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《ネタバレ》 こういう実話はレビューが難しいですね。もちろん役者陣は皆素晴らしい演技をみせてくれますし、観ていてつまらないとか退屈とは無縁の映画でもあります。でも「ドラマである映画としてより、ドキュメンタリーとして撮ったほうがよかったのでは」という意見にもうなずける部分もある。結局、映画化によりこの超人的な実話をドラマとして見せる必要があったのだろうか、という疑問が残ってしまうのです。
もちろんこの話をドラマすることによって得られるメリットっていうのは、両親の苦悩をより具体的に描けることということなのでしょう。が、それではこの医療の素人による新療法の開発という限りなく奇跡に近い偉業が、脚色という色付けによりウソ臭い代物となってしまう危険も伴う。もちろんこの映画は、そういう「苦悩のドラマ」とそれでも冷静さを失わなかったからこそ得られた「現実の成果」の二兎を追って、それなりの成功を収めた作品だとは思います。でも、その二兎はただ単に捕らえることができた二兎にしかすぎず、互いに相乗効果をあげるような関係にはいたっていないと思うのですよね。(そしてドラマ化という作業の使命はこの相乗効果を生み出すもの以外にはないはず・・・)だからこそこの実話を「苦悩のドラマ」部分を切り離した、徹底的に冷徹なる目を通してのドキュメンタリーとして見てみたかったという欲が湧いてくるのを押さえることができないでいる。そしてそんな観客は、決して私一人ではないと思うのですが・・・。 ごめんなさい。子供の難病における奇跡の物語なんてお涙頂戴で終わって当然のストーリーになっても不思議はないのに、思いがけず良質の映画だったためか、かえってハードルを高く上げてしまったゆえなのでしょう。ただの無いものねだりと言われても、言い返す言葉は確かにありませんね。 【ぞふぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-24 17:27:59)
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