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過去とは記憶であり、時間論的に鑑賞すると結構面白い部分もあるのだが、古い映画だからなのが設定が少々いい加減というかご都合主義なので、安っぽいラブストーリーになってしまって勿体ないような。記憶喪失男の「過去に縛られるな」という台詞は中々興味深くて、「そりゃあオマエには縛るもの(過去・記憶)がないんだからさあ」とツッコミたくなるが。
それにしても、こういう戦前の映画を見てしまうと、日本はこういう国と戦争していたんだなあと余計な事を常に考えながら見てしまい、作品に入り込めないというマイナス効果があるのが難点。敵国は第ニ次世界大戦中に第一次世界大戦をネタに富豪とダンサー&秘書の恋愛映画作っちゃって、他方日本は「せいたくは敵」「欲しがりません勝つまでは」ってやってるんだから。たしか、日本人捕虜は『風と共に去りぬ』を収容所で見せられて、こんな国と戦争しても勝てるわけないと精神的に凹ませるように仕向けられたとか。そういう効果は十分にあるよなあ。現代にこの映画を違和感なく見られるのも我々が西洋的な価値観にどっぷり浸かっているからであり、その最たるツールが映画なんだよなと考え込んでしまうが。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-06 12:05:49)
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