1. デビルマン
この映画が製作されること知った時「邦画もいよいよやるかあ~」と、その目の付け所の良さに感心した覚えがあります。しかし、その後あまり盛り上がらず、上映されても鳴かず飛ばずで、世間から密封されてしまった・・・そんな映画でした。このマンガは子供の頃コミック本で読み、TVムービーとの差に唖然としながらも、自分に大きな衝撃を与えましたし、その後も何度も繰り返して読みました。いわば自分に大きな影響を与えた思い入れの強いマンガの一つ。そんな位置づけの人も多いだろうに、この映画はそのような想いを、呆れるほど見事に踏みにじっています。言いたいことを上げればきりがないし感じたことは良識ある多くのレビュアーの皆様方が既に掲載しているので、自分からは次の二つ、「製作者・監督・俳優も含め映画に携わる人は観る者を侮った作品を作ってはいけない」・「そんな作品は、たとえ費用を回収したくとも配給し観覧料をとってはいけない。」ということを掲載させていただきます。 [DVD(邦画)] 2点(2010-12-12 20:50:09) |
2. 私の中のあなた
《ネタバレ》 映画の最初から中盤に至るまでは惹きつけられっぱなしでした。妹は姉の白血病の治癒ために意図的に出生されたという事実、そしてこれ以上姉の犠牲になりたくないと臓器提供の拒否を告訴する妹、円満な家族が姉の白血病の発症により、それぞれが苦しみ生活が変わっていき、それでも乗り切っていこうとする回想シーン、本当にこれらがテンポよくおさまっていてまた感動的で、後半部分では当然あるだろう法廷での審理中のやりとりやその結果に、観る者の推察と期待を集めます。そしてその後の姉がどうなるのかについても・・・。でもその後半のまさにこの映画の「核となる部分」が、言い方は悪いですが、ごまかされたような、真正面から対峙していないように思います。観る者すべてが納得のいく理由、口当たりがよい涙腺が緩む帰結、そして何よりも妹が臓器提供の拒否をした本当の理由が安易すぎるのではないでしょうか。この映画のテーマは実は非常に重く、だからこそ妥協しない行方と帰結であるべき映画だったのかも知れない。この映画の「社会派」の部分をもっと妥協しないで追求・色濃くすればと、惜しい映画だなあと思いました。キャメロン・ディアスもすごく頑張っていたのに・・・ [DVD(字幕)] 7点(2010-10-24 22:05:29) |
3. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 極限の状態時代に生きた、空想好きな少女の現実逃避をファンタジックに映像化したと解しても、すごくやるせない悲しい映画。上映の予告編では「ブラック・ファンタジー」とか銘打っていたけど「ブラック」ではなくて「ミゼリー(悲しみ)」や「トラジティー(悲劇)」であると思う。また、現実にフランコ政権の時には殺戮を繰り返していたのだから「ファンタジー」というよりも「ファクト」「ヒストリー」とするべきだろう。それほど、最後の主人公が血に染まって死んでいくシーンは、大尉は当然だろうが主人公の母にさえ憎しみを感じてしまうほど、悲しく切なすぎる。これから観る人も、単にファンタジックなものを期待しているのならその見込み違いに大いに後悔するだろうし、それほど観終わった後が重たい作品だった。未だに女性のハミングする歌声が頭から離れない。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-24 21:40:48) |
4. その日のまえに
《ネタバレ》 重松清の本はよく読みます。このお話も著者の代表作の一つ。クラムボン(永訣の朝)は本には書かれてはいなかったけど、「その日」を厳粛に受け入れるということを明確にしたかったので、「雪」「清らか」「静か」「おごそか」という、この詩の主題を映画に使ったのでしょう。映画のテーマは「その日」を受け入れる。そして受け入れた「その日のあとを生きる」という重たいものだれど、監督はこのテーマを前向きに受け止めたかったんだなあというのがよくわかる。「悲しいことも辛いこともあるけれど、残った者達は前向きに生きよう」というメッセージが作品中のトランペットの明るいファンファーレの中に込められている。このような解釈は、ストーリの重み・原題に比べて違和感を覚えますが、それでも共感を覚える方は多いのではないかと思います。また自分にとって非常に残念なのは、原作を読まずにこの映画を観るともっと感動したかも知れないという点。妻が死んでから受け取った「メッセージ」や、迎え火として花火をスクリーンに映すシーンも、原作を知らなければ感動やサプライズがたくさん待ち受けていたように思います。逆にこの作品を観て感動された方は原作も読んでいただくことをお奨めします。 [DVD(邦画)] 7点(2010-10-24 21:35:33) |
5. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 キャメロン・ディアスがでるので、少しくだけた恋愛物かな、と思っていたら、かな り真面目なお話しで、なかなか引き込まれました。ただ、タイトルは「インハーシューズ」で「彼女の立場」というか「彼女自身」という感じの意味だと思われ、要は「自分自身の行き方を見つける」ということが主題と思うのだけれど、主演が駄目な妹(キャメロン・ディアス)だったからでしょうか、いつのまにか「姉妹同士の和解」がメインになってしまったような気がする。そして最後の方で、「二人は一心同体だから。一緒にいなきゃ。」という理由で姉が折れて妹を許すわけだけれど、それってかなり安易で「いただけないなあ」と思う。そんなわけで少し残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-11-29 12:02:33) |
6. ブレードランナー/ファイナル・カット
《ネタバレ》 この映画は深夜明かりを消して「漂う」感じに身を任せながら観るのが最高です。また音を絞ってぼーっと眺めているだけでも、映画には無い良さを感じられるような気もします。それほど映像・情景が美しい。雨と霧に霞む夜の都市、空に浮かぶ船、夜間照明と光と闇のコントラストは、なんと表現したら良いかわからない程、息をのむようなすばらしさに圧倒されます。音楽も情景にマッチしていますし、ラストーシーンからテーマ音楽が流れてテロップに切り替わるその「間」が絶妙で痺れます。ストーリーやそれぞれの象徴的な場面にはいろいろな解釈があるようですが、自分はレプリカントが恐れる「死」と求める「生」、そして死んでしまった時に「空に放たれる鳩(自分は「すべてのものからの開放」を象徴したものだと捉えました。)」が大きなテーマだと思っていますし、単にSFというジャンルにはめることはできない、ハードボイルド、フィルムノワールという臭いも十分感じることができて、それだけでも素晴らしく、自分の「ツボ」にはまった映画でした。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2009-11-29 11:58:44)(良:1票) |
7. 沈まぬ太陽
《ネタバレ》 原作を読んで、是非とも映画になったら観に行きたいと思っていた。自分は筋を知っ ていたから画面が切り替わっても理解できたけれど、知らない人はどうだったのか。3時間22分という時間を使っても原作を追うことが精一杯で消化不良だったのではないだろうか。全般的に平坦な印象、物足りなさを感じてしまいました。 某航空会社を刺激しないように、また遺族の方々への配慮もあったのでしょうか、企業内の劣悪な労働条件や謀略・ねたみの部分や、御巣鷹山の惨劇の描写があっさりしているし、行天の悪徳振りもさることながら恩地の苦悩振りも中途半端な感じで、もっと、泥々とした人間模様が展開されると思っていました。そうしなければ恩地の頑固なまでに自分の意志を貫く強い意志が鮮明になりません。何が一番言いたかったのかぼやけていたような気がします。でもその部分は我慢するとしても、タイトルが「沈まぬ太陽」というのだから、最後のシーンはスクリーン一杯に、真っ赤な夕日を映して欲しかった。この映画がもし、渡辺謙が主人公ではなかったら、観た人々は満足できたでしょうか。非常に期待していただけに、残念です。自分は渡辺謙と鈴木京香の夫婦のやりとりが一番胸に響きました。 [映画館(邦画)] 7点(2009-11-01 20:04:05)(良:1票) |
8. いつか読書する日
《ネタバレ》 この映画で一番好きな所は、リアリティーに満ちあふれた映画であるという所。 主人公二人も美男美女(ごめんなさい)というわけではないし、ストーリーも、二人の 秘めた想いを中心に、取り巻く人々の重く辛い日常のエピーソードが、やさしく嫌みにならない程度に散りばめられている。カメラワークもちょっと引き気味で全般的にゆったりとした感じがして、だからこそ田中裕子が大切にしてきた想いが際立っている。また岸部一徳の独特な喋りと仕草や雰囲気も、「押さえてきたけれどこらえきれない感情」を十分に表している。そして、お互いが久し振りに再会した夜に求め合う姿は、本当に不器用で、ひた向きで悲しくて切ない。田中裕子は、岸部一徳と仁科明子の死を受け止めながら、それでも変わることない日常の中できっと今まで通りに、でももっと強い意志を秘めながら暮らしていくのだろうなあと最後に思った。非常に好きな映画だけれど、主人公二人があまりにもいじらしく切なすぎて、もう一度観るには忍びない感じがする映画でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-11-01 19:52:39)(良:2票) |
