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《ネタバレ》 「シンドラーのリスト」とついつい比べてしまいます。ピアニストがシンドラーと違って透明なのは、物語として捉えると問題だけど、その時代を見るフィルターとするなら充分だと思う。印象的だったのは、理不尽に行われる虐殺や殺人をすごく遠巻きのカメラでとらえていたこと。「シンドラーのリスト」では、将校に気まぐれに撃ち殺された人がくたっと倒れる様がすごくリアルで恐ろしかった。ですがこの映画の視線だとはっきり分からない様な死に方。主人公がそのことに後半はもはや全然動揺していないところ。それは「殺人が行われた」ということが、その時いかに日常茶飯事で麻痺していたか、と凄く怖かった。ただ残念だったのは、将校の登場が遅すぎて彼とのエピソードの印象が希薄になってしまったこと。もうちょっと丁寧に描かれていたら最後もっと感慨深かったと思う。私はピアニストのお父さんが一番悲しかった。腕章を付けろと言われれば受け入れ、文句を言わず従い、酷い作業所に入れられたら「一緒に居られる」と笑う。善良で根気良く生きようとしてたお父さん・・・!! 全てをとりあげられ列車に押し込まれたときの悲しげな目が忘れられない。
【kiryu】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-09 00:01:26)
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