1. ラーゲリより愛を込めて
《ネタバレ》 冒頭で家族がソ連の攻撃から逃げているときに、やけにあっさり主人公を置いて去っていったことに違和感。 もっと妻の心に響くような説得シーンでもないと、あの程度では簡単に見限ったようにも感じられるし、ただ家族が離れ離れになる状況を作りたいがための都合も透けて見えてしまう。 戦争映画によくあるお涙頂戴の既視感のあるストーリーに感動もできず、終盤を迎えてこのまま平凡に終わるかと思ったが、遺書を手分けして覚えて遺族に届けるという件からグッと話に引き込まれた。 ベタ中のベタな演出が臭すぎて醒めてしまうところもあるのだが、これを真っすぐに衒いもなく描いたことと、ノンフィクションが原作の実話ベースということで訴えかけるパワーはあった。 ただ、演出としてはもう少しあざとさを抑えて説得力のある構成にしたほうが、最後にもっと感動はできたと思う。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-07-01 20:13:24) |
2. 空白
《ネタバレ》 万引き疑いの女子中学生を追いかけたコンビニ店長に非はない。 娘を失ったオヤジに怒りと悲しみの捌け口として執拗にターゲットにさせるのには同情してしまう。 オヤジを演じる古田新太の存在感がすごい。 果たして少女は万引きをしたのか、それとも店長のセクハラだったのか、真相がなかなかわからないまま進んでいくのでストーリーの中に引っ張られる。 娘のカバンから万引きしたと思われる大量のマニキュアを見つけ、それを黙って処分するオヤジに嫌悪感が掻き立てられる。 娘への愛といっても自分勝手極まりなく、無実の被害を受けた店長に何の謝罪もなく隠蔽しただけ。 オヤジの心がほぐれたことは良かったのだろうが、それはおまえだけの独りよがりなもので、とても心温かい目でなんか見れない。 むしろ救済なんかされずに十字架を背負い続けてほしいとさえ思った。 何よりまず店長に一言謝るのが先だろうとムカついてしょうがなかったが、それは作り手としては成功しているということか。 コンビニのパート中年女性(寺島しのぶ)の空回り感も、見ているこちらが恥ずかしくなってくるほど。 人間描写がとてもリアルで細かい。だからそれぞれのキャラクターが生々しく伝わってくる。 被害者でもあり加害者でもある。ちょっとしたボタンの掛け違いで、もどかしくも悲しい結果になっていく。 吉田恵輔監督は、『別離』のファルハーディー監督を彷彿させた。要注目。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-30 06:19:01) |
3. トップガン マーヴェリック
《ネタバレ》 大ヒットした「トップガン」はストーリーがアイドル映画のようなよくあるパターンで、インパクトは感じなかった。 今、見返してみるとかなり昔の青春映画の野暮ったさを感じたりもするが、これは映像も進化したスタイリッシュな印象を受ける。 ただ、ストーリーはお約束的なことから外れないので、途中で読めてしまう。 終盤、敵に撃墜されそうになったクライマックスシーンでも、ここで攻撃隊から外されていたハングマンが助けに来るんだろうなと思ってたら、案の定でハラハラもしない。 あまりのお約束通りだったので、感動シーンのはずがちょっと笑ってしまった。 トム・クルーズは前作から36年経ているので、一般人と比べれば遥に若く見えるとはいえ、当時からの加齢は隠せない。 ヒロイン役のジェニファー・コネリーも、『レオン』の子役のイメージがあるので、感慨深いものがある。 そのノスタルジーの部分で、前作より少し加点。 映像の迫力が一番の売りだろうから、映画館で観ないと面白さは半減しそう。 [インターネット(吹替)] 6点(2024-06-29 08:24:22) |
4. イコライザー THE FINAL
《ネタバレ》 このシリーズの1本目が良かったのでこれも期待。 シンプルな勧善懲悪物だが、超人的な殺傷能力で悪党どもを殲滅する様は痛快。 ジェイソン・ボーンとはまた違ったキャラクターだが、圧倒的な強さは同様。 悪党のクズっぷりが際立つほどに、殺らせたときのカタルシスがある。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-28 07:07:38) |
5. ノイズ(2022)
達者な豪華俳優陣の無駄遣い。 ストーリーにまったく乗っていけない。 [インターネット(邦画)] 3点(2024-06-27 15:41:33) |
6. 死刑にいたる病
好感、共感を持てる人物が一人もいないのがつらい。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-27 11:23:41) |
