沈まぬ太陽 の 称えよ鉄兜 さんのクチコミ・感想

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沈まぬ太陽 の 称えよ鉄兜 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 沈まぬ太陽
製作国
上映時間202分
劇場公開日 2009-10-24
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
途中休憩が入る3時間を越える作品だが、よくまとめたと思う。 確かに登場人物は多いし映画で描いている時間軸が長いし、各個人の内面に迫るようなシーンはあまりなかったがそういう説明的な演出がなくても十分に想像で補える。 原作を読んでいなければ先入観無しに勝手に登場人物を解釈できる。 あるいは読んだ上で予備知識を持って観るのもまた良しだと思う。
鑑賞後やり切れぬ思いだけが残る。 日本航空の体質、それに関わる政治家官僚の醜悪さ。 これが日本の本質なのかと思うとどうにも。。
もちろん映画では国民航空という会社名だしエンドクレジットで劇中の会社人物は実在のそれとなんら関わりがないと免責説明をしている。 だがこれが日本航空とそれを取り巻く人間の話であることは明白だし、フィクションではあっても事実を元にしていることも周知のこと。
関西に230人もの未亡人を一気に生んだ。 この台詞はあの墜落事故の大きさ辛さをあらためて再確認させるに足るものだった。
だが有名な「遺書」を映画の中で扱ったシーンはあまりにもお涙頂戴的な安易な演出でまったくいただけない。 最初のシーンは良い、激しく揺れる(ダッチロールという言葉、当時ほとんどの人はこのとき始めて聞いたろう)機内で遺書を書く。 それだけに留めて置けばよかったのだが棺の前でその遺書を息子に読ませるという余計な演出を加えてしまった。 あまりにもわざとらしくて少々しらけた。 そんなことしなくてもあの遺書のことはみんな知っているわけだし十分心に響いているというのに。
それにしてもあれほど会社から、いや出世して会社を牛耳って甘い汁を吸おうとしている連中に虐げられてもなお会社を辞めない主人公というのは私には理解を超えている。 あまりに清廉潔白で人間としてありえないんじゃないか。
とてもよく出来た作品だと思うのだが、CGの質の悪さが作品を貶めているかのようだ。 なんなのあの安っぽい不自然な飛行機のシーンは? 素人が自宅のパソコンででっち上げたかのようだ。 役者の出演料で予算を使い切ってしまったのだろうか。 海外に外注すれば良いのに。 飛行場からの単純な離陸シーンですら不自然極まりない。 せっかくのすばらしい演技が台無しだ。
称えよ鉄兜さん [映画館(邦画)] 8点(2009-12-19 04:53:51)
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投稿日付邦題コメント平均点
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