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《ネタバレ》 最初から負け戦でした。それでもキャメロンママは戦いをやめない。それに対して父親は静かに娘を見守っている。非常に対照的な両親でしたが、娘に対する愛情はお互い不変でした。父の言い分が正しいのか、母の考えは間違っているのか、裁判は娘が勝つのか、母が負けるのか、誰が悪いのか、そんな単純なことを考える余地がないほどに、奥深い作品に仕上がっている。娘がお母さんにむかって、「もういいかげんに私を死なせてほしい!」と心の底で叫んでいることが1つのポイントになっている。それに気がつかないキャメロンママは、娘の気持ちに鈍感な愚かな母親なのかもしれない。こんなに痛々しい母親、見た事がない。娘を愛し、家族を愛しているのに、かえって娘を残酷な目にあわせ、家族をバラバラにして、それでも戦わずにはいられない─。そんな罪深い母親を、最後に娘は「愛している」といって抱きしめる─。不覚にも涙でスクリーンが見えなくなった。私はこんな母親、大好きだ。「希望を持つ」ということは、じつは失望と紙一重なんです。希望を持たなければ失望などしなくてもすむからです。キャメロンママの行動は、多くの愛する人を傷つけた─。しかし誰よりも苦しんでいたのは彼女でした。なぜなら彼女1人だけが希望を持ち続けていた、だから数え切れない失望を味わってきた。それに対して「あきらめる」ってすごく心がラクになるんです。娘の死を「受け入れる」ことと、「あきらめる」ことの違いについて分かりますか?私にはまだ分かりません。おそらくキャメロンママも分からなかったに違いない。しかし1つ分かったことがある。家族とは喜びよりもむしろ悲しみを共有しあって生きていくことなんだと。介助犬と勝率91パーセントの弁護士にも拍手。この映画は100パーセントでした。
【花守湖】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-10-17 01:37:32)(良:6票)
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