2012(2009) の 小鮒 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ニ行
 > 2012(2009)
 > 小鮒さんのレビュー
2012(2009) の 小鮒 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 2012(2009)
製作国,カナダ
上映時間158分
劇場公開日 2009-11-21
ジャンルサスペンス,SF,パニックもの
レビュー情報
《ネタバレ》 含蓄ある映画だった。太陽フレアにまつわるパニック映画としての体裁をとっているが、リーマンショック後の世界同時不況とその後の壊滅的な世界経済をもじったものだろう。2012年にドル暴落により米国経済が壊滅的打撃をうけるのでは?との予測がある。アラブの王族にチケット購入を勧める場面での「ドルではなくユーロだ」との台詞はまさに基軸通貨としてのドル終焉の意味が込められているし、方舟建造場面での「さすが中国人」という台詞は今後の世界経済の命運が中国の成長にかかっている現実を表している。太陽フレアによるパニックはそれはそれとして、「現実にすでに世界に起きた未曾有の大災害」米国の一部資本家による強欲がそれを引き起こしたとされているが、「大災害はすでに起きてるんだよ」というメッセージにとれた。ロシアの金持ちももちろん今回の経済危機に深く関与しているため、準主役級で登場させたと思われるが、その金満ぶりを否定的に描いている。美容形成外科医も制作者からすると「金をふんだくる悪人」なのかな。金、金、金の世の中を否定する主題が強く込められていた。オバマが経済立て直しを民衆に訴える演説イメージが重なる。映画自体の造りも映像のダイナミックさは映画としての楽しみを十分満たしてくれるものであったし、「信じられないような奇跡の連続」にしても、だいたいが80億人の人間が死に、わずかな人間が生き延びるわけで、「それくらいの奇跡の連続を体現」できた人でなければ生きのびられないわけで、当然の描写である。世界同時不況で現実にどれくらいの人間が不幸に陥れられ、命を絶たれたか、そう考えずにはいられない映画だった。
小鮒さん [映画館(字幕)] 10点(2009-12-14 12:47:54)(良:2票)
小鮒 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-09-14こんにちは、母さん6レビュー6.87点
2022-07-15哭悲/THE SADNESS4レビュー3.44点
2022-05-19シン・ウルトラマン10レビュー6.29点
2022-02-28裏切りのサーカス9レビュー6.21点
2021-12-17ハミングバード8レビュー5.64点
2021-11-15スペース・カウボーイ8レビュー6.16点
2021-10-06007/ノー・タイム・トゥ・ダイ3レビュー6.75点
2019-09-29ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド7レビュー6.88点
2019-09-29記憶にございません!4レビュー5.51点
2019-07-22天気の子6レビュー6.47点
2012(2009)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS