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《ネタバレ》 マイケル・オアーのあの体格、あのパワー。大関把瑠都を彷彿とさせる怪力を発揮して笑わせてくれる。こういう映画をみていると、バスケで刺青をした黒人選手も一歩間違えればギャングなんだろうと、考えさせられる。それがほんの紙一重で超一流選手として成功している。それにしても、何を好き好んで、どこの馬の骨かも分からない大男を自宅に居候させるのだろうか。しかも相手は黒人。偏見だろうが差別だろうがやはり黒人は怖い。身の危険を感じる。しかしだからこそ、主人公は立派です。偽善だろうが、金持ちの道楽だろうが、自己満足だろうが、ゴジラのような巨人を引き取ろうとしたのだから。そもそも偽善者と言われるのが怖くて他人の目を気にして行動できない人間よりよっぽどマシだ。貧乏人こそボランティアをよく馬鹿にするけど、それは自意識過剰だ。救われる人間は、「おれをこじき扱いして失礼なヤツだ」と怒る人はあまりいない。ほとんどの人は救われたら感謝するはず。しかし主人公は人を救ったことによって世間の好奇の目に悩んでいた。他人からみれば、金持ちの道楽。偉そうなことをしやがって、と影で思われているはず。この映画じたいをそう思っている人も必ずいる。本人も自分は偽善者なのではないかと悩む。そんなとき、彼女は夫に「私は本当にいい人?」と聞く。夫は「おれにとって君は世界一の善人だ」と言った。分かりますか?善人という概念は相対的なものに過ぎないのです。愛する家族から「いい人」だと思われていれば、それが相対的な真実になります。金持ち=性格が悪い。それは金持ちを悪者にすると共感されやすいからそうしているだけ。この作品は黒人に対する偏見よりもむしろ金持ちに対する偏見が描かれているのではないかとさえ思いました。勇気を持って行動した女性に拍手。そしてサンドラブロック、相変わらずバカ男をやりこめるのがうまい。彼女は偉大な女性です。
【花守湖】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-26 19:09:54)(良:1票)
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