9. グラン・トリノ
《ネタバレ》 出てくる場面も一つの街の中。出演者も限られている。状況設定としてのスケールは小さく狭いのだけれど、話はぐっと深みがあります。イーストウッドは息子2名との距離が測れなかったというけれど、朝鮮戦争で悲惨な経験をしてしまった人間としては当然なことではないでしょうか。それでもそのことをずっと心にしまいながら、そんな罪深い自分だから、そして余命少ない自分だからこそ戦争で犯した贖罪を最後にあのような形で果たしたのではないかなあと思います。そのシーンを観た時はショックでしたが、あとから考えてみてやはりあのような形になるのは映画として必然かと感じました。見ていて字幕が秀逸。イーストウッドの口汚さと頑固さが少ない字幕スーパーの中でうまくで表現できていました。それと最後のグラントリノの唄は本人が歌っているのでしょうか。聴く者の心を掴みます。それにしても「アメリカ」は歴史は浅いのだけれどいろいろなことを経験していて、それらの経験を素材に人間の根源的なテーマを絡めながら世界のみんなが素直に感動し得る映画をさりげなく、また時にはダイナミックに作る人がいて奥が深い国だなあと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2009-10-11 21:36:37)(良:2票) |
10. パコと魔法の絵本
《ネタバレ》 「ファンタジーの色」といえば「赤と緑」がふさわしいと観る者に思わせ、CG・アニメと実写の融合等イマジネーション・発想の広がりが素晴らしいと感じさせる映画。テンポのよさとキャラクターの斬新さそして台詞と演技の深さに脱帽。この監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」を撮影していますが、「無限・無償の愛」がこの監督のテーマなのでしょうか?笑いの中に真剣さと光るものがあって、映画を観る者をがっしりと惹きつけるしたたかさを感じます。 [DVD(邦画)] 8点(2009-10-11 21:27:10) |
11. しあわせのかおり
このように料理を題材とした映画は、調理している時の「バックミュージック」と包丁や火、鍋をかきまぜたり食器があたる「音」が命だと思う。派手さもなく目の覚めるようなストーリー展開があるわけでもないのに、印象の残る映画です。なんというのかデコレーションに凝ったフルコースを食べ腹一杯で満足といったような感じではなく、ほどほどに頂戴して食材の鮮度や味付けの上品さに申し分ないといったそんな映画でした。非常にクオリティーの高さを感じました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-09-13 13:44:54)(良:1票) |
12. ターミネーター4
《ネタバレ》 今回は、人を殺害する使命を持ったターミネーターと人間との戦いよりも、スカイネットと抵抗軍との戦いがストーリーのメインに掲げられていて、う~んこの構図はスターウオーズやXメンと同じで、回数が重なればこのような展開も仕方がないのかなと思いつつ、どのようなターミネーターが出てくるのかと思いきや、もう自分たちはSFXを見慣れているせいでしょうか? それほど驚くこともなく、淡々と観てしまいました。マーカスの戦いっぷりもノーマルでしたし・・・ 事実T―2をロードショー初日に観に行きましたが、あのときは驚きの連続で、椅子から何度も飛び上がったり、のけぞりました。あのような感動はもう得ることはできないのでしょうか? スカイネットと抵抗軍の戦いはまだまだ続くわけですが、悪戯にストーリを引っ張って続編を何作も作ることなく、次回位でお金を集中投資し完結させた方が良いのではと思います。 [映画館(吹替)] 7点(2009-07-05 14:15:07) |
13. 茶々 天涯の貴妃
《ネタバレ》 日本の戦国映画を観たいなと思ってレンタルしましたが、これは全く駄目です。主人公は悲劇の主人公としての品位も艶やかさもなく、その取り巻きの役者も凄い方々が出ているのに、セリフが妙に浮いている。また、ナレーションも富田靖子と時代劇とはミスマッチですし・・・。秀吉と茶々が第一子を亡くしたシーンの台詞のやりとりもピントがずれていて、思わず止めてしまいました。気持ちを取り直して最後まで観ましたが、やめればよかったと思えるほどの出来映え。これは自分だけなのでしょうか? 自分はレンタルですませたので、ここまで言う資格はないかも知れないけれど、これで新春ロードショーとはいただけない。お金を払った方がお気の毒、といえるような映画でした。 [DVD(邦画)] 2点(2009-07-05 14:06:56) |
14. ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発
