ、執拗さ。そしてアンの叫び声を聞けば、どこへでも飛んでやって来る美女に対する想い。ストーリーも良いです。執念深く追いかけて来たコングのエンパイア・ステート・ビルでの最期。島の王者も文明の利器にはかなわなかったのを、「飛行機ではなく、美女に殺されたんだ」と言うのも洒落ています。サービス精神も旺盛ですね。ティラノサウルスにステゴサウルス、アパトサウルス?(何故か肉食)、プテラノドン、大蛇?(手足付き)まで登場し見所満載です。髑髏島の造型も秀逸。白黒のぼやけた感じも手伝って遠方が良く見えないのが異世界の雰囲気を醸し出し、随所に見られる円形を取り入れた構図が素晴らしいです。さらに余計なシーンは全て省いてしまっているので、実にテンポが良いです。恐竜を含むモンスター映画の中でストーリーも含めれば、この作品が最高峰でしょう。映画館で観たいと思える作品です。  近々ピーター・ジャクソン監督のリメイク作が公開されますが、私はかなり期待しております。ですがそれと同時に裏切られる事も覚悟しております。名作のリメイクは難しいものですからね。  《追記》やはり残念ながら期待していたものとは違いました・・・。映画「キングコング」(1933)は文明にもけっして負けません。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-12-02 18:19:03)(良:2票)
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