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《ネタバレ》 最初から最期まで気の抜けないストーリーは素晴らしい。2時間ずっと釘付けになる。
圧巻はやはり、原子炉に防護服無しで修理に行くシーンで、見てるだけで背すぎが凍る。下手なホラーより恐ろしい。 艦長と副艦長との衝突も見せ所なのだが、副艦長は艦長に途中で反旗を翻す展開になると思わせておいて、全く逆の行動に出るあたり、意表をついてきて面白い。 しかし、お話には致命的な問題がある。 艦長の判断に、他の乗組員がその度に反発するのだが、最終的には副艦長含め乗組員が艦長を信頼し従うというのが、話のキモになっている。しかし、残念ながら、それが全くうまく成立していない。 というのも、艦長がみんなから信頼を得られるような人格者であったり、艦長として正しい判断をしているとは、とても思えないからだ。 飲んだくれた原子炉担当を更迭したとかが正しかったかどうかは何とも言えないが、あの圧潰深度限界までの潜航や、海氷の厚さも不明なままの急浮上することに意味があるとは全く思えない。実際、急浮上によってアンテナが壊れてしまい、その後救助を呼ぶことも上層部の支持を仰ぐこともできず追い詰められていくことになってしまう。 常に部下の意見に全く耳を貸さず独断専行なのもどうかと思う。そして何よりも、原子炉事故発生以降、明らかに人命を軽視し、軍の威信や利益を守ることを優先した行動を取りまくってるのがひどすぎる。軍人としては正しいのかもしれないが、観ている方としては腹立たしい。 彼は命がけで原子炉内部に乗り込んで修理してくれた若者を、やれ英雄だ何だとのたまうが、いやいや、アンタ、副艦長が提案したように船を放棄して他国に援助を求めていれば彼らは死なずに済んだだろ?とどうしても思ってしまう。 艦長が無能だったり人命より職務を優先する判断をすることそれ自体見ていて気持ちのいいものではないが、それよりも問題は、そんな彼をどうして、乗組員たちが皆一様に支持し、ついていこうとするのか?そこが全然釈然としない。乗組員たちは「いつ」そして艦長の「どの行動」によって、今まで反目していたのに急に艦長を支持するように変わったの?全然分からない。 乗組員や副館長が最終的に彼についていきます!というのや、軍事裁判で彼をかばうところが、この映画の見せ場なんだろうが、とにかく上記の点が釈然としないから、全く感動なんてありゃしない。 どうしてこんな作りにしたのか、不思議で仕方がない。 【椎名みかん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-15 23:26:47)
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