7. 護られなかった者たちへ
意外性ばかり重視しているため、キャラがブレているし、ご都合主義なところも気になる。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-27 11:19:52) |
8. 母性
湊かなえ原作なら期待できるかと思ったが、登場人物に共感できず。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-27 11:18:21) |
9. 雨を告げる漂流団地
団地が自分の原風景にあるので期待して見たのだが、ノスタルジーを覚えることもなく期待外れに終わった。 [インターネット(邦画)] 3点(2024-06-27 11:16:58) |
10. MOTHER マザー(2020)
この胸糞悪い毒親の物語が実話というのが衝撃的。 長澤まさみもこういう役を違和感なく演じるようになったか。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-06-27 11:15:59) |
11. 罪の声
《ネタバレ》 あのグリコ森永事件で子供の声が犯人によって使われたことは知っていたが、その子の人生を想像してストーリーを膨らませた作品。 犯人の想像はいろんな人によって巡らされてきたが、その子の人生を考えたことはなかった。 確かにあの事件の影がその子の人生に今も重くのしかかっているかもしれない。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-06-27 11:12:05) |
12. ラストレター(2020)
人間関係がこねくりすぎてややこしく感じられるし、登場人物がなぜそうするのかと理解に苦しむところもあって共感できず。 数奇な運命ということだが、都合よく作りこみすぎている感がある。 [DVD(邦画)] 4点(2024-06-26 11:00:12) |
13. すばらしき世界
《ネタバレ》 主演の役所広司の存在感がさすが。 西川美和監督らしいリアリティーのある描写。 ただ、ドラマティックな展開もなく、終わり方が突然で消化不良。 西川作品なら「ゆれる」「ディア・ドクター」等のほうがずっと面白かった。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-06-25 17:50:03) |
14. Dr.コトー診療所
《ネタバレ》 このシリーズの大ファンだが、あまりにも都合がよすぎる結末にガッカリ。 これでもかと危機的状況を積み重ねたのはいいが、あの状況で全員助かるというハッピーエンドは、リアリティがなさすぎて醒めてしまう。 これでは感動できない。 コトーの生死を曖昧にして観る人の想像に委ね、ラストが実は幻でこうあってほしいという世界線を描いたものだとしても失敗している。 そもそも想像に委ねるラストは中途半端で、あなたの都合の良いように解釈してくださいというような、ある意味制作サイドの都合の良い無責任にも感じてスッキリしない。 こんな風なストーリーならみんな感動できるんでしょ?と舐められてる気すらする。 八方美人的な演出で、『北の国から』と同じで年を経た登場人物に感慨深いものを覚える大好きなドラマだっただけに残念というしかない。 アマゾンプライムで視聴したが、当初は映画館でじっくり観ようと思っていたのに行きそこなったのだが、行かなくて本当に良かった。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-06-24 15:11:05) |
15. 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編
《ネタバレ》 「千と千尋の神隠し」の興業収入100億突破の最速記録を大幅に塗り替えたと大評判、あちこちで話題にも上って席巻中。 映画はアニメの続きの話だと知って、まずはアニメを全巻視聴してから映画を見た。 確かに面白い。でも、あまりにも評判が高くてハードルが上がりすぎた。 涙が止まらないという感想を幾つも目や耳にしていたので映画館まで足を運んだが、少しウルッとする場面はあったものの泣くまでには至らず。 泣ける映画なら他にもっと泣けたものが幾らでもあったので、やや拍子抜けの感があり、何の期待もせずに見たほうがよかったかも。 映画を見た後に、今度はコミックを読み始めたが、この作品は漫画で読むよりアニメや映画の映像のほうが活きる。 ただ、映画の続きの漫画のストーリーの中に、涙腺をしっかり刺激される家族愛エピソードがあった。 [映画館(邦画)] 7点(2020-11-01 22:48:30) |