《ネタバレ》 子どもの頃、怪獣が大好きでギララの映画も観たし、この怪獣のプラモデルが欲しくてマンガ雑誌の広告を何度も眺めていたことを覚えています。そんな訳でビデオレンタルショップでこの映画を見つけたとき迷わずゲットしました。 環境破壊の象徴がギララで、それをG8諸国が倒す手段を講じる中で、各国の首脳のキャラクター・お国柄さらには日本の先進諸国における立場等々パロッていて面白いのだけれど、それはあくまで日本という身内の感性で観た場合に言えること。 この映画は外国映画祭でも上映されたそうですが、「日本とはこういう感じでございます的に露悪した、卑下した感じ」がして上演して本当に好評だったのか、他の国の人が観て不愉快に思わなかったのか気になってしまう。 ギララを倒す神様も、あのキャラクターを使う必然性がまったく感じられず、パロディーだからそう難しく考えなくてもいじゃないという一言ではちょっとすまされないのではないかと思う。加藤あいが「ネチコマ、ネチコマ・・・・」と踊る姿もあわれでした。なんというか松竹映画唯一の怪獣キャラクターだから、同じパロディーでも政治を題材とするのではなく、SF系のストーリーで登場してほしかったというのが正直なところです。伊福部昭調の音楽を聴かせてくれたのはよかったけれど・・・ [DVD(邦画)] 5点(2009-05-06 09:00:48) |
15. 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
《ネタバレ》 1960年、70年代の日本の高度成長期が生んだ狂気の徒花として、確かに連合赤軍はあった。それは、若松監督が擁護し正当化するように、若者達が暴走した、まさに青春の歪んだ部分の象徴として存在していたと思う。しかしこの映画を観ると、監督の思いとは裏腹に、革命・平等な世界を作るという高邁な思想はどこかに置き去りのままで、薄暗く息のつまるアジトという密室で特異な世界の中で、凄惨なリンチ・処刑が繰り返されていた場面が詳細に映されていて、憤りとやるせなさでたまらなくなる。自己批判・総括とはいったいなんだろう。連合赤軍のリーダー2名は自己批判・総括という名の下にリンチを繰り返す。その理由も幹部批判を行ったり、自分だけ銭湯に入ったり、顔立ちが単に綺麗であるのが気に入らないといった、本当に人間の嫌らしいねたみ・エゴといった理由によるもので、高邁な思想とはほど遠く、怒りすら覚える。総括を指示するリーダー2名こそ、自ら自己批判・総括を行うべきだろう。しかも2名はそれぞれいた恋人を捨てて愛し合うことになる。女性リーダーは「あなたのことは好きだけど、革命を求める2人はこうなって当然だと思う」ということを元恋人に告げる身勝手さ。もうまるで近くの国のことみたいだし、少し前に解体した新興宗教集団のようでもある。話が拡散したけれど、人間は、人間らしいが上に、革命思想とか理屈とかに縛り続けることはとうてい無理で、そんなこと解っているはずなのに、いろいろなことを革命と結びつけて理屈付けしようとするから歪んでしまうし、だからテロ活動も引き返すこともできなかったのだと思う。浅間山荘事件のクライマックスの中で高校生が「勇気がなかったんだ」とメンバーに向かって叫んだけれど、連合赤軍の行動がオーバーヒートしていったのは正にこの一言に尽きると思う。実際に山荘の中でそういったかは不明だけど、そのように連合赤軍のことを捕らえている若松監督の感性に共感を覚えます。それにしても、たった30名程度で、拳銃や猟銃だけで世の中がひっくり変えるわけがないのに、軍事演習といって実施している内容もままごとのようで、それでも真剣に行っている様は、彼らの行く末を知っている自分たちビューワーにとっては本当に空しく・淋しいし、とりわけ総括の下に拷問死してしまった坂上真紀は本当に哀れで可哀想でした。 [DVD(邦画)] 8点(2009-03-21 23:44:48) |
16. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 映画館で観なくて良かった。「印象に残る映画」であることは間違いないのですが、ブレアフィッチ・プロジェクトと手法もコンセプトもそっくり。カメラのブレと、全貌がはっきりしないモンスター(多分蛸の怪獣?)、アメリカ軍との戦いがどうなったかわからない結末。この映画の狙いはよくわかりますが、少しはエンターテインメント部分も期待していたので、すべての面で「もうちょっと観せてよ」とフラストレーションが溜まる映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-14 11:42:44) |
17. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 最初の、ニッキー・ブロンスキーの歌う勢いと歌詞にすごく違和感を感じて「何が始まるんだ?」と思ったけど、楽しい映画です。なんたってジョン・トラボルタは勿論ミシェル・ファイファーやクリストファー・ウォーケンまでもが踊って笑わせてくれるのですから。ここまでやるのか魅せてくれるのかという感じです。話は「差別の解消」を軸に進んでいくけれども、その描写度合いというか、ストーリーでの捉え方の真摯度とかいった観点からこの映画を評するのは酷というもの。自分は「みんな一緒に」とか「人生は明るく前向きだよね」というように、テーマの重要性を軽く置き換えて、その程度の気持ちでこの映画を観ていたので、非常に楽しかった。ただ、設定が60年代だからトラボルタの「サタデ-・ナイト・フィーバー」張りのディスコ・ステップを観ることができなかったのは残念。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-11 20:48:12) |
18. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 昭和30年代は、まだ人が優しく、世相も良き時代であったという前提がこの映画にはあるだけれど、本当にそうなのでしょうか。確かに今は当時と比べて交通網や電化製品等発達して、気ぜわしい毎日を送っているけれど、コミュニケーションも携帯・メールが主流になったけれど、人の優しくありたいと願う気持ちは昔と変わらないと思います。確かに薬師丸ひろ子が最後の方で「まつりのあとみたいね・・・」というように、いろいろなエピーソードが寄り集まっていて、中には特に必要ないのでは?と思うような多少せわしい感じもあったけれど、それでもやはり人はこのような「心が緩む話」は好きだし、自分も「心」と「涙腺」のリハビリをしてもらいました。今も昔も生活していけばいろいろな苦労はあるけれど、それでも想う人たち、大切な人たちと僅か時間でも綺麗な夕日を眺めることができれば、そしてこの時間がもっと長く続けばいいと感じる中で幸せを感じ取ること。それが一番の人生の幸せではないかと、この映画を観て感じました。 [地上波(邦画)] 8点(2008-11-24 21:43:26)(良:3票) |
19. ファンタスティック・フォー:銀河の危機
《ネタバレ》 初回に続き、何となく本編も観たのだけれど、別にMrファンタスティックとインビジブルウーマン2人の結婚がどうなろうがよかったし、4人のチームワークが危ぶまれるなんてことも特に気を引かれるようなこともないし、つまり、魅力ある4人というかメンバーではなかったので、そんな所、引きずって観せられても「何か勘違いしていないか」と言いたくなるし、退屈なだけ。ジェシカ・アルバのキュートさも初回と同じで芸も無し、また初回の悪者役が出てきたときに先の見えるシナリオといい、どこが「銀河の危機なんだ?」と思いながら、それでも観てましたが、最後の結婚式のシーンはいただけません。まだ日本という国はこのように思われているのでしょうか?それとも遊び心で「こんなもんか」と思って撮ったのでしょうか。日本庭園・野点傘といい、着物を着て笑っている参列者はこの二人とどんな関係なのか・・・などと情けなく、我慢できませんでした。この映画はよほどの「F4フリーク」か「ジェシカ・アルバファン」でなければ耐えられないのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 4点(2008-11-24 21:38:02) |
20. ピエロの赤い鼻
《ネタバレ》 この映画の主題は、ピエロが持っている「道化のおかしさ・切なさ」と「自己犠牲の尊さ」だと思う。主人公とその友人は好きな女性によい格好を見せようと、ラジオからの戦争高揚のアジテーションに載せられて、遊び気分で爆弾を使って、鉄道施設を爆破してしまう。おそらく二人は成功するとは思っていなかったはず。サーカスの余興でピエロがするように、ほんの悪戯に過ぎなかったはずなのに・・・。そして、その二人をかばった見張り役のドイツ兵が、そして当日鉄道施設で宿直していた者が、本当にあっけなくゴミ箱に紙くずを投げ捨てるように、射殺されてしまう。でも、その行為は決して無駄ではなく、主人公と女性の結婚、子どもの成長をはじめ様々な平和な明日に繋がっていく、大切なものであったことがわかります。少し切なさを伴って・・・。そう思うとピエロの化粧も、赤い鼻も、スポットライトにあたる姿も切なく見えてしまうから不思議です。また「ピエロとアコーディオンとシャンソンは相性が抜群」そんなことをエンドロールをぼ~っと眺めながら感じてました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-26 22:21:25) |