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《ネタバレ》 以前よりカルト映画として名高かったのでいつかは観たいと思っていた映画です。少年と老女の恋愛というとても難しいテーマだったので、観る前には多少の不安がありましたがそんなことは杞憂でした。ハロルドとモードの関係はとても自然なものでした。モードとハロルドの二人に共通しているものは紛れもなく「死」であって、自殺願望の少年が明るく天真爛漫なモードに癒されていくように思えて、実は彼は心の底で死を願っているモードに惹かれていたのかもしれない。映画の終わり近く、モードの左腕におそらくアウシュヴィッツでいれられたと思われる入れ墨がうつる。彼女にはもう家族おらず、戦争でなにもかも失って孤独であったに違いなく、80歳になったら死ぬことはずっと前から決心していたように思われる。しかしハロルドと知り合い、何か月かをハロルドと一緒に過ごしたことはモードにとって素晴らしい贈り物であったにちがいない。癒されていたのはむしろ彼女の方だったようにわたしには思える。しかしそのハロルドの恋心によってさえも、やはりモードを引きとめることはできなかった。今こうして書いていても感情が高ぶってしまう。忘れられない映画だと思う。
【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-07-22 16:17:47)
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